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最終更新日:2024.05.30

白内障の予防・ケアにサングラスは有効?おすすめのサングラスも紹介!

この記事の監修者

原 修哉

原眼科クリニック 院長

白内障の予防・ケアにサングラスは有効?おすすめのサングラスも紹介!

目次

目の中でレンズに当たる部分を水晶体といい、水晶体が濁る病気を白内障といいます。白内障は進行すると視力が低下するため、予防したいと思う方も多いでしょう。
白内障の多くは加齢により起こりますが、紫外線も白内障を起こす要因の一つです。白内障を発症するリスクを減らすには、日頃からサングラスをかけることがおすすめです。
今回は白内障を予防・ケアするためにおすすめのサングラスについて解説します。

そもそも白内障とは?
見え方はどうなるの?

白内障の眼球イメージ

私たちがものを見る時、目の中でレンズとして働く組織を水晶体といいます。水晶体が目に入る光を屈折させ、網膜に像を写すことで私たちはものを見ています。この水晶体が濁る病気が白内障です。
白内障を発症すると光が目の中を正常に通らないため、ものが見えにくくなります。

白内障の見え方イメージ

白内障の多くは加齢により発症し、80代ではほぼすべての人が白内障を発症しています。
白内障を発症するとレンズである水晶体が濁るため、視界がぼやけたりかすんで見えたりします。

ほかにも眩しく感じる、視力が低下するといった症状が見られます。
日本において、白内障の治療は薬物療法と手術の2種類があります。白内障の進行をおさえる薬はありますが、白内障が進行してからの治療法は手術のみに限られ、根本的な治療薬はありません。

白内障予防にサングラスは有効?

紫外線カット効果のあるサングラス

白内障を予防する方法として、紫外線カット効果のあるサングラスが有効です。
白内障の多くは加齢によって起こりますが、それ以外にも複数の要因があります。放射線やアトピー、ステロイド薬や糖尿病のほか、紫外線も白内障を発症・進行させる原因です。その紫外線から目を守るための対策として、サングラスが役立つでしょう。

紫外線は夏場だけでなく、一年を通して地表に届いています。特に天気が良い日に長時間屋外で活動する方や、紫外線の強い地域で過ごす方は、白内障を発症するリスクが高くなります。日頃から十分に紫外線対策を行いましょう。
紫外線対策として帽子も有効ですが、それだけでは目に入る紫外線を十分に防ぐことはできません。帽子を被る場合でも、サングラスとの併用がおすすめです。

また、サングラス以外にも、紫外線カット機能がついたメガネやソフトコンタクトレンズがあります。場所や用途によって使い分けましょう。

白内障予防に適したレンズカラーはある?

ブラウン系のレンズ

白内障予防のためにサングラスをかける場合、ブラウン系やグレー系のレンズカラーがおすすめです。サングラスを探す際はこれらの色を試してみると良いでしょう。

ブラウン系のレンズは明色効果が高く、眩しさをおさえながらも視界が明るく見えます。
グレー系は眩しさをおさえる効果が期待できるため、眩しく感じやすい方でも視界が見やすくなります。

また、白内障を予防する目的でサングラスをかける場合、色が濃いサングラスは避けましょう。
色が濃いサングラスは紫外線をカットできそうなイメージがありますが、サングラスの色が濃いと視界が暗く感じ、瞳孔が開いてより多くの光を取り込もうとします。結果として目に入る光の量が多くなり、目に負担がかかります。

レンズカラーに関わらず、サングラスを選ぶ際は紫外線カット機能がついているか確認しましょう。色が濃く眩しさは軽減できても、紫外線カット機能がついていないサングラスもあります。逆に、色が薄いレンズのサングラスでも紫外線カット機能がついていれば紫外線対策に有効です。

さらに、視力低下ではなく何となくぼやけてしまうという場合には、コントラスト効果を上げるカラーも選択肢の一つとしておすすめです。様々なレンズメーカーからコントラストを高めるカラーレンズが提供されているため、気になる方は眼鏡店で相談してみましょう。

白内障の手術後に
サングラスは必要?

白内障の手術後、もし眩しいと感じる状態が続くようであれば、サングラスを使うと良いでしょう。
特に手術直後の目は、目に光が入りにくい状態から手術により光が正常に目に入るようになるため、視界が眩しく感じやすくなります。
また、手術後にものが青みを帯びて見える場合にもサングラスが有効です。手術後は眼内レンズの性質により、青色の光が目に入りやすくなります。青みが気になる場合は、薄い茶系のサングラスを使用すると良いでしょう。

《タイプ別》白内障の予防・ケアにおすすめのサングラス

サングラスには様々なタイプがあり、使用シーンや用途によっておすすめのサングラスは異なります。タイプ別におすすめのサングラスについて解説します。

普段メガネをかけている人にはオーバーサングラスがおすすめ

オーバーサングラスとはレンズやフレームのサイズが一回り大きく、メガネの上から着用できるサングラスです。普段使い慣れているメガネに重ねてサングラスを着用できます。

部屋の中でもかけられるサングラスはある?

サングラスは屋外でかけるイメージがありますが、薄いカラーのレンズであれば部屋の中でも抵抗なく使用できます。
室内では紫外線が少ないものの、室内の照明やパソコン、スマートフォンのブルーライトを眩しく感じる方もいるでしょう。特に白内障をすでに発症している場合、健常者よりも眩しさを感じやすくなる傾向があります。

コントラスト効果をアップさせるカラーレンズなどもレンズメーカー各社から発売されています。眩しさをおさえ、はっきりものを見たい方は選択肢として検討してみるのもいいでしょう。眼鏡店で体感してから見やすさを確認して選ぶのがおすすめです。

室内の眩しさを軽減するために、室内用のサングラスを販売しているメーカーもあります。
また、一部のメーカーでは可視光で発色するタイプのレンズも販売しています。窓際など光量の強い場所でほんのり色づき、室内でも暗くなりすぎないで使える調光レンズもあるようです。部屋の中でもサングラスをかけたい場合にはこれらを検討するのも良いでしょう。

まとめ

今回は白内障の予防・ケアとしておすすめのサングラスについてご紹介しました。
加齢により進行しますが、紫外線も白内障の原因として知られています。サングラスをかけて紫外線から目を守り、日頃から白内障を予防しましょう。
おすすめのサングラスは、使用するシチュエーションや目の状態によって異なります。また、サングラスは白内障の予防だけでなく、手術後に眩しさを軽減するためにも役立ちます。
サングラスの特徴を知った上で、自分の目に合ったサングラスを選びましょう。

監修者プロフィール

原 修哉

原眼科クリニック 院長

HP:https://www.haraganka.jp/

名古屋大学医学部卒業後、名古屋市の中京病院へ入局し13年勤務。その期間中に、ハイデルベルク大学(ドイツ)へ留学。
大雄会第一病院 診療部長として7年の勤務を通じて、地域の重症例、難疾患、専門性の高い疾患などの医療に携わり、白内障手術、緑内障手術、角膜移植、屈折矯正手術、結膜手術など10,000件以上執刀。
現在は、原眼科クリニックを開業し、地域住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。

【所属学会】
日本眼科学会 専門医 / 日本眼科手術学会 / 日本緑内障学会 / 日本角膜学会

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