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メガネを購入したい時、何をポイントに選べばいいか分からない方も多いのではないでしょうか。メガネはパーツごとに役割があり、自分に合ったメガネを選ぶためには、試着しながら各パーツが顔や目に合っているか確認すると良いでしょう。
この記事ではメガネパーツの各名称と役割、メガネを選ぶ時にチェックしておきたいポイントを解説しています。メガネ選びで失敗したくない方、自分に似合うメガネの選び方を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
メガネパーツの各名称

メガネは細かいパーツを精密に組み合わせて作られています。
- テンプル
- リム
- 鼻パッド
- 先セル
- ブリッジ
- 智(ヨロイ)
- 丁番(ヒンジ)
各パーツの名前と場所、役割をそれぞれ解説します。メガネの構造を理解して、自分に合ったメガネ選びに役立てましょう。
①テンプル

テンプル(temple)は英語で「こめかみ」という意味の言葉です。耳にかかる部分で、リムやブリッジよりも柔軟性を持ち、メガネ全体を支えます。
テンプルの幅や長さが顔に合っていない場合、かけ心地が悪く、顔を痛める原因になります。メガネを試着する際は、テンプルが自分の顔に合っていることをチェックしましょう。
②リム

リムは、レンズを固定している部分です。金属やプラスチックなど様々な素材があり、顔の印象を大きく左右します。
メガネのフレームは、リムの形状によって以下の4種類に分けられます。
フルリム : リムがレンズ全体を囲む
ハーフリム : リムがレンズの上半分を囲む
アンダーリム : リムがレンズの下半分を囲む
リムレス : リムがなく、メガネが目立ちにくい
③鼻パッド

鼻パッドはメガネをかけた時、鼻を両脇から挟んでメガネを支えるパーツです。クリングスタイプ、フレーム一体型の2種類に分けられます。
クリングスタイプ : 鼻パッドが独立しているタイプで透明のプラスチック製のものが多いです。パーツの交換も可能。
フレーム一体型 : フレームと鼻パッドが一体になっているタイプでセルフレームに多く見られます。フレームと一体になっているためパーツの交換はできません。
④先セル(モダン)

先セル(モダン)とはテンプルの先にあり、メガネ先端のカーブしている部分のことです。耳にかかるため、かけ心地を左右するパーツで、主にプラスチック素材が使われています。
メガネを試着する際は、先セルと耳がフィットしていることを確認しましょう。先セルと耳の形が合っていないと、耳やこめかみを痛めてしまう原因になります。
⑤ブリッジ

左右のレンズをつなぐ部分で、橋のように見えることから「ブリッジ」と呼ばれています。ブリッジは幅や素材によって、見た目の印象が大きく変わるパーツです。
瞳孔間距離(黒目の中心間の距離)が広い人はブリッジ幅が広いメガネを、瞳孔間距離が狭い人はブリッジ幅が狭いメガネを選ぶと自然に見えます。また、ブリッジが2本あるメガネ(ツーブリッジデザイン)もあります。
⑥智(ヨロイ)

メガネの前枠をフロントといい、フロントとテンプルをつなげる部分が智(ち)です。フロントがメタルフレームのメガネでは、ヨロイとも呼ばれます。テンプルの開き具合に関わり、開閉のたびに負担がかかりやすいパーツです。
フロントの輪郭部分にあり目立ちやすいため、デコレーションしておしゃれに見せているメガネもあります。
⑦丁番(ヒンジ)

丁番(ちょうばん)はヒンジともいわれ、智(ヨロイ)とテンプルの間にあり、テンプルの開閉に関わり、使い心地に大きく影響する部分です。
フレームの裏側にあるため目立ちませんが、メガネの機能性を司り、折り畳みやフィット感に重要な役割を果たしています。
丁番は仕組みによってバネ丁番、板バネ、スパルタ丁番などの分類があります。
自分に似合うメガネを
選ぶためのポイント
自分に似合うメガネを選ぶためのポイントを5点解説します。
- 顔型に合ったリムを選ぶ
- 顔幅に合ったフレームを選ぶ
- 黒目の位置とブリッジ幅を合わせる
- フレームの色、素材でなりたい印象を演出する
- リムのタイプをチェックする
顔型に合ったリムを選ぶ
顔型によって似合うリムのタイプが異なります。例えば直線的な顔型には丸みのあるリムを、丸みのある顔型には直線的な形のリムを選ぶと顔全体のバランスがとりやすくなります。
自分の顔型を把握し、特徴を活かせるリムを選びましょう。
丸顔型

●顔型の特徴
- 顔の縦幅が長い
- 輪郭がふっくらしていて、優しい印象
●おすすめのリム
ボストン、オーバル、ラウンドなど、丸みのあるリム
面長型

●顔型の特徴
- 顔の縦幅が長い
- 輪郭がほっそりしている
●おすすめのリム
ウェリントン、ボストンなど、縦幅が長めのリム
逆三角形型

●顔型の特徴
- 顔の縦幅が短い
- 直線的ですっきり引き締まっている
●おすすめのリム
ウェリントン、スクエアなど、横幅がしっかりとしたリム
ベース型

●顔型の特徴
- 顔の縦幅が長い
- フェイスラインにメリハリがある
●おすすめのリム
ボストン、ウェリントンなど、横幅のあるリム
顔幅に合ったフレームを選ぶ
メガネを選ぶ時は、顔幅に合ったフレーム選びも重要です。メガネを購入する際はデザインが気に入ったものでも必ず試着し、フレームが顔幅に合っているか確認しましょう。顔幅とフレーム幅が同じくらいのメガネを選ぶと、バランスが良く見えます。顔幅に対してフレームが大きすぎたり小さすぎたりすると、不自然に見えて全体のバランスが崩れてしまいます。
また、顔幅とメガネのバランスは見た目だけでなく、かけ心地にも影響します。メガネをかけた時、テンプルがこめかみに食い込むようであれば、より横幅の広いフレームを選ぶと不快感を減らせます。逆にかけ心地がゆるく、こめかみとテンプルの間にスキマができてしまうようならより横幅の狭いフレームを選びましょう。
黒目の位置とブリッジ幅を合わせる
フレームの横幅と同様、ブリッジ幅も顔全体の印象を左右します。ブリッジ幅はメガネによって決まっており調整が難しいため、試着の時点でチェックする必要があります。
目に合ったブリッジ幅のメガネを選ぶためには、黒目がレンズの中心に来ているかを確認しましょう。黒目の位置が不自然な場合の印象と対策を以下にまとめました。参考にしてください。
・レンズに対する黒目の位置が上に寄っている場合
不自然な印象に見えるのでメガネの位置を鼻パッドで調整しましょう。
・レンズに対する黒目の位置が下に寄っている場合
不自然な印象に見えるのでブリッジ幅の広いメガネにしましょう。
・レンズに対する黒目の位置が外側に寄っている場合
離れ目に見えるのでブリッジ幅の広いメガネにするか横幅の広いフレームにしましょう。
・レンズに対する黒目の位置が内側に寄っている場合
ブリッジ幅の狭いメガネにするか横幅の狭いフレームにしましょう。
フレームの色、素材でなりたい印象を演出する

フレームの色や素材によって、メガネをかけた時の印象は大きく異なりますが、バリエーションが無数にあるため、迷ってしまいがちです。色、素材を選ぶポイントを解説します。
メガネの色を選ぶ際は、パーソナルカラーが参考になります。イエローベースとブルーベースによって似合いやすい色が異なるため、参考にしてください。
肌の色味が黄み寄りのイエローベースの方には暖色系、ゴールド系のメガネが似合います。一方で肌の色味が青み寄りのブルーベースの方には寒色系、シルバー系のメガネが似合います。
メガネの素材にはセルロイド、アセテートを使用しているセルフレーム、チタンやステンレス、金、プラチナなどを使用したメタルフレームがあります。このほかプラスチックと金属を組み合わせたコンビフレームも販売されています。
セルフレームはカジュアルな印象を与えることができ、カラーバリエーションや柄が豊富なのが特長です。メタルフレームはフォーマルな印象でフレーム自体に強度があり丈夫なのが特長です。
リムのタイプをチェックする
リムはメガネの印象を大きく左右します。メガネの色やデザインを強調したい時はフルリムを、メガネの存在感を出さず自然な印象にしたいのであればハーフリムやリムレスがおすすめです。
リムの種類ごとに特徴をまとめました。
フルリム : リムがレンズ全体を囲うので強度が高く存在感があり、リムの色やデザインを強調したい人におすすめです。
ハーフリム : リムがレンズ上半分を囲い、フルリムよりメガネが目立ちにくく優しく上品な印象を与えます。
アンダーリム : リムがレンズ下半分を囲い、デザインのインパクトが強く、メガネで個性を出したい人におすすめです。
リムレス : レンズを囲うリムがないのでメガネの存在感が薄く、自然な印象になります。しかし強度は他のタイプより劣るため、取り扱いに注意が必要です。
メガネを作る時に注意したい点
メガネを選ぶ時はデザインや色だけでなく、全体のバランスや装用時の違和感、機能にも注意が必要です。眼鏡店で、専門家とも相談しながら、あなたにぴったりのメガネを選びましょう。
メガネを作る時に注意したいポイントを紹介します。
形状、サイズ
どれほどデザインが優れていて気に入ったメガネでも、顔に似合わない場合があります。合わないメガネは不自然に見えたり、耳やこめかみを痛めたりする原因になります。
メガネによっては、購入後の調節が難しいパーツもあるため、メガネの形状やサイズが顔に合っているか必ず確認しましょう。
特に遠近両用レンズなどの累進レンズでは、サイズの合っていないメガネは見え方にも影響します。目の位置によって見える距離が異なるため、縦幅のサイズが適しているかも重要です。鼻パットなども調整可能なメガネを選ぶと良いでしょう。
顔全体のバランスやかけ心地を損なわないためにも、メガネは必ず試着して確認し、眼鏡店でしっかり相談のうえ選びましょう。
メガネを購入する前に確認しておきたいポイントをまとめました。
- 顔型とリムが合っている
- 顔幅とフレームが合っている
- 黒目の位置がレンズの中心に来ている
- テンプルの長さが耳の位置と合っている
- 先セル(モダン)が耳にフィットしている
ファッション
自分の顔に合ったメガネを選ぶのは大切ですが、全体のコーディネートとの組み合わせも注意が必要です。服装と合っていないと違和感を与える原因になります。眼鏡店などに試着に行く際には、普段よく取り入れているファッションで行くことで、全体のバランスも合わせてチェックできます。
また、メガネを装用するシーンを事前に考えておくと良いでしょう。例えばフォーマルなスーツに合わせる場合、カラフルなフレームや柄の入ったデザインは違和感の原因になるため避けた方が無難です。黒やシルバー系の色やメタルフレームを使って、全体のバランスを合わせましょう。
逆に、カジュアルな服装と合わせるのであれば、ビジネス風のメガネはちぐはぐな印象を与えてしまいます。服装に合った色や柄のセルフレームを選ぶと統一感のあるコーディネートが可能です。
用途やニーズ
メガネはデザインだけでなく、機能も重視すべきポイントです。
同じメガネでも、どのような使い方をするかによって最適なフレーム、レンズは異なります。
部活、スポーツで使いたい場合 : 強度が高く動いてもズレにくいフレームのメガネがおすすめ
屋外、アウトドアで使いたい場合 : サングラスや紫外線によってレンズのカラーが変化する調光レンズ、カラーレンズなどがおすすめ
日中はコンタクトレンズで、帰宅後だけメガネにしたい : かけ心地が軽く、負担が少ないメガネがおすすめ
日中も屋内で過ごしたい、パソコンを長時間使用する場合 : 可視光短波長光(ブルーライト)軽減レンズがおすすめ
また、運転時に使う場合には、両目で0.7以上、かつ片目でそれぞれ0.3以上の視力が必要など、用途によって度数も考慮する必要があります。
眼鏡店であらかじめ用途やニーズを相談した上で、自分に合った機能のメガネを選びましょう。
まとめ
今回はメガネの代表的なパーツ名とその役割、メガネの選び方について解説しました。メガネを購入する時、選び方の基準が分からず、店頭に並んでいるフレームを試着してなんとなく選んでいる人も多いのではないでしょうか。合わないメガネを購入した場合、かけ心地や見た目のバランスが悪いメガネを選んでしまう可能性があります。
メガネには様々な素材やデザインがあり、楽しい反面、悩んでしまいがちです。今回ご紹介したポイントをおさえて、より自分にぴったりのメガネを選んでください。