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「視力をサポートしてくれるはずのメガネなのに、かけるとなぜか疲れる」「毎日メガネをかけていて、夕方になると目が痛くなる」そんな違和感を覚えることはありませんか。毎日使うものだからこそ、目の疲れがあると大きなストレスになります。
メガネによる疲れの悩みも、原因を知り、自分に合った正しい対処法をすることで解決できます。この記事では、メガネで目が疲れる原因から、疲れを解消するための具体的な対処法までを詳しくご紹介します。
メガネをかけていると
目が疲れやすい理由
メガネをかけていると目が疲れる原因は、一つだけではありません。多くの場合、「目の使いすぎ」「度数が合っていない」「かけ位置のずれ」という3つの要因が複雑に絡み合っています。自分の状況がどれに当てはまるか、まずは原因を探ってみましょう。
原因1.目の使いすぎ

メガネの主な役割はピント調節です。メガネをかけたまま目を酷使すると、目の疲れにつながります。特に、メガネをかけたまま至近距離のスマートフォンなどを見続けると、目が無理してさらにピントを合わせようとするため、疲れが増幅します。その他、長時間の使用や細かい文字を見続けることで目の筋肉の緊張状態が続き、目の疲れにつながるのです。
このような原因に対しては、目薬をさす、意識的に遠くを見る、まばたきを増やすなど、ピント調節筋の緊張をやわらげる工夫が大切です。
さらに、ブルーライトを発するデジタル機器も疲れにつながります。パソコン作業時にはブルーライトカット機能のある度無しメガネを使用するのも一つの方法です。
原因2.メガネの度数が合っていない

度数が合っていないメガネを使い続けると、ピントを合わせるために目が必要以上に頑張ってしまい、疲れが溜まりやすくなります。特に「度が弱すぎる」場合には、見えにくいものを無理に見ようとして目を凝らしてしまい、負担が増加します。
また、室内でパソコンやスマートフォンを見る時間が長いのに、遠くを見るための度数のメガネをかけていると、目が調節し続ける状態になり、近くを見る作業でも疲れやすくなります。
大切なのは、使用する目的やシーンに合った度数のメガネをかけることです。例えば、近くを長時間見る作業が多い方には、調節機能をサポートする専用レンズの使用も検討すると良いでしょう。
さらに、視力は生活習慣や加齢によって変化します。「昔作ったメガネをずっと使っている」「最近、物が見えにくくなった気がする」という方は、度数が合わなくなっている可能性を疑いましょう。
そのような場合は、眼科や眼鏡店での定期的な視力チェックが重要です。必要に応じてメガネを調整することにより、目の疲れが軽減できるでしょう。
原因3.メガネのかけ位置がずれている

レンズの中心と目の位置が合っていないと、視線がズレた状態で物を見ることになり、目が無意識に補正しようとして目の疲れにつながります。これは「プリズム効果」と呼ばれ、見え方が歪んだり、意図しない乱視のような症状が現れることもあります。脳が補正しようと無意識に働くことで、目に大きな負担をかけてしまうのです。
特に片手でかけ外しをしたり、メガネをかけたまま寝てしまったりするクセがあると、フレームが歪みズレやすくなる原因となります。
購入時にフィッティングしても、毎日使っているうちにフレームは少しずつ歪んでいきます。かけ心地はこまめにチェックし、定期的に眼鏡店でフィッティングをすることをおすすめします。
メガネによる疲れを放置する
悪影響
「少しくらい疲れても大丈夫」と、メガネによる目の疲れを軽く考えてはいけません。疲れによる不快な症状を放置すると、目だけでなく心身全体に深刻な影響が及ぶ可能性があります。ここでは、疲れを放置した場合に起こりうる3つのリスクを解説します。
1.目の疲れによる症状の慢性化と全身の不調

目の疲れが続くと、目の奥の痛み・かすみ・充血・まぶしさ・しょぼしょぼ感・まぶたのけいれんといった症状が慢性的に現れるようになります。
また、目のピント調節は、体のオン・オフを切り替える自律神経と密接に関係しています。目の緊張状態が続くと自律神経のバランスが乱れ、慢性的な頭痛や、首・肩のこり、めまい、吐き気、全身の倦怠感といった不調を引き起こすのです。
自律神経の乱れは、イライラや不安感、不眠など精神的な問題につながることもあり、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
2.視力の低下や別の目のトラブルの可能性
ピントが合わないメガネをかけ続けていると、無意識に目を凝らしたり、酷使したりすることで、近視や乱視が進行してしまうことがあります。また、まばたきの回数が減ると、ドライアイを発症・悪化させる原因にもなります。
涙の量が減って目の表面が乾くと、角膜が傷つきやすくなり、ゴロゴロとした異物感やさらなる痛みを感じることもあるでしょう。近年では、若い世代でも、ピント調節機能が低下して手元が見えにくくなる「スマホ老眼」と呼ばれる症状のリスクも指摘されており、違和感がある場合は早めの対応が必要です。
リスク3.集中力の低下や精神的ストレス
目の疲れは、脳の疲れにつながります。その結果、仕事や勉強に集中できなくなったり、作業効率が落ちてミスが増えたりすることがあります。また、「見えにくい」「目が重い」といった不快な感覚は、それ自体が大きな精神的ストレスです。
常にイライラしたり、気分が落ち込んだり、好きなことに打ち込めなくなったりと、生活の質(QOL)を著しく低下させる原因にもなります。さらに、不適切な見え方は遠近感を狂わせ、階段を踏み外したり、物にぶつかったり、物にぶつかったりするなど、思わぬ事故やケガにつながる危険性もあるため注意してください。
メガネをかけていると
疲れる場合の対処法
メガネによる目の疲れを感じたら、我慢せずに適切な対処をすることが大切です。ここでは、セルフケアで症状をやわらげる方法から、根本的な原因を解決する方法まで、対処法を4つご紹介します。すぐに実践できるものから試してみましょう。
対処法1.目を休ませる

目が疲れたと感じたら、まずはメガネを外して休ませましょう。
また、眉頭の下にあるくぼみ(ツボ)を軽く押したり、目の周りの骨に沿ってマッサージを行うと、血行を促す効果が期待できます。乾燥している場合は、室内を加湿するのもおすすめです。デジタル機器のモニター画面の明るさの調整も、目の疲れの軽減につながります。
ただし、これらは一時的な対処法です。目の疲れが続く場合には、原因を特定して根本的に解決することが重要です。
対処法2.目薬を差す

目が乾燥していると感じる場合は、人工涙液タイプの目薬を使うのも有効です。防腐剤が入っていないものを選べば、目への負担も少なく安心して使用できます。ただし、充血をおさえるタイプの目薬には血管を収縮させる成分が含まれていることがあり、使いすぎると症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。
対処法3.眼鏡店でのフィッティング

メガネがずれたり、かけ心地が悪いと感じる場合は、眼鏡店でフィッティングを受けるのがおすすめです。眼鏡店の専門スタッフは、一人ひとりの顔の形や骨格に合わせて、鼻パッドの角度やテンプルの開き具合などをミリ単位で調整してくれます。正しい位置に直すことにより、レンズ本来の性能が引き出され、視界がクリアになり目の負担も軽くなります。
フィッティングは、メガネを快適に使い続けるための重要なメンテナンスです。使っているうちに「ずり落ちてくる」「耳の後ろが痛い」「鼻にあたる」と感じたら、気軽に眼鏡店に相談しましょう。購入店舗では、無料で調整を行ってくれるサービスも多いです。定期的にメガネの点検を行ってください。
対処法4.メガネを新調する

目の疲れが続く場合、視力の変化にメガネが合っていない可能性もあります。視力は年齢や体調などによっても変化するため、1〜2年に一度は見直すのが理想的です。メガネを作る際は、使用目的を明確に伝えることもポイントです。例えば、デスクワーク中心の方には近距離に適した度数、外出が多い方には遠方が見やすい度数が適しています。見たい距離に合ったレンズを選ぶことで、目の疲れを大きく減らすことができます。
特に老眼鏡を使用している方は、適切な度数でなければ、かえって疲れを感じやすくなることも。遠近両用や中近両用、近近両用など、ライフスタイルに合わせた選択肢があるので、スタッフと相談しながら最適なレンズを選びましょう。
まとめ
毎日使うメガネで目が疲れてしまうのは、目の酷使や度数、フィッティングの問題が原因かもしれません。放置すると、全身の不調や視力低下につながる可能性もあります。
メガネによる疲れは、原因を知り、正しく対処することで解決できます。この記事では、メガネで目が疲れる主な原因と、放置するリスク、さらに「目の休息」「フィッティング調整」「メガネの見直し」といった具体的な対処法をご紹介しました。ご自身の状態に合った対処を見つけ、快適な視界と健やかな目元を取り戻しましょう。
また、目の疲れが継続する場合や、目の症状で不安がある場合には病院を受診してください。