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コンタクトレンズが「すぐに曇る」「なんだか不快」…そんな毎日はストレスになりますよね。この記事ではハードにもソフトにも共通する曇りの原因やケアの注意点などを解説します。
手軽に購入できるようになったコンタクトレンズですが、実は人工呼吸器と同じ高度管理医療機器です。正しく扱い、使用上のリスクを最小限に減らしましょう。
コンタクトが曇る原因は?
コンタクトレンズが曇る原因は「レンズが汚れているから」です。なぜ汚れているのか、なぜ洗っているのに落ちないのかには様々な理由があります。
化粧品等の付着
女性に多いのが、化粧品の付着によるコンタクトレンズの曇りです。レンズが汚れやすくなる原因として、まつ毛の生え際ギリギリまでアイメイクをする、瞬きでメイクが目に入る、ファンデーションの粉が目に飛ぶ、などが考えられます。
メイクをしている最中に指でレンズを触るとさらに汚れやすくなるため、コンタクトレンズはメイクをする前に装用し、メイクを落とす前に外すようにしましょう。
目の分泌物の付着
目の表面には、まつ毛の付け根やまぶたの裏側などから、涙や粘液、油分などが分泌されています。コンタクトレンズは、目の分泌物が増えたり、洗浄しても落としきれなかった場合にも曇りやすくなります。
特にタンパク質汚れは落としにくく、白く固まってレンズに付着してしまいます。ハードや使い捨てではないソフトのコンタクトレンズでは、定期的なタンパク質除去も必要です。
手の汚れの洗い流しが不十分
レンズを扱う際に、手洗いをしても汚れが落ちきれていない事もあり、そんな手でレンズを触ると曇ることがあります。
特にメイク崩れのしにくい化粧品やウォータープルーフのUVケア用品などは、軽く手洗いをしただけでは落ちづらいので注意しましょう。
また、手の汚れだけでなく、ハンドソープの洗い流しが足りない場合もレンズの汚れにつながります。保湿効果のあるハンドソープは落ちにくいのでしっかりと薬剤を洗い流しましょう。
アレルギー性物質の付着
アレルギー性物質がくっつき、十分な洗浄ができていないと、レンズはかなり曇りやすくなります。
アレルギー性物質とは花粉やダニ、ハウスダストなどです。最近では黄砂やPM2.5もコンタクトレンズの汚れに影響していると考えられています。
外出時は花粉防止用のメガネの装用や、黄砂の飛散状況によってはコンタクトレンズの使用をやめるなどしましょう。
コンタクトの曇りの予防策
コンタクトレンズの曇り対策として、以下のようなケアがおすすめです。
コンタクトレンズのこまめなケア
手洗い、決められた期間での交換、こすり洗いをしっかり行い、こまめなケアをしましょう。ていねいにケアをして曇りを防がないと、目の病気にかかるリスクが上がります。
毎日使っているとつい自己流になったり「1回くらいいいや」と気が緩んでしまうことがあるかもしれません。
コンタクトレンズは便利ですが、一方で危険性もあることを忘れないようにしましょう。
流水で入念に手を洗う
最も基本的かつ重要なことですが、コンタクトレンズに触れる前はしっかりとした手洗いが大切です。
皮脂だけでなく、ハンドクリームや日焼け止めなどが爪のすき間に入り込んでいるため、爪先まで丹念に洗いましょう。
汗でも落ちにくい化粧品や保湿効果のあるハンドソープは、かなり洗い流さないと落ちにくいので注意してください。
一日交換タイプにする
コンタクトレンズを一日使い捨てタイプ(ワンデータイプ)に変えてみましょう。ワンデータイプだと毎日新しいレンズをつけられるため、日々のお手入れが必要ありません。
ただしワンデータイプは他のレンズより1ヶ月あたりのコストはかかります。
また「どうせ1日だけだから」と逆に手洗いなど不十分になってしまう人もいますので、基本のケアはワンデータイプでも同じです。
こすり洗いを徹底する
目からの分泌物が多い、アレルギー性の汚れが付着しやすい環境にいるユーザーにとって、徹底したこすり洗いは欠かせません。
「浸けておくだけ簡単洗浄」というケア用品は多くありますが、汚れがこびりついているコンタクトレンズでは、浸けおきのみでは不十分です。
ハードでもソフトでもこすり洗いを徹底し、それでも曇るようならワンデータイプに変えましょう。
曇る以外によく起きる
コンタクトレンズの不快感
コンタクトレンズの不快感は、曇る以外にも自覚されている方が多いのではないでしょうか。原因は、乾き、キズ、アレルギーなどです。
どのケースでも症状がひどいと視力低下を招きます。以下の症状がある場合はコンタクトレンズの装用を控えましょう。
乾きによる不快感
どんなに乾きに強いハードやソフトのレンズでも、長時間の装用で目の乾きが起こりやすくなります。
症状としては、瞬きの際に違和感や不快感を感じたり、目を開けているのがつらい、コンタクトがずれやすい(取れやすい)などの他、乾き目によって涙がたくさん出ることもあります。
キズによる不快感
コンタクトレンズに付着した汚れやゴミによって、角膜(レンズが乗っている部分)にキズが付くことがあります。
角膜は全身の中でも痛みに敏感な部位で、わずかな傷でもヒリヒリ、ゴロゴロとした不快感があり、時には強い痛みを感じます。
アレルギーによる不快感
アレルギー性物質が付着し炎症が起きると、レンズが汚れるだけではなく、かゆみや充血といった目の症状として現れます。
わずかな刺激でも目をかきたくなる衝動や、一日に何度も繰り返す不快感により、仕事や学業に支障が出ることもあります。また、擦り過ぎると目の表面や皮膚まで傷つけてしまうので気をつけましょう。
汚れが付きにくい
コンタクトレンズはある?
汚れが付きにくいと言われているコンタクトレンズは、非イオン性低含水レンズや両イオン性レンズ、プラズマ表面処理が施されたレンズなどです。
最近増えてきたシリコーンハイドロゲル素材は、タンパク質汚れに強くなるよう設計されています。油性のコーティングにより、つるっとした装用感が良いのですが、油性が原因で曇りやすいという弱点があります。
各コンタクトレンズメーカーは汚れに強い素材や表面処理の改良に力を入れています。メーカーごとにレンズ設計や素材が異なるため、いくつかの種類を試して、自分に合うコンタクトレンズを探すといいでしょう。
まとめ
どんなに汚れに強いコンタクトレンズであっても、基本的なケアの仕方や注意点は変わりません。目の周りのメイクを目のギリギリまでするのは控え、手洗いを徹底するだけでもレンズの曇りは防げます。
普段は2週間の使い捨てレンズを使用し、花粉の時期だけワンデータイプやメガネの装用に変えるなど、自分の症状によって使い分けるのも良いでしょう。
コンタクトレンズはリスクを伴う医療機器です。調子が悪い時は無理して使用せず、必ず眼科を受診しましょう。