この記事の執筆者
眼とメガネの情報室
みるラボ編集部
目次
初めてコンタクトレンズを使用する方や、付け外しが苦手という方は、レンズを目に入れることに不安や恐れを感じているのではないでしょうか。
確かにデリケートな目に直接レンズを入れるのは緊張しますが、正しい付け方や外し方を知ることで安心して使用できるようになります。
この記事では、コンタクトレンズの付け外しの基本的な手順とそのコツを詳しく解説します。
これからコンタクトレンズを使い始める方や、付け外しがうまくいかなくてお困りの方はぜひ参考にしてください。
コンタクトレンズの
付け方のコツ
コンタクトレンズの付け方は、正しい手順とコツを守ることが大切です。
コンタクトレンズを初めて使う方や、付け外しが苦手な方でも安心してできるよう、ポイントをお伝えします。
コンタクトレンズを付ける前に
コンタクトレンズを正しく安全に付けるために、まずは爪を丸く整えましょう。
爪が伸びていたり爪の先がギザギザしたりしていると、コンタクトレンズを装着する際に、レンズや目に傷をつける恐れがあります。
次に、手や指先を石鹸でよく洗います。ハンドクリームや化粧品が残っているとレンズが汚れやすくなるため、しっかり落としてください。
また、レンズを触る際は手や指先を十分に乾かしておくことが大切です。特にソフトレンズの場合は、濡れた手で扱うと指先に張り付いてしまい付けるのが難しくなるため、タオルなどで手の水分をしっかり拭き取りましょう。
ソフトレンズの場合
ソフトレンズは、手順とコツを押さえることで簡単に付けられるようになります。
ここでは、ソフトレンズの付け方を5つのステップで分かりやすく解説します。
レンズの左右の度数を確認する
ソフトレンズを容器から取り出す前に、必ず左右の度数確認を行ってください。
容器から取り出す際には、レンズを破損させたり見失ったりしないように保存液ごと手のひらに取り出すようにすると安心です。
次にソフトレンズを利き手の人差し指にのせ、傷や汚れがないかよく確認します。
レンズの反りで表裏を見極め、乱視用の場合はガイドマークの位置を正確に合わせてください。
指でまぶたを引き上げ(下げ)る
利き手の人差し指にレンズをのせた状態で、もう一方の手の中指を利用して上まぶたを優しく引き上げます。また、下まぶたも利き手の中指で引き下げることでより確実にレンズを装着できます。
目の開きが足りなかったり、まばたきをしてしまったり、まつ毛に当たってしまったりするとうまくレンズが装着できないため注意してください。
黒目の位置を確認しながらレンズをのせる
ここからは鏡を使って黒目の位置を確認しながら進めます。
指を使って目を大きく開け、黒目が目の中央にある状態を保ちながら、ゆっくりとレンズを近づけ、そっと黒目の上にのせましょう。
この時上目づかいにならないように注意し、まばたきも我慢してください。
レンズの装着に慣れていない方は片目を閉じてしまいがちですが、レンズを入れない方の目も開けておくことでスムーズに装着できるようになります。
まばたきしてレンズと目をなじませる
レンズを目にのせたら、すぐに指を離さずにまずはゆっくりとまばたきをすることで、レンズと目をなじませることができます。
急に指を離したり激しくまばたきしたりすると、レンズ外れや違和感の原因になるため注意してください。
手順とコツ紹介
レンズを装着できたら、片方の目を手で隠して左右の見え方を確認してください。
万が一つけ心地に違和感がある時は、目とレンズの間に空気が入って浮いてしまう、小さなホコリなどの異物が入っている可能性があるため、一度外して付けなおします。
この時、水道水でレンズを洗うのは厳禁です。ソフトコンタクトレンズ用の洗浄液や、1dayの場合はブリスター(容器)に入っている保存液ですすいでください。
ハードレンズの場合
ハードレンズの付け方は、ソフトレンズと基本的な手順は同じですが、素材や特徴に異なる点があります。
まずハードレンズはソフトレンズとは異なり素材が硬いため裏表が逆になることはほとんどなく、確認する手間が省けます。そしてハードレンズは直径が小さいため、目を大きく開けなくても装着しやすいです。
ただし、初めての方は装用中に異物感を覚えることもあるでしょう。ゆっくりまばたきしてずれるのを防ぎ、慣れるまで時間をかけることが大切です。
ハードレンズの付け方は慣れが必要なため、初めての方や不安な方は、眼科医の指導を受けることをおすすめします。
コンタクトレンズの入れ方で
よくあるお悩み
初めてコンタクトレンズを使用する方や付けるのが苦手な方などに向けて、コンタクトレンズの入れ方に関するお悩みの解決策をご紹介します。
目が小くてコンタクトレンズを入れにくい
目が小さかったり細かったりすることでコンタクトレンズを入れにくいという声を耳にすることがあります。そうした方でも、基本の付け方を確認してコツを押さえれば問題なく装着することができます。
まず、上まぶたのまつ毛の生え際ギリギリの位置に指をしっかりと当て、上に引き上げて固定します。
恐怖心から来るまばたきを我慢し、目をできる限り大きく開けた状態を保ち、レンズを黒目にセットしましょう。
また、コンタクトレンズは種類によって直径が異なります。
目が小さめの場合は小さい直径のソフトレンズを選んだり、一般的にソフトレンズよりも直径が小さいハードレンズを選ぶことで入りやすくなるでしょう。
コンタクトレンズを入れるのが怖い
コンタクトレンズを初めて使用する方や慣れていない方にとって目に直接レンズを入れるという行為は、不安に感じられることでしょう。
ソフトレンズは水分を含んだ柔らかな素材で作られており、レンズも薄いため異物感が少なく、装用感が良いのが特長です。初めて使用する場合は、多少の異物感や違和感を感じることがありますが、使用しているうちに慣れていく方がほとんどです。
とはいえ、痛みがある、全く慣れない場合は異なる種類のレンズも検討してみてください。
また、コンタクトレンズが目の裏側に入ってとれなくなってしまうのでは、と不安に思われる方もいらっしゃいますが、目の構造上、レンズが目の裏側に移動することはありません。
コンタクトレンズが指から離れない
指からコンタクトレンズが離れにくい理由に、まず「レンズが正しく自立していない」ことが考えられます。
レンズが指の腹におわんの形で立っておらず、倒れていると目に付ける際に指から離れにくくなります。この場合は、優しく黒目にレンズをのせるようにしてください。無理に押し付けると逆効果になります。
また、指が濡れているとレンズが離れにくくなります。
装用前にタオルやティッシュで丁寧に指の水分を拭き取り、乾いた状態で取り扱うよう心がけましょう。
コンタクトレンズを入れると痛い
コンタクトレンズを装用中に痛みを感じる原因は複数あります。
まず、環境的要因やまばたき不足により目が乾燥することで起こる痛みです。特にソフトレンズの利用者は水分が蒸発しやすいため、乾燥を感じやすいです。
まばたきを意識的に行い、涙を循環させたり、コンタクトレンズ専用の目薬を使用して目を保湿しましょう。また、コンタクトレンズの破損や変形も痛みの原因です。レンズを取り扱う際は爪で傷つけないよう注意し、洗浄時の力加減にも気をつけましょう。
傷や欠け、変形などがある古いレンズの使用や、汚れが痛みを引き起こすことも考えられます。レンズの状態を常に確認し、清潔に保つよう心がけてください。
痛みを感じた場合はコンタクトレンズを外して丁寧に洗浄し、再度装用すれば改善される可能性もあります。
それでも痛みが続く場合や異常な症状がみられる場合は、眼科医に相談することが大切です。
自身の目の状態を理解し、適切なケアを行いながらコンタクトレンズを使用してください。
コンタクトレンズの
外し方のコツ
コンタクトレンズの付け方にコツがあるように、外し方にもコツがあります。
ここでは、コンタクトレンズを初めて使用する方や不慣れな方でも目に傷をつけずに、簡単に外せるコツをご紹介します。
ソフトレンズの場合
ソフトコンタクトレンズの外し方の手順とコツを3つご紹介します。
上目づかいで目を大きく開く
最初に手指を洗い、水分を十分に拭き取ってください。
次にあごを引き、上目づかいで鏡を見ます。
利き手の中指で下まぶたを引き下げ、利き手ではない方の中指で上まぶたを引き上げて目を大きく開き、黒目の上にレンズがあることを確認しましょう。
レンズが外れにくくなる要因として、下目づかいになってしまっていることや、指に水分が残っていることがあげられます。注意してください。
指の腹でレンズをつまむ
利き手の人差し指と親指の腹を使い、黒目の上にあるレンズの表面をそっとつまみ、下の白目の部分に向かってレンズ半分相当の距離をスライドさせます。
この時、レンズを3時と9時の角度(真横)から挟み込むのではなく、4時と8時の角度でつまむのがポイントです。
指の腹の側面を使ってつまむようにすると、レンズや目に爪が当たりにくくなります。レンズをつまんでも移動しない場合は、目薬などを使用してまばたきをしてから再度動かしてください。
レンズを押し上げて外す
レンズを外す際は、一度下まぶた側の白目に下げたレンズを押し上げるように中央に寄せ、黒目と白目の段差を利用してずらすと外しやすくなります。
初めのうちは親指と人差し指が離れないように注意しながら、力加減を変えながら何度か試してみると良いでしょう。
黒目の上からレンズがスムーズに外れない場合に無理に取ろうとすると目に傷がつく恐れがあるため、目薬などで目を保湿してから慎重に外すようにしてください。
ハードレンズの場合
ハードレンズの外し方の手順とコツを2つご紹介します。
目尻を横に引っ張る
ハードレンズを外す際には目を大きく開いて、レンズを外す方の目尻寄りにあるまぶたの内側を軽く押さえ、横に優しく引っ張ります。
自然にまばたきをするとレンズが外れるため、もう片方の手を目の下で受け皿のような形にし、レンズを受け止めてください。
レンズのふちが上下のまぶたに引っかかることで外れる仕組みのため、目尻を引っ張る前に目を大きく見開くのがポイントです。
上下のまぶたで挟む
両手の人差し指を上下のまぶたに軽く当て、目を大きく開きます。
上まぶたを押し上げてレンズの上部を優しく押さえ、同時に下まぶたを軽く押し上げ、レンズを挟むようにすると、まぶたに引っかかったレンズが外れます。
両手を使って外すため、外したレンズを見失わないように注意してください。
洗面台でハードレンズを外す場合は、流れてしまわないように排水溝にネットやストッパーを用意しておくと安心です。
まとめ
今回は、コンタクトレンズの正しい付け方と外し方について分かりやすく解説しました。
コンタクトレンズが初めての方や不慣れな方でも、付け外しの手順やコツを実践することで、簡単快適にコンタクトレンズを使用することができます。
ただし、コンタクトレンズの使用中に異常を感じた場合はすぐに使用を中止し、眼科を受診するようにしてください。
目の健康を大切にしながら、ゆっくりコンタクトレンズに慣れてくださいね。