コンタクト
最終更新日:2024.03.11

コンタクトを買うには処方箋が必要?眼科の受診方法や検査内容、値段について解説!

この記事の監修者

原 修哉

原眼科クリニック 院長

コンタクトを買うには処方箋が必要?眼科の受診方法や検査内容、値段について解説!

目次

コンタクトレンズを買いたいけど、どこで購入すべきか迷っている方は多いのではないでしょうか。初めてコンタクトレンズを購入する際は、必ず眼科を受診してください。目の検査と診察を受けて、コンタクトレンズを使用できるか確認が必要です。

この記事では、コンタクトレンズの買い方と処方箋について解説します。コンタクトレンズの種類や、装着方法も紹介していますので、あわせて確認してください。

コンタクトレンズの購入には
処方箋が必要?

コンタクトレンズを購入する際には基本的には処方箋が必要です。なぜ処方箋が必要なのか、また処方箋が不要なケースがあるのかを詳しく見ていきます。

初めてコンタクトレンズを作るには処方箋が必要

処方箋イメージ

コンタクトレンズを初めて使う方は、眼科を受診して処方箋をもらってから販売店へ行くようにしましょう。初めてコンタクトを買う方によくある質問に回答する形で、解説していきます。

Q. 処方箋ってなに?

処方箋とは、眼科でもらえる指示書のようなもののことです。コンタクトレンズの種類と数量が記載されており、処方箋を販売店に提出すればコンタクトレンズを購入することができます。

Q. 処方箋はなぜ必要なの?

コンタクトレンズは、人工骨、人工呼吸器などと同じ高度管理医療機器に分類されています。コンタクトレンズの使用には、リスクがあり安全に配慮しなければなりません。処方箋は、眼科での検査が完了しているという証明でもあります。

また、服のサイズのように、目も人それぞれ大きさが違います。あなたの目に合ったコンタクトレンズの度数やサイズについて、販売店のスタッフは処方箋を見ることで分かります。

Q. 処方箋をもらうにはどうしたらいいの?

処方箋は、コンタクトレンズを取り扱っている眼科で検査と診察を受ければもらえます。初めてコンタクトレンズを購入する場合は、コンタクトレンズの取り扱いと装着の練習、数日装用してみて目に異常がないかの確認をします。全て問題がなければ、処方箋をもらうことができます。

コンタクトレンズを使用していると、目に違和感がなくても眼障害を起こす可能性があります。使い慣れてからも、定期的な眼科受診を忘れないでください。

コンタクトレンズの購入に処方箋が不要なケース

コンタクトレンズの購入には、基本的には処方箋の提出が必要です。
インターネットの通販サイトや、販売店によっては処方箋の提出が不要な場合がありますが、コンタクトレンズがなくなる度に眼科での定期受診を忘れないでください。

眼科を受診せずにコンタクトレンズを購入することには以下のようなリスクがあります。

  • 気づかないうちに、目の病気になる
  • コンタクトレンズの使用で、目に異変が起きた際の眼科受診に困る
  • 度数が変化している可能性がある
  • 合わないコンタクトレンズの使用を続けると、度がさらに進んだり眼精疲労になる

コンタクトレンズは高度管理医療機器なので、販売の際は許可を得るように法律で決まっています。許可を受けずに販売している場合は違法です。
「処方箋不要」と過度に宣伝している販売店には注意して、違法な業者からは購入しないようにしてください。

眼科でコンタクトレンズの
処方箋を受け取るまでの流れ

コンタクトレンズの処方箋を受け取るまでの流れを確認しましょう。
あらかじめ「コンタクトレンズの処方箋が欲しいのですが」と問い合わせてから受診することをおすすめします。

問診表の記入

問診票イメージ

眼科で受付を済ませると、問診票が渡されます。住所氏名などの基本情報と合わせて、受診した理由を尋ねる欄があるので「コンタクトレンズを作りたい」と記入しましょう。

施設によって方法はさまざまですが、コンタクトレンズについてのさらに詳しい問診があります。コンタクトレンズの使用を開始したい日がある場合は、この時点で伝えましょう。

既にコンタクトレンズを使用している場合は、使用している種類と今回購入したい種類、使用頻度などを問診票に記載、または口頭で伝えます。

他覚的屈折検査

オートレフラクトメーターイメージ

視力検査の前に、「オートレフラクトメーター」という機械を使用して目の屈折度数を測定します。屈折度数とは、メガネやコンタクトレンズの度数のことです。

この機械では、遠視近視乱視、目の表面のカーブの度合いなどが分かります。コンタクトレンズの作成や、視力検査には欠かせない検査です。

機械を覗き込んで、道の先に気球がある絵を見る検査です。ただ気球を見ていれば数秒から長くても数十秒で終了しますので、リラックスしてください。

視力検査(自覚的屈折検査)

視力検査は、輪っかの切れ目の方向を患者さんが答える検査です。輪っかは大きな物から徐々に小さくなるので、どこまで見えるかを調べます。見ることができた一番小さい輪っかが視力の値です。

視力は、裸眼の状態とレンズを使用した場合の両方を測定します。

【視力検査の順番】

  1. 裸眼視力の検査
  2. 矯正視力(レンズを使用して最も良く見える視力)の検査
  3. 両目を開けた状態での検査(ない場合もあります)

小さい輪っかの方向を何度も聞かれますが、目を細めて無理に見ようとしたりする必要はありません。
視力検査について詳しく知りたい方は「視力検査とは?やり方から適切な頻度、よくある質問まで解説!」を参考にしてください。

医師の診察

コンタクトレンズは誰でも使用できるわけではありません。眼疾患がある場合は、コンタクトレンズを使用しても、よく見えるようにはならない可能性があります。コンタクトレンズよりも、メガネで視力を矯正をする方が適している場合もあります。

【医師が診察で確認していること】

  • コンタクトレンズが使用できるか
  • コンタクトレンズの使用での視力矯正が最適か
  • 眼疾患の有無
  • 目の奥の状態

医師の診察の結果、コンタクトレンズを使用しても問題ないと判断されれば、コンタクトレンズを購入することができます。

フィッティング

フィッティングチェック

検査のデータをもとに、コンタクトレンズの種類を決めます。自分の目に合うコンタクトレンズの中から、医師や検査員と相談して選択しましょう。

希望のコンタクトレンズを目に入れたら、もう一度診察室で目の中のコンタクトレンズの状態を確認します。これをフィッティングチェックといいます。

【医師がフィッティングで確認していること】

  • 瞬目(まばたき)や、目の動きでコンタクトレンズがずれていないか
  • コンタクトレンズが適切な位置でとどまっているか
  • ずれてしまったときの戻り方は適切か
  • 乱視入りの場合、角度は適切か

コンタクトレンズ装着後の視力検査

コンタクトレンズが実際に目に入っている状態で、再度視力検査を行います。「また視力検査するの?」と感じる方も多いと思います。視力検査を繰り返す理由は、メガネとコンタクトレンズでは視力矯正力が異なるからです。

メガネの場合、レンズと目の間に約1cmほどの隙間があります。一方コンタクトレンズの場合は、目に直接装着するため隙間はありません。この違いによって、同じ度数のレンズでも視力矯正の力に少し差ができてしまうのです。

コンタクトレンズ装着後の検査は、度数の微調整をしていると理解してください。

コンタクトレンズの度数についてさらに知りたい方は「コンタクトレンズにおける度数とは?視力との違いや見方・測り方を解説!」の記事をご覧ください。

会計と処方箋の受け取り

処方箋の受け取り

全ての検査が終わったあと、会計の際に処方箋を受け取ります。

眼科に併設している販売店でコンタクトレンズを購入する場合は、そのまま処方箋を提出して購入しましょう。

処方箋には使用期限がありますが、当日ではなく当日を含めて4日間とされています。後日他の店舗で購入する際は、持ち帰ってコンタクトレンズを購入してください。インターネットで購入する際も同様です。

処方箋の提出が不要な場合も、処方箋に定められた数量のコンタクトレンズを使い切る前に眼科を定期受診しましょう。

コンタクトレンズを処方してもらう際の眼科の受診費用は?

コンタクトレンズの処方箋をもらうには、眼科の受診費用を支払う必要があります。受診費用には、保険が適用されるので、他の病院を受診する時と同様に保険証を提示しましょう。

費用は、自己負担の割合によって異なります。コンタクトレンズを使用する世代に多いのは3割の負担です。参考にご覧ください。

【受診費用の目安(3割負担の場合)】
初診の場合:1,010円~1,500円
再診の場合:370円~900円

注意点:

  • 保険証がない場合は、全額自己負担になる
  • 点眼薬などの薬の処方の有無により受診費用は変わる

眼科では「眼科診療報酬点数表」によって診療報酬が設定されています。初診料、再診料や各検査料についても決まっており、1点はその10倍の費用(10円未満は四捨五入されます)と定められています。

コンタクトレンズを定期購入しようと考えている場合は、次も同じ眼科を受診すれば再診扱いになり費用を抑えられます。

「眼科受診費用」は「コンタクトレンズ代」とは別で、それぞれに費用がかかります。眼科受診費用は、点数が決まっているため受診する眼科による大きな差はないといえます。コンタクトレンズの代金は、販売店によって多少差があるので事前に調べてみてください。

眼科で処方箋のみの
発行はできる?

眼科にはコンタクトレンズの販売店が併設されていることが多く、併設店での購入が想定されています。しかし、処方箋だけを出してくれる眼科もあります。

眼科で処方箋のみ発行してもらう場合の注意点

眼科併設店でコンタクトレンズを購入せず、処方箋のみを発行してもらう場合には注意が必要です。

  • 処方箋のみの発行はおこなっていないと断られる可能性がある
  • 他の販売店で購入したいことを、事前に伝えて了承を得る必要がある
  • 併設店で取り扱っている種類のコンタクトレンズしか処方できない場合がある

事前に電話などで確認してから眼科にいくようにすれば、トラブルを防げる可能性があります。その際にコンタクトレンズの種類についても確認しましょう。

処方箋のみの場合のコンタクトレンズの購入先

インターネット通販での購入

検査を受けた眼科の併設店でコンタクトレンズを購入しない場合、どこで購入すれば良いのでしょうか。

その場合は自分で調べて、安心出来る販売店で購入するようにしましょう。眼科に併設されていない独立した店舗や、インターネット通販もあります。コンタクトレンズの価格は、販売店によって異なるため、比べてみるとよいでしょう。

安心できる販売店かどうかは、高度管理医療機器等販売業許可番号の有無をチェックしてください。無許可の販売店で取り扱っているコンタクトレンズは危険なので、購入しないことをおすすめします。

インターネット通販のサイトでは、サイトの下部に高度管理医療機器等販売業許可番号が記載されていることが多いです。確認して購入しましょう。

定期検診の重要性について

眼科併設店でコンタクトレンズを定期的に購入する場合は、コンタクトレンズがなくなるタイミングで、自動的に検査と診察を受けられます。処方箋のみを発行してもらう場合でも、コンタクトがなくなる3ヶ月~半年の間隔で眼科を受診し、目に異常がないか確認してもらいましょう。

定期検診を怠ったときに起きやすい目のトラブル・眼障害

コンタクトレンズの使用が原因で起こる目のトラブルには、自覚症状がない眼障害もあります。コンタクトレンズの使用が原因の眼疾患には、角膜潰瘍、ドライアイ、角膜内皮細胞の減少、アレルギー性結膜炎などがあります。充血や痛みがある時にだけ眼科を受診するのでは、手遅れになりかねません。

眼科でのコンタクトレンズの
処方に年齢制限はある?

コンタクトレンズには、はっきりとした年齢制限はありません。
ただし、コンタクトレンズの着用には以下の条件があります。

コンタクトレンズの正しい付け外しとレンズケアが自分でできること

コンタクトレンズの使用中は、いつ違和感が起きてもおかしくありません。目に違和感を感じた時に、自分で外す、洗うなどの対応ができない場合はコンタクトレンズの使用はできません。

眼科で定期受診ができること

コンタクトレンズは、眼鏡を使用するよりも頻繁に眼科に通院する必要があります。定期受診する時間がない、足腰が悪くて通院できないといった場合はメガネを使用しましょう。

眼科によっては、明確に年齢制限を設定している場合があります。気になる方は事前に確認してから受診しましょう。

おすすめの
コンタクトレンズの種類

コンタクトレンズには、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの2種類があり、それぞれの特徴とメリット・デメリットを比較し、どのような人におすすめか解説します。

ソフトコンタクトレンズ

  • 特徴

やわらかい
黒目よりも少し大きいサイズ
1day、2week、マンスリータイプなどがある

  • メリット

自然な装用感
使い捨てできて衛生的
カラーレンズを使用すれば目の印象を変化させられる

  • デメリット

異物感を感じにくいため、眼障害に気づかない可能性がある
乱視の矯正力が低い
乾燥しやすい
ハードコンタクトに比べて費用が高くなる

ハードコンタクトレンズ

  • 特徴

硬い
黒目よりも少し小さいサイズ

  • メリット

乾燥しにくい
乱視の矯正力が高い
長く使えるのでコスパが良い

  • デメリット

異物感を感じやすい。
高額なため、破損や紛失の際には費用負担が多くなることがある

ソフトコンタクトレンズは水分を含んだ素材でできており、やわらかいため、スポーツをする方におすすめです。商品はさまざまなメーカーから販売されているので、自分に合った商品を選択してください。

ハードコンタクトレンズは水分を含まない素材でできています。ハードコンタクトレンズは選ぶ商品によって寿命が異なりますが、数年単位で使用できるため、1日や月単位で計算するとソフトコンタクトレンズより安価です。また、ハードコンタクトレンズは乱視の矯正力が強いので、ソフトコンタクトレンズやメガネでは完全に乱視を矯正できない方にもおすすめです。

コンタクトレンズの
正しい付け方とお手入れ方法

コンタクトレンズの間違った使い方は、眼障害を起こす危険性があります。コンタクトレンズの装着方法とコンタクトレンズのお手入れ方法を解説します。

コンタクトレンズの装着方法

コンタクトレンズの装着の手順を紹介します。コンタクトレンズを触る前には、必ず手を石けんで洗いましょう。

コンタクトレンズの装着方法
  1. 個包装のフィルム(または保存容器)をゆっくりと開ける
  2. 利き手の人差し指の上に置く
  3. 裏表に間違いがないか確認する(ソフトコンタクトレンズのみ)
  4. 利き手の中指で下まぶた、反対の手で上まぶたを持ち上げる
  5. 鏡を見ながら、ゆっくりと目の中に入れる
  6. 軽く目を閉じたり、まばたきをしてなじませる

コンタクトレンズの装着は、慣れるまでは大変ですが、慣れてしまえば簡単です。目に物を入れることに恐怖心を抱くかもしれませんが、最初だけなので安心してください。

コンタクトレンズのお手入れ方法

コンタクトレンズには、目に見えない汚れがついています。ケアを怠ったり、目に入れっぱなしにすることは目に良くありません。しっかりとケアしましょう。

コンタクトレンズのお手入れ方法

コンタクトレンズのお手入れ手順

  1. 手のひらに置いて洗浄液をつけて裏表の両面をこすり洗いをする
  2. 指でつまんで、保存液を使ってすすぎ洗いをする
  3. 清潔な保存容器に保存する

洗浄液と保存容器などのケア用品は、コンタクトレンズの種類に合わせて準備しましょう。ソフトコンタクトレンズの場合、水道水の中には雑菌が含まれている可能性があるので使用しないでください。
ケア用品によっては、付け置き洗浄タイプのものも販売されています。それぞれの商品の注意事項をよく読んで使用しましょう。

コンタクトレンズの正しい使い方について、さらに詳しく知りたい方は「コンタクトレンズとは?正しい使い方をご紹介」のページをご覧ください。

まとめ

今回は、コンタクトレンズと処方箋についてご紹介しました。コンタクトレンズの種類や正しい使い方もあわせて確認し、コンタクトデビューに備えましょう。

コンタクトレンズを購入する際は、基本的に眼科を受診するようにしてください。他の店舗でコンタクトレンズを買いたい場合は、処方箋のみの受診に対応してもらえる眼科があります。

定期検診を受けて、安全にコンタクトレンズを使用しましょう。是非この記事を参考にしてみてください。

監修者プロフィール

原 修哉

原眼科クリニック 院長

HP:https://www.haraganka.jp/

名古屋大学医学部卒業後、名古屋市の中京病院へ入局し13年勤務。その期間中に、ハイデルベルク大学(ドイツ)へ留学。
大雄会第一病院 診療部長として7年の勤務を通じて、地域の重症例、難疾患、専門性の高い疾患などの医療に携わり、白内障手術、緑内障手術、角膜移植、屈折矯正手術、結膜手術など10,000件以上執刀。
現在は、原眼科クリニックを開業し、地域住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。

【所属学会】
日本眼科学会 専門医 / 日本眼科手術学会 / 日本緑内障学会 / 日本角膜学会

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