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最終更新日:2024.05.30

結膜炎でもコンタクトレンズをしていい?注意点を解説!

この記事の監修者

原 修哉

原眼科クリニック 院長

結膜炎でもコンタクトレンズをしていい?注意点を解説!

目次

結膜炎にかかってもコンタクトレンズを装用していいのか、気になる方もいるでしょう。
原則として、結膜炎の時にコンタクトレンズの装用は推奨されていません。まず眼科を受診して、目の症状について医師に相談しましょう。
今回は結膜炎の症状と原因、結膜炎の時にコンタクトレンズを装用する際の注意点について解説します。

そもそも結膜炎とは?

結膜炎の原因

結膜炎とは白目が充血して赤くなり、目やにや涙が出る病気です。原因によってウイルス性結膜炎、アレルギー性結膜炎、細菌性結膜炎の3つに分類されます。それぞれの原因や症状をまとめました。

ウイルス性結膜炎

  • 代表的な原因

アデノウイルス、エンテロウイルス、ヘルペスウイルス

  • 症状

目やに、白目がぶよぶよする

  • 特徴

人にうつりやすいものを「はやり目」という

  • 治療

重症の場合はステロイドの目薬

アレルギー性結膜炎

  • 代表的な原因

花粉、ハウスダスト、コンタクトレンズなどの異物

  • 症状

目の充血、ゼリー状の目やに、異物感、痒み

  • 特徴

コンタクトレンズ装用時の刺激で発症することも(巨大乳頭結膜炎)

  • 治療

抗アレルギー薬、ステロイドの目薬、アレルゲンの排除

細菌性結膜炎

  • 代表的な原因

黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、淋菌

  • 症状

目の充血、黄色っぽい目やに

  • 特徴

小児、高齢者に多い

  • 治療

抗生物質

ウイルスや細菌、花粉やハウスダストのほか、コンタクトレンズによる刺激も結膜炎の原因になることがあります。

結膜炎は自分で予防・対処できるもの?

しっかり手洗いしている図

結膜炎を発症した場合はまず眼科の受診をおすすめしますが、発症する前にできることもあります。
結膜炎に対して、自分でできる予防や対処をまとめました。

ウイルス性結膜炎の対策

  • むやみに目を触らない
  • 外出して帰宅後すぐに手をよく洗う
  • 身近な人がウイルス性結膜炎になった場合、タオルや枕を分けて使う

アレルギー性結膜炎の対策

  • ダニ、ハウスダストが原因の場合は空気清浄機の使用や掃除をこまめに行う
  • 花粉が原因の場合、花粉防御用メガネやマスクを身に着け花粉が体内に入らないよう工夫する

細菌性結膜炎の対策

  • むやみに目を触らない
  • 外出して帰宅後すぐに手をよく洗う

結膜炎を人に感染させないためにできること

一部の結膜炎には感染力があるため、発症した場合は人に感染させないための対策が必要です。

ウイルス性結膜炎の対策

  • 小児の場合、医師の許可が出るまで幼稚園、学校への登校を控える
  • 涙を拭いたティッシュは個別に捨てる
  • タオル、枕を共有しない
  • 共通で使用する場所をアルコール消毒する

細菌性結膜炎の対策

  • 片目だけ発症している場合、感染した方の目を触ってから正常な方の目を触らない
  • プールで泳がない
  • タオル、枕を共有しない
  • 目や鼻の分泌物を触った後は、石鹸や消毒薬で手をよく洗う

症状が改善しても目に菌やウイルスが残っているため、しばらくは感染対策を続けましょう。

結膜炎でもコンタクトレンズは
つけていいの?

コンタクトレンズの刺激により、結膜炎が悪化する場合のイメージ図

コンタクトレンズの刺激により、結膜炎が悪化する場合があります。原則として、結膜炎になった時はコンタクトレンズの装用を控えた方が良いでしょう。特にコンタクトレンズによる巨大乳頭結膜炎を発症している場合は、悪化すると乳頭が擦れて角膜を傷つけてしまいます。

また、コンタクトレンズを装用していると治療に使える目薬が限られます。結膜炎の治療中はメガネを使い、症状が改善してからコンタクトレンズを装用しましょう。

結膜炎の時にコンタクトレンズを使う場合の注意点

どうしても結膜炎の時にコンタクトレンズを装用したい場合は、医師に相談しましょう。症状が軽度な場合、コンタクトレンズの種類によっては装用が可能な場合もあります。その場合でもコンタクトレンズを装用する頻度を少なく、また装用する時間も短くして目の負担を極力減らしましょう。

また、繰り返し使えるタイプのコンタクトレンズを装用している場合は、汚れの溜まりにくい使い捨てコンタクトレンズに切り替えると、より衛生的です。

結膜炎の症状がある場合は、
まず受診しましょう

結膜炎の症状がある場合は、まず受診しましょう

目の充血や目の痒み、目やになどの症状がある時は結膜炎の可能性があります。「結膜炎かな?」と思ったら、自分で対処せずまず眼科を受診しましょう。
結膜炎の症状がある場合、治療せずにいると悪化してしまったり、人に感染させたりする可能性があります。

また、結膜炎の原因は医師でなければ診断ができず、原因によって治療も異なります。悪化する前に適切な治療を受けるためにも、自己判断せず医師に相談しましょう。

まとめ

今回は結膜炎の症状と対策、結膜炎にかかった時のコンタクトレンズ装用について解説しました。
結膜炎になってしまった時はコンタクトレンズの装用に注意が必要です。装用自体が刺激になることもあるため、できるだけ装用する頻度や時間は少ない方が良いでしょう。結膜炎を予防するためには、日頃から目を清潔な状態に保つことが大切です。

また、もし目の痒みや異物感などの症状を感じた時は、結膜炎を発症している可能性があります。適切な治療を受けるためにも、悪化する前に眼科を受診しましょう。

監修者プロフィール

原 修哉

原眼科クリニック 院長

HP:https://www.haraganka.jp/

名古屋大学医学部卒業後、名古屋市の中京病院へ入局し13年勤務。その期間中に、ハイデルベルク大学(ドイツ)へ留学。
大雄会第一病院 診療部長として7年の勤務を通じて、地域の重症例、難疾患、専門性の高い疾患などの医療に携わり、白内障手術、緑内障手術、角膜移植、屈折矯正手術、結膜手術など10,000件以上執刀。
現在は、原眼科クリニックを開業し、地域住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。

【所属学会】
日本眼科学会 専門医 / 日本眼科手術学会 / 日本緑内障学会 / 日本角膜学会

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