この記事の執筆者
眼とメガネの情報室
みるラボ編集部
目次
メガネをかけている間は気になりませんが、外して鏡を見ると鼻のつけ根がへこんで赤くなっていることがありますよね。メガネ跡を放置していると黒ずみやシミになってしまうこともあります。
メガネユーザーなら誰しもが経験するメガネ跡も、少し工夫をするだけで改善することができます。
この記事では、メガネ跡がついて痛いときの対処法、消し方や防止・対策方法について解説します。
メガネ跡ができてしまう
仕組みとは
鼻のつけ根が赤くなったり、へこみができたり、黒ずんだり、痛くなったりとメガネにつきもののメガネ跡は、メガネが鼻元の皮膚を圧迫して起こる血行不良が原因です。
レンズやフレームが重かったり、フィッティングが甘かったりすると鼻元に荷重がかかりやすくなり、メガネ跡がつきます。また、新陳代謝が低下すると色素沈着が起きやすくなるため、年齢を重ねた方や、血行不良で冷え性の方ほど、メガネ跡がつきやすい傾向にあります。
メガネ跡がつくだけでなく、「メガネをかけると鼻が痛い」という方は、「メガネをかけると鼻が痛い場合の原因や対処法、日頃の注意点などを徹底解説!」の記事も参考にしてください。
メガネ跡ができる原因
メガネ跡がつく原因は、主にメガネの重さやフィッティングにあります。それぞれの原因について詳しく解説します。
①メガネが重い
どの程度の重さでメガネ跡がついてしまうかは、新陳代謝の良し悪しなど個人差があるため一概には言えません。しかし、メガネ自体が重ければ重いほど、鼻元の皮膚を圧迫するため、メガネ跡がつきやすくなります。
また、比較的軽量であるプラスチック素材のレンズであっても、度数や選ぶレンズタイプによっては重くなることがあります。重さは、レンズやフレームの素材、大きさなどにより異なりますが、重心がメガネのフロント側に偏れば偏るほどさらに鼻元を圧迫してしまうため、フレームとレンズを選ぶ際には注意しましょう。
②鼻パッドが合っていない
鼻元と鼻パッドの当たり具合が適切でない場合も、メガネ跡がつきやすくなります。
鼻筋のラインに沿うように角度と幅を正しく調整(フィッティング)された鼻パッドは、接地面に均一に荷重がかかるため、メガネ全体をしっかり支えてくれます。
反対に調整が十分ではなかったり、そもそも鼻の形に合っていない鼻パッドの場合は、重さが分散されず鼻パッドが接している箇所にだけ負荷がかかり、ひどいへこみができたり、痛みが生じたりします。
③メガネの幅が広がってしまっている
メガネはその構造上、フロント(フレーム前面)に重さが集中しがちです。
そのため、メガネは主に耳の後ろ、メガネの幅、鼻パッドの3点を調整して、荷重を分散し、正しい位置からズレないようにします。
メガネの幅が広がってしまっていると支えが一つ欠けることになり、その分フロントに重心が偏ります。
鼻元を圧迫してメガネ跡がつきやすくなるだけでなく、耳にかかっている部分が痛くなるのも、メガネの幅が原因であることが多いです。
④メガネのテンプルが合っていない
メガネのテンプルの曲げる位置や角度が耳に対して正しく調整されていない場合も、メガネ跡がつきやすくなります。
耳の生え際から耳介の後ろのラインにそっと沿わせるようにテンプルを曲げるのが基本の調整ですが、曲げ始める位置が手前すぎると耳と鼻元が引っ張り合うことになります。
反対に、テンプルを曲げる位置が後ろすぎても、メガネが前に下がってしまい、鼻元に荷重がかかってしまいます。
メガネのテンプルの曲げる位置や角度によっては、鼻元や耳が痛くなる原因になります。
⑤メガネ自体が顔に合っていない
片手でかけ外しをしてテンプルが広がってしまったり、メガネの取り扱い方法が原因で鼻パッドが曲がってしまったりするというのはよくあることです。
使用している人の体型が変わって、メガネの幅が合わなくなることもあります。
購入した当初は問題なかったのに、使っているうちにメガネ跡がつくようになった、という場合は、メガネの形状の変化が原因であることが多いようです。
また、鼻パッドが一体型になっているフレームは特殊な加工を施さなければ調整ができません。購入前に、自分の顔に合った調整ができるのかを確認することも大切です。
メガネ跡がつくのを
放置するリスク
メガネ跡がついてしまっても、時間と共に元に戻るので放っておいても大丈夫だと思っていませんか?
そもそもメガネ跡がついてしまうのは、メガネによって鼻元が強く圧迫されることが原因です。
その状態が続くと、鼻パッドが当たる部分に血行障害が起こり、さらに跡がつきやすくなったり、消えにくくなったりする可能性があります。
さらに、メガネ跡がシミや黒ずみにまで発展することがあります。
肌は外部刺激を受けると肌を守るためにメラニン色素を生成します。メラニン色素は、本来は新陳代謝によって皮膚の外側に押し出されて消えますが、同じ場所に常に負担がかかり続けると、メラニン色素が排出しきれずに残ってしまいます。そうして色素が沈着し、黒ずみやシミを定着させてしまうのです。
加齢による新陳代謝の低下や、ホルモンバランスの乱れ、ストレスによっても、色素沈着は起こりやすくなると言われています。
メガネ跡をそのままにしておくと長期間残ってしまうこともあるため、気づいたらすぐに対処しましょう。
メガネ跡を軽減するには?
メガネ跡ができてしまったときに、メガネ跡を軽減する方法や、長引かせないための対処法、目立たなくする方法をご紹介します。
血行をよくする
メガネ跡は血行不良が原因であることが多いため、マッサージやホットタオルで保温するなどして、目元の血流を改善させることで対策ができます。
目の周りの皮膚はデリケートなため、マッサージをするときにはアイクリームや美容液を使うなどして、摩擦を減らして行いましょう。
ホットタオルは、水に濡らして固く絞ったタオルをラップに包み、500Wの電子レンジで約1分加熱するだけで簡単につくることができます。タオルが熱すぎないことを確認してから目元に乗せ、約2分温めてください。
スキンケアを見直す
メガネ跡が残ってしまっているようであれば、スキンケアを見直して、徐々に改善していきましょう。
特に、洗顔後の保湿が大切です。化粧水で保湿した後に、乳液やクリームなどを使って肌の表面の乾燥を防いでください。
しっかり保湿することで、肌にハリや弾力が生まれてメガネ跡もつきにくくなりますし、肌のターンオーバー(生まれ変わり)も活発になって、メラニン色素の排出も促進されます。
美白成分が含まれた基礎化粧品を使用するのもおすすめです。
ピーリングする
ピーリングは肌の表面にある古い角質を柔らかくして取り除くケアのことで、肌のターンオーバーを促進させます。
古い角質とともに黒ずみの原因であるメラニン色素も排出されやすくなり、メガネ跡の改善が期待できます。ピーリング後は肌が乾燥しやすいため、保湿はしっかりしましょう。余分な角質が除去されて、スキンケアの保湿効果も高められます。
ただし、目の周りの皮膚は特にデリケートです。ピーリングは比較的肌に負担がかかりにくいとはいえ、やりすぎは逆効果になります。お使いのピーリング剤に記載されている使用方法や頻度を守って利用しましょう。
メイクで隠す
メガネ跡を根本からなくす対策も重要ですが、とにかくすぐにメガネ跡を隠したいというときは、ファンデーションやコンシーラーを使って、肌色を均一に見せることも対策になります。
メガネ跡の赤みが強いときには、補色のグリーンの下地を馴染ませるのがおすすめです。目元のくすみもカバーできます。
メイクをしている場合には、メガネがズレるとファンデーションのヨレにもつながります。メガネ自体を調整しなおすか、薄づきで元々ヨレにくいファンデーションに変えてみてください。
時々メガネを外す
メガネを一日中かけっぱなしという方は、たまにはメガネを外して、ぼんやり遠くの景色を眺めて目を休めてみてはいかがでしょうか。
鼻元がメガネによる圧迫から解放されることによって血の巡りも改善されます。同時にマッサージを行えば更に血行もよくなり、眼精疲労防止も期待できます。
メガネ跡の見た目も気になりますが、パソコンなどのデジタルデバイスを見続けることによる、目への負担も深刻です。目の健康を守るためにも、ぜひ試してみてください。
メガネ跡が
つかないようにするための対策
残念ながら、“絶対にメガネ跡がつかないメガネ”は存在しません。
しかし、工夫次第でメガネ跡をつきにくくすることは可能ですので、その対策をご紹介します。
メガネの調整を見直す
メガネ跡がついてしまう時に一番最初に試していただきたいのが、メガネの再調整です。
メガネを快適に装用するためには、耳の後ろ、メガネの幅、鼻パッドの3点を適切に調整する必要があります。
このうちの一箇所が合っていないだけで、メガネ跡がつきやすくなったり、痛みが生じやすくなったりします。
使用しているとメガネの形状は日々変化するため、定期的に眼鏡店に行って、納得がいくまで調整の見直しやメンテナンスをするのがおすすめです。
鼻パッドを変える
アームがついているクリングスタイプ(可動式)の鼻パッドは、パッドの形状や素材を変更することができます。
鼻の形に合わせて細かく角度や幅を調整でき、メガネのかかり具合を合わせやすいため、メガネ跡が気になる人は試してみてください。
また、シリコン素材のパッドに変更すれば肌への当たりもソフトになり、滑りにくくなるので摩擦による色素沈着も起きにくいでしょう。
鼻パッドが一体型のフレームには、メガネ跡がつきにくいシリコンシールを貼る手段もあります。
軽いメガネを選ぶ
どんなに調整をしても、メガネ自体が重ければメガネ跡はつきやすくなります。
最近は、かけ心地を重視した軽量な素材でできたフレームもたくさんあるため、メガネ跡が気になる人は軽量素材のメガネを選ぶと良いでしょう。
また、近年は鼻パッドをなくして、フレームのこめかみ部分にサイドパッドをあしらい、メガネを固定するデザインのフレームも販売されています。
鼻元にメガネ跡がつかないというメリットはありますが、鼻パッドがあるメガネと比べると、人によっては安定しにくいと感じることもあるようです。
メガネフレームの装用感の好みは人それぞれですので、色々なタイプのフレームをかけ比べて、自分にとって最適なものを選ぶとよいでしょう。
レンズの度数が強い場合は、薄型のレンズにすれば重さが軽減されることがあります。しかし、同じ度数であってもレンズの屈折率や素材によって重さは変わりますので、薄型でも重さが軽減されない場合もあります。眼鏡店のスタッフに相談してみてください。
鼻パッドがないメガネを選ぶ
鼻パッドがないメガネには、頬骨でメガネを支えるためのパーツがテンプルについているタイプや、側頭部を抱き込んでずれ落ちを防ぐ構造のタイプがあります。
鼻パッド自体を無くしているため長時間メガネをかけていても鼻が圧迫されることがなく、メガネ跡が残りません。そのため、気軽にかけ外しができ、化粧崩れの心配も軽減されます。
メガネ装用時のストレスを解消できるだけでなく、見た目がすっきりするのも魅力です。
ただし、鼻パッドがない分フィット感に個人差が生じやすく、適切な位置でメガネをかけられなかったり、汗や皮脂の影響を受けやすく滑りやすかったりすることもあげられます。人によっては安定しにくいと感じることもあるようです。
メガネを選ぶ際は必ず試着をして、自分の顔の形や使用用途に合ったものを選ぶことが重要です。メガネフレームの装用感の好みは人それぞれですので、色々なタイプのフレームをかけ比べて、自分にとって最適なものを選びましょう。
コンタクトレンズを利用する
毎日メガネをかけていてメガネ跡が改善されないようであれば、可能な方はメガネとコンタクトレンズと併用することをおすすめします。
メガネをかけない時間が長くなれば、鼻元の血行が改善されて、メガネ跡も徐々に薄れていくでしょう。コンタクトレンズには、日々のお手入れに手間がかかったり、装用時間の制限があったりといったデメリットがあります。
それでも、温度変化が激しい場所にいてもレンズは曇りませんし、視野を広く確保できるなどのメリットもあります。
状況に応じて使い分けてください。
まとめ
メガネ跡ができてしまうのは、メガネの重さや調整不良、新陳代謝の低下などによる肌のコンディションが原因ということがわかりました。
メガネ跡が全くつかないメガネはありませんが、メガネの調整を見直して、毎日のスキンケアやマッサージを入念に行えば、メガネ跡がつくのを防止したり、改善したりすることはできます。
今回ご紹介した対処法や対策は、いますぐ実践できるものばかりです。少しずつ取り入れて、快適なメガネライフを送ってください!