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目の中でコンタクトレンズを見失ってしまったら「レンズが目の裏に入ってしまったのかも」と不安になりますよね。ですが、レンズが目の裏側まで入り込むことはありません。
目が乾燥していると、レンズがズレやすくなってしまいます。今回は、目の乾燥を防ぐ方法と、ズレたレンズを探す方法をご紹介します。
コンタクトレンズが
目の裏側に入ることはない
「コンタクトレンズが目の中に見当たらない!目の裏側に入ってしまったのでは?」というご相談がよくあります。ですが、コンタクトレンズは目の裏側へ入ることはありません。
目の構造を見ていただくと分かりやすいでしょう。
コンタクトレンズは、黒目の部分(角膜)に装着されており、通常はその部分からズレることはありません。
白目(眼球結膜)は目の裏側までつながっているわけではなく、まぶたの裏側とくっつき袋のようになっています。この袋状の構造を「結膜のう」と呼び、コンタクトレンズは、この結膜のうで囲まれた範囲にしか動くことはありません。
そのため、コンタクトレンズを見失ってしまったとしても、外れていない限りは、必ず結膜のうの部分にあります。目の裏側に入り込んで取れなくなるということはないためご安心ください。
コンタクトレンズが
見当たらない時の対処法
「コンタクトレンズを外していないのに見当たらない」時には、慌てずに以下の方法を試してみてください。目で確認できる範囲にあるか、気づかないうちに外れてしまっていることが考えられます。
目の裏側に入ることはありませんが、入ったまま長時間経過してしまうと目の表面に傷がついたり、感染症の原因になったりするため、放置しないようにしましょう。
レンズの有無を鏡で確かめる
まずは、鏡を見ながらレンズがないかどうかよく確認します。ゆっくりまばたきをすると、コンタクトレンズが移動して見つかる可能性もあります。まぶたの裏を確認する際は、手をよく洗ってから行ってください。眼球には直接触らないようにします。
また「レンズがない」と思っても、黒目の部分にぴったりコンタクトレンズがついている場合もあります。特に、ハードコンタクトレンズは黒目よりもサイズが小さいため、見えにくく気づかないこともあるでしょう。
片目を隠した状態で、目の見え方を確認してみてください。目が乾燥していて、レンズが外れないだけかもしれません。
眼球を上下左右に動かしてみる
目線をゆっくりと上下左右に動かしてみましょう。奥にレンズが入り込んでしまったとしても、眼球の動きによって黒目の方まで戻ってくることもあります。
目を閉じてまぶたに違和感のある部位があれば、その部位と反対方向に目線を向けてみてください。目が乾燥しているとレンズが動きにくいので、目薬をさしてから行うのが良いでしょう。
水に顔をつけてまばたきをする
目薬が手元にない時には、水を張って顔をつけ、ゆっくりとまばたきをしてみてください。目とレンズの間に水分が入り込み、レンズが目の中で動きやすくなるかもしれません。
ただし、ソフトコンタクトレンズは、水道水と接すると変形や変色を起こすことがあります。この方法でソフトコンタクトレンズを外した場合は、そのレンズは再利用せず、捨ててください。使用期限がまだ残っていたとしても、使うことはできません。
自力でコンタクトレンズが
取れない場合
コンタクトレンズは見つけたけど自分では取れない、コンタクトレンズ自体が見つからないという場合には、眼科の受診もおすすめです。無理をして取ろうとすると、目の表面に傷がついたり、細菌感染を起こしたりするリスクがあります。自力で取ることのできない場合には眼科を受診しましょう。
眼科の受診が必要なケース
以下のような場合は、眼科を受診してコンタクトレンズを取ってもらいましょう。
- レンズが目の表面に張りついて外せない
- レンズが目の中で破れている
- 充血や痛みがある
- レンズが目の中にあるかどうか分からない
眼科では、色素と顕微鏡を使って、自分では見えない範囲までレンズを探すことができます。
コンタクトレンズのトラブルを
予防する方法
コンタクトレンズは、誰でも簡単に使用できるものではありますが「高度管理医療機器」の扱いです。正しく使用しなければ、目のトラブルの原因となります。トラブルを予防するために気をつけたいことを4つご紹介します。ぜひ参考にしてください。
意識的に目の乾燥を防ぐ
コンタクトレンズがズレる原因の多くは、目の乾燥です。
角膜とコンタクトレンズの間は涙で満たされており、コンタクトレンズは涙の上に浮かんでいるような状態でフィットするように作られています。涙の量が減って乾燥してしまうと、レンズが目にフィットしなくなり、レンズがズレやすくなります。
目が乾燥しないよう、普段から目薬を使い、意識的にまばたきをするようにしてください。
長時間の装着は避ける
長時間の装着は、目の乾燥を招くため、コンタクトレンズを長時間つけっぱなしにするのはやめましょう。
目が乾燥するとレンズが目に張りついて外しにくくなり、目の表面に傷がついたり、レンズが破れて取れなくなったりする原因になります。
一般的にソフトコンタクトレンズの場合は、1日に12時間程度までが目安です。装着時間は、短いほど目の負担は軽くなります。
乾燥しにくいコンタクトレンズを選ぶ
コンタクトレンズの種類によって、目の乾燥しやすさが違います。レンズのズレや乾燥が気になる場合には、乾燥しにくいコンタクトレンズを選びましょう。
低含水レンズを選ぶ
レンズを選ぶ際には「含水率」に着目してください。50%以上のものが「高含水レンズ」、50%未満のものは「低含水レンズ」と呼ばれています。
低含水レンズはレンズ自体に水分があまり必要ないため、涙を吸収しにくく、目が乾燥しにくい特長があり目の乾燥を抑えられます。
目の乾燥を感じている方、コンタクトレンズを長時間装着しなければならない方などは、低含水レンズを選びましょう。
1dayコンタクトレンズを選ぶ
コンタクトレンズは、使用期間によって1month、2week、1dayと分かれています。使用期間の短い1dayが最も乾燥しにくいので、目の乾燥が気になる方は1dayのレンズがおすすめです。
ベースカーブが合うレンズを使う
ベースカーブ(BC)とは目の表面の曲がり具合を表す数値で、コンタクトレンズによって異なります。
ベースカーブが合わないコンタクトレンズを使うと以下のような不具合が生じてしまうため、なんとなくで購入せず、必ず検査をしましょう。
- レンズがズレる、外れる
- 目の表面に傷がついてゴロゴロする、痛みが出る
- 目に負担がかかり眼精疲労や頭痛につながる
左右の目でベースカーブが異なることもあり、それぞれに合ったものをつける必要があります。ベースカーブは、眼科で簡単に調べることができるため、ご自身の目の形に合っているかどうか、確かめましょう。
まとめ
今回は、コンタクトレンズは目の裏側には入り込まないということをお伝えするとともに、目の中でレンズがズレる原因と対処法をご紹介しました。
レンズがズレてしまったとしても、必ず取り外すことができます。焦らずに対処法を試してみてください。この時、目の表面を触ってしまうと、傷がついたり感染症を起こしたりするリスクが高くなります。なかなか見つからない・取り外せないという場合は、無理をせず、眼科でレンズを探してもらうようにしてください。