この記事の執筆者
眼とメガネの情報室
みるラボ編集部
目次
偏光レンズと普通のサングラスの違いがよく分からないという方もいるかもしれません。
偏光レンズはただ眩しさを軽減してくれるだけでなく、さまざまな特徴があります。
この記事では偏光レンズの仕組みやメリット、デメリット、またおすすめのレンズを紹介します。
偏光レンズとは
偏光レンズとは反射光などのギラツキをカットしてくれるレンズです。
通常のサングラスのように光の量をただ減らすのではなく、光の一部をカットします。そして、道路や地面に反射して目に入ってくる光をカットする働きをしてくれます。
ゴルフやアウトドアスポーツに使用すると余計な光を取り除き、眩しさを軽減して物が見やすくなるのでおすすめです。また、ドライブ中のフロントガラスや釣り・クルージングでの水面の反射光だけを軽減してくれます。
偏光レンズのレンズカラーは使用目的によってレンズのカラーを選ぶことができます。
偏光レンズの仕組み
偏光レンズは偏光フィルムをレンズの間に挟み込んで作られているタイプと、最近では偏光膜をコーティングしたタイプの2種類があります。
コーティングタイプはレンズの設計を選ばず、単焦点レンズから遠近両用まで幅広く対応しています。また偏光フィルムを挟み込んでいないのでお手入れもしやすく、合わせられるメガネフレームも幅広く、フチなしのフレームなどにも入れることができます。
偏光レンズは、偏光膜が眩しさの原因になるギラツキのある光を光の波長によって一部をカットします。濃い色のカラーのサングラスをかけると視界が暗くなりますが。偏光レンズは光の一部の波長をカットするので、暗くならずに反射光を抑えるという優れモノです。
アウトドアなどで白くモヤがかかったように眩しく見える現象は、乱反射した光があらゆる方向から目に入ってきていることが原因です。偏光膜は乱反射した光をカットし、目に一方向に入ってくる自然光のみが見えるようにしてくれる仕組みです。
サングラスは目に入ってくる光の量を全体的に抑えますが、偏光レンズは眩しい光のみをカットしてくれます。複雑にさまざまな方向へ反射する光をカットする偏光レンズはコントラスト感度を上げてくれるため、モノがハッキリして見えやすくなるという特徴があります。
もしこの眩しい光をサングラスで抑えようとすると、全体的に視界が暗くなり見えにくくなってしまいます。
偏光膜の働きのポイントまとめ
- 一方向の自然光のみを目に届けてくれる
- 眩しい反射光はカットしてくれる
- コントラストを強調し、モノをハッキリ見えるようにしてくれる
偏光レンズのメリット
偏光レンズの最大のメリットは、眩しい光を抑えてくれるのに明るさはそのままでモノがハッキリ見えるところです。
スポーツやレジャーでは大活躍してくれる上に、目の疲れも軽減できます。また、紫外線や強い光から目を守ってくれることもメリットですね。
運転中の使用では、フロントガラスへの映りこみをカットし、よりクリアな視界で危険を回避することができます。
そのほか、都会のビルやウィンドウに反射する光を軽減して快適にショッピングが楽しめるでしょう。
おすすめの使用例
- ゴルフのパター時にラインをしっかり読みたいとき
- 屋外でのスポーツ観戦
- ウィンタースポーツ全般
- 子供と公園で遊ぶときや散歩
- 幼稚園などの自転車での送り迎え
- 都市部での営業や屋外イベントなど
このように偏光レンズは特別な時や特定の人のみが使用するものではなく、誰でも日常使いが出来るレンズです。
偏光レンズのデメリット
従来の偏光フィルム挟みこみタイプで作成された偏光レンズの場合は、デメリットが多いです。例えば熱や水に弱く、レンズの設計タイプの選択やフレーム選択の自由度が低いことなどが挙げられます。
しかし、これらのデメリットはレンズコートタイプの偏光レンズを選択することで解消されます。
レンズコートタイプの偏光レンズは多層構造ではないので、剥離や変形を起こす不安が解消されます。ただひとつ注意が必要なのは、表面に深い傷などがついてしまった際に、その部分の偏光機能が失われてしまう点です。
また、フィルム挟みこみタイプの偏光レンズに比べて価格が高くなってしまう可能性があります。しかし通常のメガネやサングラスと同様に乱暴な扱いをしないように注意するだけでいいので、レンズコートタイプの偏光レンズがおすすめです。
ここからは、注意が必要なシーンを3つご紹介します。
ゴルフ
偏光レンズをかけていると、モニターがゴルフのカートに備えつけられている場合などはモニターの光までカットしてしまうため、画面が見えにくいというデメリットがあります。
また、グリーンやブルー系のレンズはボールが見えにくくなってしまうため、注意が必要です。カラーや偏光度など自分にあったものを眼鏡店で確認して購入しましょう。
ドライブ
偏光レンズの場合、車種によってはカーナビの液晶が見えにくかったり、歪んで見える場合があります。
カーナビだけでなく、デジタル表示のメーターも同じような現象が起こるため、表示の明るさを調整する必要があります。
スキー
偏光レンズに使用されているフィルムは水や熱に弱いため、湿気が多い状態でレンズに雪がついたままにしておくと、水分が浸透してしまうというデメリットがあります。
浸透した水分はレンズが歪む原因となるため、注意が必要です。
湿気の多い場所での使用が増える場合はコーティングタイプの偏光レンズを選ぶなど工夫しましょう。
偏光レンズのデメリットを
克服する方法
カラー選び
ゴルフや釣りをする際は、レンズカラーをブラウンやグレー系、スキーの際にはブラウン系が最適です。また昼間のドライブではブラウンやグレー系、夜間はイエロー系を使うなど、シーンや時間帯ごとに色味を使い分けると視界も良好に保てるでしょう。
用途に応じた濃度
濃度が濃すぎるレンズの場合、モニターなどに加え、標識が見えないなどの問題が発生します。偏光度98%のものではなく、偏光度60%のものを使用するなど、用途に応じてレベルを変えると良いでしょう。
また、偏光レンズでは色の濃度が濃すぎる場合は、カラーレンズへの変更もおすすめです。眼鏡店に相談すると、用途に応じた商品を提案してくれるため、好みにあったカラーレンズなどへ切り替えてみましょう。
水分はすぐに拭き取る
雪や雨で濡れてしまった際は、すぐに拭き取るようにしましょう。
特に、スキーの場合は雪が溶けて水になるため、滑り終わったらまずレンズから雪を拭き取ることをおすすめします。
偏光レンズの色の選び方
ゴルフ
ゴルフの場合、ブラウン系にするとコントラストがはっきりして水面の写り込みをおさえてくれます。
さらに、グレー系にすると裸眼に近い見え方になるため、自分のプレースタイルや好みに応じて使い分けても良いでしょう。
ドライブ
ドライブの際は、グリーン系にすると信号が見やすくなり、グレー系にすると長時間の運転でも目が疲れにくくなります。
さらに、ブラウン系だと遠くの景色も鮮明に見られるでしょう。
スキー
スキーをされる方は、ブラウン系のカラーにすると雪原のコントラストがはっきりするので、凹凸も分かりやすく滑りやすいでしょう。
さらに、遠くの景色も見やすいため、滑走中には特におすすめです。
おすすめの偏光レンズ
フィルム挟みこみタイプではなく、レンズコートタイプの偏光レンズがおすすめです。
従来の偏光フィルムを挟みこむ多層構造の製法ではなく、コーティングによってレンズ表面に偏光膜を圧着しています。この先進技術によって、よりクリアな視界と解像度が実現しました。
さらに従来に比べてレンズが様々な設計に組み合わせることができるので、薄型の偏光レンズも選択ができますし、遠近両用タイプも快適にご利用いいただけます。フレームの自由度が上がり、フチがあるタイプ以外にも、フチなしフレームやフレームの下部にフチがないナイロールタイプなどお好きなフレームに合わせることが可能です。
アウトドアなどでの使用はもちろんですが、日常使いでも路面やガラスからの反射光を抑えて快適に過ごすことができます。
偏光度の高いカラーや偏光度を抑えた明るめのカラーなど、使用するシーンに合わせて様々な色を選ぶことができるので、あなたに合う偏光レンズを見つけてください。