
この記事の執筆者
眼とメガネの情報室
みるラボ編集部

目次
最近「目の奥が痛い」「かすむ」「しょぼしょぼする」など、目の不調に悩んでいませんか。現代社会では、スマートフォンやパソコンが日常生活の一部となり、その結果として目に大きな負担がかかっています。
目の疲れは「放っておいてもそのうち治るだろう」と思われがちですが、疲れ目は頭痛や肩こり、イライラなど、体や心の不調を引き起こす原因にもなります。そのため、目の疲れのサインが表れたら、目を休めることが必要です。
この記事では、目が疲れる原因や症状、目の休め方、さらに目を疲れさせない対策についても詳しくご紹介します。目の疲れが気になるという方は、ぜひ実践してみてください。
目が疲れる原因とは
目の疲れを引き起こす主な原因には、下記があげられます。
- 目の疾患
- 屈折異常(近視、乱視、遠視)
- ドライアイ
- メガネやコンタクトレンズの使用
- ストレス
- 栄養不足
また、近年多いのが目の酷使によるVDT(Visual Display Terminal)症候群※です。
目には毛様体筋(もうようたいきん)を動かして近距離にピントを合わせる調節機能が備わっており、スマートフォンやパソコンなどを見続けていると毛様体筋(目の筋肉)を使いすぎるため、目が疲れてしまうのです。
※VDT症候群とは、デジタル機器を長時間使うことで心身に不調をきたす健康障害のことをいいます。
目が疲れている際の
症状やサインは?

目が疲れている際には様々な症状が起こりますが、以下のような違和感は目が疲れているサインかもしれません。
- 目がかすむ
- 目が痛い
- 充血する
- 目がしょぼしょぼする
- 涙が出る
- 眩しい
これらは、目の使いすぎが原因のこともあれば、目の病気が原因で生じることもあります。目に違和感や気になる症状があれば、早めに眼科に相談しましょう。
おすすめの目の休め方は?
8つの方法を紹介
目の疲労や不調を感じた時は、目を休めることが大切です。ここからは、おすすめの目の休め方を8つご紹介します。自宅でできる方法はもちろん、仕事中に簡単にできる方法も解説しているため、ぜひ試してみてください。
目を閉じる、またはまばたきを意識的にかつ定期的に行う
目が疲れたと感じたら、目を閉じる、もしくはまばたきを意識的かつ定期的に行うことが大切です。数秒間目を閉じるだけでも目の休息につながります。また、意識的にまばたきをすると目の筋肉がゆるむため、目の疲れを軽減させられます。
通常まばたきの回数は1分間に20〜30回程度といわれていますが、パソコンやスマートフォンを凝視していると4分の1まで回数が減る傾向にあるようです。まばたきが減ると目の乾燥(ドライアイ)の原因にもなるため、普段から意識してまばたきを行うようにしましょう。
遠くをみて緊張をやわらげる

目の疲れを軽減させるには、遠くを見ることも効果的です。近距離で長時間見続けると、筋肉の緊張が起こり目が疲れやすくなります。遠くを見ることでこり固まった毛様体筋の緊張がやわらぎ、目を休めることができます。
特にスマートフォンを見る距離はパソコンよりも近くなりやすく、VDT症候群などの症状を引き起こす原因になります。そのため、スマートフォンを使用する時は、目からできるだけ離すようにすることが大切です。
目を温める

目を温めることも目を休める有効な手段です。目が温まると血行が良くなり、緊張した筋肉がほぐれます。その結果、目の疲れはもちろん、低下した調節機能を回復させる効果も期待できます。
また、目の疲れの原因の一つであるドライアイは、涙の油成分の減少や質の低下によって引き起こされます。目の油はまつ毛の生え際にある「マイボーム腺」から分泌されており、加齢やメイクの落とし残しなどでマイボーム腺がつまると、分泌が正常に行われなくなります。目を温めることで、マイボーム腺のつまりが解消され、ドライアイの予防にもつながります。
市販の目薬を使用する

市販の目薬を使用するのもおすすめです。目の乾燥が気になるなら、塩化ナトリウムや塩化カリウムといった涙と同じ成分が配合された「人口涙液」や、角膜保護成分ビタミンAが配合された目薬を選ぶと良いでしょう。
また、ビタミンB群とビタミンEは目の疲れを軽減するのに有効な成分とされています。しかし、症状によって必要な有効成分が異なるため、症状に適した成分が配合された目薬を選ぶことが大切です。パッケージに記載の説明文で分からない場合は、薬局で薬剤師に確認してから購入するのがおすすめです。
PCやスマートフォンの使用をやめて休憩する

目を休めるためには、パソコンやスマートフォンの使用時間を決めて、定期的に休憩をすることが大切です。デスクワークでは長時間パソコンを見ていることが多くなります。また、スマートフォンに依存している方も年々増加傾向にあります。そのため、意識的に休憩をとることが必要です。
スマートフォンのタイマー機能やアプリを活用し、時間を区切って作業するのもおすすめです。できるだけ1時間に1回10〜15分は画面から目を離して休憩をとるようにしましょう。
十分な睡眠時間を確保する
1日酷使した目の疲れを回復させるには、十分な睡眠時間を確保することが大切です。就寝時に目を閉じることで、目の毛様体筋がリラックスできる状態になります。また、熟睡していると、目の中に光が入らないため、目の休息につながっています。
毎日6〜7時間は睡眠をとり、目をしっかり休めましょう。ただし、睡眠をしっかりとっていても目が疲れているという場合は注意が必要です。眼精疲労が悪化している可能性が考えられます。
目のツボをマッサージする
目の周りには目の疲れに効くツボが集まっています。ツボを刺激することで目の疲れはもちろん、頭痛や目のクマを軽減する効果もあるといわれています。以下は、代表的な目の疲れに効くツボと効果が期待できる症状です。

- 晴明(せいめい):かすみ目、充血、目のしょぼしょぼ、目周りのけいれん
- 攅竹(さんちく):ドライアイ、かすみ目、頭痛、頭重感(ずじゅうかん)
- 魚腰(ぎょよう):かすみ目、充血、腫れ、痛み
- 承泣(しょうきゅう):ドライアイ、かすみ目、クマ、涙目
- 紫竹空(しちくくう):目周りのけいれん、頭痛
- 瞳子髎(どうしりょう):かすみ目、充血、痛み、クマ
- 太陽(たいよう):目の乾き、痛み、充血、頭痛
目のストレッチを行う
疲れを感じたら目のストレッチを行いましょう。ストレッチは疲れをほぐし、心身をリラックスさせます。体が動きやすくなり、血行も良くなるため、肩や首のこりを解消させるのにも効果的です。ゆっくり呼吸しながら行うと、気持ちが落ち着きストレス解消にもつながります。
ストレッチの基本を5つ紹介
- 体の力を抜き、楽な姿勢で行う
- 反動をつけずに、なめらかな動きを意識する
- 伸ばす時も戻す時もゆっくりと
- 呼吸を止めず、息を吸い、吐きながら体を伸ばす
- 気持ちが良いと感じる程度に伸ばし、20秒以上キープする
目のストレッチの手順

【ウォーミングアップ】
- 左右交互にウィンクする:10~20回
- 1の動作を少しスピードを速くして行う:10~20回
- ゆっくりと左右交互にウィンクする:10~20回
- 目をギュッと閉じるように左右交互にウィンクする:10~20回
- 最後に両目をギュッと閉じ大きく目を開く:3回

【上下左右ストレッチ】
- 右眉を見るように目を右斜め上に上げる
- 視線を戻し、左眉を見るように目を左斜め上に上げる
- 同様に右頬を見るように目を右斜め下に向ける
- 視線を戻して左頬を見るように目を左斜め下に向ける
- 右耳を見るように目を右に向ける
- 左耳を見るように目を左に向ける
- 前髪の生え際を見るように目を上げる
- 視線を戻してあごを見るように目を下げる
- 最後に鼻先を見る
※1~9まで各3秒間見つめる、慣れてきたら5秒にのばす
※顔は正面に向けたまま動かさないように行うのがポイント

【目をぐるぐるストレッチ】
- 目を右回りにゆっくりとまわす ※2~3周
- 1と同じ要領で目を左回りにまわす ※2~3周
- 最後に寄り目にして5秒間キープし、視線を戻す
※無理をせず、目が回らないようにゆっくりと行うのがポイント
目の疲れを溜めさせない対策が
重要
作業環境の整備
目の疲れを溜めないようにするには、作業環境を整えることが重要です。まずは、モニターの明るさや位置を調整しましょう。モニターが明るいと強い光が目に当たるため、暗めに設定するのがおすすめです。
モニターの位置は、近すぎると目の疲れを増長させてしまいます。目から40cm以上離して設置し、前かがみにならないよう注意することが大切です。また、部屋を明るくして作業することも、目の疲れを軽減させることにつながります。ただし、部屋の照明が明るすぎると目の負担になることもあるため、注意が必要です。
自分に合ったメガネやコンタクトレンズを使用する
近視の方は普段メガネやコンタクトレンズを使用していると思いますが、近くのものが裸眼で見える場合は、メガネやコンタクトレンズを外すことで目の負担を軽減できます。一方で遠視の方の場合は、近くも遠くも見えにくいため、遠視矯正用のメガネやコンタクトレンズを使用するのがおすすめです。
また、コンタクトレンズの装用時間が長いと、年齢を重ねるにつれて角膜内皮細胞に影響が出てきます。場合によっては、白内障手術などができなくなるなどの弊害があるため、コンタクトレンズを外す時間を長くすることも心がけましょう。目の状態に合わせてメガネとコンタクトレンズを使い分けることが大切です。
スマートフォンやディスプレイを十分に離して使用する
スマートフォンやタブレットを使用する際も目から十分に離して使用しましょう。特にタブレットはスマートフォンよりも画面が大きいため、近い距離で見ていると目にかかる負担も大きくなります。
また、スマートフォンは目からの距離が近くなりやすいため注意が必要です。パソコンと同様に目から40cm離すことを意識して使用すると良いでしょう。さらに、ディスプレイを斜め下に見るようにすると目の乾燥を防ぐことができます。
アシストタイプのレンズを使用する
20代や30代の若年層で、特にスマートフォンを長時間使用する方には「アシストタイプのレンズ」がおすすめです。アシストタイプは遠くがはっきり見え、かつ近くも楽に見える設計で作られています。
デジタル機器をよく使用する20代や30代は近くでものを見る時間が長く、ピントを合わせる調節機能が常に働いている状態になるため、自覚のないまま目が疲れやすくなります。そこで、近くを見る際の調節機能をメガネがサポートするアシストタイプのレンズがあります。このレンズを使用することで、目が疲れるのを軽減できます。
目を休めても疲労が回復しない場合は受診がおすすめ

セルフケアを行っても目の疲れが良くならない場合は、疲れ目による症状が悪化している可能性も高くなります。また、白内障や緑内障など、目の病気が隠れているケースも考えられます。目が疲れていても自覚症状がなく、悪化している方も少なくありません。
ごく稀ではありますが、脳梗塞をはじめとする脳の病気が関与していることもあります。そのため、目を休めても改善しない場合は早めに眼科を受診し、医師に相談することが大切です。
まとめ
目が疲れる主な原因は、スマートフォンやパソコンなどの長時間使用により、目を酷使することです。そのため、モニターの明るさや位置を調整して作業環境を整えることがまずは大切です。特に、目と画面との距離を適度に保つことで、目の疲れを軽減できます。
また、意識してまばたきをしたり、目を温めたりすると目の乾燥予防になります。どこでもできるツボ押しやストレッチは、疲れを感じた時に行うと良いでしょう。今回ご紹介した目を休める方法の中から、自分に合ったものをぜひ試してみてください。

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眼とメガネの情報室
みるラボ編集部
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