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「最近目が見えにくく感じる」「入学前の検査で引っかかってしまった」このような方はメガネの作製を検討しているのではないでしょうか。
実際にメガネを作る場合、そのまま眼鏡店に行くという方法もありますが、はじめてメガネを作る方や、目に気になる症状がある方は、病気の早期発見という意味でも、一度眼科に行き処方箋をもらうという方法がおすすめです。
今回は、眼科で処方箋を処方してもらう方法や、その注意点まで詳しくご紹介します。処方箋をもらいに行こうか検討している方は、ぜひ参考にしてください。
メガネの処方箋とは何?
メガネの処方箋とは、主に眼科で発行されるもので、現在の目に最適なメガネを作製する際に必要な度数が記されています。
処方箋には、度数だけでなく乱視などの情報も記載してあり、眼鏡店に持参するとその情報を元にメガネを作製してもらえるのです。
ただ、眼鏡店でも視力検査や度数の測定が可能なため、必ずしも処方箋が必要なわけではありません。
知っておくと便利!
メガネの処方箋の見方
メガネの処方箋を見る際、どこを見たらいいか分からないという方は多いのではないでしょうか。
そんな方は、まず以下の8項目について注目してみてください。
- 遠用・近用
- 加入度数(ADD)
- 球面度数(SPH)
- 円柱度数(CYL)
- 乱視軸(AXIS)
- プリズム
- 基底または基底方向
- 瞳孔間距離(PD)
では、それぞれ詳しくご紹介していきます。
遠用・近用
遠用は、遠くを見るために必要となる度数で、主に近視や遠視の普段使いや、運転用のメガネを作製する際に記載されます。用途によっては、中間距離用の度数が記入されることもあるようです。
近用は、近くを見るために必要となる度数で、主にピントの調整機能の低下によってパソコンや新聞など手元の作業が見えづらくなった方や老眼の方に記載されます。
加入度数(ADD)
遠くを見る際の度数と、近くを見る際の度数の差を表すのが、加入度数(アディション)、表記としては「ADD」となります。
例えば、遠近両用レンズや中近レンズなど、累進レンズを作製する際に必要となる、近くを見るための度数数値を表しているのです。表記としては「+1.00」となり、手元補正のプラス数値を記載しています。
球面度数(SPH)
「SPH」と表記される球面度数は、近視と遠視の度数が記載されます。使用するレンズによっては、「+」や「ー」、「凹」「凸」のような符号がつくこともあるでしょう。
単位は「D(ディオプトリー)」で、「+1.50D」や「ー2.00」のように表記されます。
符号や単位にも意味があり、「凸」や「+」の場合は遠視、「凹」や「ー」の場合は近視と記載され、数字が大きくなるほど度数も強くなります。
円柱度数(CYL)
円柱度数とは、乱視を矯正するために必要な度数で、記号では「CYL」や「C」と表記されます。
符号や単位は球面度数と同じものが使用されるのですが、ここは乱視矯正が必要な場合のみ表記されるようです。
さらに、度数の強さも球面度数と同様に、数字が大きくなればなるほど強くなります。乱視が入っている方はとても多いのですが、軽度では矯正の必要がないため、記載されない場合がほとんどです。
乱視軸(AXIS)
乱視がある場合、乱視軸として「AXIS」や「AX」、省略して「A」と記載されます。方向は人によって様々で、乱視の角度は0〜180°の数字で表記されます。間違った軸に設定してしまうと見えづらくなることもあるのです。
必ず円柱度数と一緒に記載されるため、そもそも乱視の矯正が必要ない方には記載されません。
プリズム(PRISM)
斜視や斜位といわれる眼位異常の症状があり、眼科でプリズムレンズを使用すれば改善が見込まれると診断された場合、この「PRISM」や「P」が記載されます。単位は、「△」のプリズムディオプトリーです。
軽度の斜視の方は比較的多く存在するのですが、こちらも矯正する必要がないと判断されれば記載されません。
基底または基底方向(BASE)
プリズムレンズを処方する場合のみ記載されるのが、この「BASE」や「B」の基底方向です。
具体的には、光をどこに向けるかを表示しており、方向自体は「IN(内方)」や「OUT(外方)」「UP(上方)」「DOUN(下方)」、軸度は0〜360°で表記されます。プリズムレンズが処方されると、どの方向にするのかが必ず記載されます。
瞳孔間距離(PD)
瞳孔間距離とは、まっすぐ前を見た状態で左右の黒目の距離を表記しており、「PD」や「P.D.」と記載されることが多いです。
測り方としては、顔の中心から左右の目の瞳孔までの距離を片眼ずつ計測し、左右で同じだった場合は合算されることもあります。レンズの性能を発揮するためには、レンズの光学中心と瞳孔の中心を合わせないと歪みのないクリアな視界は得られません。
メガネを作る際に
処方箋が必要な人とは?
メガネを作製するにあたって、以下の3つに該当するという方はいませんか?
- はじめてメガネを作製する人
- 中学生以下
- 乱視や老眼がひどくなった人
ここに該当する方は、ぜひ処方箋をもらってからメガネを作製しましょう。
では、詳しくご紹介していきます。
はじめてメガネを作製する人
今まで一度もメガネを作製したことがないという方は、始めに眼科で検査し、処方箋をもらうことが推奨されています。
なぜなら、視力以外にも角膜や結膜など、現在の目の状態について詳しい検査が受けられるため、目の病気の早期発見や早期治療にもつながるからです。
稀に、角膜裂傷や緑内障、白内障など目の異常に気づかないままメガネだけを作製してしまう方もいますが、そのような事態も未然に防げます。
さらに、斜視や弱視など、特殊なメガネを作製しなければならない場合は、専門的な医師にしっかりと相談できるということも大きなメリットと言えるでしょう。
中学生以下
学校の視力検査や就学時検査で視力不良と診断された場合は、一度眼科に行き詳しく視力検査を受け処方箋をもらうことが大切です。
子供の場合は特に近視や遠視、斜視など多くの原因が考えられるため、このような原因をいち早く発見すれば、薬で治療できることもあります。
また、眼鏡店の視力測定では調整緊張症になっていることもあり、正確な度数が測れない場合もあります。眼科では点眼薬を使用して目の緊張をほぐしてから検査することもできますので、中学生以下のメガネを作製する場合には、正確に測定するために必ず眼科で検査し、処方箋をもらってからメガネを作製しましょう。
乱視や老眼がひどくなった人
乱視や老眼がひどくなったという場合、原因は年齢だけでなく実は病気が潜んでいたという可能性もあるのです。もし、現在「メガネを作製してもすぐに毎回合わなくなる」「ここ最近は頻繁にメガネを作製している」という方は注意すべきでしょう。
仮に、目に異常がある状態で眼鏡店に行っても病気自体が判明することはありません。
目の病気は自分では分かりにくいものが多いため、年齢のせいだからと自己判断せず、少しでも気になる症状があるという場合は、すぐに眼科を受診するのが最善でしょう。
メガネの処方箋をもらう際に
眼科ですべきこと
眼科でメガネの処方箋をもらう際は、メガネを使用する場所や、具体的にどのような距離感のものを見たいのかなど、詳しく説明するということが重要です。
また、普段から目の疲労感や乾燥、痒みなど、そのほかの症状がある場合も細かく伝えましょう。
メガネの処方箋を作る際の
注意点
メガネの処方箋を作る際、以下の2つに注意しましょう。
- 有効期限
- 検査前の目の状態
まず、処方箋には30〜90日の有効期限が存在します。
3,000〜4,000円ほどの費用をかけて処方してもらったのに無効になってしまっては意味がありません。処方箋自体は、どの都道府県で作成しても眼鏡店で使用できます。必ず期限内に持って行くように注意しましょう。
次に、目の状態ですが、検査前に携帯やパソコンを長時間見続けていると、目が緊張状態になり正確な数値が測れないという状況になってしまいます。
もし処方箋を作りに行く際は、検査の待ち時間に目を休めるようにすると良いでしょう。
メガネの処方箋を処方してもらうメリットとデメリット
もし、眼科で処方箋を処方してもらおうか迷っているという方は、そのメリットとデメリットを把握しておきましょう。ただ、はじめてメガネを作製するという方ではなくても、目の状態を知るという観点では、定期的な目の検査は必要です。
メリット
メガネの処方箋を処方してもらうメリットは、正確な視力が分かるだけではなく、隠れた目の病気がないか診てもらえるという点です。
眼鏡店では視力測定のみですが、眼科では角膜の状態や目の奥まで細かい疾患や異常も検査してもらえます。
さらに、専門の知識を持った医師から的確なアドバイスももらえるため、目の病気の早期発見や治療にもつながるのです。先ほどご紹介したはじめてメガネを作る方や中学生以下の方は、より安心してメガネを作れるというのは最大のメリットでしょう。
デメリット
眼科で処方箋を処方してもらう場合、眼科に行くまでの労力や時間が必要です。特に眼科は待ち時間が長くなる場合も多く、時間に余裕を持って受診する必要があります。また、処方箋を持参して眼鏡店にも行く必要があるため、二度手間と感じるという方もいるでしょう。
さらに、処方箋発行には約3,000〜4,000円の費用と、初診料や検査、診察費用も追加で加算されるため、眼鏡店のみでメガネを作製する場合と比較して費用がかかります。処方箋にも有効期限があるため、こちらも注意が必要です。このようにデメリットはありますが、目の健康には眼科で行う検査はとても重要です。
まとめ
スマートフォンやパソコンが日常生活では欠かせなくなった現在、目の見え方が気になるという方は多いのではないでしょうか。
今回は、メガネを作る際に処方箋が必要なのか、そのもらい方や見方、注意点についてご紹介しました。
特に、はじめてメガネを作ろうと考えていた方は、眼科で目の状態を診てもらい処方箋をもらうことの重要性に気づけたはずです。気づかないうちに目の状態が悪くなったということもあるため、ぜひ早めに眼科へ行き正しく処方してもらい、自分に合ったメガネを作りましょう。