目の病気
2021.10.07

白内障とは?原因・症状・治療・予防方法等をご紹介

白内障とは?原因・症状・治療・予防方法等をご紹介

目次

白内障とは目のレンズでもある水晶体が濁って視力が低下する病気です。白内障の大半は加齢が原因で発症し、日本でも80歳以上ではほぼ100%が白内障を発症すると言われるほど身近な病気です。
この記事では、白内障の原因、症状、種類、検査、治療法について解説します。また、白内障の予防方法とセルフチェック方法までご紹介します。

白内障とは

正常な眼球白内障の眼球

眼の老化現象としては老眼がよく知られていますが、実は白内障も老化現象の一つです。
眼の中にはカメラのレンズのような働きをしている透明な水晶体というものがあり、外から入ってきた光を網膜にピントを合わせる働きがあります。この水晶体が白く濁ってしまう病気が白内障です。水晶体が白く濁ることで、光が網膜に届けられなくなり、眩しさや視力低下、視界が霞んで見えるなどの症状が現れます。

白内障の原因

白内障は発症する原因によって、いくつかの種類に分類されます。白内障の種類とそれらの原因について詳しく説明します。

加齢性白内障

白内障の発症のうち、加齢性白内障が大半を占めます。その原因はその名の通り「加齢」が原因によって発症します。水晶体が年齢とともに白く濁って視力が低下します。髪の老化現象が白髪であれば、目の老化現象は白内障だといえます。
そのため加齢性白内障は老人性白内障とも呼ばれています。

糖尿病性白内障

糖尿病の合併症として白内障を発症することがあります。糖尿病性白内障は、加齢性白内障よりも視力の低下が早く、また進行も早いと言われています。
糖尿病により高血糖状態が続くと、血液中のブドウ糖の成分が変化して、水晶体の中に蓄積します。この蓄積物により浸透圧が変わり水晶体の中の水分量が増加します。その結果、水晶体が濁ってしまい、白内障が起こってしまうのです。つまり糖尿病性白内障は、血液中の糖分が目の水晶体を濁らせるという事です。

外傷性白内障

眼にボールが当たる、眼をぶつけたなど、外からの強い衝撃が原因で水晶体が濁ってしまうのが、外傷性白内障です。
状態によっては白内障が急激に進行してしまう場合もあるので注意が必要です。

アトピー性白内障

アトピー性皮膚炎の合併症として白内障を引き起こしてしまうことがあり、これをアトピー性白内障といいます。
まぶたなど眼の周りのかゆみから、眼をかいたり叩くなどを繰り返すことで、慢性的に外から力が加わり水晶体が濁る原因となります。

その他の原因による白内障

紫外線や放射線は水晶体に与える影響が大きく、白内障を引き起こしてしまうことがあります。またステロイドの薬剤が原因となるステロイド白内障や、遺伝や母胎内感染が原因で生まれつき水晶体が濁っている先天性白内障などがあります。

白内障の症状

白内障を発症すると、以下のような症状が現れます。

霞んで見える

霞んで見える

水晶体はカメラのレンズのような働きをしており、白く濁ったレンズで見たモノはぼやけて霞んで見えます。

眩しい

眩しい

白内障の見え方で、眩しいという症状が特徴的です。水晶体の濁りによって、光の屈折が正常に行われないことが原因です。
夜間の車のライトが眩しく感じたり、屋外で眩しさを感じる人が多いようです。

視力の低下

透明な水晶体は外からの光を集め屈折させ、網膜にピントを合わせる働きをしています。白内障が進行することで水晶体の濁りが強くなると、外からの光が通らず網膜にもピントを合わせることができず、視力が低下します。
眼鏡やコンタクトレンズを装用しても思ったほど視力が上がらない、または矯正視力が上がらないというのが白内障の特徴です。

近視が進行

水晶体の中心から濁ってくるものを核白内障といい、近視が急激に進行することがあります。水晶体の中心である核が濁るだけでなく、硬くなっていきます。そのため光の屈折が変わり、網膜よりも手前でピントが合う近視の症状が現れます。
近くが見えやすくなるため、老眼が治ったと感じる人もいます。

モノが何重にもダブって見える

モノが何重にもダブって見える

白内障が進行してくると、モノが何重にもダブって見えることがあります。
水晶体は入ってきた光を集めて曲げて、網膜に光を届ける役目を果たしています。白内障が進行して水晶体に濁っている部分と透明な部分が混在することで、光の屈折が場所で異なり、光が散乱して目に入ってきます。これが原因で、モノがダブって見えることがあります。

白内障の初期は濁りも少ないためほとんど自覚症状がありません。また片目だけ白内障が進んでいる場合だと、両目で見ていると霞みや視力低下などの症状が感じにくいため、白内障に気づかないという場合も少なくありません。

白内障の検査

白内障の診断には数種類の検査が必要です。

視力検査

視力検査

裸眼と、メガネやコンタクトレンズなどで矯正した視力を測ります。
近視や遠視、乱視などの屈折異常がある人は裸眼視力は悪いですが、適切なレンズで矯正すると視力1.0以上の正常視力となります。矯正した視力検査でも視力が上がらなければ白内障の可能性があります。

細隙灯顕微鏡検査

細隙灯顕微鏡検査(さいげきとうけんびきょうけんさ)は、細い光を眼に当て、眼球の断面を前の方から後ろの方まで観察することができます。顕微鏡で拡大し、肉眼ではわからない異常を発見する検査で、水晶体がどの程度濁っているのかを確認します。

眼圧検査

眼圧検査は所定の場所にあごを乗せ、目に圧縮した空気を吹き付けて眼圧を測定します。
白内障になると水晶体が濁るだけではなく少しずつ大きくなっていくため、隅角が狭くなる閉塞隅角緑内障になるリスクが高まります。隅角が完全に閉塞してしまうと目の中の房水の循環ができなくなり眼圧が急激に上がる緑内障発作を起こしてしまう可能性があるため、眼圧に異常がないかを確認します。

眼底検査

眼底検査は、眼の奥の網膜の状態を観察する検査で、白内障以外に隠された病気がないか調べる検査です。眼底の隅々までしっかりと見るために瞳孔を開く目薬を事前に点眼し、瞳孔を広げてから眼底カメラで目の奥にある網膜を調べます。

目の検査と聞くと痛みなどないか不安を感じる人もいるかもしれませんが、基本的に眼科検査は痛みはなくまぶしさなどを感じる程度なので、安心して検査が受けられます。

白内障の治療

白内障の治療には薬物治療と手術治療の2種類の方法があります。

薬物療法

薬物療法には点眼薬を用います。
規則正しく継続して点眼することで、白内障の進行を遅らせる効果が期待できます。代表的なものとして、ピレノキシン製剤(カタリン・カリーユニ)やグルタチオン製剤(タチオン)があリます。
視力が良好で日常生活にあまり支障がない場合は、まずこれらの点眼薬でしばらく様子をみます。

手術療法

手術療法

薬物療法はあくまでも白内障の進行を遅らせるだけなので、白内障が完全に治るわけではありません。手術療法は白内障を治すことができる唯一の治療法といえます。
白内障の手術は「超音波水晶体乳化吸引術」になり、超音波で濁った水晶体を細かく砕き吸引して濁りを取り除いていきます。
以前は水晶体が取り出せる大きさの切開が必要でしたが、白内障手術が進歩し現在では2〜3mmほどの小切開での手術ができるようになり、目への負担や安全性も高くなっています。
この時点では、超音波で水晶体を取り除いただけではレンズのない眼鏡をかけているのと同じ状態なので、当然ながらまだ視力はでません。そこで白内障の手術では、取り除いた水晶体の代わりに眼内レンズと呼ばれる人工レンズを目の中に挿入します。目の中にコンタクトレンズを埋め込むイメージといえばわかりやすいのではないでしょうか。
眼内レンズは一人一人に合った度数を挿入するので、手術後は視力が回復します。

白内障の予防

老化現象の白内障は生きていく上で避けて通ることはできませんが、日常生活に気をつけることで白内障の進行を遅らせたり、発症を少しでも抑えることができます。
白内障の予防法をいくつかご紹介します。

ブルーライト・紫外線対策

ブルーライト・紫外線対策

紫外線やブルーライトは白内障の原因とされています。
紫外線は天気の良い日だけではなく曇りの日でも降り注いでいるので、外出する時は帽子やサングラスでしっかりと紫外線対策をおこないましょう。
またブルーライトも近年その人体にもたらす影響が問題となっています。波長域が紫外線に一番近い高エネルギーのブルーライトの光は網膜まで届くため、スマートフォンやパソコンなどの長時間使用は目にも大きな影響を及ぼします。
最近ではブルーライトをカットする眼鏡やフィルムなども対策として販売されているので、それらを有効に利用しましょう。

生活習慣病の予防

生活習慣病の予防

糖尿病や高血圧・動脈硬化などの生活習慣病は目にも影響を及ぼします。特に糖尿病は白内障になるリスクも高まります。
運動や食生活の改善はこれらの生活習慣病の予防になります。
規則正しい食生活・バランスの良い食事・適度な運動で健康的な生活を送ることは、老化の原因となる活性酸素の発生を抑え、老化現象でもある白内障にも効果があるのではと期待されています。
日常生活で目への負担を抑えるように気をつけることで、白内障だけではなくその他の病気のリスクを下げることにも繋がります。

あなたは大丈夫?
眼病セルフチェック

医療が発達している日本では、白内障で失明に至ることは珍しいですが、放置しておくと視力の低下をもたらします。また加齢によって、白内障だけではなく緑内障などその他の眼病リスクも高まります。大切な目を守るためにも定期的な目のセルフチェックは大切です。
以下の白内障セルフチェック項目の内、当てはまるものが多い程、白内障の可能性が高まります。

白内障セルフチェック項目

  • 膜が張ったように見える
  • 夜の運転がまぶしい
  • 外に出るとまぶしくて見えにくい
  • 眼鏡やコンタクトレンズが合わなくなった
  • 眼鏡を作りに行ったら視力が出ないと言われた
  • モノが二重や三重に見える

上記のような症状がある人は、一度眼科受診をおすすめします。

症状が片目だけの場合は見え方の異常に気づきにくく、気がついた時には白内障が進行し手術をしなければならない状態に陥っていることも少なくありません。
そのためセルフチェックを行う際は、必ず片目を隠して片目ずつ見え方の確認を行うことがとても大切です。
片目ずつセルフチェックすることで、見え方の異常だけではなく物の見える範囲(視野)の異常にも気が付くことができるので、目の成人病とも呼ばれている緑内障の早期発見にも繋がっていきます。

気になることがあるなら病院へ

世界では白内障が失明原因のトップですが、医療水準が高い日本では、白内障による失明率は3%と低いです。とはいえ、放置しておくと、緑内障(日本での失明原因のトップ)などの深刻な目の病気に繋がる可能性があります。
白内障は発症を防ぐことはできませんが、手術で治すことができる病気です。誰もがなる病気ですが、放置しておくと手術が難しい状態になったり、長時間の手術になったりと、心身と経済的にも負担が大きくなります。
適切な時期に適切な手術を受けられるように、定期的に眼科を受診し、白内障以外にも気になる症状があるのであれば、迷わず病院を受診することをおすすめします。

参考文献

出典:気象庁ホームページ 紫外線の性質

https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-73uvindex_mini.html
佐藤香

監修者プロフィール

佐藤 香

アイケアクリニック本院院長、アイケアクリニック銀座院 院長

著 書

『年間2,000件の白内障手術を手掛けるスゴ腕ドクター佐藤香院長の白内障治療Q&A』(幻冬舎) / 『スゴい白内障手術』(幻冬舎) / 『目は若返る 50歳からの眼科治療』(幻冬舎)

年間2,000件以上の手術を行う。とくに最先端の多焦点眼内レンズの豊富な知識を駆使して、多焦点眼内レンズと白内障レーザー手術において抜群の治療実績を誇る。その他、網膜硝子体や緑内障の手術も担当。
まぶたの手術やボトックス注射など、眼科医としての視点を活かした目周りの美容にも注力。また、校医を務めるなど、地元住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。日々のちょっとした悩み相談から高度な治療まで、総合的な目のケア一「トータルアイケア」の提供を目指す。
現在、注目の眼科女医として、テレビやラジオ、新聞、雑誌など、さまざまなメディアに取り上げられている。

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