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メガネは視力矯正に欠かせないアイテムですが、いつも同じ1本をかけているという方も多いのではないでしょうか。
メガネを複数本持ってシーンごとに使い分けると、予備としての役割以外にも多くのメリットがあります。あなたのメガネライフが、より快適で豊かなものに変わります。
この記事では、一般の方がメガネを何本くらい持っているかという調査結果を元に、複数本を使い分けるメリットや、シチュエーション別の選び方まで詳しく解説します。
メガネを何本持ってる?

実際、ほかの人はメガネを何本くらい持っているのでしょうか。メガネユーザー300人を対象にインターネットアンケート調査を実施した結果があります。
最も多かった回答は「2~3本」(54.2%)でした。次いで「1本」(33.8%)、「4~9本」(10.7%)と続き、6割以上の人がメガネを複数本所持していることが分かりました。メガネは1人1本という時代から、複数本を持って使い分ける時代へと変化しているのかもしれません。
メガネをかける頻度
メガネをかける頻度については、「毎日かけている」という人が74.3%というアンケート結果でした。
メガネを持っている7割以上の人が毎日メガネを使用しており、多くの人にとってメガネが生活に欠かせない必需品であることがうかがえます。毎日使うものだからこそ、コンディションの良い状態を保ち、気分を変えるために複数本持つという方も多いようです。
メガネを使い分ける人の割合
メガネを複数本持っている人に向け、シーンや用途によって使い分けているかという質問に対しては、「使い分けている」と回答した人が39%、「使い分けていない」が61%という結果でした。複数本持っていても、「主に使う1本と、ほかは予備」という方が多いのかもしれません。
しかし、約4割の人は明確な目的を持ってメガネを使い分けていることにもなります。具体的な使い分けのメリットを知ることで、眠っているメガネを活用したり、次の1本を選ぶ際の参考になったりします。ファッション、仕事、運転、趣味など、それぞれのシーンに最適なメガネを選ぶことで、生活の質は格段に向上するでしょう。
使い分けると回答した人の中では、「仕事時は黒ぶちメガネ、休日は赤メガネ」というようにデザインで使い分けている人がいました。
メガネを複数本持つ
3つのメリット
複数本のメガネを持つのは、単に予備というだけでなく、以下のような大きく分けて3つのメリットがあります。
- 目の疲れを軽減できる
- メガネが傷みにくくなる
- ファッションアイテムとして楽しめる
一つずつ、詳しく解説します。
目の疲れを軽減できる

私たちの目は、見る距離によってピントを合わせる筋肉(毛様体筋)を使っています。そのため、1日中同じメガネをかけていると、特定の距離にピントが固定されやすくなり、目が疲れる原因になることがあります。
例えば、近視用メガネ(遠くがよく見えるメガネ)で長時間のデスクワークをすると、目は常に近くにピントを合わせようとはたらき続けるため、大きな負担がかかります。そこで、近視用メガネとは別に、PC作業や読書など手元を見るためのメガネを使い分けると、目の負担を大きく軽減できます。
メガネが傷みにくくなる
メガネの寿命は、一般的に約2〜3年といわれていますが、毎日同じメガネを使い続けると、皮脂や汗による腐食、テンプルのゆるみ、レンズのコーティング劣化など、消耗が早く進みます。
複数本のメガネをローテーションで使い、1本あたりの負担を減らすことで、それぞれのメガネを良い状態で長持ちさせることが可能です。お気に入りのメガネを長く愛用するためにも、メガネを休ませる日を作るのがおすすめです。
ファッションアイテムとして楽しめる
メガネは「顔の額縁」ともいわれ、印象を大きく左右するファッションアイテムです。服装や髪型を変えるように、メガネを変えるだけで手軽にイメージチェンジができます。
例えば、ビジネスシーンでは知的で誠実な印象を与えるメタルフレーム、休日のカジュアルな服装には遊び心のあるセルフレーム、といった使い分けが可能です。TPOやなりたいイメージに合わせてメガネを選ぶことで、おしゃれの幅は格段に広がり、自分を表現する楽しみも増えるでしょう。
シチュエーション別の
メガネの使い分け方
では、具体的にどのようなシーンでメガネを使い分ければ良いのでしょうか。代表的なものは、以下の5つです。
- 仕事用
- スポーツ・アウトドア用
- 運転用
- おしゃれ用
- 災害用
シチュエーションに合わせたメガネの選び方と使い分けのポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
仕事用

ビジネスシーンで使うメガネは、信頼性や専門性を演出する重要なツールです。相手に誠実で知的な印象を与えたい場合、フレームのラインがシャープなスクエア型や、繊細な印象のメタルフレームが定番になります。
職場の雰囲気や職種にもよりますが、ネイビーやブラウン、ガンメタリックといった落ち着いた色は、どんなスーツスタイルにもなじみます。少し柔らかい印象を加えたい場合は、定番のウェリントン型もおすすめです。
また、現代はPCやスマートフォンと向き合う時間が非常に長くなっており、目の疲れやそれに伴う頭痛、肩こりになる方も少なくありません。ブルーライトカットレンズは、目の疲れそのものを確実に防ぐ機能ではありませんが、眩しさをやわらげ、快適に感じる方も多くいらっしゃいます。レンズにほとんど色がつかないクリアなタイプも増えているため、外見の印象を変えることなく目を守ることが可能です。
スポーツ・アウトドア用

スポーツやアウトドア活動では、デザイン性よりも安全でパフォーマンスを妨げない機能性が最優先です。激しい動きや汗でもずり落ちない、顔にしっかりとフィットするフレームを選びましょう。
具体的には、顔を包み込むようなカーブのついたデザインや、鼻パッド・テンプルエンド(耳にかける部分)に滑りにくいラバー素材を使用したモデルが最適です。フレームの素材は、軽量で弾力性に富み、衝撃にも強いTR-90などの樹脂系素材が主流になっています。
また、レンズの機能も重要です。ゴルフの芝目や釣りの水面をクリアに見たいなら、光の乱反射をカットする「偏光レンズ」が活躍します。屋外と屋内を出入りする機会が多い場合は、紫外線の量に応じてレンズの色の濃さが自動で変わる「調光レンズ」が、かけ替えの手間を省いてくれて便利です。万が一の事故に備え、一般的なプラスチックレンズよりも割れにくい耐衝撃性の高いレンズを選ぶことで、大切な目を守ることができます。
運転用

安全運転のためには、状況に応じた視界を確保するメガネが不可欠です。日中の運転では、アスファルトの照り返しや対向車のボディの反射、フロントガラスへのダッシュボードの映り込みといった「雑光」をカットする「偏光レンズ」が非常に有効です。目の疲れが軽減され、標識や白線が認識しやすくなります。
一方、夜間運転では、ヘッドライト特有の眩しさをやわらげることが重要です。光の拡散(ハレーション)をおさえ、コントラストを高めることで、雨の日のセンターラインなども見やすくなる夜間運転適合レンズを選びましょう。
ただし、道路交通法では夜間運転時に使用できるレンズの透過率が定められているため、色の濃いサングラスは使用できません。運転用のメガネは、必ず眼鏡店で専門スタッフに相談の上、昼用・夜用それぞれのシーンに最適なものを選ぶようにしてください。
おしゃれ用

休日やプライベートで楽しむメガネは、自分らしさを表現するためのファッションアイテムです。その日のファッションやなりたいイメージに合わせてメガネを「着替える」ことで、手軽に印象をコントロールできます。
優しい雰囲気に見せたい日は丸みのあるボストン型、知的な印象ならシャープなメタルフレーム、ファッション感度をアピールしたいなら多角形フレームもしくは存在感のある太いセルフレームなど、選ぶメガネによって印象は大きく変わります。また、最近はフレームカラーやデザインに合わせたカラーレンズを取り入れる方も増えてきました。1本持っているだけでコーディネートの幅が広がり、より個性的でこだわりのあるスタイルを演出できます。
コーディネートのコツとしては、メガネフレームやレンズの色と、その日に身につける靴やバッグ、ベルトの色を合わせると、全体に統一感が生まれるでしょう。また、透明感のあるクリアフレームは肌なじみが良く、かけるだけで抜け感を演出できるトレンドアイテムです。普段は選ばないような少し大胆なデザインやカラーに挑戦してみると、自分の新たな魅力に気づかされるかもしれません。
災害用

大規模災害時には、家の中が散乱して普段の置き場所にメガネが見つからない可能性もあります。防災用を一本用意しておくことは、命と安全を守る上で非常に重要です。また、避難所生活になった場合、衛生的な環境でコンタクトレンズを着脱・洗浄することは困難になり、眼病のリスクも高まります。
防災用のメガネは、高価なものである必要はなく、軽くて丈夫な樹脂製フレームなど、壊れにくいものが最適です。度数は現在使っているものと同じか、少し弱めの度数でも良いでしょう。避難生活では遠くを精密に見る機会よりも、手元や周囲の状況を確認することが多くなるためです。使わなくなった古いメガネを、ケースとメガネ拭きとセットで非常用持ち出し袋に入れておくだけで、いざという時の大きな安心につながります。
近く用と遠く用を
使い分けるのもおすすめ
40代や50代をすぎて「手元が見づらくなった」と感じ始めた方には、「遠く用」と「近く用」のメガネの使い分けがおすすめです。
特にパソコン作業など、一定の距離を見続けるシーンでは、遠近両用メガネはピントの合う範囲が狭く、無意識に不自然な姿勢をとってしまいがちで、肩こりを招く原因にもなります。
一方、見る距離を限定した「単焦点レンズ」は、レンズ全体でピントが合うため、視野が広くクリアで歪みがありません。車の運転やスポーツ観戦では「遠く用」のメガネを、デスクワークや読書では「近く用(老眼鏡)」や「中近両用」のメガネを使う、といった使い分けがおすすめです。
その他、自宅ではゆったりと過ごせる手元用にかけ替えるなど、生活にメリハリをつけることで目の快適さが大きく向上します。それぞれのシーンで最適な視界を得られるため、目の疲れが改善され、作業効率も向上するでしょう。
古いメガネを
使い回すのもおすすめ
新しいメガネを購入すると、それまで使っていた古いメガネの扱いに困ることがあります。度数がそれほど変わっていないのであれば、万が一の時の予備用として保管しておくことを特におすすめします。メインのメガネが破損したり、紛失したりした際に、代わりがないと生活に大きな支障が出ます。また、前述の「災害用メガネ」として防災リュックに入れておくのも賢い活用法です。
フレームが気に入っている場合は、眼鏡店でレンズだけを新しい度数のものに交換することも可能です。思い出のフレームを活かしながら、最新の快適な視界を手に入れることができます。
複数購入するならセールを狙おう
メガネを複数本揃えたいと考えた時、費用が気になる方も多いでしょう。そんな時は、メガネ店のセールを賢く利用しましょう。
眼鏡店では、年間を通して様々なセールが開催されています。代表的なものに、「2本目〇〇円OFF」「2本買うと合計金額から〇〇%割引」といった複数本購入を対象としたセールがあります。家族や友人と一緒に購入することでも適用可能な場合が多いようです。
また、年末年始や夏休み、決算期など、特定のシーズンに行われる期間限定セールも狙い目です。フレームとレンズがセットになったお得な価格の企画商品も多いため、こうした機会を利用して、用途の違うメガネを賢く揃えてみてはいかがでしょうか。
メガネはどうやって処分している?
使わなくなったメガネの処分方法については、「ゴミとして捨てる」が79.14%で最多でした。次いで「家族や知人に譲った」が3.68%となっています。
その他、「リサイクルに出す」といった社会貢献を意識した処分方法を実践している人のほか、フリマサイトや買取専門店での売却といった処分方法を取った人も少数ながら見られました。
フリマアプリや買取店などでメガネを売却できる?
度付きのメガネは視力矯正を目的とした「医療機器」にあたるため、フリマアプリなどでは基本的には売買しないよう注意してください。どうしても売却したい場合には、レンズを外してフレームのみの状態にしましょう。一部の眼鏡店では、不要になったメガネをリサイクル目的で回収するサービスや下取りに出せる場合もあります。トラブルを避けるためにも、ルールをよく確認してください。
まとめ
今回は、メガネの所有本数から、複数本を持つメリット、そして具体的な使い分けの方法までご紹介しました。メガネは1本あれば十分と思いがちですが、複数本を使い分けることで、多くのメリットが得られます。
目の疲れを軽減して健康を守るだけでなく、メガネを長持ちさせ、さらにはファッションとして楽しむことで、あなたの日常はより豊かで快適なものになるでしょう。この記事を参考に、まずは仕事用とプライベート用など、2本目のメガネを検討してみてはいかがでしょうか。きっと、新しいメガネライフの扉が開くはずです。