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最終更新日:2025.09.05

メガネケースへの入れ方を解説!傷つきにくい正しいたたみ方・しまい方

メガネケースへの入れ方を解説!傷つきにくい正しいたたみ方・しまい方

目次

メガネを外した時、何気なく机に置いたり、向きを気にせずケースにしまったりしている方もいるのではないでしょうか。

何気ない日々の小さな習慣が、レンズの傷やフレームの歪みの原因になることもあります。この記事では、メガネを傷や歪みから守るための「正しいたたみ方」と「ケースへの正しい入れ方」、そしてNG例についても、具体的な手順と理由を合わせて詳しくご紹介します。

メガネの正しいたたみ方

メガネの正しいたたみ方イメージ

メガネは、左のテンプル(つる)から先にたたむことが鉄則です。右のテンプルから先にたたむと、歪みにつながります。順番を守ることでフレームが歪むことなくきれいに収まります。

また、プロが実践しているコツが、たたむ時の「持ち方」です。片方の手でレンズ周りのフロント部分(リム)をしっかり支え、もう片方の手で優しくテンプルをたたみましょう。フレームとテンプルをつなぐ蝶番への負担が軽減されるため、型崩れを効果的に防ぐことができます。

左のテンプルからたたむ理由

左のテンプルからたたんだメガネのイメージ

現在市場にあるメガネの多くは、設計段階で「左のテンプルを下に、右のテンプルが上に重なる」ことを想定して作られています。左右のテンプルが互いに干渉せず、平らに美しく重なるように、蝶番の位置や角度が計算されているのです。

右のテンプルからたたんでしまうと、設計に逆らうことになり、後からたたんだ左のテンプルが行き場を失ってわずかに浮き上がってしまいます。この小さな「テンプルの浮き」が、フレームの歪みや掛け心地の悪化を招く原因となります。

眼鏡店の店頭に陳列されているメガネも、そのほとんどがこのルールに則って左から正しくたたまれています。プロが扱う商品も同じたたみ方をしていることからも、基本であることが分かるでしょう。

右のテンプルをたたむ手順

左のテンプルをたたんだ後に、右のテンプルを上に重ねるようにたたみます。設計通りに左のテンプルが先に収納されているため、右のテンプルは定められた位置にぴったりと収まり、左右のテンプルがきれいに重なります。この状態が、最も負担がかからない状態です。たたんだメガネを平らな場所に置いた時、ガタつくことなく安定するのは、この手順が守られている証拠です。

もし逆の順番でたたんだ場合、前述のとおり左のテンプルが浮き上がってしまいます。浮きがある状態でケースにしまうと、フタを閉じた際にフレーム全体に不自然な圧力がかかり続けます。この圧力が積み重なると蝶番のゆるみやフレーム全体の変形につながってしまうため、たたむ順番は非常に重要です。

ケースへの正しい入れ方

メガネを守るため、ケースへの正しい入れ方には大切なポイントが2つあります。

  • レンズを入れる向き
  • メガネ拭きの使い方

メガネは、レンズ面を下向きにしてメガネ拭きの上に置くようにして入れます。一見レンズが傷つきそうに思えますが、最も安全な方法です。また、メガネ拭きは折りたたみ、ケースの底に敷きましょう。これがクッションとなり、ケースの硬い内側からレンズを保護します。

この入れ方により、レンズの保護とケースの保護を実現できます。メガネを外したら、「メガネ拭きを敷き、レンズは下向きへ」と覚えておきましょう。

レンズを下向きに入れる理由

ケースに下向きに入れるイメージ

レンズを下向きに入れる最大の理由は、ケースのフタからの衝撃を避けるためです。メガネをケースに入れてフタを閉める際、レンズが上を向いていると、硬いフタがレンズの最も出っ張っている凸面に直接当たってしまう可能性があります。特にマグネット式のケースなど、勢いよく閉まるタイプでは、衝撃でレンズに傷がついたり、コーティングが剥がれたりする危険があります。レンズを下向きに入れることで、デリケートなレンズ面を安全に守れるのです。

また、もう一つのメリットとして、取り出す際にレンズに指紋がつきにくい点があげられます。レンズが下を向いていると、自然とフレーム部分をつまんで取り出すことになるため、レンズに触れて汚してしまうのを防げます。

メガネ拭きの正しい使い方

メガネケースに入れておくメガネ拭きは、単なる付属品ではありません。レンズを守るための重要な保護ツールです。ケースに入れる際は、メガネ拭きを二つ折り、または四つ折りにしてケースの底全体を覆うように敷くのが基本です。これにより、ケースの底に溜まりがちな硬いホコリやごみからレンズが傷つくのを防ぎ、万が一の落下時にもクッションとして衝撃をやわらげる効果が期待できます。

内側に布が貼られていないプラスチック製のケースなどを使用する場合は、メガネ拭きでレンズ全体を優しく包み込んでから収納すると、より万全です。また、メガネ拭きを敷いておけば、メガネを取り出す際にテンプル(つる)を持ちやすく、スムーズに取り出せるという利便性もあります。汚れた時にすぐに使えるだけでなく、保管時の保護材としても積極的に活用しましょう。

やってはいけないしまい方

ズボンのポケットに直接メガネを入れるイメージ

メガネを長く使うためには、避けるべき保管方法を知ることも大切です。最も危険なのは、ケースを使わずにそのまま放置することです。例えば、机の上にレンズを上にして置くと、ホコリが付着し、拭き取る際に傷の原因になります。また、書類や本の下敷きになってフレームが歪んだり、うっかり床に落としてしまったりするリスクも高まります。

ポケットやバッグに直接入れるのも絶対にやめましょう。布地との摩擦でレンズのコーティングが傷つくだけでなく、歩いたり座ったりする際の圧力でテンプルが曲がったり、フレームが折れたりすることさえあります。正しいたたみ方をしても、無理な収納をしては意味がありません。

レンズを上向きに入れる危険性

メガネレンズを上向きに入れると、傷やダメージの原因になります。ケースの素材にもよりますが、特にハードケースのフタは硬い素材でできているため、閉じる際のわずかな圧力や衝撃でもレンズ表面にダメージを与えてしまう可能性があります。

レンズの表面には、反射防止や傷防止、UVカットなど様々な機能を持つ薄いコーティングが何層にも施されていますが、ケースのフタが直接接触してしまうと、コーティングに細かい傷(ヘアラインクラック)が入ったり、コーティングが点状に剥がれたりすることがあるのです。一度入った傷やコーティング剥がれは修復が難しく、視界のクリアさを損なう原因となります。

無理に押し込む問題点

レンズのはずれたメガネ

メガネを購入した際、ケースが付属している場合もありますが、別途自分で選ぶことも多いでしょう。デザインは良いものの、自分で選んだケースが合わなかった、という経験はないでしょうか。特に、サイズが小さいケースにメガネを無理に押し込むのは非常に危険です。フレームは精密なバランスで成り立っているため、継続的に無理な圧力がかかると、テンプルが外側に開いてしまったり、フロント部分が変形したりして、顔へのフィット感が損なわれます。

また、深刻なのはレンズへの影響です。フレームが歪むことでレンズに不必要な力が加わり、視界が歪む原因になるだけでなく、レンズがフレームから外れたり、最悪の場合はレンズ自体にヒビが入って破損したりする可能性もあります。愛用しているメガネを守るためにも、メガネのサイズに合ったケースを選び、決して無理に押し込まないように注意してください。

メガネケースの選び方

メガネケースとメガネのイメージ

メガネを安全に保管するには、フレームのサイズや形に合ったケースを選ぶことが大前提です。以下の2点を基準にメガネに適合するケースを選びましょう。

  • たたんだメガネがスムーズに出し入れできるか
  • ケース内でガタガタとメガネが動かないか

また、ケースの種類は大きく分けてハードケースとソフトケースがあります。ハードケースは金属や硬質プラスチックでできており、外部からの圧力や衝撃に強く、保護性能が最も高いのが特徴です。カバンの中に無造作に入れても安心ですが、かさばりやすいのが難点です。一方、ソフトケースは布や革などでできており、軽量で携帯性に優れています。しかし、デメリットとしては強い圧力には耐えられない特徴があります。ライフスタイルやメガネを使うシーンに合わせて選択してください。

サイズが合うケースの見つけ方

最適なケースを見つけるには、自分のメガネのサイズを把握しましょう。たたんだ状態で、横幅(一番広い部分)、高さ(レンズの縦幅)、厚み(たたんだ時のテンプルを含む厚さ)の3点を定規で測ります。購入を検討しているケースの内寸は、メガネのサイズよりもそれぞれ5mm〜10mmほど大きいサイズが理想です。

メガネケースが小さすぎると、前述したように圧迫によるメガネの歪みや傷につながります。逆に大きすぎても問題が生じます。ケース内でメガネが大きく動いてしまい、内壁とレンズが何度もぶつかることで、傷の原因になることがあるのです。大きめのケースを使いたい場合には、厚手のメガネ拭きを複数枚入れるなどして、隙間を埋める工夫をすると良いでしょう。メガネを長く使うためには、適切なサイズのケースを選ぶことが大切です。

まとめ

この記事では、メガネの正しいたたみ方からケースへのしまい方、ケースの選び方まで、メガネを傷と歪みから守る方法についてご紹介しました。

「左のテンプルからたたむ」「レンズを下向きにケースに入れる」というルールを守るだけで、メガネのコンディションは大きく変わります。

日々の少しの心がけがメガネの寿命を延ばし、快適な視界を保つことにつながります。ぜひ今日から実践して、大切なメガネを心地良く使ってください。

眼とメガネの情報室 みるラボ

この記事の執筆者

眼とメガネの情報室
みるラボ編集部

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