メガネレンズ
最終更新日:2025.08.25

中近両用メガネとは?【失敗しない選び方】メリット・デメリットと遠近両用との違い

中近両用メガネとは?【失敗しない選び方】メリット・デメリットと遠近両用との違い

目次

「中近両用メガネ」って聞いたことがあるけれど、遠近両用メガネとは違うの?
自分には、遠近両用メガネと中近両用メガネのどちらが合うのか知りたい。
このような疑問や悩みをお持ちの方は多いでしょう。

実は、中近両用メガネにはメリット・デメリットがあり、使用目的によってもおすすめできる方とできない方がいます。
この記事では、中近両用メガネとは何かや遠近両用メガネとの違い、特徴について解説し、どのような人に合うメガネなのか具体例を上げてご紹介します。中近両用メガネを選ぶべきかお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

中近両用メガネ
(中近両用レンズ)とは?

中近両用メガネを使用している夫婦

中近両用メガネ(中近両用レンズ)は、老眼を感じている方が室内でメガネのかけ外しなく快適に過ごすことができる設計のメガネ(レンズ)です。レンズの上部には中距離に焦点の合う度数を、下部には近距離に焦点の合う度数が設計されています。

そのため、中近両用メガネは一つのメガネでスマホや読書などの近距離の作業と、屋内で過ごす場合の中距離の視界移動に使用可能です。オフィスで過ごすことの多い方や、家の中で過ごすことの多い方に適したメガネといえます。

しかし、一つのレンズに異なる度数を設計しているためレンズの両サイドの見え方にゆがみが生じるというデメリットも持ち合わせています。遠距離のみや近距離のみに焦点を合わせた普通のメガネと比べて、見え方に慣れが必要です。

遠近両用メガネ(遠近両用レンズ)との違い

遠近両用メガネ(遠近両用レンズ)との違い

遠近両用メガネ(遠近両用レンズ)と中近両用メガネ(中近両用レンズ)の違いは、主に2つあります。

  • ピントが合う距離の違い
  • ゆがみの大きさの違い

遠近両用メガネはその名の通り、遠距離から近距離までの視野に対応するレンズです。運転など、より遠くの景色を見る必要がある場面でも活躍します。
一方、中近両用メガネは前述したとおり、中距離から近距離までの視野に対応するレンズです。
レンズ設計の違いにより、一般的に中近両用メガネの方がゆがみが少ない見え方をします。

中近両用メガネ
(中近両用レンズ)の特徴

中近両用メガネ(中近両用レンズ)の特徴を3つご紹介します。
メリット・デメリットをしっかり理解して安全に使いましょう。

中距離と近距離が見やすい

中距離のイメージ

中近両用メガネは、中距離と近距離が見やすいのが特徴です。レンズの上部で中間距離を、レンズの下部で近距離を見る設計となっており、視野を確保します。
そのため、主にオフィスや自宅など、室内で過ごすことが多い方に向いています。

また、中近両用メガネは以下のような悩みを持つ方に適しています。

  • 手元で何か作業をしていた時に、ふと顔を上げたら焦点が合わずよく見えない
  • 手元の焦点が合いにくく近距離での作業が疲れる

遠距離は見えにくい

中近両用メガネは、中間距離と近距離に最適化したレンズのため、遠距離は焦点が合いにくい特徴があります。
そのため、基本的に運転や外出には向いていません。
ご自宅のベランダやお庭での作業をする程度にとどめてください。
運転や外出を必要とする際は、遠近両用メガネや、遠距離だけに焦点を合わせた普通のメガネが必要です。

ゆがみが少ないレンズ設計

レンズ内でゆがみが出る箇所のイメージ

中近両用メガネは、遠近両用メガネのような大きなゆがみを感じにくいレンズ設計です。そのため、はじめて累進レンズを使う方も、見え方に慣れやすいのが特徴の一つです。
累進レンズとは、1枚のレンズの中に異なる度数を設け、度数の切り替えもゆるやかに設計したレンズのことを指します。
多くの場合、毎日使う方であれば1週間程度で慣れてきます。見え方や慣れる時間には個人差があるため、万が一見え方に慣れない場合は、眼鏡店へ相談すると良いでしょう。

中近両用メガネ(中近両用レンズ)を使うのに向いている場面

中近両用メガネ(中近両用レンズ)を使うのに向いている場面を、具体的にご紹介します。
ご自身の生活スタイルに合うか、イメージしてみてください。

読書などの趣味やテレビを楽しむ時

メガネをかけて読書を楽しむ夫婦

中近両用メガネは、趣味の読書など手元で作業したり、室内でテレビを楽しんだりする際に適しています。
手元の作業でも常に近くだけを見続けることは意外と少ないため、ふと視線を上げた時にも焦点が自然に合うと、ストレスを感じにくく過ごせるでしょう。
読書以外にも、音楽の趣味をお持ちであれば、楽譜を見るのにも適しているためおすすめです。

オフィスで会議する時

オフィスで会議している人たち

オフィスでの会議中にも、中近両用レンズは役立ちます。
手元の資料やパソコンを見ながら、全体で共有する資料やホワイトボードの情報を見る際にも活躍します。時には壁にかけてある時計の文字盤を見たいタイミングもあるでしょう。大切な会議などの集中したい場面で見たいものが見えないと、ストレスを感じやすくなります。中近両用レンズは、このような場面にも使い勝手が良いためおすすめです。

料理する時

料理を楽しむ人

レシピを見ながら料理する方にとって、スマホや本を置く距離や文字の大きさによっても、見やすさは違います。また、料理中に家族に呼ばれて移動しなくてはいけなかったり、料理を運んだりすることも少なくないでしょう。
このように、部屋の様子を見ながら手元の作業に集中できるため、料理をする時にも中近両用レンズは適しています。

中近両用メガネ(中近両用レンズ)が使えない人はいる?

中近両用メガネ(中近両用レンズ)は、すべての人が使えるとは限りません。見え方の特徴と使用用途に合った使い方が大切です。

中近両用メガネは、1枚の中に異なる度数が入ったレンズのため、両サイドの見え方にゆがみが生じるデメリットがあります。遠近両用メガネと比較すると、そのゆがみは比較的小さく慣れやすいといわれていますが、すべての人が合うわけではありません。
また、中近両用メガネは遠距離を見るのに適さないため、運転や屋外でスポーツをする方には不向きです。

中近両用メガネの価格相場と費用について

中近両用メガネの価格は、「レンズ代」と「フレーム代」の合計で決まり、一般的に1万円台から10万円を超えるものまで幅広くあります。価格の違いは、主にレンズの性能(薄さ、視野の広さ、コーティングの種類)と、フレームの素材(チタンなど)やブランドによって決まります。

基本的に、メガネの購入に公的医療保険は適用されませんが、疾患の治療のために作製されるメガネは療養費の支給対象となる場合があります。

また、レンズの基本料金に加えて、レンズカラーを入れる、ブルーライトカットや傷防止、くもり止めといった特殊なコーティングを追加すると、別途オプション料金が発生します。ここに記載した価格は、あくまで一般的な市場価格の目安です。店舗や選択するレンズ、フレームによって金額は大きく異なるため、正確な費用については眼鏡店で直接見積もりを出してもらうようにしましょう。

レンズの種類別価格相場

中近両用レンズは、性能によっていくつかのグレードに分かれています。度数が強く、レンズの厚みが気になる方は薄型を、より自然で広い視界を求める方は高機能なレンズを選ぶなど、自分の希望に合わせて選択することが大切です。主なレンズの種類と価格の目安を以下にまとめました。

標準レンズ

基本的な性能を備えたレンズ。比較的安価に作製可能。価格目安(両眼)は10,000円~

薄型レンズ

屈折率が高く、度数が強くてもレンズの厚みをおさえられる。価格目安(両眼)は20,000円~

高機能レンズ

視野が広く、側面の歪みが少ない最新の設計。オーダーメイドに対応するものもある。価格目安(両眼)は40,000円~

上記の価格はあくまで目安です。レンズメーカーや眼鏡店によって価格設定は異なるため、購入前には眼鏡店で確認してください。

フレーム込みの総額目安

レンズとフレームを合わせた総額の目安を予算ごとにまとめました。

  • 1万円台の予算

    標準レンズとシンプルなデザインのフレームの組み合わせです。まずは中近両用メガネを試してみたいという方におすすめです。

  • 3万円台の予算

    薄型レンズを選んだり、軽量素材やデザイン性の高いフレームを選んだりすることが可能です。メガネの厚さや重さが気になる方は検討してください。

  • 5万円以上の予算

    高機能レンズや有名ブランド、高品質なチタン製フレームなどを組み合わせることができます。かけ心地や見え方、デザインにこだわりたい方にも適しています。

フレームを選ぶ際は、レンズの縦幅(天地幅)が広いデザインを選ぶと、中間距離と近距離の視野をそれぞれしっかり確保できるため、より快適な見え方になります。

失敗しない中近両用メガネの選び方

中近両用メガネは、自分のライフスタイルに合わないものを選ぶと「見えにくい」「疲れる」といった失敗につながります。後悔しないために、購入前には以下の3つを必ず確認しましょう。

  • ステップ1 : 自分のライフスタイルを伝える

    最も重要なのは、「いつ、どこで、何を見るために使いたいか」を明確にし、眼鏡店で具体的に伝えることです。
    「オフィスのデスクで、デスクトップPCの画面と手元の書類を交互に見たい」「リビングで、テレビを見ながら、手元のスマートフォンも操作したい」というように、具体的な距離や目的を伝えると、最適なレンズ設計を選べます。

  • ステップ2 : 丁寧な視力測定とカウンセリングを受ける

    正確な視力測定は、快適なメガネ作りの基本です。現在の視力だけでなく、目の状態や悩み、これまで使っていたメガネでの不満点などを詳しく伝えましょう。

  • ステップ3 : 試着とテストレンズでの見え方の確認

    メガネの購入前に、試着は必ず行いましょう。多くの眼鏡店では、作製前にテスト用のレンズで見え方を試します。テストレンズをかけた状態では、スマートフォンやPCモニターといった実際に自分が使いたい距離にある物を見て、違和感がないか、視線の移動がスムーズかを確認してください。この確認をすると失敗を大幅に減らせます。

まとめ

今回は、中近両用メガネ(中近両用レンズ)についてご説明しました。
中近両用メガネは、中距離と近距離の見え方を一つのレンズで改善するメガネです。特にオフィスや自宅での使用に適しています。室内での趣味や仕事の場面で目をこらさなくても楽に見えるようになり、日常生活がより快適になるでしょう。
自分の生活スタイルや視力に合わせて、中近両用メガネの選択を検討してみてください。
快適な視界で、日々の生活を楽しんでいきましょう!

眼とメガネの情報室 みるラボ

この記事の執筆者

眼とメガネの情報室
みるラボ編集部

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