目の悩み
公開日:2021.10.12 / 最終更新日:2022.07.25

ブルーライトとは?目への影響を解説

この記事の監修者

内野 美樹

ケイシン五反田アイクリニック 院長

ブルーライトとは?目への影響を解説

目次

パソコンやスマホの普及とともに、私たちの身の回りには年々ブルーライトが増えています。しばしば「目に悪い光」と表現されるブルーライトですが、本当に目に悪い光なのでしょうか。
結論からいうと、ブルーライトは目にとって一長一短のある光です。この記事では、そんなブルーライトの概要や目に与える影響について解説します。ブルーライトカットメガネの選び方や使い方もまとめているため、「ブルーライトから目を守りたい」と考えている人は、ぜひ参考にしてください。

ブルーライトとは

ブルーライトとは

ブルーライトとは、波長380~495nm(ナノメートル)の青色光です。厳密には青と紫の光をもっています。波長380~430nmの光は紫色、430~495nmの光は青色です。
光の波長が紫色(380nm)より短くなると、紫外線に変わります。紫外線は目に見えないため、目に見える光の中ではブルーライトが「最も波長が短い光」です。このため、ブルーライトは「可視光短波長光」とも呼ばれます。
さらに、紫外線に近いためエネルギーが強いことも、ブルーライトの特徴です。この特徴から、高エネルギー可視光線(HEV Light)という別名ももっています。
ブルーライトの波長は、厳密に区切られていません。上限は400~500nm、下限は360~400nmと諸説があります。一般的にイメージされるブルーライトは、スマホやパソコンの画面が発する光です。しかし、太陽光などの自然光にもブルーライトが含まれています。空が青く見える理由も、ブルーライトが空の一面に散乱しているためです。

ブルーライトと紫外線の違い

ブルーライトと紫外線の違い

ブルーライトと紫外線の違いは3つあります。①目に見えるか、②波長がいくつか、③目に有害か、の3点です。ブルーライトは目に見え、紫外線は目に見えません。波長は、ブルーライトが380~495nm、紫外線が100~380nmです(紫外線の波長にも諸説があります)。
目への有害性については、紫外線は確実に有害とされるものです。たとえば、角膜に紫外線が当たると電気性眼炎(雪眼)を発症することがあります。また、日常の小さな紫外線ダメージの蓄積は、白内障の代表的な原因の一つです。この他、翼状片や加齢黄斑変性など、紫外線はさまざまな眼科疾患を引き起こします。
ブルーライトは、夜であれば目にとっても有害です。しかし、日中であれば有害かどうかは不明であり、逆にいくつかのメリットもあります。

ブルーライトは目に悪い?

日中のブルーライトが目に悪いという、科学的根拠はありません。このことは、日本眼科学会などの6団体、米国眼科アカデミーなどが揃って指摘しています。
しかし、夜間のブルーライトには2つの健康リスクがあります。1つ目は睡眠障害、2つ目はうつ病のリスクです。このうち、睡眠障害は視力低下などの原因になることがあります。
夜間のブルーライトが睡眠障害につながる理由は、メラトニンを減少させるためです。メラトニンは眠るのに必要な物質で、不足すると「眠れない」「熟睡できない」状態になります。このリスクは、上記6団体とアカデミーも指摘するものです。
うつ病リスクについては、マウスを用いた実験で確認されました。人間での実験は倫理的問題もあり、まだ実行されていません。しかし「体内時計の乱れがうつ病につながる」ことは広く指摘されています。

ブルーライトカットメガネの
選び方

最近ではブルーライトカット機能のついたメガネも販売されています。
ブルーライトカットメガネの選び方には、3つの基準があります。1つ目は「色があるかないか」、2つ目は「カット率は何%か」、3つ目は「紫外線もカットできるか」です。
色がある「吸収タイプ」は、ブルーライトのカット率が高くなります。色がない「反射タイプ」はカット率が低く、代わりに視界の色味が変わらないことが利点です。
カット率は20~60%前後で「高いほどいい」とは限りません。日中のブルーライトには後述するメリットもあるため、用いる状況や自身の眼の特性に合わせて選択しましょう。
紫外線は先述のとおり、さまざまな点で目に有害なものです。このため、ほぼ100%カットできるメガネを選ぶことをおすすめします。

ブルーライトカットメガネの
正しい使い方

ブルーライトカットメガネの正しい使い方には、3つのポイントがあります。

①日中に装着する場合は適度に太陽光を浴びる

日中に装着する場合は適度に太陽光を浴びる

太陽光から浴びるブルーライトには、3つのメリットがあります。
①生体リズムを整える、②集中力を高める、③気分を高揚させる、
というメリットです。
①の生体リズムについては、ブルーライトは体を覚醒させるため「夜間は悪玉、日中は善玉」となります。
②の集中力については「日中は明るい窓際で作業する」ことが、産業衛生分野で推奨されている働き方です。
③の気分については、青色も含めた強い光は、網膜を経由して脳を刺激します。この刺激により、アドレナリンやセロトニンなど、気分を高揚させるホルモンが分泌されるのです。青空は古今東西「明るいもの」の象徴でした。このことを考えても、太陽光のブルーライトは、人間にとってメリットが多いと考えられます。
紫外線をカットできるメガネを選び、その他の紫外線対策も徹底していれば、太陽光に当たるデメリットはほぼありません。外に出ることは、次で述べる「目の休憩」にもつながるものです。

②眼精疲労の軽減はブルーライトカットメガネだけに頼らない

眼精疲労の軽減はブルーライトカットメガネだけに頼らない

長時間のパソコン作業による眼精疲労は、まばたきの減少が主な原因です。この対策として、米国眼科アカデミーは「小まめな休憩」、日本眼科医会は「1時間につき15分ほどの休憩」を推奨しています。メガネを装着しつつ、これらの眼精疲労対策も並行することが必要です。

③子どもには日中の屋外で着用させない

子どもには日中の屋外で着用させない

日中の太陽光を2時間以上浴びることは、子どもの近視リスクを下げます。この「太陽光」にブルーライトが含まれるかは、まだわかりません。しかし、含まれるとしたら「カットしない方がいい」といえます。このため、少なくとも子どもが日中屋外にいるときは、着用させないようにしましょう。

参考文献

出典:気象庁ホームページ 紫外線とは

https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-40uv.html

監修者プロフィール

内野 美樹

ケイシン五反田アイクリニック 院長

HP:https://www.keishin-eye.com/

山梨医科大学 医学部卒業後、慶應義塾大学 眼科学教室入局。米・ハーバード大学 公衆衛生学修士取得。慶應義塾大学 眼科学教室 特任講師。
眼科のなかでも「ドライアイ」を中心にした角膜の疾患を専門とする。日本におけるドライアイについての疫学研究の第一人者であり、近年増えている長時間のパソコン作業によるVDT(Visual Display Terminal)症候群などの研究を行っており、日本のドライアイの有病率、パソコン使用時間とドライアイとの関係について世界で初めて証明した。ドライアイにつながる危険因子を研究し、ドライアイ診断に関する国際的な基準づくりにも携わる。
予防医療の啓蒙活動にも力を入れ、『しまじろうとEye Care Book』幼稚園や保育園の先生の目の教科書となるような『子どもの目見守りサポートBook』を作成。
目の健康について学び、セルフケアができるよう、『ナカナイ涙』などのWebサイトの監修も手掛ける。

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