メガネレンズ
最終更新日:2023.11.24

メガネレンズの傷は自分で直せない!お店に頼んだ方が安心な理由を解説

眼とメガネの情報室 みるラボ

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メガネレンズの傷は自分で直せない!お店に頼んだ方が安心な理由を解説

目次

メガネのレンズに傷がつくと、見え方にも影響してしまうので気になりますよね。レンズ交換はお金がかかるし、小さな傷であれば自分でなんとかできるかもしれないと考える人もいるかもしれません。
しかし、メガネレンズについた傷を自分で直すことはできません。傷が入った見えにくい状態のメガネレンズの利用は、傷の悪化や眼の健康に悪影響を及ぼしてしまう可能性があるためです。

この記事では、メガネレンズの傷について、お店でレンズ交換を頼んだ方が安心な理由から、傷をつけないようにするメンテナンス方法まで詳しく解説します。

メガネレンズに
傷ができる原因は?

プラスチックのメガネレンズは素材が柔らかいため、想像以上にデリケートで傷がつきやすいものです。普段の何気ないメガネの扱い方が、レンズを傷付ける原因になっているかもしれません。ここでは、メガネレンズに傷ができる原因とやりがちなNG例を解説します。

レンズをそのまま乾拭きする

レンズに傷がついたイメージ

メガネレンズの汚れに気付いた時、服の裾やメガネ拭きなどでそのままレンズを拭く人も多いでしょう。しかし「レンズの乾拭き」はレンズを傷つける原因となります。

メガネレンズの表面には、皮脂汚れと共に空気中のちりやほこりなどの細かい粒子が付着していることがあります。粒子が付着したままの状態でメガネ拭きなどでレンズを擦ると、粒子との摩擦でレンズに細かい傷がついてしまいます。

乾拭きする前にまず表面の細かい粒子を洗い流しましょう。

メガネを温度の高い環境に晒す

レンズのひび割れのイメージ

プラスチックレンズは購入したばかりのものでも、60℃以上の高温になると急に膨張する性質があり、コート膜にひび割れが生じる場合があります。メガネをかけたままお風呂やサウナに入ったり、夏の炎天下にメガネを車に置きっぱなしにすることは避けましょう。

日常生活でもドライヤーや炭火焼肉、バーベキューなども注意しましょう。顔が少しほてる頃には、レンズが高温になっている場合があります。

石鹸など弱酸性・アルカリ性水溶液でレンズを洗う

石鹸やシャンプー、ボディソープなど弱酸性やアルカリ性の水溶液でレンズを洗浄すると、コーティングが剥がれる原因となります。メガネレンズは水洗いもしくは中性洗剤を薄めたもので洗いましょう。汚れがひどい場合は専用のクリーナーを使用しましょう。

「メガネをかけたままお風呂に入り、体と一緒にメガネを洗う」という人もいますが、レンズへの負担が大きいため避けてください。

レンズを濡れたまま放置する

レンズに水やけがついたイメージ

レンズについた水分をそのままにしておくと、水滴に含まれる汚れ成分が乾燥して「水やけ」というシミになってしまいます。水やけは一度つくと取れないため、ゴシゴシこすって拭き取ろうとすると傷やコーティングが剥がれる原因になります。

※掲載写真はレンズの状態をご理解いただくための一例であり、ご使用条件により異なります。

レンズの傷は自分で直せる?

レンズに傷がついてしまった場合、自分で直すことはできるのでしょうか。 レンズ交換は費用もかかるため、「なんとか自分で直す方法はないか」「小さな傷なら研磨剤などで磨けば、傷が目立たなくなるのではないか」と考えている人もいるかもしれません。
しかし、結論から言うとレンズの傷を自分で直すことはできません。

レンズの傷は、レンズ自体に傷がついている場合と、表面に施されているコーティングが剥がれて傷のように見えている場合があります。いずれの場合も、一度傷がついたりコーティングが剥がれてしまったりすると修理は不可能です。
汚れであれば落とすことができますが、傷やコーティング剥がれは直せないためレンズ交換が必要です。

表面についた傷を直そうと、研磨剤入りのクリーナーや歯磨き粉などで研磨しようとする人もいるかもしれません。
しかし、レンズの研磨は、傷の悪化やレンズの劣化につながるため絶対にやめましょう。研磨した後は一見きれいになり、傷がなくなったように見えるかもしれませんが、レンズへの負担は大きく、傷んでしまいます。
ここからは、レンズや眼に対する影響とともに、自分で傷を直すことができない理由を解説します。

レンズ表面のコーティングが剥がれる

傷を直そうとレンズの表面を研磨すると、必要なコーティングも剥がれてしまいます。コーティングが剥がれると、光が乱反射してまぶしく感じたり、疲れ目の原因となることがあります。

レンズの歪みや変形が起こる

メガネレンズは精密な光学製品であり、近視遠視乱視などを矯正するために繊細な加工がされています。レンズの表面を研磨すると、表面が荒れてしまい、本来の機能を発揮できなくなります。
見えにくさに加え、度数が合わない事で眼の健康に悪影響を及ぼしてしまう可能性もあります。

レンズの傷を自分で直せない理由は構造にある?

メガネレンズの構造

メガネのプラスチックレンズは、ベースとなるプラスチック部分は柔らかい素材でできており、それを反射防止コートをはじめ、防水、汚れ防止、静電気防止、ブルーライトカットなどのコーティングが何層も重なる構造になっています。それぞれのコーティングは肉眼では見る事ができない程薄い膜でできているため、メガネやレンズを丁寧に扱わないと、レンズ表面は容易に傷ついたり、コーティングが剥がれてしまいます。
様々なコーティングが層になっていることも、コーティング剥がれの修復が困難な理由の一つです。

メガネレンズに傷ができたら
お店で交換を

メガネレンズに傷ができたらお店で交換を

ここまで説明してきた通り、メガネレンズの傷は修理することができません。傷がついたメガネはレンズの歪みやコーティング剥がれによって、視力矯正効果や本来の機能が失われている状態です。そのまま使い続けると傷が悪化するだけでなく、見えにくさや疲れ目など眼の健康に悪影響を及ぼしてしまう可能性があるため注意が必要です。

メガネのレンズに傷ができた場合は、眼鏡店に持って行ってレンズを交換してもらいましょう。近年はフレームとレンズをセットで販売することが多くなっていますが、気に入っているフレームや思い入れのあるフレームを使い続けたい場合は、レンズのみの交換も可能です。

多くの眼鏡店では、他店で購入したメガネでもレンズ交換のみに対応してくれます。
一部の特殊なフレームの場合はレンズ交換ができない場合もあるため、交換したいメガネを持参して問い合わせてみることをおすすめします。

レンズ交換にかかる時間は、レンズの種類、在庫の有無によっても異なります。通常のレンズで在庫がある場合は即日交換も可能です。店舗によって多少違いはありますが、ほとんどの場合は30分ほどで交換してもらえるでしょう。

在庫がない場合、あるいは遠近両用などの特注で手配が必要なレンズの場合は、メガネを預けるか、メガネを預けずにレンズだけを手配する場合があり、眼鏡店によって対応が異なります。メガネを預けない場合は、フレームの形状を読み取り度数を把握してレンズを発注するため、受け取り当日はレンズを加工して装着するために少し時間がかかる事があります。レンズ交換の対応や所要時間は眼鏡店によって異なりますし、使用しているメガネレンズの種類によって対応が異なりますので、詳しくは眼鏡店でご確認ください。

レンズ交換にかかる費用は、店舗やレンズの種類によって異なるため、直接お店に確認してみると良いでしょう。

また、購入後しばらくたっているメガネレンズを両方交換する場合は、ご利用中のメガネレンズの度数がご自身にとって最適な状態なのか、せっかくなので視力測定をしてチェックし、最適な度数に作り替えるなども検討しましょう。

メガネレンズを傷つけないようにするポイントとは?

レンズ交換は費用もかかってしまうため、できれば傷をつけないように使っていきたいですよね。
想像以上に傷つきやすいプラスチックレンズですが、正しい方法で扱ってお手入れをすることで、レンズを傷つけずに長持ちさせることができます。
ここでは、レンズを傷つけないようにする3つのポイントを紹介します。

メガネを外した際はケースに入れる

メガネを外した際はケースに入れる

メガネを外した際はできるだけメガネケースに入れましょう。そのままの状態でカバンに入れたり、ズボンやシャツのポケットに入れたりするとレンズに傷がついてしまいます。

また、メガネをそのまま床やテーブルなど硬い素材の上に置く場合、レンズを下にして置いて傷つけてしまう可能性もあります。

外出する時はメガネを外すことを想定して、メガネケースを持ち運ぶことをおすすめします。メガネケースがない場合はメガネ拭きや柔らかい布に包むなどして保護し、むき出しの状態にすることは避けましょう。

温度の高い場所は避ける

炎天下の車中やサウナでの眼鏡の放置は危険です!

メガネレンズのコーティングは熱に弱いという特徴があるため、メガネを温度の高い場所に放置したり、お湯で洗浄したりすることは避けてください。お風呂やサウナなどにも持ち込んではいけません。加熱によりレンズに負担がかかり、ひび割れの原因となります。

キッチンでの調理中やバーベキューなどの際にも、熱気がメガネレンズに触れてしまうため注意が必要です。夏場の炎天下の車内などにメガネを放置することも避けましょう。

メガネの正しい拭き方や扱い方を理解する

メガネの正しい拭き方や扱い方を理解する

以下はレンズの傷の大きな原因となるため避けていただきたい行動です。

  • レンズの汚れに気付いたら、すぐ服の裾で拭く
  • メガネをかけたまま入浴する
  • 手や体を洗うついでに石鹸でメガネを洗う
  • メガネを使わない時は、そのままポケットに入れる

日々の中で何気なくやっていたり、習慣化している人も多いでしょう。
レンズの傷は、このような行動の積み重ねで発生します。レンズに負担をかけていると知らずに行っている場合も多いため、まずはメガネの正しい扱い方やレンズの正しい拭き方を理解することが重要です。

メガネレンズの拭き方

ここでは、メガネレンズを傷つけないための正しい拭き方と注意点を解説します。

絶対にやってはいけないのはメガネレンズの「乾拭き」です。レンズをそのままの状態で乾拭きすると、表面に付着しているちりやほこりなどをレンズに擦りつけて傷ができてしまう可能性があります。

まずは拭く前に、メガネ全体を水で洗い流しましょう。水道水で問題ありませんが、お湯はコーティング剥がれの原因となるため避けてください。お風呂にメガネを持ち込むこともやめましょう。
水洗いした後は、ティッシュや柔らかい布で優しく水気を拭き取り、メガネ拭きで乾拭きしてください。水気が残っているとレンズに水滴の跡が残る「水やけ」ができてしまうため、注意が必要です。

メガネレンズの正しい拭き方

メガネ拭きで拭く時は、力を入れてゴシゴシ擦らないようにしましょう。強く拭き取るとレンズの傷やフレームが歪む原因にもなるため、レンズの縁を持って優しく拭きましょう。

皮脂汚れなどがひどく水洗いだけでは落ちない場合は、市販のメガネ専用クリーナーもしくは中性洗剤を薄めたものを使いましょう。家にある石鹸やボディーソープなどの使用は避けてください。これらはアルカリ性や弱酸性のため、レンズのコーティングが剥がれる可能性があります。

見落としがちな部分ですが、メガネ拭きも定期的に洗濯しましょう。使い続けていると皮脂汚れなどが溜まり、汚れを塗り広げてしまいます。
メガネ購入時に付いてくるメガネ拭きは携帯用でサイズが小さいため、ハンカチほどの大きさのメガネ拭きを一つ持っておくと拭きやすく便利です。

まとめ

メガネレンズの傷やコーティング剥がれは、レンズを水洗いせずに乾拭きしたり、お風呂やサウナなど温度の高い環境に晒されたりといったことが原因で起こります。
メガネレンズが傷むと傷や各種コーティングの剥がれによって本来の機能が失われて見えにくくなり、眼にも負担がかかってしまう可能性があります。
メガネレンズは一度傷がつくと修復不可能なため、無理に自分で直そうとせずにお店でレンズ交換してもらいましょう。

メガネレンズの傷を防ぐためには、メガネの正しい扱い方とメンテナンス方法をよく理解することが重要です。大事なメガネを傷から守って長持ちさせるため、日々のメガネの扱い方を見直してみましょう。

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