この記事の執筆者
眼とメガネの情報室
みるラボ編集部
目次
「中近両用メガネ」って聞いたことがあるけれど、遠近両用メガネとは違うの?
自分には、遠近両用メガネと中近両用メガネのどちらが合うのか知りたい。
このような疑問や悩みをお持ちの方は多いでしょう。
実は、中近両用メガネにはメリット・デメリットがあり、使用目的によってもおすすめできる方とできない方がいます。
この記事では、中近両用メガネとは何かや遠近両用メガネとの違い、特徴について解説し、どのような人に合うメガネなのか具体例を上げてご紹介します。中近両用メガネを選ぶべきかお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
中近両用メガネ
(中近両用レンズ)とは?
中近両用メガネ(中近両用レンズ)は、老眼を感じている方が室内でメガネのかけ外しなく快適に過ごすことができる設計のメガネ(レンズ)です。レンズの上部には中距離に焦点の合う度数を、下部には近距離に焦点の合う度数が設計されています。
そのため、中近両用メガネは一つのメガネでスマホや読書などの近距離の作業と、屋内で過ごす場合の中距離の視界移動に使用可能です。オフィスで過ごすことの多い方や、家の中で過ごすことの多い方に適したメガネといえます。
しかし、一つのレンズに異なる度数を設計しているためレンズの両サイドの見え方にゆがみが生じるというデメリットも持ち合わせています。遠距離のみや近距離のみに焦点を合わせた普通のメガネと比べて、見え方に慣れが必要です。
遠近両用メガネ(遠近両用レンズ)との違い
遠近両用メガネ(遠近両用レンズ)と中近両用メガネ(中近両用レンズ)の違いは、主に2つあります。
- ピントが合う距離の違い
- ゆがみの大きさの違い
遠近両用メガネはその名の通り、遠距離から近距離までの視野に対応するレンズです。運転など、より遠くの景色を見る必要がある場面でも活躍します。
一方、中近両用メガネは前述したとおり、中距離から近距離までの視野に対応するレンズです。
レンズ設計の違いにより、一般的に中近両用メガネの方がゆがみが少ない見え方をします。
中近両用メガネ
(中近両用レンズ)の特徴
中近両用メガネ(中近両用レンズ)の特徴を3つご紹介します。
メリット・デメリットをしっかり理解して安全に使いましょう。
中距離と近距離が見やすい
中近両用メガネは、中距離と近距離が見やすいのが特徴です。レンズの上部で中間距離を、レンズの下部で近距離を見る設計となっており、視野を確保します。
そのため、主にオフィスや自宅など、室内で過ごすことが多い方に向いています。
また、中近両用メガネは以下のような悩みを持つ方に適しています。
- 手元で何か作業をしていた時に、ふと顔を上げたら焦点が合わずよく見えない
- 手元の焦点が合いにくく近距離での作業が疲れる
遠距離は見えにくい
中近両用メガネは、中間距離と近距離に最適化したレンズのため、遠距離は焦点が合いにくい特徴があります。
そのため、基本的に運転や外出には向いていません。
ご自宅のベランダやお庭での作業をする程度にとどめてください。
運転や外出を必要とする際は、遠近両用メガネや、遠距離だけに焦点を合わせた普通のメガネが必要です。
ゆがみが少ないレンズ設計
中近両用メガネは、遠近両用メガネのような大きなゆがみを感じにくいレンズ設計です。そのため、はじめて累進レンズを使う方も、見え方に慣れやすいのが特徴の一つです。
累進レンズとは、1枚のレンズの中に異なる度数を設け、度数の切り替えもゆるやかに設計したレンズのことを指します。
多くの場合、毎日使う方であれば1週間程度で慣れてきます。見え方や慣れる時間には個人差があるため、万が一見え方に慣れない場合は、眼鏡店へ相談すると良いでしょう。
中近両用メガネ(中近両用レンズ)を使うのに向いている場面
中近両用メガネ(中近両用レンズ)を使うのに向いている場面を、具体的にご紹介します。
ご自身の生活スタイルに合うか、イメージしてみてください。
読書などの趣味やテレビを楽しむ時
中近両用メガネは、趣味の読書など手元で作業したり、室内でテレビを楽しんだりするに適しています。
手元の作業でも常に近くだけを見続けることは意外と少ないため、ふと視線を上げた時にも焦点が自然に合うと、ストレスを感じにくく過ごせるでしょう。
読書以外にも、音楽の趣味をお持ちであれば、楽譜を見るのにも適しているためおすすめです。
オフィスで会議する時
オフィスでの会議中にも、中近両用レンズは役立ちます。
手元の資料やパソコンを見ながら、全体で共有する資料やホワイトボードの情報を見る際にも活躍します。時には壁にかけてある時計の文字盤を見たいタイミングもあるでしょう。大切な会議などの集中したい場面で見たいものが見えないと、ストレスを感じやすくなります。中近両用レンズは、このような場面にも使い勝手が良いためおすすめです。
料理する時
レシピを見ながら料理する方にとって、スマホや本を置く距離や文字の大きさによっても、見やすさは違います。また、料理中に家族に呼ばれて移動しなくてはいけなかったり、料理を運んだりすることも少なくないでしょう。
このように、部屋の様子を見ながら手元の作業に集中できるため、料理をする時にも中近両用レンズは適しています。
中近両用メガネ(中近両用レンズ)が使えない人はいる?
中近両用メガネ(中近両用レンズ)は、すべての人が使えるとは限りません。見え方の特徴と使用用途に合った使い方が大切です。
中近両用メガネは、1枚の中に異なる度数が入ったレンズのため、両サイドの見え方にゆがみが生じるデメリットがあります。遠近両用メガネと比較すると、そのゆがみは比較的小さく慣れやすいといわれていますが、すべての人が合うわけではありません。
また、中近両用メガネは遠距離を見るのに適さないため、運転や屋外でスポーツをする方には不向きです。
まとめ
今回は、中近両用メガネ(中近両用レンズ)についてご説明しました。
中近両用メガネは、中距離と近距離の見え方を一つのレンズで改善するメガネです。特にオフィスや自宅での使用に適しています。室内での趣味や仕事の場面で目をこらさなくても楽に見えるようになり、日常生活がより快適になるでしょう。
自分の生活スタイルや視力に合わせて、中近両用メガネの選択を検討してみてください。
快適な視界で、日々の生活を楽しんでいきましょう!