目の悩み
最終更新日:2023.12.27

眼底検査後の帰り道での注意点は?検査の流れや散瞳薬の副作用を紹介

この記事の監修者

佐藤 香

アイケアクリニック本院院長、アイケアクリニック東京 院長

眼底検査後の帰り道での注意点は?検査の流れや散瞳薬の副作用を紹介

目次

眼底検査は、通常の健康診断ではなかなか受ける機会がありません。そのため、特に初めて受ける時は、どんな検査なのか分からず不安な気持ちになることがあるかもしれません。

眼底には目の健康状態が映し出されるため、定期的に眼底検査を受けることで、緑内障糖尿病網膜症などの病気を早期発見する手助けになります。目の健康を守るためにも、眼底検査について理解し、安心して検査を受けましょう。

この記事では、眼底検査後の帰り道での注意点や検査の流れ、検査で使われる目薬の副作用について解説します。

眼底検査の概要と、
検査で分かる病気

眼底の様子

眼底には、目の病気の早期発見につながる情報がたくさんつまっています。眼底検査では、眼底を直接観察したり眼底カメラで撮影したりすることで、網膜血管や視神経、黄斑部の状態を確認します。

定期的な眼底検査で経過観察や早期発見ができる代表的な目の病気は、以下の通りです。

  • 緑内障
  • 糖尿病網膜症
  • 黄斑変性
  • 網膜血管の動脈硬化・閉塞

眼底検査の検査の流れは?

眼底検査の検査イメージ

眼底検査は、散瞳薬という目薬を使って瞳孔を開く方法と、散瞳薬を使わず部屋を暗くして瞳孔を開く方法の2種類があり、状況によって使い分けられます。

散瞳薬を使う場合は、眼科来院後に散瞳薬を点眼し、瞳孔が開くまで待機します。瞳孔が開いたら、倒像鏡や眼底カメラ、光干渉断層計(OCT)などを使って眼底の状態を確認します。検査には、合計1時間半~2時間程度かかります。

一方、散瞳薬を使わない場合は、暗い部屋で瞳孔を開きながら、無散瞳眼底カメラを使って眼底の状態を確認します。検査は数分で終わります。

どちらの方法も、検査中に軽い眩しさを感じるものの、痛みはありません。

眼底検査後の帰り道での注意点

眼底検査後の車の運転は危険です。

散瞳薬を使って眼底検査を受けた場合、瞳孔は検査後も数時間は開きっぱなしになります。そのため、眼科からの帰り道で異常な眩しさを感じたり、遠近感が取りづらくなったりすることがあります。特に昼間は太陽の光を眩しく感じますが、夜でも車のライトなどを眩しく感じてしまいます。サングラスを使用することで眩しさを軽減できますので、あらかじめ準備しておくのがおすすめです。

また、車や自転車を運転して帰るのは危険です。公共交通機関やタクシーを利用する、家族に迎えを頼むなど、あらかじめ帰宅手段を確保しておきましょう。

散瞳薬の副作用とは?

散瞳薬を使用した後には、以下の副作用に注意が必要です。

  • アレルギー反応(目の痒み、充血、違和感など)
  • 心臓や血管への影響(高血圧、脈が速くなるなど)
  • 緑内障(視力低下、視界がぼやける、眼の痛み、頭痛、吐き気、嘔吐など)

いずれも非常に珍しいものではありますが、気になる症状が出た場合はすぐに医師の診察を受けましょう。

まとめ

眼底の血管や網膜、視神経の状態を確認する眼底検査は、目の健康状態を確認するための大切な検査です。

眼底検査には、散瞳薬を使う方法と使わない方法の2種類があります。散瞳薬を使って検査した後は瞳孔が数時間開いたままとなるため、帰り道では眩しさに注意し、車や自転車の運転を避ける必要があります。また、非常に稀ですが、散瞳薬にはアレルギー反応や心臓・血管への影響といった副作用が知られています。検査後に「副作用かな?」と思った時は、すぐに医師に連絡をとることで重症化を防ぎましょう。

安全に眼底検査を受けて、目の健康維持に役立ててください。

監修者プロフィール

佐藤 香

アイケアクリニック本院院長、アイケアクリニック東京 院長

HP:https://www.eye-care-clinic.jp/

著 書

『年間2,000件の白内障手術を手掛けるスゴ腕ドクター佐藤香院長の白内障治療Q&A』(幻冬舎)/ 『スゴい白内障手術』(幻冬舎) / 『目は若返る 50歳からの眼科治療』(幻冬舎)

年間2,000件以上の手術を行う。 とくに最先端の多焦点眼内レンズの豊富な知識を駆使して、多焦点眼内レンズと白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。その他、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。
まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア一「トータルアイケア」の提供を目指す。
現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。

【所属学会】
日本眼科学会 / 日本白内障屈折矯正手術学会 / 日本眼科手術学会 / 日本緑内障学会 / 日本近視学会

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