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学校の視力検査で子供の視力低下を指摘されると、いつから子供用メガネを作ればいいのか、どこで作ればいいのか迷ってしまうこともあります。ここでは、子供用メガネの作り方や選び方・注意点をご紹介します。
子供用メガネが必要な視力は?
子供の視力が低下すると、勉強に集中できない、スポーツで活躍できないなど日常生活に支障が出てしまうこともあります。子供の視力低下の主な原因として、次のものがあげられます。
子供の視力低下の原因
遠視・弱視

強度の遠視・弱視は、早期発見と早期治療が大切です。3歳児健診の視力検査で子供の目に異常がないかしっかりチェックしてもらいましょう。万が一、健診で異常が見つかった場合は、眼科専門医に相談する必要があります。
近視

目はカメラと似た構造になっており、カメラのレンズ部分を「水晶体」、フィルム部分を「網膜」といいます。人は水晶体の厚みを変えることでピントを合わせています。近視には次の2つがあります。
- 仮性近視
水晶体の厚みを変える筋肉が過度な収縮を起こしている状態 - 軸性近視
成長と共に眼球が伸びてピントが前にずれ網膜で像を結ばない状態
子供がメガネを使うタイミング
子供が小学生になると、学校の視力検査の結果によってメガネを使うかどうか検討する必要があります。メガネを検討するタイミングは、裸眼視力が0.7以下になった時とされています。
子供用メガネが必要な2つの理由
子供の視力は、成長とともに大きく変化します。ここからは、子供用メガネが必要とされる理由を2つご紹介します。
視力の発達をサポートするため
子供の視力は6歳ごろまでにほぼ完成するといわれていますが、それまでに屈折異常(近視・遠視・乱視)などがあると、視力の正常な発達が妨げられる恐れがあるとされています。早いうちにメガネで視力を矯正することで、脳が正しい映像を学習し、視力の発達をサポートできます。
生活や学習への支障を防ぐため
視力の低下は、学校生活や日常生活に大きな影響を及ぼします。黒板の文字が見えにくい、教科書の文字が読みにくいなど、視力の問題は学習の遅れや集中力の低下につながることがあります。さらに、視力の低い状態が続くと、姿勢が悪くなったり、目の疲れによる頭痛を引き起こしたりすることもあります。子供用メガネは、こうしたトラブルを未然に防ぎ、快適な学習環境を整えるうえでも重要です。
子供用メガネの作り方
「メガネをかけると目が悪くなる」と考えている方も少なくなりません。しかし、子供の視力はモノをしっかり見て、刺激を受けることによって発達します。モノが見えないまま放置していると視力が発達せず、視力が回復しない可能性があります。
そのため、学校の視力検査の結果によっては眼科を受診する必要があります。ここでは、眼科受診が必要な理由と、子供用メガネの作り方をご紹介します。
眼鏡店ではなくまず眼科へ
子供用のメガネを作る時は、眼鏡店ではなく必ず眼科を受診しましょう。子供の場合は「仮性近視」があるかどうか調べるため、点眼薬を使う必要があるからです。
また、視力低下の原因が、目の病気によるものではないか詳しく調べてもらうことも大切です。
受診の待ち時間中にスマートフォンを見たりゲームをすると、目の筋肉が緊張して正しい検査結果が出ない可能性もあるため控えましょう。
眼科で処方箋を受け取り眼鏡店で作る
眼科で眼鏡処方箋を書いてもらった後は、眼鏡店で子供用メガネを作ります。処方箋には、メガネを作る際に必要なデータが記載されており、適切な度数での作製が可能です。
子供用のメガネを作る時は、しっかりとフィッティングをしてくれる眼鏡店を選ぶことが大切です。メガネのかけ心地が悪いと、子供が使わなくなってしまうことも考えられます。
メガネを作っても、子供がかけてくれなくては正しい視力矯正ができません。子供の希望も聞きながら、似合うフレームや必要な機能を選んでください。
完成したメガネのフィッティング
在庫や眼鏡店によってメガネの完成にかかる時間は異なります。完成したメガネを受け取る時には、必ずフィッティングをして最終調整をしましょう。ズレがあると、見え方やこめかみの痛みなどにもつながります。子供に合わせて適切なフィッティングをしてくれる専門知識のあるスタッフがいる眼鏡店で作ることがおすすめです。
成長に合わせて視力検査を定期的に行う
子供が成長するにつれて視力も変化し、メガネのサイズも合わなくなってきます。成長期の子供は、半年に1回眼科での定期検査が必要です。成長に合わせて視力検査・フレームの調整ができるように通いやすい眼科や眼鏡店を選ぶことも大切です。
子供用メガネの選び方・注意点
子供がメガネをかけ続けられるように、お気に入りの1本を選んであげましょう。子供用メガネを選ぶ時はメガネをかけることを嫌にならないよう、かけることが楽しいと思えるような、子供の気に入ったデザインを選ぶことが大切です。
また、子供の顔のサイズにあったフレームを選びましょう。フレームのサイズが合わずメガネがずれてしまうと、目が疲れてしまったり正しい視力矯正ができない場合もあるため注意しましょう。
子供は予期せぬ行動を取ることもあります。学校生活を送る中で、人とぶつかることもあるでしょう。そのため、壊れにくい素材のメガネを選ぶと安全です。スポーツをする場合は、スポーツ用のメガネがありますので、目的にあったメガネ選びをすることが大切です。
眼科で視力を測る前の注意点
子供の視力を正確に測定するには、目の筋肉がリラックスした状態であることが大切です。子供は無意識に目のピントを合わせる力(調節力)が強いため、そのまま測定すると実際の視力より良い結果が出てしまうことがあります。
正確な視力検査を行うためには、眼科で検査前に目薬などで調節を一時的に麻痺させる「調節麻痺検査」が用いられる場合もあります。眼科医と連携して適切な検査を受けることが重要です。
子供用メガネを作る際の眼鏡店の選び方
子供用メガネは、大人用と異なる点が多いため、専門的な知識と対応力を持つ眼鏡店での購入がおすすめです。続いては、子供の成長と生活に寄り添ったメガネを選ぶための、眼鏡店の選び方を解説します。
子供用フレームの取り扱いが豊富な店を選ぶ
子供の顔に合うフレームは、大人用とは異なる設計やサイズ感で作られています。子供専用のフレームを多数取り扱っている店であれば、よりフィットするメガネを見つけやすくなります。そのような店ではカラフルでデザイン性に優れたフレームの取り扱いも多く、子供が前向きにメガネをかけるモチベーションにもつながります。
専門スタッフが在籍しているか確認する
子供の視力や目の状態は繊細で、成長による変化も早いため、専門知識を持つスタッフが対応してくれる店を選ぶことが重要です。子供の目全般に関する知識が豊富なスタッフがいれば、安心して相談できます。メガネのかけ方やケア方法についても丁寧に指導してくれる店を選ぶと良いでしょう。
アフターサービスが充実している店を選ぶ
子供はメガネを落としたり、ぶつけたりしやすいため、破損や変形に備えたアフターサービスが整っているかどうかも大切なポイントです。無料調整や保証制度、レンズ交換サービスなどがある店であれば、万が一の時も安心です。
子供用メガネの扱い方
子供用メガネを長く快適に使うためには、正しい扱い方を身につけることが大切です。メガネは精密な医療機器であると同時に、日常的に使用するアイテムです。以下のような基本的な扱い方を子供自身にも丁寧に教えましょう。
- 使用後はメガネケースにしまう
- レンズを傷つけないように拭く
- 片手ではなく両手で着脱する
また、眼鏡店で定期的にフィッティングやメンテナンスを行うことで、常に快適な状態を保つことができます。
活発なお子様に
おススメのスポーツメガネ

外で活発に遊んだり、スポーツをするお子様には、ゴーグルタイプのメガネや、衝撃に強いレンズを選ばれるとよいでしょう。
ゴーグルタイプは、メガネを固定する部分がゴムになっており、ゴムの長さを調節して頭の後ろで留めるので、スポーツ中にメガネを落として壊す心配がありません。
メガネレンズも衝撃に強いレンズ素材があります。見た目は普通のメガネレンズと変わらず、軽量タイプなので、動きの多いスポーツでも違和感なく利用できます。
子供用メガネを作るなら病院へ

子供にモノの見え具合を聞いた時、モノがはっきり見えていなくても「みえている」と答えることがあります。眼科で検査をした時に初めて「はっきり見える」という状態を理解することもあるのです。視力低下を放置すると、子供の視力は正常に発達することができません。そのため、その子自身にあった度数のメガネを作り、しっかりと矯正することが大切です。子供用メガネを作る時はまず眼科を受診し、目の病気がないかも含め検査をしてもらいましょう。