この記事の執筆者
眼とメガネの情報室
みるラボ編集部
目次
「せっかくメガネを買ったのに、かけると鼻が痛い…」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。メガネをかける人にとって痛みや違和感があると、気になって勉強や仕事にまで影響する可能性があります。今回はメガネをかけると痛みが出る原因と対処法について解説します。
本記事を参考にして痛みから解放されて、快適なメガネライフを送りましょう。
鼻あて・鼻パッド部分が
痛い原因とは?
メガネで鼻が痛くなる原因は「鼻パッドの素材が合わない」「調整がずれている」「メガネ自体があっていない」の3つが考えられます。
それぞれの原因について詳しく解説していきます。
鼻パッドの素材が合わない
鼻パッドの素材の種類は、プラスチック、チタン、シリコンなど様々です。自分の肌質に素材が合わないと、痛みや赤み、色素沈着の原因になります。
調整がずれている
鼻パッドは非常に小さいですが、重要なパーツです。メガネの重みを小さな面で支えているため、角度の調整がずれると痛みが生じます。メガネを購入する際に、鼻パッドを調整してもらえますが、使用しているうちに鼻パッドが歪んでしまうことはよくあります。
メガネそのものが合っていない
人によって異なる顔の大きさやパーツの位置、それぞれに合わせてメガネを調整することは可能です。しかし、メガネ自体の大きさや重さなど、メガネそのものが合っていない場合は調整が難しいでしょう。
例えば、メガネフレームの長さが合っていない場合、顔より小さいフレームを選ぶと耳や鼻を圧迫し、逆に顔より大きいフレームを選ぶとメガネがずれたりスレ(擦れ)たりして、鼻あて・鼻パッド部分に痛みが生じる原因になります。
また、メガネをかけると跡が消えない場合には、メガネ自体が重すぎる可能性もあります。購入後によく起こりがちなフレームの歪みは、鼻の痛みだけではなく、ものが歪んで見えることで脳や目に負担がかかり、最悪の場合頭痛や吐き気を引き起こすこともあります。
長時間使用しないから大丈夫と思っていても、そのままの状態で使い続けると体に不調をきたす原因になります。
このような場合にはメガネの使用を早めに中止し、改めて自分に合うメガネを購入しましょう。
鼻あて・鼻パッド部分の
痛み・違和感への対処法
鼻あてや鼻パッド部分が痛む原因は前述の通りですが、その違和感に対してどのように対処すれば良いのでしょうか。5つの対処法を以下で詳しく解説していきます。
1 : メガネを調整してもらう
一番確実で安心できるのは、眼鏡店でプロにフィッティングや調整をしてもらうという方法です。自己判断で鼻あてを調整しようとすると、痛みが増したりメガネ本体を痛める可能性があります。
特に、フレームなど歪みの調整は専用の道具を使用するため、無理に直そうとすると破損して取り返しのつかないことになりかねません。
部品の破損や紛失の場合は費用が発生することもありますが、ネジやフレームの調整であれば無料で行ってくれる場合もあります。眼鏡店によって異なるため、ぜひ一度相談してみると良いでしょう。
どの部分が痛くなるのか、見えにくさがある場合はその点も、しっかり具体的に伝えることが大切です。
2 : 鼻あて・鼻パッドを交換する
メガネのつけ心地にあまり影響がないように思われる鼻パッドですが、その快適さを大きく左右する重要なパーツです。上記で解説したように、鼻パッドにはプラスチックやシリコンなど、様々な素材があります。素材が合っていないとメガネがずれやすくなったり、痛みの原因になるため、交換を検討するのも良いでしょう。
鼻パッドの素材を交換すると得られるメリットは以下の4つです。
- 自分に合う素材が見つけられる
- 清潔な状態を保てる
- グリップが良い素材にするとずれにくくなる
- 硬い素材は丈夫で長持ちする
また、鼻パッドは消耗品のため、使用していくうちに劣化したり歪みが生じてきます。
この場合も、まずは購入した眼鏡店に相談してみることがおすすめです。
( 写真提供 : 眼鏡部品メーカーのササマタ https://www.ssmt.jp/ )
3 : 軽いメガネを選ぶ
メガネを購入する際、デザインはもちろんですが、軽さも考慮して選んでみてください。
そもそも鼻パッドはメガネの重心を支える役割がありますが、鼻パッドの角度が鼻の傾斜に沿っていないと重さがすべてそこに集中し、メガネ跡や色素沈着、赤みの原因になります。
そのため、重量があるメガネでは、鼻あての部分に痛みが出やすい傾向があります。
また、鼻パッドと鼻が接する部分は凹凸しており、支えている部分も平ではありません。鼻の形状は人によって異なるため、鼻パッドの一部ではなく全面で重みを分散して支えるためにはとても繊細な調整が必要になります。
鼻パッドの他に、メガネ自体を軽くすることでメガネ跡や痛みの軽減につながることもあります。
4 : すべり止めのシールを貼る
鼻パッドがあるフレームは、調整など痛みの対処方法に選択肢があります。しかし、鼻あて部分がフレームと一体化しているメガネでは、鼻あて部分での調整が不可能なため痛みを取り除くことが難しい場合もあります。
気に入っている一体型メガネに不調はあるがどうしても使用したい場合や、気軽に対処したい場合などには、鼻あてにすべり止めシールを貼るという対処法がおすすめです。すべり止めシールを貼るだけのためとても簡単に行えますし、鼻パッドがあるタイプのメガネでも気軽に試すことができます。
貼り方や自分のメガネに対応できるシールが分からない場合は、一度眼鏡店に行き相談してみると良いでしょう。
シールの素材自体もいくつか種類があり、数百円のものから販売されているため、自分に合うものをいくつか試してから使ってください。
5 : 鼻あて・鼻パッドがないフレームを選ぶ
上記すべての方法を試しても鼻の痛みや違和感がとれない場合、鼻あてや鼻パッドがないフレームを試してみましょう。
メリットとしては、以下の6つがあげられます。
- 痛みや違和感の軽減
- 頬骨で支えるため、鼻骨への負担が少ない
- 鼻あてや鼻パッドがないため跡が残らない
- 鼻あての部分の化粧崩れも少ない
- 鼻の部分の圧迫感が軽減
- かけ外しが簡単
落ちやすいのではないかと思われがちですが「テコの原理」を利用しているため顔にフィットして、ずれ落ちも防げます。
鼻あてや鼻パッドがないフレームは、様々なメーカーから販売されており、形状や素材も異なります。さらに、調整できるフレームもあるため、実際に試着し自分に合うタイプを色々と試してみましょう。遠近両用など累進屈折力レンズを使用する際はレンズのみる位置をしっかりきめて調整する必要がありますので、鼻パッドのあるものなどフレームの調整しやすいかどうか、眼鏡店でしっかり相談をして快適なメガネフレームを選びましょう。
日頃の取り扱いにも注意が必要
メガネは使用しているうちに、歪みが生じることがあります。歪みは鼻の痛みの原因になるので、日頃の取り扱いには注意が必要です。
かけ外しは両手でおこなう
メガネを片手でかけ外ししていませんか?この動作はメガネの歪みの原因になります。メガネは必ず両手でかけ外しをするように注意しましょう。
片手でのかけ外しが習慣化している場合、利き手でのかけ外しが多いと思います。メガネのかけ外しは何度も繰り返される動作なので、毎回利き手で外しているとフレームに癖がついてしまいます。
利き手と反対の方向に斜めに歪む、フレームが開くといった歪みの原因になります。
メガネが一方向に歪むと、片方の鼻や耳だけを圧迫して痛くなってしまいます。また、目とレンズの距離にも左右差が生じ、見え方に違和感を感じたり頭痛や吐き気の原因になるので注意が必要です。
これらのことを避けるために、メガネのかけ外しは両手で行うことを習慣にしましょう。
メガネが既に歪んでいるかどうかのチェックは、メガネをテーブルなどに置いて上から確認してみてください。メガネフレームが歪んでいる場合は、眼鏡店で修理の対応が可能か聞いてみましょう。
保管はケースを使用する
メガネを他の物と一緒に保管したり、ポーチの中にそのまま入れたりしていませんか?このような扱いで、メガネが歪んでしまうことがあります。
メガネは繊細なので保管には注意が必要です。
【メガネ保管の手順】
- 折りたたむ : 左のテンプルから折りたたむように作られているメガネが多いです。
- レンズを上にして置く : レンズを下にしてしまうと傷がつく危険があります。
- ケースの中に保管する : 間違って踏んでしまったり、他の物の下敷きにならないようにしましょう。
- 暑すぎる場所には置かない : 高温になる場所に保管すると、メガネが変形することがあります。車の中には置きっぱなしにせず、直射日光は避けましょう。
お出かけの際も、メガネケースをカバンの中に用意しておきましょう。ベットサイドにもメガネ置きやケースを常備しておくことをおすすめします。
保管方法を徹底すれば、メガネを使用していない間にメガネが歪んでしまうことを回避できます。
お手入れは慎重におこなう
メガネはお手入れをして、大切に使いたいですよね。汚れは洗い流してクリアな視界を保ちましょう。お手入れの方法を間違うと歪みの原因になるので注意してください。
【メガネの洗浄方法おさらい】
- 水道水で流す : まずはメガネについている汚れを水で流す
- 中性洗剤で優しくこすり洗い : メガネ専用の洗剤を使うか、台所用中性洗剤を薄めたものでもよい
- ティッシュで水滴を拭き取る : 水滴をそのままにして乾燥させると、水垢がついてしまうので必ず拭く
【お手入れする際の注意点】
- 汚れがたまると力を入れて洗わなくてはならなくなるので、こまめに洗う
- テンプルではなく、フレームを持って洗う
- ネジの緩みなどのガタつきを発見した場合は、眼鏡店に持って行く
- メガネの乾拭きはやめる : 付着しているホコリや砂でレンズを傷つけてしまう危険がある
日頃のお手入れの際に、メガネに歪みやガタつきがないか確認してください。異常を発見した場合は、なるべく早く眼鏡店に持って行きましょう。
鼻にできたメガネ跡や
痛みの対処法
鼻にできてしまったメガネ跡や痛みの悩みは、メガネを常用する方ならつきものです。
メガネの跡や痛みの根本原因はメガネ自体の重さや鼻パッドの位置、フレーム幅が合っていないなどが考えられます。メガネの調整の他、自分でできる対処法としては、以下の3つが簡単です。
- ホットタオルで目元の血行を良くする
- 肌の乾燥を防ぎしっかり保湿する
- メガネを外す時間を作る
案外放置しがちなメガネ跡や痛みですが、そのままの状態が長く続くとメガネ跡がシミや黒ずみになることもあります。このような症状になる前に、できるだけ早く眼鏡店に相談しましょう。
鼻だけじゃない?
耳が痛い方はこちらも参考に
メガネは鼻と耳で支えて長時間使用するため、耳にも負担がかかります。鼻は問題ないが耳が痛い…と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
メガネの使用で耳が痛い原因と対策をまとめた「メガネをかけると耳が痛い原因は?解決法、メガネの調整方法についても解説」を参考にご覧ください。
メガネのレンズは一度キズがついてしまうと、直すことができないため、毎日の取り扱いには気を付けましょう。「メガネレンズの傷は自分で直せない!お店に頼んだ方が安心な理由を解説」の記事では、メガネの拭き方や保管方法を詳しく解説していますので、併せてチェックしてみましょう。
まとめ
今回は、メガネの使用で鼻が痛い原因と対処法についてご紹介しました。
目が悪い方にとってメガネは日々の生活に必要不可欠なものですが、使用していて起こる痛みの原因や対処法が分からず、我慢している人も多いのではないでしょうか。
鼻の痛みは、鼻パッドの素材の変更や調整によって解消できることが多いのですが、もし原因が分からない場合は、一度眼鏡店で相談してみましょう。
また、普段メガネの扱い方法が間違っていることでメガネが歪んで、痛みにつながっていることがあります。
本記事で紹介しているメガネの扱い方を、ぜひ参考にしてみてください。
眼鏡店で定期的なメンテナンスをして、快適なメガネライフを送りましょう。