この記事の執筆者
眼とメガネの情報室
みるラボ編集部
目次
視力検査を受ける時、切れ目の入った環が並ぶ表を誰もが一度は見たことがあるでしょう。この環は「ランドルト環」と呼ばれ、一般的な視力検査に使われています。
日本ではランドルト環が使われていますが、視力検査には、ほかにもEチャートやスネレン指標などの方法があります。この記事では視力検査で使う検査表について、図を用いて分かりやすく解説します。
視力検査で使う視力検査表
健康診断や眼科で受ける機会がある視力検査は、目の異常を調べたり、メガネ・コンタクトレンズの度数が合っているか確認するなどの目的で行われます。
視力の測定に使われる表を「視力検査表」といい、いくつかの種類があります。
- ランドルト環
- Eチャート
- スネレン指標
日本における視力検査では、切れ目の入った環が並ぶランドルト環(Cマーク)を使った方法が一般的です。ランドルト環のほかにも、Eチャートやスネレン指標がありますが、どの視力検査表を使うかは、検査を受ける人の状態や地域によって異なります。
ランドルト環(Cマーク)
ランドルト環は、日本で一般的に普及している検査方法で、世界各国でも広く使用されています。
検査表には「C」に似たマークが並んでおり、表から5メートル離れた状態で切れ目の方向を回答することで視力を測定する方法です。
ランドルト環において、視力は視角から計算されます。視角とはランドルト環の幅から計算される角度で、単位は「分(1度の60分の1の角度)」です。
環の大きさにより、測定できる視力が異なります。実際に視力1.0に相当するランドルト環を用いて、計算してみましょう。
ランドルト環の大きさは規格によって決まっており、視力1.0に相当するランドルト環はそれぞれ直径7.5mm、輪の太さ1.5mm、切れ目の幅1.5mmです。
5メートル離れた場所からランドルト環を見た場合、この「切れ目の幅1.5mm」が1分に相当します。輪の切れ目を識別できれば、視力は1/1=1.0以上です。
識別できる切れ目の幅が小さくなるほど視角も小さくなるため、視力は高くなります。例えば、切れ目の幅が0.75mmであれば視角が0.5分となり、視力は1/0.5=2.0と計算できます。
Eチャート
Eチャートは図のようにアルファベットの「E」が並ぶ検査表で、主に中国やアメリカで使われています。タンブリング(回転する)Eチャートともいわれています。表には「E」のみが使われているため、まだアルファベットを覚えていない子供でも検査が可能です。
検査を受ける際は表から6メートル離れ、「E」の開いている方向を答えます。ランドルト環と同様、読み書きや発声に問題があって声に出して答えるのが難しい場合でも、指差しで回答してもらい検査ができます。
スネレン指標
スネレン指標はアルファベットがランダムに並ぶ検査表で、主に欧米で使われている方法です。検査を受ける人は検査表から6メートル離れて立ち、指定されたアルファベットを読むことにより視力を測ります。指定するアルファベットは大きな文字から始まり、次第に下段の小さな文字へ進みます。
文字数の種類が多いためはっきり見えていなければ回答が難しく、視力を正確に測定できるのがスネレン指標のメリットです。一方で、アルファベットを覚えていない子供には回答が難しいという欠点もあります。
まとめ
今回は視力検査に使われているランドルト環の意味について解説しました。ランドルト環は日本で一般的に使われている検査表であり、海外ではEチャートやスネレン指標を使っている国や地域もあります。視力検査は目の健康状態や、メガネ・コンタクトレンズの度数が合っているかをチェックするための大事な検査です。検査を受ける際は指示に従い、正しい方法で受けましょう。
また、見えないからといって検査表に近付いたり、目を細めたりすると正確な結果が出ません。分からないところは無理して見ようとせず、素直に回答しましょう。