老眼
最終更新日:2025.09.29

初めての老眼鏡の選び方!度数の目安や老眼の仕組みも解説

初めての老眼鏡の選び方!度数の目安や老眼の仕組みも解説

目次

目が疲れやすくなったり、近くを見ようとする時にピントが合わせづらいなどの症状を感じたら、それは老眼かもしれません。
老眼は一般的に40歳頃から現れ始めます。老眼の症状が見られたら、進行する前にご自分の視力に合った老眼鏡をかける事をお勧めします。
この記事では、老眼や老眼鏡について、老眼鏡を選ぶ際のポイント、目に優しいおすすめのレンズについてご紹介します。

老眼とは

老眼とは

老眼とは、近い距離でモノを見る時に目から離すなどして距離を置かないと、目のピントが合わなくなる症状のことをいいます。老化によってピントを合わせる力が弱くなるのが原因です。個人差はありますが、40歳頃から自覚症状が出始め、60歳頃にかけて徐々に症状が進行する人が多いとされています。

老眼を軽く考え、老眼鏡などで矯正せずに放置すると、目の疲れが慢性化し頭痛や肩こりなどの重い症状が現れる場合があります。老眼の症状を自覚し始めたら、定期的に視力測定を受け、度数の合った老眼鏡をかけることが大切です。

老眼でよくある症状

老眼鏡と普通の眼鏡の違い

日常生活の中で以下のような症状が思い当たる人は、老眼を発症している可能性があるとされています。

  • 本や新聞、スマートフォンなどの文字が読みづらい
  • 薄暗い場所で地図や本などが読みづらい
  • 小さな文字が今まで読めていた距離で読めない
  • 近くのモノにピントが合いにくい

老眼の症状を自覚したら、眼科の受診をおすすめします。老眼と同じような症状は、白内障や緑内障など別の目の病気でもみられる場合があります。病気を見逃さないためにも、自己判断をせず、医師による検査や診断を受けましょう。

老眼鏡とほかのメガネの違い

「老眼鏡」と一言でいっても、近視用のメガネや遠近両用メガネとは目的やレンズの仕組みが異なります。
ここでは、代表的なメガネの種類と老眼鏡との違いを以下ににまとめました。

老眼鏡と代表的な他の眼鏡の違い

老眼鏡(近用単焦点メガネ)
  • 主な目的 : 手元(読書、スマートフォンなど)をはっきり見る
  • レンズの仕組み : 凸レンズを使用し、目のピント調節機能を補助する
  • 見える範囲 : 手元(約30cm~50cm)のみ
  • メリット : 手元の視野が広く、歪みが少ない / 読書や手芸など長時間の近距離作業でも疲れにくい
  • デメリット : かけ外しの手間がかかる
近視・遠視用メガネ(単焦点メガネ)
  • 主な目的 : 主に遠くの景色やテレビなどをはっきり見る
  • レンズの仕組み : 凹レンズ(近視)や凸レンズ(遠視)で、網膜に正しくピントが合うように光の屈折を矯正する
  • 見える範囲 : 主に遠方。老眼を自覚するとかけたままでは手元が見えにくくなる
  • メリット : 遠くの景色などがクリアに見える
  • デメリット : 老眼の症状があると、かけたままでは手元の文字などが読めない
遠近両用メガネ
  • 主な目的 : 1本で遠くから手元まで、様々な距離を見る
  • レンズの仕組み : 累進屈折力レンズを使用し、レンズ上部が遠用、下部が近用で、境目なく度数が変化する
  • 見える範囲 : 遠方から手元まで広範囲
  • メリット : メガネのかけ外しが不要で便利 / 見た目が自然で老眼鏡と分かりにくい
  • デメリット : 視野の左右に歪みや揺れを感じる部分がある / 手元を見るための視野が比較的狭い / 慣れが必要な場合がある

それぞれのメガネの特徴を理解し、用途に合わせて使い分けることが、快適な視生活を送るための鍵となります。

老眼鏡を選ぶうえで
よくある悩み

老眼鏡に関して、以下のような悩みはありませんか?

  • かけたり外したりするのが面倒
  • 度数が頻繁に変わるから、いつ作れば良いか分からない
  • かけるとテレビやパソコンの画面が見づらくなる
  • どこで購入すれば良いか分からない
  • おしゃれの邪魔になる

このような悩みは、老眼鏡の選び方を工夫することで解消できる場合もあります。

初めての老眼鏡レンズの選び方

初めての老眼鏡レンズの選び方

老眼の初期には「老眼であることを認めたくない」「老眼鏡をかけることに抵抗がある」といった理由で、何も対応せずに放置してしまう方もいます。しかし、老眼を放置すると、眼精疲労に伴って頭痛や肩こりなどの症状が現れ、日常生活に支障をきたす恐れもあります。

老眼の症状が見られた時には躊躇せずに眼科を受診し、自分の生活スタイルに合った老眼鏡を使用して視力を矯正することが大切です。

老眼鏡のレンズには様々な種類があり、色付きレンズなどのオプションも充実しています。手元をよく見る人、車を運転する人、デスクワークをする人などそれぞれの目的に適したレンズを選ぶのがおすすめです。眼科や眼鏡店で自分の生活スタイルを伝えた上で、何種類か試してから選んでください。

ここからは、老眼鏡の選び方について詳しく見てみましょう。

用途に合わせて選ぶ

老眼鏡に使用されるレンズには「近用レンズ」「遠近両用レンズ」「中近レンズ」「近近レンズ」の4種類があります。

近用レンズ

近用レンズ

近用レンズは、近くを見る時専用のレンズで読書や裁縫などに適しています。本や新聞を読む時にかけることが多いため「リーディンググラス」ともいわれています。

遠近両用レンズ

遠近両用レンズ

遠近両用レンズは、一つのメガネで遠くから近くまで見えるレンズです。1日中かけっぱなしで使用できますが、両端のモノが歪む、中間や手元のはっきり見える範囲がやや狭いといった欠点もあります。

中近レンズ

中近レンズ

中近レンズは、手元から2〜3メートル先までの距離を見ることに特化しています。レンズメーカーによりますが遠方重視型で5メートルくらいまで見ることのできるタイプもあります。いずれも室内で便利に使用できますが、遠くはぼやけてしまうため、車の運転や外出には適していません。

近近レンズ

近近レンズ

近近レンズは近用レンズに近いレンズで、手元から約1メートル先までの距離を見ることに特化しています。デスクワークに適していて、手元を見た後にパソコンのモニターを見ても、ぼやけることがありません。

また、レンズを選ぶ際には「レンズカラー」や「ブルーライトカット」などの目に優しいオプションも追加できるため、必要に応じて検討しましょう。

疲れにくいフレームを選ぶ

老眼鏡フレームの選び方

レンズの種類だけではなく、フレーム選びも大切です。最近ではメンズ用フレームやレディース用フレームがあり、種類やカラーも豊富でおしゃれなものが揃っていますので、ご自分の顔の雰囲気に合ったものを選びましょう。

また、フレームのデザイン以外にメガネをつけた時のフィット感もしっかりとチェックすることが大切です。フレームが合わないと、フレームが当たる部分に皮膚の痛みや頭痛が起きたり、メガネがずれることにより目が疲れてしまうなど、日常生活に支障をきたす恐れがあります。

せっかく作ったメガネを使うことができなくては意味がありません。フレームの大きさやカーブなどのデザインを含め、ご自分の顔に心地よくフィットするフレームを選びましょう。

似合う老眼鏡のフレーム選びのポイント

魅力を引き立てる一本を見つけるために、以下の3つのポイントを意識して選んでください。

  • 眉のラインとフレーム上部のラインを合わせる
  • フレームの横幅を顔の幅に合わせる
  • レンズの中央に黒目がくるサイズを選ぶ

眉のカーブと、フレームの上部(トップリム)のラインが似た形を描くデザインを選ぶと、フレームが顔に自然に溶け込みなじみます。

また、フレーム全体の横幅が、顔の最も広い部分(通常はこめかみあたり)と同じくらいの幅を選ぶと、全体のバランスが整って見えるためおすすめです。幅が狭いと窮屈な印象を与え、広すぎるとだらしなく見えてしまうことがあります。

メガネをかけた時、黒目がレンズのちょうど真ん中、もしくは少し内側にくるのが理想的なバランスです。黒目の位置が中心にあると、見た目が自然なだけでなく、レンズの光学性能を最大限に活かせ、見え方も快適になります。

与えたい印象や使用するシーンからデザインを選ぶ

老眼鏡を快適に使用するためには、デザイン選びも大切です。自分の度数や生活スタイルに合ったレンズを選ぶだけでなく、与えたい印象や使用するシーンに合わせてフレームのデザインを選びましょう。

ビジネスシーンでは、スクエア型やメタルフレームなど、知的な印象を与えるフレームを、カジュアルな場面では、ラウンド型やカラフルなフレームで個性を演出するのもおすすめです。

また、読書や手芸といった手元で行う趣味には、軽くて快適なデザインのフレームが理想的です。アウトドアの趣味を行う際には耐久性の高いフレームを選ぶなど、生活スタイルに合ったデザインを選びましょう。

老眼鏡の度数の
チェック方法は?

ここでは老眼鏡を選ぶ際に肝となる「度数」をチェックする方法についてご紹介します。
老眼によって眼精疲労が進行すると、頭痛や肩こりなど全身症状があらわれ生活に支障をきたす場合もあるため、眼科で正確な度数を測定し、眼鏡店で自分に合った老眼鏡をつくり矯正することが大切です。

眼科で検査する

老眼鏡は自分の視力に合ったものを選ぶ

近くのモノが見えにくいなど老眼と思われる症状が気になる時には、まずは眼科で検査を受けましょう。

眼科では、一般的な視力測定だけでなく、老眼の進行具合やそのほかの目の病気についても詳しく調べることができるため、目全体の健康状態が総合的に確認できます。

また、検査結果をもとに最適な老眼鏡の度数を確認できるだけでなく、老眼の進行具合を考慮した今後のメガネの選び方や、生活習慣の改善に関する医師のアドバイスを受けることができます。

特に、裸眼の見え方が左右で大きく異なる場合や、普段使っているメガネがしっくりこなくなった場合は、老眼以外の要因が関与している可能性もあります。なるべく早く眼科を受診するのがおすすめです。

眼鏡店で測定する

眼鏡店でも、老眼の度数の測定はできます。一般的には、視力測定用の機器を使用した簡易的な測定が行われ、老眼の度数や進行具合を把握するための測定に加え、遠視・近視・乱視の度数確認も行われます。視力測定は、試しがけ用のレンズを使用して実際の見え方を確認しながら進められるため、実際の使用感を重視した度数設定が可能です。

また、眼鏡店では、生活習慣や日常の過ごし方を伝えることで、自分に合ったフレームを提案してもらうことができます。
フレームを選んだ後にはフィッティングサービスも受けられ、顔の形やかけ心地を確認しながら、フレームの調整を受けることができます。度数だけでなく、レンズのコーティングやフレームの素材についても相談可能です。使用する状況に合ったメガネを選びたい人は、眼鏡店での購入がおすすめです。

セルフチェックする

老眼の進行具合を簡単に確認したい場合は、自宅でセルフチェックをしてみましょう。

まず、人差し指を顔の前にかざし、徐々に遠ざけていきます。指紋がはっきりと見える距離が、いわゆる「近点」と呼ばれる位置です。この近点が30センチ以上になると、老眼鏡の使用を検討する必要があるとされています。

指を使ったセルフチェックで老眼の兆候がある時は、大まかな度数も測定してみましょう。インターネットで「老眼度数測定表」をダウンロードし、A4サイズで印刷します。表を30センチの距離から裸眼で見た時にぼやけて見えるラインが、現在の度数の目安です。

ただし、セルフチェックで測定した度数はあくまで参考であり、正確な度数を知るためには眼科で検査を受ける必要があります。セルフチェックで受診の必要性を感じた場合は、早めに眼科で検査を受けましょう。

老眼鏡の度数の目安

老眼鏡の度数の目安の表

100円ショップや量販店などで既製品の老眼鏡を購入する際も、なるべく自分に合った度数を選ぶことが大切です。レンズの度数を選ぶ目安として「度数目安表」が参考になります。
表から30cm目を離した位置から肉眼で見て、読むことができる最も小さな文字の度数が、レンズ度数の目安となります。あくまで目安のため、試着して必ず見え方を確認してください。

度数の目安

自分に必要な度数がどれくらいか、おおよその目安を知っておくと便利です。以下に、一般的な年齢と度数の関係、選ぶケースの具体例をまとめました。

【老眼度数の目安】

  • +1.00 : 40~45歳頃 / 手元の文字が少しぼやけ始めた方
  • +1.50 : 45~50歳頃 / 新聞や文庫本などを、意識して腕を伸ばさないと(40~50cm程度)ピントが合わなくなってきた方
  • +2.00 : 50~55歳頃 / 30cm程度の距離では、薬のラベルや商品の成分表示といった細かい文字を読むのが以前より難しくなってきたと感じる方
  • +2.50 : 55~60歳頃 / 読書や手芸など、手元での作業を長時間行うと、以前よりも格段に目が疲れやすくなったと感じる方
  • +3.50 : 60~65歳頃 / 手元の細かい作業(裁縫・スマートフォン操作など)で、メガネをかけてもピント合わせに時間がかかることが増えてきた方
  • +4.00 : 65歳以降 / 手元の文字が全般的に見えづらく、日常生活の中でも強い度数が必要になってきた方

腕の長さや主に物を見る距離によって最適な度数は変わります。あくまで参考としてご活用ください。

老眼鏡によくあるQ&A

Q1.老眼鏡をかけると視力が悪化するって本当?

老眼鏡をかけたからといって、視力が悪化することはありません。

むしろ、無理して裸眼で過ごしたり、弱い度数の老眼鏡を使い続けたりすることで疲れ目となり、結果的に老眼の進行が早まる可能性があるとされています。

自分に合った度数の老眼鏡を使い、目の負担を減らしましょう。

Q2.近視の人は老眼鏡は必要ないの?

近視の人は近くのモノにピントを合わせやすい特性があるため、老眼鏡は必要ないと思われがちです。しかし、近視だからといって老眼にならないわけではありません。

老眼によって知らないうちに目に負担がかかる場合もあるため、気になる症状がある時は、近視の有無にかかわらず医師に相談することが大切です。

Q3.老眼鏡のメンテナンス・買い替え頻度は?

目に合わない老眼鏡は、目に負担をかけるだけでなく日常生活の質も低下させてしまいます。

老眼は60歳頃にかけて徐々に進行するとされており、個人差もありますが、2~3年ごとに度数に変化が出るとされています。1〜2年に1回は眼科を受診し、定期検査を受けましょう。検査の結果、度数が変わっていたら、老眼鏡を買い替えるタイミングです。

また、メガネの表面に施されているコーティングの効果は、2年程度で弱まるとされています。度数に変化がない場合も、定期的なメンテナンスができる環境を整えておくことが大切です。

Q4.老眼鏡の度数が合っていないとどうなる?

度数の合わない老眼鏡を使い続けると、眼精疲労や頭痛、肩こりといった体調不良を引き起こす可能性があります。

強い度数の老眼鏡をかけると近くにピントが合うため、より目元に近いモノを見ることができます。しかし、近くが見やすくなると同時に目の疲労度も増すため、特に目元に近い場所での作業を長時間行う習慣のある人は、正確な度数を把握した上で老眼鏡を選ぶことが大切です。

Q5.ルーペと老眼鏡の違いは?

ルーペは対象物を拡大するだけで、目のピントを調節する機能はありません。それに対し老眼鏡は、目のピント調整機能を補助することで見たい距離に合わせて視力を矯正できます。そのため、より楽にかつ自然に見ることができるのが特徴です。

必要に応じてルーペと老眼鏡を使い分けるのが良いでしょう。

Q6.既製品との違いは?

100円ショップや量販店で販売されている既製品の老眼鏡は、価格は非常に安いものの、左右の度数を変えることができず、デザインの選択肢も限られます。ネットショップなどでは左右の度数をそれぞれ選択できる既製品も存在しますが、かけ心地の調整ができないというデメリットがあります。

既製品の老眼鏡は緊急時にのみ使用し、毎日使用する老眼鏡は、眼鏡店などで専門家のアドバイスを受けた上で自分の目に合った老眼鏡を購入するのがおすすめです。

まとめ

近くのモノにピントが合いにくくなる老眼は、年齢を重ねることによる目の自然な変化で、多くの人が避けられない症状です。

老眼の症状が出た場合は、自分の目に合った老眼鏡で視力を矯正することが大切になります。老眼の進行をおさえて長期的な視力を守り、目の疲れ・頭痛・肩こりといった症状を軽減するためにも、気になる症状がある時は早めに眼科を受診しましょう。

老眼鏡を選ぶ際は、度数の合ったレンズを選ぶだけでなく、生活スタイルや用途に合わせたレンズやフレームを選択することで、日常生活を快適に過ごすことができます。様々なレンズやフレームが開発されているため、眼鏡店で専門家のアドバイスを受けた上で、自分に合ったメガネを選びましょう。

また、老眼の進行をおさえるためには、常に度数の合った老眼鏡を使用することも重要です。老眼の進行速度には個人差があるため、度数の変化に応じた老眼鏡の買い替えや定期メンテナンスも忘れずに行い、快適に「見える」毎日を送りましょう。

眼とメガネの情報室 みるラボ

この記事の執筆者

眼とメガネの情報室
みるラボ編集部

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