
この記事の執筆者
眼とメガネの情報室
みるラボ編集部

目次
カラーレンズはおしゃれに目元を彩れることから人気のアイテムになってきました。色の効果や特徴を知ればシーン別にカラーレンズを活用できます。おすすめのカラーや知っておきたい濃度の違いと、使用用途とデメリットなど、おしゃれに活用したいメンズには知ってほしい選び方をご紹介します。
いくつも欲しい!カラーレンズ

サングラスより日常に使いやすいと人気のカラーレンズですが、今ではカラーにもバリエーションが増え、ビジネスでも利用できるカラーが多くなりました。また、パソコンやスマートフォンなどの画面の光から目を守るといった保護の役割を備えているカラーレンズもあり、人気とともに種類も増えてきました。
カラーレンズはさりげないカラーで自分のイメージを変えたり魅力を最大限に引き出すことも可能なため、最近では特にメンズに人気のアイテムになっています。シーン別に使えるカラーの効果を知っていると、印象を変えたりアピールしやすいなど自分らしさの幅も広がり、いくつも揃えたくなります。
既製品のサングラスとの違い

カラーレンズは既製品のサングラスと違い、眼鏡店でお好きなカラーの濃度や種類をオーダーメイドで選べる点が特徴です。フレームもメガネ用のものが使え、度数もメガネ同様に入れることができるため、機能的で流行りに敏感な人、特にメンズには注目されています。
普段色のついたメガネを使わない人が、急に濃度の濃いサングラスをかけると違和感を覚えるかもしれません。これらの点でも違和感を持ちにくいカラーレンズで少しずつイメージを変えるのもおしゃれのテクニックとしておすすめです。
カラー濃度とは?
サングラスのように濃い色だとビジネスには不向きで、使うシチュエーションを選びます。カラーレンズはカラーの濃さを選ぶことができ、その濃さによって使えるシチュエーションの幅が広がります。
カラーレンズは一般的に「10%」「15%」「25%」「35%」「50%」くらいの濃さで販売されています。カラーと濃度によってはグラデーションも販売されています。15%の濃さまでは、あまりカラーが目立たないのでビジネスでも使いやすい濃度です。
自分の肌の色や髪の色などで似合う色や似合わない色もあるためカラーバランスも考えて、プライベートやビジネスなど使用の用途や目的で使い分けてみてください。
おしゃれだけじゃないカラーレンズ
サングラスはおしゃれなアイテムとして形や大きさで選ばれやすく、色もグレーやブラウンが多めでした。カラーレンズはおしゃれなだけでなく用途や色の効果で選べるのが最大の魅力で、度入りにすることでメガネと同じように普段使いできるものです。
カラーごとの特徴をうまく利用できれば、おしゃれなだけでなく生活でも使い分けられて眼の健康にも役立ちます。このためにも特徴や効果を理解して選んでいきましょう。
色別カラーレンズの特徴・効果
カラーレンズの最大の特徴はカラーで効果が違ってくることです。うまく利用すればカラーのメリットを最大限に受けられますが、間違ったカラー選びをすると思ったより見にくかったり、色がうまく反映されないなどデメリットにもなってしまいます。
カラーの特徴と効果を知っておくと、自分のライフスタイルに合わせたカラーレンズを選ぶことができるでしょう。
グレー色

オールラウンダーとして活躍するカラーです。光をまんべんなく均一にカットして見え方も偏りが少なく自然なことが特徴です。
淡いグレーならクールな印象で知的なイメージを与えてくれ、ビジネスでも使いやすいカラーです。メガネのフレームも比較的どんなものにも対応しやすいため、初めて購入するカラーレンズとしてはおすすめです。また、ファッションにも合わせやすく淡いグレーは目立ちすぎないのでカラーレンズ初心者には選びやすいカラーです。
グレー色のメリットとおすすめ用途
- 眩しさは軽減しながら見え方のバランスに優れている
- 普段使いにも選びやすく、違和感を持ちにくい
- 日差しの強い時間帯のスポーツやランニングなど、眩しさを和らげる
- 赤色の識別に長けている
度入りのカラーレンズメガネとしても使いやすく、ビジネスでは15%くらいまでの濃度だとカラーもクリアに近く利用しやすいです。
レジャーでの利用なら、濃度の高いものの方が眩しさを軽減する作用も大きくなります。同じグレーカラーでも偏光レンズなら水面の反射やフロントガラスへの映り込みを抑えられます。海や水辺での活動に向いているので釣りにおすすめです。
グレー色のデメリット
オールラウンダーのため特にありませんが、グレーはミステリアスなイメージを与えるのでプライベートでは使いやすいですが、濃いめのカラーはビジネスシーンでは不向きです。
コントラストをはっきり見たい場合、人によっては凹凸が見えにくく感じることがあります。
ブルー色

落ち着いたシャープで知的な印象を与えるブルーを好む人も多く、顔のくすみをキレイに見せる作用で透明感が増すので肌映りが良くなります。スタイリッシュで涼し気なイメージで、メンズに流行りのカラーレンズです。
こちらもグレーと同様に淡いカラーならビジネスシーンでも扱いやすい色目です。
ブルー色のメリットとおすすめ用途
- 黄色の光をカットする効果に優れている
- 強い日差しを受ける時間帯は光を軽減し見やすくなるので、日光が眩しい時間の外出で視界をクリアにするカラーとしては最適
- 眩しさを軽減するので雪面やゲレンデ、サイクリングやランニングなど、スポーツで利用しやすい
日光が眩しい時間帯に外に出る機会の多いビジネスでは、15%までの濃度だと使いやすいですし視界も見やすくなるのでおすすめです。
黄色いヘッドライトの光を軽減するので長時間の運転や夜の運転でも疲れにくくなります。視感透過率75%未満(カラー濃度が25%以上)のレンズは夜間運転には不適合です。車を運転する際にカラーレンズを使用したい方は、眼鏡店で確認の上、購入しましょう。
クールで落ち着いた印象を与えるブルーはグレーと同様に使いやすく人気のカラーで、くすんだ色を中和してくれることから、疲れを感じている時に利用すると顔色の印象を変えることができます。
ブルー色のデメリット
プライベートではシャープなイメージでキレイなカラーですが、濃度が濃くなるとレンズの色によってはビジネスから離れた印象を与えてしまう場合があります。薄めのブルーカラーなら度入りの普段使いメガネとしても役立ちます。
ブラウン色

肌馴染みがよく柔らかい印象を与えるので使いやすいカラーです。扱いやすいカラーのためたくさんのブラウンカラーが発売されており、自分の肌に合ったカラーが選びやすいのも特徴です。落ち着いた大人のイメージが強いのでプライベートで利用するメンズが多いことや、フレームとの相性も良いことから人気のカラーです。
ブラウン色のメリットとおすすめ用途
- 散乱光を軽減する効果が高くコントラストが良くなるカラーのため、クリアな視界が得られる
- ブルーの色を抑え、眩しさを軽減する作用があり、グリーンをクリアに見せることでゴルフに向いている
波長の短いブルーの透過を抑えるカラーで、コントラストの向上効果や遠景をくっきり見せる傾向があります。また日本人の肌色と同系色で合わせやすい、ナチュラルに合わせやすいカラーです。女性の方はオレンジ系のメイクカラーや茶色、黄色、橙色、緑色の服装とあわせるとスッキリまとまります。
ブラウン色のデメリット
暗い色目は暗い印象を与えるためビジネスシーンには向きませんが、15%までの濃度なら程よく落ち着いた大人の印象を与えてくれます。
グリーン色

若々しくさわやかな印象を与えてくれるグリーンは自然な見え方が特徴で、疲れ目を感じやすい人におすすめです。眼に飛び込んで来やすいレッドやブルーの光を緩和して、眼への刺激を軽減することでリラックスする作用もあります。
グリーン色のメリットとおすすめ用途
- 赤みを目立ちにくくするので、肌の赤みが気になる人におすすめ
- 赤系と青系の光を同時にカットする効果がある
- リラックス作用のあるカラーで、ストレスの緩和にも作用する
グリーンは若々しくフレッシュなイメージになります。アウトドアの活動的なシーンでの利用や個性的なイメージにしたい方におすすめです。女性の方はオレンジ系のメイクカラーに合わせやすく、茶色、黄色、緑色の服装にマッチします。
グリーン色のデメリット
レッドの光がカットされるので、カラー濃度によっては夜間の運転に適さない場合があります。カラー濃度が約25%を超える(視感透過率75%未満)カラーレンズは、夜間・夕暮れ時の運転に使用しないでください。光量不足で視力が低下します。
イエロー色

イエローはファッション性が高いカラーで使うシーンも選びがちです。最初に選ぶカラーレンズとしてはハードルが高いですが上級者は試してみたいカラーではないでしょうか。薄めのカラーならブラウン系のイエローなど肌に馴染みやすいものも選べますので、おしゃれなアイテムの一本になるかもしれません。
イエロー色のメリットとおすすめ用途
- 弱い光でもコントラストがはっきりする
- 視界のクリア性に長けているので曇りや雪のシーンでも使いやすい
- 雨の日でも裸眼より視界が確保しやすいため運転に使いやすい
弱い光をクリアではっきりした視界に見せるので天気の悪い日などに向いています。その分眩しい日光などの光をカットする作用は弱くなっていますので、天候によって使用するカラーを選びましょう。
その他の色

ピンク系のカラーは眩しさをカットする作用は少ないですが、血色をよく見せてくれるので健康的な印象を与えることができます。イメージ作りのカラーレンズとして活躍してくれるでしょう。
パープル系のカラーはグレーに近く光の量を全体的に抑える効果があります。おしゃれで上品なイメージを印象付けられる上級者カラーです。
おすすめのカラーレンズ
これまでは各カラーについての特徴や効果をご紹介してきました。これらはカラーの色味や濃度、目元の肌の色で見え方や感じ方も人によって大きく異なりますので、カラーサンプルのある眼鏡店で確認の上、購入されるとよいでしょう。
ここからは一つのカラーレンズで色が変化する「調光レンズ」をご紹介します。紫外線に対して自然に色が変わるので、普段使う無色のメガネから屋外に出た時にカラーレンズにかけ替える必要がなくおすすめです。
調光レンズ

室内ではクリアなレンズですが、屋外では紫外線に反応して色が変わるレンズです。紫外線で反応しますが眼の中に入る紫外線はほぼ100%カットするので、眼の健康にも優しいのが特徴です。
カラーバリエーションは、薄付きのカラーでは「パープル」「ロゼ」「ブルー」「アッシュグレー」などの種類があります。濃い色目を選びたい場合は「グリーン」「グレー」「ブラウン」が選びやすくおすすめです。
自動的に紫外線に反応して発色し眼に入る光を調節してくれるので、常に視界がクリアになり、疲れ目も抑える効果も嬉しいレンズです。眼病の原因になる紫外線のA波とB波のほとんどをカットすることで目の健康を守ってくれます。
コントラスト効果をアップする機能カラー

ブルーライトを軽減し、眩しさを抑え、コントラスト効果を上げる機能を付けたカラーレンズも眼鏡店では販売されています。
日常には多くの場合でブルーライト(可視光短波長光)が降り注いでいます。特に最近ではパソコンやスマートフォンなど、近距離でブルーライトを見続けることが多くなり、チラツキや眩しさから目の疲れを訴える人がとても多くなっています。そんな方は、ファッション用のカラーレンズだけでなく、機能カラーレンズを試してみるのもよいでしょう。
機能カラーレンズは、コントラストがはっきりすることでシャープな視界が確保できるので、くっきり見えてストレスなく仕事などの作業がはかどります。また、紫外線からもしっかりガードしてくれるので眼の健康にも優しく、安心してくつろぎの時間を過ごすことができます。様々な機能のカラーレンズがあるため、眼鏡店でご相談ください。
目の疲れやチラつきは、眼病の可能性もあるため、気になる方は眼科を受診しましょう。
カラーレンズを選ぶ際の注意点
カラーレンズを選ぶ際には、用途に合わせた「視感透過率」を選びましょう。
例えば、安全に運転するために必要な視感透過率は、昼間は10%程度以上、夜間では80%程度以上を目安にしてください。(これ以上でも目の状態によっては使用できない場合もあります。)
運転および路上での使用については、信号を誤認する危険性があるカラーは適しません。昼間でも視感透過率が8%以下のレンズは運転および路上での使用に適しません。また、視感透過率75%未満のレンズは夜間や薄暗い場所では視力低下の危険性があるため、そのような場所での運転および路上での使用には適しません。
視感透過率とは
レンズが光を通す割合のことをいいます。数字が大きければ大きいほど、レンズが光を通すため、カラーレンズであればレンズの色が薄いレンズほど視感透過率が上がります。可視光透過率とは別物で、一般的な人の目の感度に合わせて評価された数字です。
レンズ濃度とは逆の意味
濃度はレンズの染色の濃さの割合を表すため、視感透過率とは逆の意味です。どちらか一方のみが記載されている場合もあるので注意してください。
例)「視感透過率80%以上」の薄い着色のレンズは「レンズ濃度20%未満」
UVカット率も確認しましょう
光は、目に見える光と見えない光があります。UV(紫外線)は目に見えません。目に見えない紫外線は目の奥まで到達し、過剰に浴びることで悪影響があると言われています。目の健康に気をつけるためには、UVカット率も確認してください。
また、レンズの度数が適切でないとカラーレンズの効果も正しく得られません。眼科で検査を受けて処方してもらうようにしましょう。