コンタクト
最終更新日:2023.08.31

コンタクトレンズの保存法とお手入れ法とは?適切なお手入れ方法や保管場所を解説!

この記事の監修者

内野 美樹

ケイシン五反田アイクリニック 院長

コンタクトレンズの保存法とお手入れ法とは?適切なお手入れ方法や保管場所を解説!

目次

毎日行っているコンタクトレンズのお手入れや保存、本当にこれでいいのかな?と不安になることはありませんか?

医療機器の中でも不具合が起きた時の人体に対するリスクが高いものを高度管理医療機器と呼ぶのですが、実は、コンタクトレンズは人工呼吸器などと同様に医療機器では最もレベルの高い「高度管理医療機器」に指定されています。コンタクトレンズは適切なお手入れと管理を必要とする医療機器なのです。

今回はコンタクトレンズの適切なお手入れ方法や管理方法を分かりやすくお伝えします。
レンズケースのお手入れや交換のタイミングから、コンタクトレンズの保管方法、未開封のレンズの保管方法まで解説しているためぜひ参考にしてください。

コンタクトレンズの日頃の
お手入れポイントをおさらい

1日使い捨て1day(ワンデー)タイプのコンタクトレンズ以外のコンタクトレンズは毎日のケアが必須です。ソフトレンズとハードレンズで洗浄の仕方やケア用品が異なります。
大きな違いとしてハードレンズは水道水ですすぐことができますが、ソフトコンタクトレンズは水道水で洗浄やすすぎはできません。

どちらのレンズにも共通していることは、レンズを触る前に必ずしっかりと手を洗うことです。レンズに手の汚れが付着しないためにも、ケアをする前には手をきれいな状態にしておきましょう。<

レンズケースもお手入れが必要

コンタクトレンズケースのイメージ

コンタクトレンズの洗浄は欠かさず行っている場合も、レンズケースの洗浄まで徹底している人は少ないようです。

コンタクトレンズをきれいに洗浄しても、レンズを入れるケースが汚れていれば、洗浄したレンズにまた汚れや細菌が付着してしまいます。レンズケースにも目には見えない細菌や汚れがついている場合があるため、レンズの洗浄と同じく清潔に保つことが非常に重要です。

レンズケースのお手入れ方法

ソフトコンタクトレンズ用ケースとハードコンタクトレンズ用ケースにわけて、具体的なレンズケースのお手入れ方法を解説します。

ソフトコンタクトレンズ用ケース

お手入れ後のソフトコンタクトレンズケース
  1. レンズを取り出した後、ケースの中にある保存液を捨てます。
  2. ケースの内側と外側、フタを水道水(流水)か洗浄・すすぎ・保存・消毒のすべてが行えるソフトレンズ用洗浄液であるMPS(マルチパーパスソリューション)を使ってしっかりと洗います。フタを洗うのを忘れてしまう方が多いので、フタも忘れずしっかりと洗浄しましょう。
  3. 風通しがよく清潔な場所で自然乾燥させます。布で拭くとゴミや雑菌が付着してしまうことがあるため、自然乾燥がおすすめです。

ハードコンタクトレンズ用ケース

お手入れ後のハードコンタクトレンズケース
  1. レンズを取り出した後、ケースの中にある保存液を捨てます。
  2. ケースを水道水(流水)でしっかりと洗います。レンズを挟むホルダーもしっかりと洗います。細かいところは綿棒などを使って汚れを落とします。
  3. 風通しがよく清潔な場所で自然乾燥させます。

注意:コンタクトケースをほかのもので代用しない

ペットボトルのキャップや小皿などほかのものをケースの代わりに使用するのは避けましょう。飲み残しや雑菌、塗料が目に悪影響を与える可能性があります。
また、ハードコンタクトレンズをソフトコンタクトレンズ用のケースで保管すると、レンズに傷がつくこともあります。

指定のコンタクトケース以外をケースの代用で使うことは、眼障害やレンズの破損につながる可能性があるため注意しましょう。

レンズケースの交換のタイミング

レンズケースも長期間使用していると汚れが溜まって落ちにくくなるため、ケースもコンタクトレンズと同じく交換が必要です。それぞれのレンズケースの交換目安を確認してみましょう。

  • ソフトコンタクトレンズ用ケース:1ヶ月~3ヶ月に一度交換
  • ハードコンタクトレンズ用ケース:半年~1年に一度交換

コンタクトレンズの
保管・保存方法

コンタクトレンズは常温で保存しても問題ありません。ただし、気温の差が激しい場所や、極端に寒いまたは暑い場所ではコンタクトレンズの性能が低下する可能性があります。また、直射日光が当たる場所も避けた方が良いでしょう。

コンタクトレンズのおすすめの保管場所

水面代イメージ

保管場所としては常温であれば特に決まりはありません。使用する際には手を洗ったり鏡を見ながら装着するため、洗面所付近に保管すると使いやすいでしょう。レンズを装着後にレンズケースを洗う際も便利です。

装着後、長期間使用しない場合の保存方法

装着した後、長期間使用しない場合もあるでしょう。ソフトレンズとハードレンズ、それぞれの保管方法を説明します。
どちらのレンズの場合も、通常通りしっかりとレンズとレンズケースを洗浄しましょう。

ソフトコンタクトレンズ

レンズのケア終了後、消毒が完了した状態で1週間はそのままレンズを保存することができます。レンズの保存期間が1週間をすぎるようであれば、1週間ごとにいつも通りの洗浄・消毒・すすぎを行ってください。

ハードコンタクトレンズ

ソフトコンタクトレンズに比べて長期保存が可能です。しっかりと洗浄して保存した場合、約1ヶ月はそのままの保存で問題ありません。1ヶ月以上使用しない場合には、最低でも1ヶ月おきにレンズとレンズケースを除湿し、保存液を新しいものに入れ替えることをおすすめします。

どちらのレンズの場合も、長期間保存していたレンズを装着する際には装着前にレンズに傷や変形などがないかをよく確かめてから装着しましょう。変形したレンズを目に入れてしまうと目に傷がつく原因にもなります。長期間保存していたレンズを装着する前に、念のため眼科でレンズに異常がないか確認してもらうのも良いでしょう。

未開封のコンタクトレンズの保管方法

コンタクトレンズを購入する際は、まとめて数ヶ月分を購入する方も多いと思います。未開封のコンタクトレンズの保管はどうしたら良いのでしょうか。

基本的に、著しく温度が変化する場所は避け、常温で直射日光が当たらない場所で保管します。購入したらすぐに箱からレンズケースを出したりせず、箱のまま保管してください。コンタクトレンズの箱には、レンズの度数やベースカーブ、メーカー名や消費期限など重要なことがたくさん書いてあり、取り扱い説明書も同封されています。

未開封だとしても消費期限をすぎたコンタクトレンズは使用できないため注意してください。

まとめ

今回はコンタクトレンズの保管や保存方法、コンタクトレンズケースのケア方法についてご紹介しました。

コンタクトレンズの洗浄は大切な目を守るために非常に重要です。上記でご紹介したケースの洗浄のタイミングを目安に、忘れずに洗いましょう。

コンタクトレンズは高度管理医療機器です。ご自身の目の健康を保つためにも、コンタクトレンズには適切な管理とケアが必要だということを改めて認識し実践していきましょう。

監修者プロフィール

内野 美樹

ケイシン五反田アイクリニック 院長

HP:https://www.keishin-eye.com/

山梨医科大学 医学部卒業後、慶應義塾大学 眼科学教室入局。米・ハーバード大学 公衆衛生学修士取得。慶應義塾大学 眼科学教室 特任講師。
眼科のなかでも「ドライアイ」を中心にした角膜の疾患を専門とする。日本におけるドライアイについての疫学研究の第一人者であり、近年増えている長時間のパソコン作業によるVDT(Visual Display Terminal)症候群などの研究を行っており、日本のドライアイの有病率、パソコン使用時間とドライアイとの関係について世界で初めて証明した。ドライアイにつながる危険因子を研究し、ドライアイ診断に関する国際的な基準づくりにも携わる。
予防医療の啓蒙活動にも力を入れ、『しまじろうとEye Care Book』幼稚園や保育園の先生の目の教科書となるような『子どもの目見守りサポートBook』を作成。
目の健康について学び、セルフケアができるよう、『ナカナイ涙』などのWebサイトの監修も手掛ける。

【所属学会】
日本眼科学会 / 日本眼科医会 / 日本角膜学会 / 小児眼科学会 / 日本弱視斜視学会 / ドライアイ研究会

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