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最終更新日:2024.08.30

可視光線透過率とは?運転やゴルフにおすすめのサングラスや選び方を紹介

眼とメガネの情報室 みるラボ

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可視光線透過率とは?運転やゴルフにおすすめのサングラスや選び方を紹介

目次

老若男女、幅広い年代に使用されているサングラスですが、使いづらいと感じたり、視界に違和感を感じていたりする方もいるのではないでしょうか。
ファッションアイテムとしても活用できるサングラスですが、見え方が合っていないと目に大きな負担をかけることになります。そこで、可視光線透過率を意識するとすっきりとした視界が確保できるでしょう。
この記事では、なかなか聞き慣れない可視光線透過率について詳しくご紹介していきます。サングラスの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

可視光線透過率とは

可視光線透過率とは、光がレンズを透過する割合を0〜100%で数値化したものです。
見え方に個人差はあるものの、一般的には可視光線透過率が10〜15%で強い日差しから目を守ることができ、レジャーなどにも適しています。日中での弱い日差しの場合は30〜40%だと適度に日の光も確保できるため、より日常使いがしやすいでしょう。

しかし、可視光線透過率が低い場合には室内や曇天など日差しが弱い状況では見えにくいと感じるため、どのような状況で使用するのか、目的にそった選び方が重要です。

カラーの濃度によっては、JIS規格で夜間の使用や運転が不適合のものもありますので、使用目的に応じてかけかえを行うなど工夫が必要です。

可視光線透過率の意味

可視光線透過率ごとのレンズの色付きのイメージ

可視光線透過率は、実際目に取り込まれる光の量を数値化したものです。可視光線透過率が低いものほど光を通しづらく、逆に高いものほどよく光を通します。

つまり、可視光線透過率が0%なら光を全く通さず、100%では裸眼と同じように光を完全に通す状態と言えます。

サングラスを選ぶ際は、この可視光線透過率も確認すると良いでしょう。
可視光線透過率が低いと色味が濃い暗いカラーのサングラスになり、高いものだと明るく色味が薄いカラーのサングラスになります。選び方の一つとして、ぜひ可視光線透過率に注目してみてください。

可視光線透過率と視感透過率の違い

可視光線透過率と似ている言葉に視感透過率があります。視感透過率とは、目に見える光をレンズがどのくらい透過するかを表したものです。

視感透過率はJIS規格によりカテゴリー区分が定められています。0~4の数値でカテゴリーが表記されており、数値が小さいほど、透過率が高く色の薄いレンズで、数値が大きいほど透過率が低く色の濃いレンズです。

視感透過率が100%に近いほど、光を通す量も多くなります。
日が暮れてきた頃やくもりの場合は、視感透過率が60%程度のサングラスであれば視界も確保できるため、安全に使用できるでしょう。昼間に使用する場合は、視感透過率が20〜30%のものが使いやすく、20%以下のものは少し天気が悪くなると見えにくくなるため、状況に応じて使い分けると安全です。

運転や路上での使用についても、推奨されているカテゴリがJIS規格で決められているため、眼鏡店でしっかりと使用目的を伝え、適合した視感透過率のカラーか確認をしてから購入しましょう。

カテゴリーについて (JIS T 7333:2018より)

◯視感透過率の区分を0~4の数字で記載しております。
・カテゴリー0 : 視感透過率80%を超えるもの。
・カテゴリー1 : 視感透過率43%を超え、 80%以下のもの。
・カテゴリー2 : 視感透過率18%を超え、 43%以下のもの。
・カテゴリー3 : 視感透過率8%を超え、 18%以下のもの。
・カテゴリー4 : 視感透過率3%を超え、 8%以下のもの。

運転及び路上使用不適合について

◯昼間や夜間の運転及び路上使用に不適合な場合にのみ記載しております。
・運転及び路上使用不適合 : 信号を誤認する危険性があるもので、昼間でも運転及び路上使用に適さないレンズです。また、視感透過率が8%以下(カテゴリー : 4)のレンズも運転及び路上使用に適しません。
・夜間、薄暮時の運転及び路上使用不適合 : 視感透過率が75%未満のレンズは、夜間や薄暗い場所での視力低下の危険性がありますので、夜間や薄暗い場所での運転及び路上使用に適しません。

※日本規格協会 JSA Group Webdesk 屈折補正用眼鏡レンズの透過率の仕様及び試験方法 から引用

可視光線透過率と紫外線透過率の違い

紫外線透過率とは、紫外線がレンズをどのくらい透過するかを数値化したものです。
紫外線透過率が低いものほど紫外線をカットできるため、UVカットの効果も高く紫外線の影響も防げます。

サングラスの販売店によっては表示方法も異なり、紫外線透過率1%とUVカット率99%は同等の意味だと覚えておくと良いでしょう。
つまりそれぞれの違いは、可視光線透過率は「目に見える光をどのくらい透過するか」、紫外線透過率は「目に見えない紫外線をどのくらい透過するか」だということです。

可視光線透過率だけではなく、紫外線透過率にも注目してサングラスを選ぶと、より自分に適したものが選べるでしょう。

可視光線が目に与える悪影響

そもそも可視光線とは、人が目視できる波長域の電磁波のことを指します。この可視光線を網膜が感知することで、脳が色を認識するのです。

可視光線には「赤、橙、黄、緑、青、藍、紫」の7種類の色が存在しており、その中でも特に「青、藍、紫」の3種類は網膜に悪い影響を与えます。一般的には、そこまで問題はないと言われるいますが、例え弱くても長時間浴び続けることにより網膜に影響を与えます。

青色の光は特に「ブルーライト」とも呼ばれており、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。パソコンや携帯が普及したことにより、以前より人体に与える影響が強くなっています。
ブルーライトを長時間浴びることにより、光を眩しく感じたり目の疲れを感じるだけではなく、頭痛や肩こり、睡眠不足やイライラを引き起こす原因にもなるのです。
寝る前にブルーライトを浴びると、睡眠のリズムまで崩してしまうため、ブルーライトとは上手に付き合う必要があります。

レンズの色別の
可視光線透過率の違い

サングラスの場合、レンズの色味によって可視光線透過率にも違いは出てきます。
以下の7種類の色味について、それぞれ詳しく説明していきましょう。

クリア系

クリア系レンズカラー

ほとんど裸眼に近いクリアカラーのため、視界の確保は抜群です。

クリア系の場合は、可視光線透過率が高く目安となるのは90%で、夜間の運転時でも使用できるため、伊達メガネのような使い方でも良いでしょう。

ブラウン系

ブラウン系レンズカラー

ブラウン系は日常の眩しさを防げるだけでなく、視界のコントラストを高める効果が期待できます。

目安となる可視光線透過率は15〜60%です。運転時やゴルフなど、どの天気でも幅広く使用できるという特徴があります。

グレー系

グレー系レンズカラー

グレー系は、特に眩しい日差しに最適で、釣りやマリンスポーツをされる方におすすめです。

目安となる可視光線透過率は15〜60%で、光も均一に遮断してくれるため、自然な視界を保てます。

イエロー系

イエロー系レンズカラー

イエロー系は、特に青色の光を軽減できます。天候が悪い日や夜間にも使用するという方にもおすすめでしょう。

目安となる可視光線透過率は70〜80%で、太陽光の透過率も高いため、ものを鮮明に見せる効果もあります。

ブルー系

ブルー系レンズカラー

ブルー系は、黄色の光を減少させてくれるため、運転中ヘッドライトの眩しい光を防げるでしょう。

目安となる可視光線透過率は60%で、普段から散歩やジョギングするという方にはおすすめのカラーです。

ピンク系

ピンク系レンズカラー

ほかのカラーに比べて、眩しさを防ぐという点では比較的劣るピンク系ですが、肌を明るく見せたり血色も良く見えるため、特に女性におすすめです。

目安となる可視光線透過率は60%程度になります。

グリーン系

グリーン系レンズカラー

グリーン系は、目が疲れにくいという特徴があり、日差しが強い状況でもクリアな視界を確保できます。

目安となる可視光線透過率は20〜60%で、様々な色味のなかで最も違和感なく、自然な見え方を演出できるでしょう。

用途別の可視光線透過率目安

用途別の可視光線透過率の目安はどのくらいなのでしょうか。
シーン別に、それぞれ詳しくご紹介していきます。

車の運転

運転時に適切な可視光線透過率は、20〜30%程度と言われています。
レンズが暗すぎると、視界不良で事故につながる可能性があります。太陽の眩しさを軽減するために使う方も多いですが、必ず運転時の視界をサポートできるサングラスを選びましょう。

また、レンズカラーは通常の視界とあまり変わらないブラウンやグレーがおすすめです。特に夜間の運転が多い方には、イエローやブルーも良いでしょう。その場合、適切な可視光線透過率は80%を目安にしてください。

車の運転時はほかの用途と異なり、日本産業規格(JIS規格)で視感透過率についても以下のように定められています。運転中にサングラスなどをかける場合には特に注意しましょう。

  • 昼間に路上及び運転に使用する眼鏡レンズの視感透過率τVは、設計基準点において8%を超えていなければならない。
  • 視感透過率τVが75%未満のレンズは、薄暮又は夜間における路上及び運転に使用してはならない。

カテゴリーについて (JIS T 7333:2018より)

◯視感透過率の区分を0~4の数字で記載しております。
・カテゴリー0 : 視感透過率80%を超えるもの。
・カテゴリー1 : 視感透過率43%を超え、 80%以下のもの。
・カテゴリー2 : 視感透過率18%を超え、 43%以下のもの。
・カテゴリー3 : 視感透過率8%を超え、 18%以下のもの。
・カテゴリー4 : 視感透過率3%を超え、 8%以下のもの。

運転及び路上使用不適合について

◯昼間や夜間の運転及び路上使用に不適合な場合にのみ記載しております。
・運転及び路上使用不適合 : 信号を誤認する危険性があるもので、昼間でも運転及び路上使用に適さないレンズです。また、視感透過率が8%以下(カテゴリー : 4)のレンズも運転及び路上使用に適しません。
・夜間、薄暮時の運転及び路上使用不適合 : 視感透過率が75%未満のレンズは、夜間や薄暗い場所での視力低下の危険性がありますので、夜間や薄暗い場所での運転及び路上使用に適しません。

※日本規格協会 JSA Group Webdesk 屈折補正用眼鏡レンズの透過率の仕様及び試験方法 から引用

ゴルフ

ゴルフイメージ

ゴルフでは、強い日差しを軽減するため可視光線透過率の低いサングラスを使用すると、芝生や遠くのボールが見えにくくなります。そのため、可視光線透過率としては、20〜30%ほどのものを選ぶと適切でしょう。

視界が悪いとスコアが下がる原因にもなるため、きちんと眩しさはカットしつつ、良好な視界を確保できるものがおすすめです。

サングラスはプレーがしやすいだけではなく、特に西日が強い日は、終盤になると目の疲れも出てくるため、最後まで良い結果を出すためにも必要なものだと言えます。

釣り

釣りイメージ

釣りの際は、水面のギラつきや水面から反射する強い日差しが特に気になります。

可視光線透過率としては、30%程度のものであれば光の乱反射や眩しさをすべて防ぎつつ、良好な視界が保てるでしょう。水面が見えやすくなるだけではなく、水面の釣り糸やルアーも把握しやすいため、ルアーのちょっとした動きや変化にも対応できます。

釣りの場合は、場所や天候によって適したカラーがあるため、まずどの場面でサングラスを使用することが多いのか、事前に確認しておくと良いでしょう。

日常生活

日常生活で使用する場合、一般的なサングラスの可視光線透過率は30〜80%になります。
この程度であれば、日中どこへ行っても不便なく見ることが可能です。特に日差しが強い日であれば、可視光線透過率を10〜30%のものにすると、より快適な視界を保つことができます。

晴れも曇りもどちらも快適に過ごしたいという方は、可視光線透過率が30%前後のサングラスを選ぶと、どのような天候の日でも良好な視界が得られるでしょう。

夜間

夜間にサングラスを使用する場合、可視光線透過率は85〜100%が最も安全に見られる数値になるでしょう。昼間と比べ、夜間は光の量も少ないため、より多く光を透過させる必要があります。

運転をする方などは特に、きちんと視界が確保できないと事故を引き起こす原因にもなるでしょう。JIS規格では「視感透過率が75%未満のレンズは、夜間や薄暗い場所での視力低下の危険性があるため、夜間や薄暗い場所での運転及び路上使用に適しません」と決められています。

信号の色を正確に認識できることも非常に重要です。サングラスの濃さや色味によっても夜間の使用は注意が必要なため、夜に使用したい場合には眼鏡店で必ず相談しましょう。

おすすめのサングラス4選

ここからは、タイプ別におすすめのサングラスについてそれぞれの特徴などを詳しく紹介していきます。

ウェリントン

ウェリントンタイプサングラス着用イメージ

「サングラスを使用するのは初めて」という方に特におすすめなのが、ウェリントンタイプです。このタイプは、主張が少なく顔なじみもしやすいため、サングラスを強調させたくないという方でも使いやすいデザインになります。

スポーツシーンだけではなく、日常生活でカジュアル使いも可能で、フレームの色やレンズの色味を変えるだけで、様々な服装にも合わせやすいでしょう。

ボストン

ボストンタイプサングラス着用イメージ

こちらは、幅広い年代の方におすすめのボストンタイプです。
「サングラスを強調させたくないけど、全く存在感がないのは嫌」という方に取り入れやすいデザインになります。

丸みがあるフロントは、知的で上品な印象になるためナチュラルさを求める方にはおすすめです。可視光線透過率も70%ほどの薄めのカラーから、もっと暗めの30%ほどのものまで、幅広く組み合わせられるのもポイントの一つです。

スクエア

スクエアタイプサングラス着用イメージ

「釣りやゴルフなど、スポーツをすると」いう方におすすめなのがこのスクエアタイプです。

シャープでスタイリッシュな印象を与えるため、そのままビジネスシーンにも利用できるというのは大きなポイントになります。

スポーツをする場合、レンズ部分が大きすぎると動く際にズレたりプレーに支障をきたすこともあるため、視界を確保できるだけでなく、かけ心地も求めるならば、このスクエアタイプが良いでしょう。

ラウンド

ラウンドタイプサングラス着用イメージ

「サングラスをおしゃれアイテムとして取り入れたい」という方におすすめなのが、ラウンドタイプです。このタイプは日本人の顔にフィットしやすく、しっかりとトレンド感も出せます。

レンズカラーもイエローやピンクの色味で個性を出したり、ブラウンなどの落ち着いた色でクラシックな雰囲気も醸し出せるので、様々なシーンで活躍できるでしょう。

まとめ

この記事では、可視光線透過率について詳しくご紹介しました。日差しが強い時期に役立つサングラスですが、可視光線透過率の違いによって見え方も大きく変わります。

サングラスを選ぶ際、色味や形にはこだわっていたけど、可視光線透過率について意識したことがなかったという方は多いでしょう。可視光線透過率は、日常生活やスポーツシーンでの見やすさ、目の疲れにくさなどにも大きく影響します。
今後サングラスを購入する際は、使用目的に応じた濃度を選び、快適なサングラスライフを送りましょう。

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