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最終更新日:2024.08.30

運転用のサングラスの選び方とは?昼夜の運転に適した色・可視光線透過率や偏光サングラスについて解説

眼とメガネの情報室 みるラボ

この記事の執筆者

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みるラボ編集部

運転用のサングラスの選び方とは?昼夜の運転に適した色・可視光線透過率や偏光サングラスについて解説

目次

運転中の日差しやヘッドライトの眩しさはストレスになりますよね。天気が悪い日も、雨でぬれた路面の反射が眩しく、危険に思う方も多いでしょう。サングラスには、このような運転時のストレスを解消できる機能を備えたものがあります。

この記事では、運転に向いたサングラスの特徴、JIS規格に基づいた適切なサングラスの選び方についてご紹介します。安全で快適な運転をするために、興味のある方はぜひ最後までお読みください。

運転用のサングラスとは?
普通のサングラスと違うの?

運転用のサングラスイメージ

運転用のサングラスは、日常使いするサングラスとは選び方が異なります。良好な視界を得るために、普通のサングラスより安全に配慮された機能性の高いレンズを選ぶのがベストです。

天気が良い日の日差しや西日、路面の照り返し、対向車や後続車のヘッドライトなどの眩しさを軽減できれば運転がしやすくなります。そのため、レンズの色の濃さだけではなく、光の乱反射をおさえる偏光レンズを選ぶなど機能面も確認しましょう。ギラつく光がおさえられ、視界がクリアになります。

日常生活のサングラスイメージ

一方、日常使いの普通のサングラスは、日差しの眩しさの軽減やおしゃれ目的で用いる方が多いです。そのため、レンズの機能性にはあまり着目せず、レンズの色が濃いものから薄いものまで好みで選ぶことができます。レンズが光を通す割合は可視光線透過率といい、一般的にサングラスのタグの裏に表示されています。

このように、サングラスは目的によって選ぶ基準が異なります。運転におすすめのサングラスについて説明します。

運転に使用できるサングラスはJIS規格で定められている

JIS規格では、運転や道路で使用するサングラスにおいて視感透過率8%以下のレンズは昼間・夜間とわず適さないと記されています。視感透過率とは、可視光線透過率と同じ意味合いで、レンズが光を通す割合のことです。数値が0%に近いほど光を通さない色の濃いレンズで、100%に近いほど光を通す色の薄いレンズを意味します。

また、視感透過率75%未満のレンズにおいては、薄暮または夜間における運転や路上での使用は禁止です。ほかにも、信号の誤認防止のため、赤や黄、緑、青色を識別できる色であることが定められています。

JIS規格に合わないサングラスを選ぶと、視界が悪くなることで歩行者を見逃してしまったり標識や信号を見間違えたりして、思わぬ事故を起こしてしまう可能性があります。安全運転のため、色の濃いレンズは日中に使い、夜は色の薄いレンズを選びましょう。サングラスを選ぶ際は、視感透過率(可視光線透過率)を確認し、運転においてはレンズの色にも配慮してください。

偏光機能のサングラスで
運転はできる?

偏光機能を備えたサングラスは、運転に適しています。でこぼこした路面や建物、雨で反射した光は散乱するため、一般的なサングラスでは眩しさをおさえきれません。レンズの色を濃くしてしまうと、視界全体が暗くなり危険が生じます。
偏光サングラスはこうした乱反射やギラつく光がおさえられるため、クリアな視界が得られます。目も疲れにくくなるため、長時間運転する方にもおすすめです。

しかし、注意したい点もあります。トンネルに入ると視界が暗くなるため、サングラスを外す必要があります。特に、度付きの偏光サングラスの場合は運転中にメガネをかけ替えなくてはならず危険です。普段からメガネをかけている方は、メガネの上からかけられる偏光サングラスやメガネに付ける前掛けタイプもあります。利用するシチュエーションに合わせてサングラスを選びましょう。

また、一般的な偏光機能を備えたサングラスは、レンズの色が濃いため夜間の運転はできません。夜間に偏光レンズを使いたい場合は、レンズの色の濃さにも配慮して選ぶ必要があります。夜間でサングラスを使用したい場合には、眼鏡専門店で夜間運転適応のカラーを確認の上、相談してから購入しましょう。

偏光レンズの仕組み

偏光フィルムタイプの偏光レンズ
コーティングタイプの偏光レンズ

偏光レンズは、偏光フィルムをレンズの間に挟み込んで作られているタイプと、レンズに偏光膜をコーティングしたタイプの2種類があります。偏光フィルターが一方向から入ってくる光だけを通すため、ほかの角度から入る乱反射をさえぎり視界がクリアになります。偏光レンズは色の濃いものから薄いものまでありますが、色の薄いレンズになると偏光機能も下がる傾向があるため注意が必要です。

もちろん、一般的なサングラスでもレンズの色を濃くすれば、視界が暗くなり眩しさを軽減できます。しかし、標識や信号などきちんと認識したいものも見づらくなってしまいます。偏光レンズであれば視界の良さを確保しつつ、ギラつく光やライト、雨でぬれた路面に反射した眩しさなどを軽減できるためおすすめです。

運転用のサングラスの選び方

運転用のサングラスは、昼の運転や夜の運転、レンズの種類によって選び方が異なります。サングラスを利用するシチュエーションに合わせて、選ぶポイントを知りましょう。

昼の運転

昼の運転イメージ

昼間の運転で強い日差しをさえぎるには、視感透過率が20%〜30%程度のサングラスを選ぶと良いでしょう。JIS規格では8%以上のレンズと定められているため、この数値を下回らないように注意してください。一般的に、サングラスのタグの裏に記載されています。

また、偏光レンズの使用もおすすめです。レンズの色の濃さだけではおさえきれない光の乱反射をさえぎることで、クリアな視界が得られます。特に偏光度が高いサングラスであれば、その効果は高いです。

なお、日常的にメガネをかけている方は、度付きサングラスやメガネの上からかけられるオーバーサングラス、クリップオンタイプなどもあります。クリップオンタイプとは、いつも使っているメガネの上部にクリップで簡単に取り付けられ、不要な際はクリップを跳ね上げられる昔ながらのサングラスです。様々なタイプのサングラスがありますので、ライフスタイルに合ったサングラスを選びましょう。

夜の運転

夜の運転イメージ

夜間の運転には、レンズの色の濃さに注意する必要があります。特に、雨の日は視界が暗くなるため、光を通さないレンズは危険です。JIS規格では視感透過率が75%以上と定められているため、この数値を下回らないようにしましょう。

対向車のライトや雨でぬれた路面は、夜の暗い環境でも思いのほか光が反射し、眩しく感じることもあります。しかし、サングラスをかけることにより歩いている人が見えにくくなるなどのリスクもあります。夜の運転では、必ず規格にあったカラーレンズを選択しましょう。

また、偏光レンズの場合も偏光度が高いサングラスを選ぶと視感透過率が下がり視界が暗くなってしまうため、安全のために視感透過率の数値を優先しましょう。
昼の運転と夜の運転に適したサングラスは異なります。安全なドライブのために2本所有し、時間帯によってかけ替えるのがおすすめです。

老眼の方は累進レンズもおすすめ

老眼の方は、遠くの景色も手元のカーナビもクリアに見たいと悩む方も多いでしょう。この場合は、色付きの累進レンズを取り入れるのがおすすめです。累進レンズとは、レンズの上部から下部にかけて違う度数が設計されたレンズで、遠近両用レンズなどを指します。遠くの道や標識、手元のカーナビやミラーも見やすくなるため便利です。

遠近両用レンズにも種類があり、遠くの景色をはっきり見ることを優先したものや、中間から近くの見え方を重視したレンズなどもあります。遠近両用レンズは、慣れるまで特有のボケや歪みを感じることがあるため、遠近両用レンズがはじめての方はボケや歪みが少ないレンズを選ぶと良いでしょう。

また、フレームは縦の幅が広めのものがおすすめです。ボケや歪みが少なく見え方が安定し、視野も広くなります。遠近両用レンズでサングラスを作るには、自分に合った度数や設計が必要になります。眼鏡店で目的や悩みも含めて相談してください。

運転用のサングラスに
おすすめの色

サングラスのレンズカラーも、昼と夜ではおすすめが異なります。選ぶ色によって自然な見え方をするものやコントラストを高めるものがあるため、違いを知ってサングラス選びに役立ててください。

昼の運転におすすめなレンズカラー

グレーカラーのサングラス

昼の運転におすすめのサングラスのレンズカラーは、グレーやグリーン、ブラウンです。それぞれのカラーには見え方に特徴があります。

グレーは全波長の光をおさえやすく色の移り変わりが少ないため、自然な見え方をします。グリーンはブルー系やレッド系の光をおさえて波長を平均的にするため、柔らかい見え方になるでしょう。ブラウンはブルー系の光をおさえ、コントラストを高めるヘイズカット効果で、遠くの景色がすっきり見えるようになります。

夜の運転におすすめなレンズカラー

イエローカラーのサングラス

最近の車はLEDライトを使うケースが多いため、夜の運転にはブルー系の光をおさえるイエローやオレンジ系のカラーがおすすめです。ライトの光をおさえるだけでなく、視界が明るくなりコントラストがはっきりし、白線も見やすくなります。

一方、グレーはおすすめできないカラーです。全体的に視界が暗くなり見えにくくなります。もしグレーのサングラスを選びたい場合は、可視光線透過率が75%以上のサングラスにしましょう。

運転用におすすめの
サングラス4選

ここからは、運転用におすすめのサングラスを比較しながら4種類ご紹介します。使用シーンによって使い分けができるため、自分に合うタイプを検討してみてください。

一般的なサングラス

レンズに色がついた一般的なサングラスは、ウェリントン型やボストン型、オーバル型、スクエア型など、様々な種類が販売されています。レンズの色も、グレーやグリーン、ブラウン、イエローなど豊富にあり、色の濃さも豊富なため、目的に合わせて選びやすいのがメリットです。

また、機能付きサングラスや度入りサングラスと比べて、リーズナブルな価格なのも魅力でしょう。目的によって複数本所有したい方におすすめのサングラスです。

偏光サングラス

偏光サングラスは、一般的なサングラスよりギラつきや乱反射を防ぎ、クリアな視界を得られるタイプのサングラスです。一般的なサングラスレンズの場合、視界全体が暗くなり周囲が見えにくくなることもありますが、偏光レンズは視界を暗くせず眩しさを軽減することができます。また、普段スポーツを楽しむ方はより使う頻度も高くなるでしょう。

しかし、一般的なサングラスより価格が高めで、デザインが限られるのがデメリットです。また、レンズは濃い色が多く、薄い色を求める方にはおすすめできません。

度付きサングラス

普段メガネを使用している方には、度付きサングラスがおすすめです。市販されている多くのサングラスはレンズの入れ替えが可能です。作製する場合には、眼鏡店や眼科で視力を測定してから作製しましょう。

レンズの種類は、単焦点に限らず累進レンズも選べるため、老眼で手元のカーナビやミラーが見にくいという悩みも解決できます。
サングラスの構造や度数によっては対応できないケースもあるため、眼鏡店で相談して選んでください。

クリップオン・オーバーサングラス

クリップオン・オーバーサングラス

クリップオンやオーバーサングラスは、手持ちのメガネの上に取り付けることができます。運転中、サングラスが不要な時には、すぐ外せるのが大きなメリットです。また、視力が安定せず度付きサングラスのレンズを度々入れ替えなくてはならず、維持費がかさんでしまう方にもおすすめのアイテムといえるでしょう。

便利なアイテムですが、一般的なサングラスほど販売数が多くないため、フレームデザインやレンズカラーを選ぶのに制限があるのがデメリットです。

まとめ

今回は、運転用のサングラスの選び方や昼夜の運転に適したレンズカラーについてご紹介しました。今までは気に入ったデザインやレンズの色の濃さでなんとなくサングラスを選んできた方も多いのではないでしょうか。サングラスと言っても、使うシーンや時間帯、求める見え方によって適したサングラスは異なります。

今回ご紹介した内容を参考に、運転に適した好みのサングラスをぜひ見つけて、外出時にお役立てください。

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