コンタクト
最終更新日:2024.06.24

ソフトコンタクトレンズが外れない時の正しい対処方法・原因・注意点を紹介

この記事の監修者

原 修哉

原眼科クリニック 院長

ソフトコンタクトレンズが外れない時の正しい対処方法・原因・注意点を紹介

目次

ソフトコンタクトレンズが外れない時、つい焦ってしまうことがあるかもしれません。そんな時、爪や力を使って無理やり外そうとすると、目が傷つく原因になるため非常に危険です。正しい外し方や注意点を守り、目を傷つけることなく安全に外しましょう。

本記事では、レンズを外す際の正しい手順や注意点、レンズが外れにくくなる原因、外れない時の対処法を詳しく解説します。快適にソフトコンタクトレンズを使用するための参考にしてみてください。

ソフトコンタクトレンズを
外す正しい手順

ソフトコンタクトレンズの正しい取り外し方を4つのステップで解説します。以下の手順に従うことで、目を傷つけることなく安全に取り外すことができます。

手順①:準備

あごを引いて、上目づかいで鏡を見ている図

まずは、コンタクトレンズの清潔を保つために、手を石鹸でしっかり洗います。その後、手についた水分をよく拭き取り、乾かしてください。鏡を見ながらあごを軽く引き、上目使いをしながら指でまぶたを大きく開き、両目ともレンズの位置がきちんと黒目の上にあることを確認します。

手順②:レンズを動かす

人差し指でレンズを白目まで下げている図

準備ができたら、片目ずつ外していきます。人差し指を使って黒目の上のレンズをゆっくりと下に動かし、黒目の中央から外れて白目の部分に来る位置まで優しく移動させてください。レンズが動かない場合は無理に動かさず、目薬を指して動かせるようになるのを待ってから移動させます。

手順③:レンズをつまむ

人差し指と親指でレンズをつまみ出す図

次に、下にスライドさせたレンズを人差し指と親指でつまみます。指の腹を使い、それぞれの指を斜め下方向に移動させ、優しくつまんでください。この時、爪を立てないように注意し、ゆっくりと動かすのがポイントです。

手順④:レンズを外す

目からコンタクトレンズを外している図

レンズをつまんだ状態でさらに指を中央に寄せ、目から外します。外したレンズは、すぐに保存液で満たしたケースに入れるか、使い捨てのレンズであれば適切に廃棄してください。目の乾燥や疲れが気になる場合には、レンズを外した後に目薬でケアするのもおすすめです。

ソフトコンタクトレンズを
外す時気をつけたいこと

間違った方法でレンズを取り外すと、目に傷をつけたりレンズを破損したりする可能性があります。レンズを外す際は、以下の注意事項を守りましょう。

入浴中に外さない

「入浴中やシャワー中にレンズを外せば、目がうるおっている状態のため外しやすいのでは?」と考える方も多いかもしれません。しかし、実際には浴室内の蒸気や熱によって目が普段以上に乾燥することが多いため、入浴前に外しておくのがおすすめです。 サウナや岩盤浴なども同じように目を乾燥させるため、外しにくくなります。こういった場所を利用する際は、あらかじめレンズを外しましょう。

濡れた手で外さない

レンズを外す時、手を濡らして目をうるおそうとするのは避けましょう。濡れた手は滑りやすく、レンズをしっかりと掴むのが難しくなります。手が滑ってしまうと、レンズを損傷したり、目を傷つけたりするリスクが高まります。手を洗って清潔にした後は、必ずしっかりと乾かしてから外しましょう。

綿棒で外さない

爪が長いなどの理由により指で外しにくい場合、綿棒などの道具を使って外そうとする方もいますが、おすすめできません。綿棒の繊維が目に入ったり、レンズを傷つけたりするリスクがあります。爪が長い場合には、親指と人差し指の側面を使って指の腹でレンズを優しくつかみ、外してください。爪が長すぎるなど、指の腹でも外しにくい場合は、両手の人差し指を使い慎重に取り外してください。

ソフトコンタクトレンズが
外れない理由

ソフトコンタクトレンズが外れない場合、焦らずに原因を特定し、適切な対策をとることが重要です。ここでは、よくある原因と原因に応じた対処法を解説します。

レンズの貼りつき

以下のような理由でレンズが目に貼りついてしまうと、外れない場合があります。それぞれの原因に応じた対策や予防を実施しましょう。

原因①:目やレンズが乾燥している

目やレンズが乾燥している時は、人工涙液や目薬を使って目をうるおすと外れやすくなります。

原因②:レンズの長時間装用

長時間の装用はできるだけ避けましょう。どうしても必要な場合は、途中でレンズを外して適度に目を休めるのがおすすめです。

原因③:レンズを装用したままの睡眠

レンズを装用したまま寝てしまうと、まぶたでレンズが圧迫され、目に貼り付くことがあります。寝る前には、必ず外しましょう。

原因④:誤ったレンズの外し方

黒目の部分にあるレンズを無理に外そうとすると、痛みを伴い外れにくくなります。黒目の上からではなく、レンズを下にずらしてからつまむようにしましょう。

レンズの滑り

濡れた手でレンズを外そうとすると、手が滑ってうまくつかむことができない場合があります。手を洗った後、しっかりと乾かしてから外しましょう。

レンズのずれ

レンズが黒目の上に無い時は、外そうと思っても見つけにくく、なかなか外せない場合があります。 レンズが極端に黒目からズレてしまっている時は、指の腹を使って一旦黒目まで戻してから前述の方法で外してください。入れたはずのレンズが見つからない時は、誰かほかの人に見てもらうか、眼科を受診し確認してもらいましょう。目の構造上、レンズが目の裏側まで行くことはないため、慌てずに対処しましょう。

ソフトコンタクトレンズが
なかなか外れない時の対処方法

レンズが外れにくい場合は、まず冷静になることが大切

レンズが外れにくい場合は、まず冷静になることが大切です。

目薬を指して目をうるおすことで、外れやすくなる場合がほとんどです。目薬が手元にない時は、清潔な水に目をつけてまばたきをゆっくり繰り返しましょう。蒸しタオルなどで目を温めるのも効果的です。

どうしてもレンズが見つからない時は、自分では無理に目をいじらず、眼科を受診しましょう。

まとめ

ソフトコンタクトレンズが外れない時の対処方法と原因、注意点について解説しました。

レンズが目に貼りついて外れにくい時は、目薬や人口涙液などで目をうるおすことで外れやすくなります。また、目の構造上、レンズが目の裏側まで行くことはないため、冷静に対処することが重要です。レンズを見失ってしまった時など、自分での対処が難しい場合は、無理をせずに眼科を受診することをおすすめします。

正しい手順と注意点を守ってレンズを外し、快適にコンタクトレンズを使って目の健康を守りましょう。

監修者プロフィール

原 修哉

原眼科クリニック 院長

HP:https://www.haraganka.jp/

名古屋大学医学部卒業後、名古屋市の中京病院へ入局し13年勤務。その期間中に、ハイデルベルク大学(ドイツ)へ留学。
大雄会第一病院 診療部長として7年の勤務を通じて、地域の重症例、難疾患、専門性の高い疾患などの医療に携わり、白内障手術、緑内障手術、角膜移植、屈折矯正手術、結膜手術など10,000件以上執刀。
現在は、原眼科クリニックを開業し、地域住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。

【所属学会】
日本眼科学会 専門医 / 日本眼科手術学会 / 日本緑内障学会 / 日本角膜学会

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