メガネ
最終更新日:2025.06.27

ヴィンテージメガネとは?メリットやコーディネートのポイントを紹介

ヴィンテージメガネとは?メリットやコーディネートのポイントを紹介

目次

ヴィンテージメガネは、おしゃれさや個性的なファッションを楽しむのにぴったりのアイテムです。独特な雰囲気に惹かれつつも、どのように使いこなせばいいのか分からないと感じている人も多いのではないでしょうか。

また「ヴィンテージ」がどのくらい昔のメガネを指すのかが分からないと感じる方もいるかもしれません。あまりなじみのないアイテムに感じるヴィンテージメガネですが、歴史やコーデのポイントを押さえれば、気軽に個性の光るファッションを楽しめる心強いメガネとして活用できます。

この記事では、ヴィンテージメガネの定義やメリット、コーデのポイントについてもまとめました。ヴィンテージメガネをかけてみたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

ヴィンテージメガネとは

ヴィンテージメガネイメージ

ヴィンテージメガネとは、1950年から1980年代につくられたメガネを指します。年代に明確な定義があるわけではなく、2000年ごろまでに製造されたメガネをヴィンテージと呼ぶ人もいます。20年以上前につくられたメガネを指す場合が多いです。

ヴィンテージメガネは、ただ古ければいいわけではありません。「由緒があり、古いからこそ価値があるもの」をヴィンテージと呼びます。近年では、クラシカルなデザインのブームが続いており、老舗メーカーやヴィンテージメガネが注目されています。

ヴィンテージならではの独自のデザイン、精巧な造りや質の高さが人気の理由です。コンディションの良いヴィンテージメガネは、問題なく使用できるものが多いでしょう。しかし、状態が良くてもパーツの補修やレンズ交換など、メンテナンスが難しい場合もあるため注意が必要です。

ヴィンテージメガネのこれまでの歴史

メガネの起源は、13世紀後半です。当時は金や銀、宝石を使用してつくられた高級品で、貴族や限られた上流階級の人々だけがアクセサリー感覚で使用できるものでした。

1800年代に入ると「金張り」と呼ばれる技術が登場し、メガネの普及が進み始めます。金属に薄い金を圧着するこの技法により、より多くの人々が手にとれる存在へと変化しました。また、現在一般的な「テンプルつきメガネ」が登場したのもこの頃で、イタリアでその原型が生まれたといわれています。

1860年代の産業革命を機に、メガネは一点ものの工芸品から、大量生産が可能な工業製品へと変わっていきます。これにより、さらに多くの人にとって身近なアイテムとなりました。

1940年代から1950年代には、アメリカやフランスでプラスチックを使用したフレームのメガネが人気を博しました。セルロイド樹脂を使ったデザインや、眉のラインを強調する「ブロータイプ」のメガネなどが登場し、ファッションアイテムとしての位置づけも強まっていきました。現在でも高い人気を誇る「ウェリントン型」や「ティアドロップ型」のメガネも、この時代に生まれています。

1970年代以降は、レンズもプラスチック製が主流となり、軽量化とデザインの多様化が進みます。アメリカ、フランス、ドイツ、日本など、各国で独自の感性を活かしたデザインが展開され、現代のメガネ文化へとつながっています。

ヴィンテージメガネの
3つのメリット

ヴィンテージメガネは、ファッションアイテムとして根強い人気を誇っています。背景にある歴史や文化を知ることで、その魅力はより一層深まるでしょう。ここでは、ヴィンテージメガネを選ぶメリットとして、代表的な3点をご紹介します。

希少で価値が下がりにくい

ヴィンテージメガネの多くは、熟練の職人が手がけたもので、同じものがほとんど存在しない一点物です。製造数が極めて少なく、世界にわずか数本という希少なモデルもあり、それを求めてコレクターが探し続けているケースもあります。

大量生産品とは異なり、1本ごとの価値が非常に高く、唯一無二の存在感を放つのが特徴です。他人とかぶりたくない、個性を大切にしたいという方にとって、まさに理想的なアイテムです。

また、製造技術の変化や素材の流通停止により、現在では再生産が難しいモデルも数多くあります。こうした背景が、ヴィンテージメガネの価値をさらに高めており、年月を経ても価格が下がりにくい理由の一つになっています。中には20万円を超える価格がつく希少品もあります。

特別な素材と現代にない構造

1980年代以前に製造されたヴィンテージメガネには、価値の高い天然素材や金属、宝石といった、現在ではあまり使用されない貴重な素材が多く使われています。例えば、天然のべっ甲やバッファローホーンなどは、今は入手が難しくなっているため、当時ならではの価値が感じられます。

1950年代から1970年代にフランスで製造されたフレンチヴィンテージでは、セルロイド樹脂を使ったフレームが数多く見られます。この素材は、世界ではじめて開発されたプラスチックの一種で、「セルフレーム」という言葉の由来にもなっています。しなやかでつややか、発色の美しさもあり、多くのファンを魅了しています。

1960年代以前は、レンズ素材にガラスが使われていた時代であり、傷に強く劣化しにくいというメリットがありました。ガラスレンズに耐えられるように重厚感のあるフレームが使用され、この時代特有の素材や重量を感じられるのも魅力でしょう。

ヴィンテージメガネは質が良く、耐久性に優れているという側面もあります。数十年経った今もなお、良好なコンディションを保つメガネも少なくありません。

時代や土地ごとのデザインを楽しめる

ヴィンテージメガネの魅力の一つは、各時代や国によって異なるデザインが楽しめることにあります。かつては国際的な流通が発達していなかったため、地域ごとに独自のファッション文化があり、それがメガネのデザインにも強く反映されていました。特に、アメリカやイタリアなどでは、時代ごとに異なるスタイルが生まれています。

1890年代から1960年代にかけては、プラスチック製フレームが一般化し、大量生産が始まったことでサイズや形状のバリエーションが増え、多くのデザインが登場しました。

1960年代から1970年代にかけては、ヨーロッパ各国で自由な表現が広まり、それに伴いメガネのデザインも個性的で多彩なスタイルが生まれました。さらに1970年代以降は、軽量なプラスチックレンズの登場により、大きめのフレームデザインも定番化していきます。

このように、ヴィンテージメガネには、その時代ごとの流行や文化が刻まれており、ヴィンテージメガネを通して時代や土地ごとのデザインを楽しめるのも、愛好家にとって魅力的です。

ヴィンテージメガネのデザインを
受け継いだフレーム

国ごとに生まれたヴィンテージメガネには、様々なデザインがあり、国や年代により、異なる特徴を持っています。フレームも多様なシルエットがつくられました。ここからは、ヴィンテージメガネのデザインを受け継いでいる代表的なフレームについてご紹介します。

1 : ウェリントン

ウェリントンフレームイメージ

ウェリントンタイプのメガネは、ヴィンテージメガネを代表するデザインの一つです。下辺が短く、台形を逆さにしたような形状をしています。

ウェリントンタイプのフレームは、1950年代に、アメリカの有名な私大8校を指すアイビーリーグで流行しました。現代のクラシックブームの立役者ともいわれたデザインであり、国内外問わず多くの芸能人が愛用していることも影響し、現代でも人気のシルエットです。

トラッドなファッションだけではなく、カジュアルなスタイルなどどんな服装にも合わせやすい点もポイントになります。また、三角顔や丸顔といった、どの顔型にも比較的似合うため、はじめてメガネを選ぶ方にもおすすめです。

2 : ラウンド

ラウンドフレームイメージ

地域を問わず、世界中で愛されるデザインの一つがラウンドタイプです。真円に近い、いわゆる丸メガネを指します。1920年代から1930年代頃に大流行したデザインで、「ロイドメガネ」とも呼ばれます。

日本では明治時代、文豪や学者、政治家をメインに幅広くかけられていました。当時はほとんどがラウンド型のメガネであり、丸メガネ時代を象徴するメガネでもあります。

ヴィンテージのラウンドタイプは、鼻パッドやテンプル(つる)のデザインに特徴があるものが多く、現代の復刻モデルとは構造やディテールが異なる場合もあります。丸い形状が持つ柔らかさと、フレームの個性が相まって、ファッションのアクセントとしても映えるデザインです。

3 : ボストン

ボストンフレームイメージ

ボストンタイプは、逆段角形の角を丸くしたフレームで、ラウンドタイプをベースに生まれたデザインです。ラウンドタイプに比べ、視野の広さが特徴になります。

このタイプは、1930年代にアメリカンオプティカル社から出されたメガネが大流行したことがきっかけとなり広まりました。その後、何度もリバイバルされ、現在は日本でも愛用者が多いフレームの一つです。

ボストンタイプは、身につけるだけで自然とクラシックな印象を与えてくれます。ラウンド型に比べて、くせが少なく、ナチュラルで落ち着いた雰囲気を演出できるため、シンプルな服装にもよく合います。カジュアルスタイルとの相性も良く、日常的に使いやすいデザインといえるでしょう。

ヴィンテージメガネを
活かせるコーデ

歴史的な背景や、希少性が魅力のヴィンテージメガネですが、優れたデザイン性は特に魅力的です。日常のコーディネートにヴィンテージメガネをうまく取り入れられれば、ファッションの幅も広がります。そこで、ヴィンテージメガネを活かせるコーデのポイントをご紹介します。

ヴィンテージメガネをコーデの主役にする

シンプルな服装にヴィンテージメガネをかけている女性

ヴィンテージメガネの良さを最大限に活用するなら、シンプルな服装に合わせるのがおすすめです。メガネ自体が個性的なため、洋服やほかのアイテムまで個性的にすると、うまく組み合わせるのが難しい場合があります。

シンプルコーデを例にあげると、デニムコーデやラフなTシャツにヴィンテージメガネをかけるだけで、一気に垢抜けた印象になります。白いパンツに白のTシャツといった、ワントーンコーデにヴィンテージメガネをポイント使いにするのもおすすめです。メガネがアクセントになり、おしゃれさがアップします。

全身をヴィンテージアイテムでまとめようとすると、コストがかかってしまうこともありますが、メガネを主役に決めてコーディネートすることで、手軽にレトロなスタイルを楽しむことができます。

ヴィンテージメガネと小物を組み合わせる

ヴィンテージメガネを使用する際は、ほかの小物使いにもこだわると更におしゃれさが増します。スカーフやアクセサリー、バッグ、帽子など、ヴィンテージメガネと組み合わせやすい小物はたくさんあります。

例えば、メガネのフレームカラーに合わせてアクセサリーや靴の色を統一すると、まとまりが出て洗練されたおしゃれを楽しめます。シンプルな中にレトロな雰囲気が混ざり、主張しすぎないものの、しっかりとヴィンテージメガネの存在感も強調することができるでしょう。

また、スカーフやバッグであれば、ヴィンテージ感があるデザインにしてもメガネと合いやすく、時代感のあるスタイルに仕上がります。しかし、小物でいくつかレトロなアイテムを取り入れる場合、足し引きのバランスが大切です。華やかなヴィンテージのスカーフを使うのなら、帽子はシンプルなデザインを選んでバランスをとるとすっきりとまとめやすいでしょう。

ヴィンテージメガネの時代や国の雰囲気を取り入れる

ヴィンテージメガネは、かつての流通環境の影響もあり、特定の国や地域のデザインが色濃く反映されていることが多いです。その背景を知ることで、より深くファッションとして楽しむことができます。

アメリカンなヴィンテージメガネを使うなら、ほかのコーデもアメリカのレトロな雰囲気でまとめると、統一感がアップします。選んだヴィンテージメガネの時代背景や、製造国がどこなのかなどルーツを知っておくと、ファッションをより楽しめます。

また、あえて統一させないファッションを楽しむのも一つの手段です。現代のモダンファッションに、ヴィンテージメガネをワンポイントで取り入れると、時代がミックスされたレトロシックなコーデが完成します。その時代風のファッションがしたいのか、モダンな印象を残したコーデが好きなのか、自分の好みに合わせてヴィンテージメガネを取り入れてみてください。

よくある質問

ヴィンテージメガネを取り入れたいと思っていても「通常のメガネと同じ感覚で扱っていいの?」など、疑問を感じる方も多いかもしれません。そこで、ヴィンテージメガネに関して、よくある質問をまとめました。今ヴィンテージメガネを検討している人も、すでにお持ちの人も参考にしてみてください。

ヴィンテージメガネはメガネ店でメンテナンスできる?

ヴィンテージメガネは、メガネ店でのメンテナンスが可能です。大手の眼鏡店では、メンテナンスを行っているところがほとんどでしょう。

ただし、ヴィンテージメガネの種類や素材によっては、メンテナンスが難しいものもあります。不安な場合は、購入する段階で、メンテナンスが可能か確認しておくと安心でしょう。

ヴィンテージメガネはどのようにお手入れするの?

普段のメンテナンスは、基本的には通常のメガネと同様、汚れてしまった場合は水洗いをして柔らかい布やティッシュでふきとります。汚れの度合いによっては、メガネクリーナーを使用しても良いでしょう。

フィッティングの調整や消耗品パーツの交換をする場合は、眼鏡店に持ち込み対応するのが安全です。メガネの種類や状態によっては、調整ができない場合もあるため、事前に確認をとることをおすすめします。

また、メガネのかけ外しやテンプルの折り畳みは、必ず両手で行ってください。丁寧に扱うことで、消耗を抑えられます。

自分に合ったサイズのヴィンテージメガネの選び方は?

メガネのサイズが合わないと、バランスが悪く見えたりかけ心地が悪かったりと、気になる点が出てきてしまいますよね。ヴィンテージメガネの購入前に、自分の顔のサイズを測っておくことが大切です。

一番確実な方法は、お店でサイズを測ってもらうことです。ほかにも、お店で実際にメガネをいくつかフィッティングしてみて合うサイズを確認しておくと、安心してメガネを選べるでしょう。

まとめ

ヴィンテージメガネと聞くと、実際にどのメガネがヴィンテージ風なのか、コーデにどうやって合わせればいいのかといった疑問を抱く方も少なくないでしょう。この記事では、ヴィンテージメガネの歴史やメリット、具体的なコーディネート方法をご紹介しました。

ヴィンテージメガネをかけてみたいけれど、使い方や選び方がいまいち分からず、一歩踏み出せていない人もたくさんいるのではないでしょうか。ヴィンテージメガネは、シンプルな服装に合わせやすく、レトロからモダンな服装にまでフィットします。

自分だけのスタイルを楽しみたいと感じている方は、ぜひヴィンテージメガネを取り入れて、毎日のコーディネートに個性をプラスしてみてください。

眼とメガネの情報室 みるラボ

この記事の執筆者

眼とメガネの情報室
みるラボ編集部

目に関するの様々な悩みについての情報や解決策を発信しています。あなたの「見る」ことに対しての不安や疑問の解決のお手伝いをさせていただきます。

おすすめコラムRECOMMENDED COLUMN

人気コラムランキングRANKING

その他メガネコラムOTHER COLUMN

目次を
見る
閉じる