老眼
公開日:2021.10.12 / 最終更新日:2022.03.31

老眼とは?原因・症状・予防について解説

老眼とは?原因・症状・予防について解説

目次

年齢を重ねると、近くのものが見えにくくなる「老眼」に悩む方は増えていきます。
老眼というと中年以降に発生するイメージがあるかもしれませんが、近年では「スマホ老眼」と呼ばれる若い世代のスマートフォンの長時間連続使用が原因となるピント障害も増えてきています。
「最近、視力が落ちてきたせいか見えにくい」と思っていても、視力の低下ではなく老眼だったというケースも少なくありません。
ここでは、老眼の原因や症状、予防についてご紹介します。

老眼とは

老眼になると、ピントを合わせられる範囲が狭くなったりピントが合うまでの時間が長くなります。手元や暗い場所で文字が見えにくくなるといった症状が現れます。
年齢を重ねると誰にでも起こるものだと言われており、そのため「老眼」と呼ばれています。一般的には30代くらいから症状が少しずつ現れるようになり、40代半ばからはっきりと自覚することが多いです。
近視は老眼になりにくいという話を耳にしたことがあるという方もいるかもしれませんが、実際には近視や遠視乱視などは関係なく老眼は生じます。
加齢に伴い老眼は発生するものであり、老眼の発生時期には個人差があります。
老眼の症状に気付かない場合や、自覚症状があっても対処しない方もいるでしょう。しかし、老眼を我慢して近くのモノを無理に見続けていれば、目には大きな負担がかかってしまいます。
そのため、老眼は早期に適切な矯正を行うことが大切です。

老眼の原因

老眼の原因

老眼の原因は、加齢による水晶体や毛様体筋の機能の低下です。
目の中には水晶体という組織があり、カメラのレンズのような役割をしています。
遠くのモノや近くのモノを見る時には、それぞれにピントが合うように水晶体が厚くなったり薄くなったりします。
この水晶体のピント調整を行っている組織が毛様体筋です。
毛様体筋が水晶体を引っ張ったり緩めたりすることでピントをコントロールしているのです。
近くのモノを見る時には、毛様体筋が緊張することで水晶体が厚みを増してピントを合わせることができます。
しかし、年齢に伴い、水晶体は弾力が低下してしまいます。
水晶体の弾力が低下して硬くなれば、毛様体筋が緊張した場合でも、水晶体の厚みが変わりにくくなります。そうすると、近くにピントが合わなくなり、手元のモノが見えづらくなる老眼になるのです。

老眼の症状

老眼では見えにくさだけではなく、さまざまな不調が症状として現れるようになります。
老眼の症状を確認し、自身の症状と比較して老眼チェックを行ってみてください。

見えにくさ

老眼の症状イメージ

老眼の代表的な症状は、手元の見えにくさや、細かい文字の読みにくさです。
近くのモノにピントが合わせにくくなるため、新聞やスマホなど細かい文字を読む際には、目から離さなければ読みにくくなります。
また、老眼ではピントを合わせることに時間がかかるようになってしまうため、近くのモノから急に遠くを見ると、最初はぼんやりと見え、徐々にはっきりと見えるようになっていきます。

目の疲れからの不調

老眼で見えにくくなっているにも関わらず我慢して生活をしていれば、無理に目はピントを合わせようとします。
そうすると、目には大きな負担がかかり、目の疲れを感じるようになります。
目の疲れは頭痛や肩こり、食欲不振などの不調を引き起こす原因です。

老眼の検査

老眼の検査

老眼の検査は、眼鏡やコンタクトレンズを作る場合に行われる検査と同様にレフケラトメータで眼球全体の屈折値や角膜屈折値を測定した上で視力検査を行います。また、老眼に付随する他の疾患が無いか確認する為に細隙灯顕微鏡検査や眼底検査を行います。
細隙灯顕微鏡検査は目に光を当てて顕微鏡で角膜の疾患や白内障などの有無を確認する検査で、眼底検査では眼底の網膜や硝子体を観察して視力低下の原因となる疾患の有無などを調べます。
また、必要に応じて眼圧や視野の検査を行い、緑内障などの病気の有無を確認する場合もあります。
老眼は自己判断せずに、眼科できちんと検査を行うことが大切です。
老眼だと思っていても、他の病気が隠れている場合もあります。

老眼の治療

老眼であることを認めずに無理をしていれば、目には大きな負担がかかってしまいます。
そうすれば、目だけではなく体への不調も現れる可能性があります。
不調を引き起こさないためにも、適切に老眼の治療を行いましょう。

老眼の治療

老眼の症状が現れ始めたら、眼鏡やコンタクトレンズを用いて矯正することが老眼の治療方法です。
近くの距離だけにピントが合う様に度数を合わせる場合と、遠近両用メガネや室内用の中近メガネなどの様に遠くと近くの両方とも、またはその中間距離にピントが合いやすい様なメガネが処方されます。遠近両用のコンタクトレンズを処方される事もあります。
老眼が進行してから使用を開始すればピントが合わせにくいなどの不調が生じることがあるので、早い段階から遠近両用メガネの使用を始めることをおすすめします。また、多焦点眼内レンズを手術で眼の中に挿入する事で眼外からの視覚情報を遠くと近くまたはその中間距離に振り分ける事で眼鏡を使用しなくてもある程度の見え方が得られる様にする方法もあります。

老眼では目の疲れが生じやすくなるため、目の疲れを取ることも意識しましょう。
目を温めることや、目薬を使用することで疲れを軽減することに繋がります。

老眼の予防

老眼は加齢に伴い生じるため、完全に予防することは難しいと考えられます。
しかし、少しでも進行を遅らせることや、症状を軽減させるためにも、早めから老眼予防を行っておきましょう。
老眼予防には次の方法をお試しください。

目のピントを動かすストレッチをする

目のピントを動かすストレッチをする

スマホやパソコン画面を長時間見るなど、ずっとピントを動かさないような状態が続けば目の筋肉が緊張して硬くなってしまいます。
そうすると、ピント調節しにくくなってしまい、老眼と同様な症状を引き起こしてしまいます。
長時間近くのモノを見るような場合には、途中で遠くのモノも見るようにしてピントを動かすストレッチを行うようにしましょう。
ピントを動かすようにすれば水晶体や毛様体筋も動き、老朽化することの予防に繋がります。

十分な睡眠を取る

十分な睡眠を取る

睡眠不足の状態では、目のピントを上手く合わせることができません。
日頃から十分な睡眠を取るように心掛けましょう。
質のいい睡眠を取るためには、適度な運動やリラックスすること、寝る前にスマホやパソコンを使用しないようにするなどの方法が挙げられます。
睡眠を十分に取れば、目の疲れの解消にも繋がります。

スマホ老眼も

スマホ老眼も

老眼というと中高年からの症状というイメージが多いかもしれませんが、「スマホ老眼」は10代や20代という若年層にも発症する事があり、老眼と同様のピント調節障害が起こる状態を指します。
名前の通り、スマホの画面を長時間見続けるという生活習慣が原因になっています。
スマホの画面を見続けることで毛様体筋が過剰に緊張した状態が続いて緩めることができなくなり、水晶体も厚くなったままの状態になってしまいます。
これにより、ピント調整ができなくなることで老眼と同様な症状が現れるようになります。

スマホ老眼は加齢による老眼とは異なり、回復しやすいことが特徴です。

気になることがあるなら病院へ

老眼は年を重ねれば誰にでも起こり得るものであり、最近では「スマホ老眼」も増えているので年齢に関係なく老眼は誰にでも起こると考えられます。
そのため、「まだ老眼ではないだろう」と自己判断しても、老眼が始まっている可能性があります。
老眼にも関わらず無理をすれば目に負担をかけてしまい、目だけではなく身体に不調をもたらす恐れがあります。
一方で、眼科には行かずに老眼だと自己判断し、老眼鏡をインターネットや市販などで購入する方も多いでしょう。
そうすると、自身の目に合っていない老眼鏡を使用することで、眼精疲労を引き起こす可能性があります。
また、老眼ではなく病気が隠れている恐れもあります。
老眼は誰にでも起こるものですが、適切に対処するためにも、症状が少しでもある場合には病院を受診するようにしましょう。
早期に受診することで、老眼でも快適に過ごすことができる自分に合った眼鏡やコンタクトレンズで対処することができます。

原修哉

監修者プロフィール

原 修哉

原眼科クリニック 院長

HP:https://www.haraganka.jp/

名古屋大学医学部卒業後、名古屋市の中京病院へ入局し13年勤務。その期間中に、ハイデルベルク大学(ドイツ)へ留学。
大雄会第一病院 診療部長として7年の勤務を通じて、地域の重症例、難疾患、専門性の高い疾患などの医療に携わり、白内障手術、緑内障手術、角膜移植、屈折矯正手術、結膜手術など10,000件以上執刀。
現在は、原眼科クリニックを開業し、地域住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。

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