この記事の執筆者
眼とメガネの情報室
みるラボ編集部
目次
「家から外に出た瞬間、メガネがくもって毎回ストレスになる」「職場でマスクを着用しているから、メガネがくもって仕事がしにくい」メガネユーザーなら、誰もが一度はこんな経験ありませんか?
コロナ禍や花粉症対策などマスクを多用する時代だからこそ、特に気になる悩みです。
この記事では、メガネがくもる原因からくもり止めの効果まで、詳しく解説していきます。
最後まで読むと、メガネのくもりに対する悩みもきっと解決するはずです!
メガネがくもる主な原因とは?
そもそも、なぜメガネはくもるのでしょうか?ここでは、メガネがくもる原因について詳しく解説していきます。
結露
メガネがくもる原因の一つに「結露」があります。
空気は目に見えないほど多くの水蒸気を含んでおり、その量は湿度が高いと多く、湿度が低いと少なくなります。結露とは、その水蒸気を含んだ空気がレンズに触れて冷やされ、水滴となることです。
その結露がメガネに付着することで、メガネがくもります。マスク着用時にメガネがくもる経験をした方は多いでしょう。冬はマスクから暖かい呼気がレンズに当たると結露が発生し、夏では冷房で冷えたレンズに、呼気が当たると結露が発生します。
つまり、結露は季節に関係なく年中起こってしまう現象なのです。特に湿度が高い梅雨の時期は、起こりやすいため注意が必要です。
ほこりや皮脂汚れ
メガネを長時間かけていると、なかなかお手入れができずにほこりや皮脂汚れがそのままになっていませんか?実はそのほこりや皮脂汚れも、メガネのくもりを引き起こす原因です。
レンズがほこりや皮脂などで汚れていると水滴も付着しやすくなり、レンズのくもりも発生しやすくなります。皮脂や油分に関しては、涙や汗、まつ毛の先についている皮脂、料理中の脂がレンズに飛ぶなどが原因として考えられるでしょう。
毎日何気なく行っていることが、メガネのくもりを引き起こす原因になっているかもしれません。
コーティング剥がれ
レンズに施されているコーティングは、以下のようにさまざまな種類があります。
- 傷防止が目的のハードコーティング
- 光の反射をおさえるマルチコート
- 水や汚れを弾く撥水コート
- 携帯などのディスプレイから発せられる光から目を守るブルーライトコーティング
- くもりを防ぐコーティング
コーティングが剥がれる原因は主に4つあります。
- レンズに汚れが残ったまま布で拭いたことによる傷
- 長時間熱が加わったことによる熱クラック
- 水滴を拭かずに放置したことによる水やけ
- アルカリ洗剤などを使用したことによる化学反応
普段からメガネを丁寧に使用し、きちんとお手入れをすることで、このコーティング剥がれは十分予防することが可能です。
メガネをくもりにくくする
対処法は?
メガネがくもる原因が分かったところで、次はその対処法について解説していきます。
費用や効果も異なるので、ぜひ自身に合う方法を見つけてください。
1 : くもり止めグッズを使用する
最も手軽に対処できる方法は、くもり止めグッズを使用することです。
現在はクロスタイプからジェルタイプ、スプレータイプなど様々なものがあり、コンビニや100円ショップなど、どこでも身近な場所で手に入れることが可能です。
必要になった時にいつでも購入することができ、たくさんのタイプを気軽に試すことができます。使用状況や頻度を意識して自分に合うタイプを見つけてみましょう。
2 : くもり止めレンズへ交換する
くもり止めグッズを使用すると、手軽にその効果を得ることが可能ですが、あくまで対処法です。こまめにお手入れを行なう必要があり、その持続性には限りがあります。
そのため「なるべく手間をかけずにくもり止めの効果を持続させたい」という方には、くもり止め機能付きレンズがおすすめです。メンテナンス不要でくもり止めの効果をより長く持続させることができます。
くもり止め機能付きレンズには、2つの特徴があります。
- メンテナンス不要
- 通常レンズよりもくもりにくい
くもり止め機能付きレンズでも、以前は専用クロスでの拭き取りなど最低限のお手入れは必要とされていました。しかし、最近ではレンズの両面に特殊なコーティングが施され、そのような煩わしいメンテナンスも不要になっています。また、両面のレンズ表面に吸水性の高い膜がコーティングしてあり、通常のレンズよりもくもりにくい設計になり、よりストレスなく、扱いやすくなっています。
メガネ用のくもり止めの
種類・特徴
上記でご紹介したメガネのくもり止めグッズには様々な種類があり、それぞれ用途や特徴も異なります。
また、使用する際にも注意が必要です。例えばレンズに汚れが付着している場合、そのまま使用するとくもり止め効果が低くなったり、レンズに傷がつく原因になることもあります。
くもり止めグッズを使用する際は汚れが付着していないか必ず確認し、汚れがある場合は洗浄して使用するようにしましょう。
ここでは、それぞれくもり止めグッズの種類や特徴など詳しく解説していきます。
1. クロスタイプ
メガネ拭きのクロスにくもり止め成分が含まれているタイプです。
そのままレンズを拭くだけで、くもり止めの効果が期待できます。
繰り返し使えるもののほかに使い捨てのシートタイプもあり、外出先などでの使用に便利です。
2. スプレータイプ
スプレーを直接レンズに拭きかけ、ティッシュやメガネ拭きで拭きとるタイプです。
まんべんなく吹きかけることができるので、ムラになりにくいのがメリットです。
液だれが気になる場合は、ムースタイプもあります。
3. ジェルタイプ
ジェルを直接レンズに馴染ませて、拭きとるタイプです。ジェル状のため扱いやすく飛び散らないのがメリットですが、慣れていないと塗りムラになったり、レンズの縁に溜まることもあります。
メガネ用のくもり止めの
効果について
メガネのくもり止めについて解説してきましたが、本当に効果があるのか気になりますよね。
メガネ用のくもり止めは、使用する状況や頻度によって使い分け、正しく活用することで効果を更に発揮することができます。
例えば、外出先や旅行先では塗るジェルタイプよりも、使い捨ての拭き取りタイプの方が手間がかかりません。
手間がかかっても効果を重視される方はジェルタイプで丁寧に塗ると効果が高いでしょう。また、コスパを重視される方には何度も使用できるスプレータイプを選べば、より効果を実感しやすくなります。
メガネ用のくもり止めの
選び方は?
次は、選び方のポイントを詳しく解説していきます。
くもり止めを購入しようと思っている方は、ぜひチェックしてください。
1 : 持続性の高さ
メガネのくもり止めを選ぶ際一番気になるのは、持続性の高さではないでしょうか。常にマスクを着用しなければならない状況の方などは特に、こまめに塗り直すのは手間がかかります。
持続性の高さを重視する方には、スプレーやジェルタイプのくもり止めがおすすめです。
最初に塗る手間はかかりますが、その後塗り直す必要はありません。スプレーやジェルタイプの中でも、特に「強力」や「耐久」といった表記がある製品を選ぶと良いでしょう。
2 : 手軽さ
外出先でメガネを使用する頻度が多い方は、必要な時にさっと取り出して使用可能な手軽さを重視するのが良いでしょう。
シートやクロスタイプのものであれば、ジェルを塗る手間もなく使うことができます。さらに個包装になっているタイプのものなら乾きにくく、その都度使い捨てできるため、手軽に使用することが可能です。
クロスタイプのものは繰り返し使用できるため、エコの観点からもおすすめです。1枚持っておくと便利でしょう。
3 : 持ち運びやすさ
仕事や学校の移動中に使用される方などは、持ち運びやすさもポイントです。雨や汗でメガネが濡れてしまった際、塗り直しが必要になることもありますよね。
ポケットやポーチに入れておけるものだと、持ち運びやすく、どんな状況でも常に安心です。
シートやクロスタイプが持ち運びには便利ですが、最近ではジェルやスプレータイプでもコンパクトなものもあるため、チェックしてみましょう。
4 : コスト面
たまにしかメガネを着用しない方は、そこまでコスト面も気にならないかもしれません。
しかし、日常的にメガネが必要な方にとっては、コスト面も大事なポイントの一つです。
使い捨てシートの場合はその都度新しいものを使用するため、どうしてもコストがかかってしまいます。コストをおさえたい場合には、クロスタイプのものを選べば何度も使用可能なため、コストパフォーマンスも良いでしょう。
メガネ用のくもり止めの効果を
高める使い方のコツ
メガネのくもり止めグッズの使用に加えて行うと、更に効果を高めるコツを順番に解説していきます。簡単にできるため、ぜひ一緒にやってみましょう。
1 : メガネに付着した汚れやほこりを拭き取る
皆さん忘れがちですが、メガネに付着した汚れやほこりを拭き取る作業はくもり止めの効果を左右する大事なポイントです。
また、汚れやほこりが付着したままだと、レンズに傷がつく可能性もあります。
汚れを取る場合は水で流すか、専用のメガネ拭きを使用するようにしましょう。
※レンズ表面のコーティングにダメージを与えてしまうため、お湯は使用しないで必ず冷水で洗うようにしてください。
2 : くもり止めを塗る
汚れがきれいになったところで、次はくもり止めをレンズの裏と表に塗りましょう。
商品によっても異なりますが、ジェルの場合はレンズ一面ごとにそれぞれ米粒大程度を塗布、スプレーの場合はレンズ一面ごとに1プッシュ吹きかけます。
ここで注意が必要なのは、必要量以上を一度に使用しないことです。
多く使用したからといって効果が長続きするわけではありませんし、きれいに塗れない原因にもなります。
3 : 少し乾かす
ジェルタイプの場合はすぐに拭き取っても構いませんが、スプレータイプの場合は20〜30秒ほど時間を置いてから、拭き上げるようにしましょう。
乾かしすぎると固まったり拭き取りが難しくなるため、半乾き程度が目安になります。
このひと手間をかけることでレンズにしっかりと膜ができ、くもり止めの効果に差が出ます。
4 : レンズを拭く
最後は、ティッシュペーパーでレンズを挟むように、優しく拭き上げます。
メガネ拭きを使用してしまうと、先ほど塗ったくもり止めの成分まで拭き取ってしまい、十分な効果を得られないこともあります。
すべてきれいに拭き上げたら、レンズに息を吹きかけてくもらないか確認しましょう。
少しでもくもった場合は、もう一度くもり止めを塗って拭き上げます。
※保湿成分を含んだティッシュペーパーは使用しないようにしましょう。拭き取った表面に油膜が付着してしまう恐れがあります。
メガネ用のくもり止めの
代用方法はある?
専用グッズを使用する以外に、くもり止めの代用方法はあるのでしょうか?
インターネット上には、くもり止めの成分である「界面活性剤」が含まれた食器用洗剤などを使う方法も見られます。これはあくまでも代用方法であり、メガネレンズ用のくもり止めではありません。メガネレンズのくもり止め効果を上げるには専用につくられたくもり止めやくもり止め機能のついたメガネレンズを利用しましょう。
マスクをしても
メガネがくもらない方法は?
マスクをしていると水蒸気を含んだ息が顔の周りにとどまってしまい、メガネがくもりやすい状況になります。そのため、マスクをする際は専用のくもり止めを使用するのが理想的ですが、くもり止めなしでもメガネがくもりにくくなる方法をご紹介します。
ポイントは、マスクの隙間から息が漏れないようにすることです。
特に鼻と頬の隙間から息が漏れやすいため、マスクの上部(鼻あての部分)を1cmほど内側、あるいは外側に織り込みます。マスクの内側(鼻あての部分)に四つ折りにしたティッシュをはさむ方法も、息が漏れにくくなるため効果的です。これらの方法は手軽にできるうえに、見た目もほぼ変わりません。ぜひ一度試してみてください。
まとめ
今回はメガネがくもる原因や対処法、くもり止めの効果についてご紹介しました。
一括りにメガネのくもり止めと言っても、ジェルタイプやクロスタイプなど、様々な種類があります。
どこで最も使用するのか、ご自身の使用状況や持続力など、どのポイントを優先するかでその効果も変わってくるでしょう。
最近はコンパクトで持ち運びにも便利なくもり止めが多いため、ポケットに1個入れておくと便利です。さらに、身近に手に入れることが可能のため、いくつか種類を試してみて自身に合うくもり止めを見つけてはいかがでしょうか。
今回の記事を参考に、より快適なメガネライフを送りましょう。
参考文献
出典:警視庁ホームページ マスクを付けてもメガネが曇らない方法
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/saigai/yakudachi/health/mask/1055586404808372225.html