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パソコンやスマートフォンを長時間使用したときなど、目の疲れが気になることはありませんか?
目の疲れによって目のかすみや痛み、しょぼしょぼした感覚などの症状が出ている人は注意が必要です。そのまま放置すると眼精疲労が悪化し、肩こりや頭痛など全身の症状を引き起こしてしまうこともあります。そうなる前に、手軽にできるツボ押しやマッサージなど、自分でできる疲れ目対策を行いましょう。
本記事では、目の疲れに効くおすすめのツボや、ツボ押し以外にも簡単にできる疲れ目の予防方法について紹介します。
疲れ目や眼精疲労の症状とは
目にあらわれる症状
目に疲れを感じることを「疲れ目」や「眼精疲労」といいます。何らかの原因で疲れ目や眼精疲労が起こると、以下のようなさまざまな目の症状があらわれます。
- 目の痛み
- 目の充血
- 目が重い
- 目がしょぼしょぼする
- 眩しさを感じやすい
- 目がしみる
- 目が乾く
- 目の奥の痛み
- 涙目
- 視力低下(視界がぼやける)
- まぶたのけいれん
一つでも当てはまる症状がある方は、疲れ目や眼精疲労の症状が出ているかもしれません。しばらくセルフケアを行っても改善しない場合は、ひどくなる前に眼科を受診しましょう。
目以外の箇所にあらわれる症状
疲れ目や眼精疲労の状態が続くと、目以外の箇所にも以下のような症状が現れる場合があります。
- 肩こり
- 全身のだるさ
- 頭痛
- めまい
- 吐き気
- 食欲不振
- うつ、不安
これらの症状は、疲れ目や眼精疲労以外の原因で起こることも多く、原因が目の疲れであることに気づきにくい場合もあります。先ほど挙げた目の症状に加えてこれらの症状が起こっているときは、疲れ目や眼精疲労が重症化している可能性もあります。セルフケアと併せて専門的な治療が必要になる場合もありますので、早めに眼科を受診しましょう。
疲れ目や眼精疲労の原因とは
疲れ目や眼精疲労の主な原因は、パソコンやスマートフォン、タブレットなどデジタル機器の長時間使用です。
ほかにも、以下のようなさまざまな目の病気や状態がきっかけで、疲れ目や眼精疲労が起こることがあります。
- 矯正不良(メガネやコンタクトの度数が合っていない)
- ドライアイ
- 緑内障
- 白内障
- 斜視、斜位
- 眼瞼下垂
疲れ目や眼精疲労の症状があるときは、その背後に目の病気が隠れていないかどうかをしっかりと確認しておく必要があります。症状がひどく日常生活に支障をきたすようなときや、セルフケアでは改善せず症状が長引いているときは、必ず眼科を受診しましょう。
ほかにも、以下のような全身の不調が原因で、疲れ目や眼精疲労を起こすこともあるとされています。
- 更年期障害
- 自律神経失調症
- 虫歯、歯周病
- アレルギー性鼻炎
- 風邪
- 精神的ストレス
目の疲れにツボ押しは効果的?
目の疲れを感じるときは眼科を受診したほうがよいものの、なかなか受診の時間がとれないこともあるかもしれません。そんなときは、自分でできるセルフケアとして「ツボ押し」を試してみましょう。眼精疲労や目の疲れは、ツボ押しによって症状を緩和できるとされています。
ツボは、東洋医学の「気」の概念に基づくものです。気は、体内に張り巡らされている「経絡(けいらく)」を通り、臓器や筋肉、皮膚に働きかけるとされています。経絡には気の出入口とされる「経穴(けいけつ)」が存在していて、経穴のことを一般的に「ツボ」と呼んでいます。ツボは、経絡に沿って全身に存在します。ツボを刺激すると経絡を流れる気の流れが改善し、経絡とつながっている部位が活性化され、体調が整うという仕組みです。
ツボや経絡を活用した東洋医学の治療法として、針やお灸でツボを刺激する「鍼灸療法」や、指でツボを刺激する「指圧療法」などが有名です。眼精疲労や目の疲れに効くツボを自分で指圧することで、さまざまな目の症状を緩和できます。また、頭痛など目の疲れに伴う全身症状の緩和が期待できるツボも存在します。仕事の休憩時間などに、ツボ押しを行ってみてはいかがでしょうか。
ただし、眼球は非常にデリケートなため、目の疲れが気になるからといって、眼球をグイグイ押すのは絶対にNGです。ツボを押す際は、指の腹でゆっくりと優しく押しましょう。しっかりとツボを捉えられていれば、無理な力を加えなくても十分な効果が期待できます。
目の疲れに効く
おすすめのツボ6選
瞳子髎(どうしりょう)
瞳子髎は、目尻から親指の幅半分程外側のくぼみにあるツボです。目の機能を調節し、以下のような症状に効果があるとされています。
- 目のかすみ
- 目の充血
- 目の奥の痛み
- 目の周りのクマ
目の症状だけでなく、疲れ目や眼精疲労に伴う頭痛などの症状をやわらげる効果もあるとされています。
瞳子髎は、数秒の指圧を繰り返す押し方がおすすめです。瞳子髎を起点に、目の周辺を優しくマッサージをするのも良いでしょう。
睛明(せいめい)
睛明は、目頭と鼻の付け根の間のくぼみにあるツボで、以下のような症状に効果があるとされています。
- 視力低下
- 目のかすみ
- 目の充血
- 目の痛み
- 涙目
- まぶたのけいれん
デスクワークなど、パソコンや細かい文字を見て長時間作業する人におすすめのツボです。指の腹を当てるだけでなく、左右両側のツボを親指と人差し指で同時につまむことでも刺激できます。
太陽(たいよう)
太陽は、眉尻と目尻を結んだ線の中心から親指の幅1本分だけ耳側にずらしたくぼみにあるツボです。場所が分かりづらいときは「こめかみ」を狙いましょう。
以下のような症状に効果があるとされています。
- 目の充血
- 目の奥の痛み
- 目の乾き
- 目のかすみ
- 眩しさを感じやすい
目の症状だけでなく、疲れ目や眼精疲労に伴う頭痛やめまいなどの症状をやわらげる効果もあるとされています。
魚腰(ぎょよう)
魚腰は、眉毛の真ん中あたりにある小さなくぼみにあるツボで、以下のような症状に効果があるとされています。
- 目の充血
- 目の腫れ
- 目の痛み
- 目のかすみ
攅竹(さんちく)
攅竹は、眉頭の少し下の小さなくぼみにあるツボで、以下のような症状に効果があるとされています。
- 目の痛み
- 視力低下
- 目のかすみ
- 目の乾き
目の症状だけでなく、疲れ目や眼精疲労に伴う頭痛や頭重感などの症状をやわらげる効果もあるとされています。
四白(しはく)
四白は、黒目の真下から指1本分下にいったところのくぼみにあるツボで、以下のような症状に効果があるとされています。
- 目の充血
- 目のかゆみ
- 目の痛み
目の症状だけでなく、疲れ目や眼精疲労に伴うめまいや頭痛などの症状をやわらげる効果もあるとされています。
眼球のすぐ近くにあるツボのため、誤って眼球を押してしまわないよう注意しながら優しく刺激しましょう。
眼精疲労や疲れ目を
予防するポイントは5つ
目を酷使しない
眼精疲労や疲れ目を予防するには、目を酷使する環境をなるべく避けることが大切です。同じ姿勢でパソコンやスマートフォンの画面を凝視し続けると、目のピント調節機能が低下し、目の疲れにつながります。
パソコンを使用するときは、画面との距離を40cm以上に保ち、スマートフォンの場合も、画面との距離を30㎝以上離しましょう。また、画面の明るさと室内の明るさが同じくらいになるように、ディスプレイの明るさや照明を調整しましょう。
また、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器を使用するときは、1時間ごとに15分程度の休憩を挟み、画面を見ない時間を意識的に作りましょう。休憩中は、窓の外の遠くの景色を見たり、目の疲れに効くツボ押しや、目の周りのマッサージをしたりするのがおすすめです。
度数の合ったメガネやコンタクトレンズを使う
度数の合っていないメガネやコンタクトレンズは、眼精疲労や疲れ目の原因となります。メガネやコンタクトレンズを使っている人は、定期的に眼鏡店や眼科を受診し、度数が合っているかを確認しましょう。
特に注意したいのが、コンタクトレンズのネット通販です。ネット通販は、眼科の処方箋がなくても購入できるため、定期検査を受けるのを忘れてしまう方も多くいます。
コンタクトレンズの度数や種類を自己判断で選んでしまうと、眼精疲労や疲れ目の原因となる可能性もあります。初めてコンタクトレンズを使用するときや、レンズの種類、メーカー、度数などを変更したいときは、ネット通販で購入する前に眼科を受診し、処方箋をもらいましょう。また、特に自覚症状がなくても定期的に眼科で検査を受けるようにしましょう。
市販薬の活用
パソコンやスマートフォンなどデジタル機器の利用が多い方は、市販の目薬などを活用して眼精疲労や疲れ目を予防するのもおすすめです。
ドラッグストアなどで販売されている市販の目薬には、眼精疲労や疲れ目に効くものがたくさんあります。市販の目薬に含まれる有効成分としては、眼精疲労を改善する「ビタミンB12」や、ピント調節機能を改善する「ネオスチグミン」などが含まれる商品がおすすめです。パッケージに記載されている効能・効果を確認し「目の疲れ」と記載されている商品を選びましょう。
また、目薬だけでなく、眼精疲労や疲れ目に効果がある「飲み薬」も市販されています。自分に合ったタイプの商品を選び、使用法を守って正しく使いましょう。
ツボ押しやマッサージ
ツボ押しやマッサージも、眼精疲労や疲れ目対策に効果的です。デスクワークの休憩時間などに、先ほどご紹介した目の疲れや眼精疲労に効くツボを、指の腹でゆっくりと押してみましょう。
ツボ押しをしながら目の周りを優しくマッサージして、凝り固まった筋肉をほぐすのもおすすめです。
食事・サプリメント
目の健康にはさまざまな栄養素が深く関わっていることが知られています。目の疲れに良いとされる栄養素を含む食品を意識的に摂ったり、サプリメントを活用したりするのもおすすめです。
たとえば、ビタミンB1やビタミンB12などの「ビタミンB群」は、視神経の働きをサポートし、疲れた目の回復に働きかけます。ビタミンB1は豚肉や玄米、豆類などに、ビタミンB12はシジミやアサリなどの貝類やイクラなどに多く含まれています。
ビタミンB群以外には、レバーやニンジン、ホウレンソウなどに多く含まれる「ビタミンA」や、かぼちゃやモロヘイヤ、ケールなどに多く含まれる「β-カロテン」なども、目の疲れに良いとされています。
まとめ
眼精疲労や疲れ目は、パソコンやスマートフォンなどを使用する機会の多い現代社会の国民病です。ツボ押しやマッサージ、目を酷使する環境の見直し、目に合ったメガネやコンタクトレンズを使うなど、まずは自分でできる範囲のセルフケアを行いましょう。
眼精疲労や疲れ目の原因はさまざまで、なかには目の病気や重篤な病気が隠れているケースも少なくありません。日常生活に支障をきたすほど強い症状がある場合や、自分なりの対策を行ってもなかなか症状が改善しない場合は、早めに眼科を受診することも大切です。