メガネ
最終更新日:2024.07.31

家用メガネを選ぶポイントとは?メリットも合わせて解説

この記事の執筆者

原 りえ

アイケアアドバイザー協会®代表 アイケアリスト

家用メガネを選ぶポイントとは?メリットも合わせて解説

目次

仕事やお出かけから自宅に帰ってきて、あなたはまず何をしますか?ほとんどの方は「手洗いとうがいをして…それから普段着に着替えます!」と答えるのではないでしょうか?つまり洋服に関しては、外出用と自宅用を使い分ける必要性をよくご存じだと思います。

ではメガネは外出用と自宅用で使い分けていますか?と聞くとほとんどの方は「いいえ」という答えが返ってくると思います。

実はメガネにも外出用と普段使い用とを使い分けるメリットがたくさんあります。今回は外用メガネと家用メガネを使い分けることのメリットをご紹介します。

家用メガネを作る
メリットとは?

自宅ではリラックスしたいので目をリラックスさせるようなメガネをかける

仕事着や外出着のまま家で過ごさないのはどうしてでしょうか?

外からの汚れを自宅に持ち込みたくないという理由もあるとは思いますが、自宅ではリラックスしたいというのが最大の理由ではないでしょうか。

メガネに関しても実は同じで、自宅で過ごす際には目をリラックスさせるようなメガネに変えることで、目の疲れを軽減することにも繋がります。

家用のメガネのメリットについて解説します。

目をリラックスした状態にすることができる

家用メガネの最大のメリットは、目に対する負担を減らすことです。

外出時や車を運転する際には遠くがはっきり見えるメガネが必要になります。その方にとって遠くが1番よく見える度数のメガネをかけている方がほとんどです。

しかし、家の中で過ごす時に、遠くがはっきりと見える必要はありません。自宅の中では、テレビを見たり家事をしたりなどせいぜい3メートル先がはっきりと見える程度でよいはずです。にもかかわらず遠くがよく見える外用の度数をかけたままで自宅で生活すると、目は疲れてしまいます。

自宅では、中距離~近距離がよく見える度数のメガネに変えることで目をリラックスさせ、目が疲れるのを防ぐことにも繋がります。

コンタクトレンズについても長時間装用していることは、目の表面に負担をかけている状態です。自宅に帰ったら、コンタクトをはずして家用のメガネに替えることをおすすめします。

外用メガネが汚れたり傷がついたりするのを防ぐ

メガネの手入れのイメージ

自宅に帰ると、家事や育児など手が汚れてしまう場面が多くあります。料理を作っている時には、油や調味料などがメガネについてしまうことも多く、そのまま放置してしまうとレンズやフレームが汚れてしまう原因にもなります。

寝ながらスマホを見たりすることもついついやってしまいがちですが、それら普段の行動がメガネのレンズに汚れがついたりフレームが曲がってしまう原因にもなります。

仕事や外出時に使っているメガネを自宅でも使用すると、メンテナンスをしていない場合は汚れなどがついて見えにくくなる可能性があります。また、フレームが歪んでしまいメガネの見え方が最適でなくなるケースや、メガネがずれやすくなり、かけ心地が悪くなることも考えられます。家用のメガネと外用のメガネを使い分けることで、外出時の快適なメガネ環境を維持できます。

手元が楽に見えるメガネに替えることで疲れ目を予防する

自宅に帰ってからの普段の生活を振り返ってみてください。あなたは何時間スマホを見ていますか?大人から子供まで、家に帰ってから手元(近距離)を見ている時間が以前に比べて圧倒的に増えています。

総務省が行った2012年と2016年の4年間でスマホの利用状況の変化を調ベた調査によると、4年間でスマホの利用時間は1.6倍に増えており、10代~20代における利用時間は顕著に長く、100分以上となっています。
それから4年以上経過している現在は、さらにどの年代においてもスマホへの依存度は上がっている事が予想されます。このことからも、スマホの利用(手元を見る時間)を考慮し、生活環境を整える時代かもしれません。

近視であろうと遠視であろうと乱視であろうと、遠くがよく見えるメガネやコンタクトレンズをつけたまま近くのものを長時間見ることは、疲れ目などの原因になります。目が疲れるのを防ぎながら長時間手元を見たい場合は、近くを見るためのメガネが必要です。

コンタクトレンズをつけている方が近距離を見る時には、コンタクトレンズをつけた状態で近くを見る専用のメガネをかけると目が疲れにくくなります。コンタクトを外せる状況なら目を休ませるために、家用の度数のメガネに付け替えるのもよいでしょう。

自宅で快適なスマホ生活を送るためにも、それぞれのスタイルにあった度数の外用のメガネやコンタクトレンズと家用のメガネをその場に応じて使い分けることが大切です。

非常時用の予備のメガネとして

非常用の予備のメガネを持っていると便利

外用のメガネが壊れてしまったり、紛失してしまった場合あなたはどうしますか?
メガネを一つしか持っていなかったら、とても困った状況になりますよね。

メガネはレンズの度数などが人それぞれ違うため、スーパーで野菜を購入するようにすぐに購入できない場合があります。レンズの在庫がない時はメガネが出来上がるまで数日かかることも多く、その間の生活がとても不便になります。

そのため非常用の予備メガネとして、外用メガネ、家用メガネと使いたい場所や見たい距離にあわせて何個か持っていると安心です。

見えづらいメガネやコンタクトレンズで過ごすリスク

特に長時間スマホやゲームをしている若年層に多く見られる「スマホ老眼」

最近では「スマホ老眼」という言葉をよく耳にするようになりました。一般的に、老眼とは加齢とともに手元が見えにくくなることで、40代以降になると症状を実感し始めます。

一方、スマホ老眼とは、スマホを長時間見てしまうことで目の筋肉がこり固まってしまい手元のピント調節がうまくいかなくなる状態で、老眼に似たような症状が起こります。近年、特に長時間スマホやゲームをしている若年層に多く見られます。

手元を見る時、目や目の周りの筋肉は頑張って手元にピントをあわせようとしています。筋肉が頑張りすぎると、なかなか元の状態にもどれなくなります。目を頑張らせないように補助するのが手元を見るメガネです。

遠くがよく見えるメガネやコンタクトをつけたまま、手元(近距離)を長時間見続けることは、スマホ老眼とまではいかなくとも、目の疲れや頭痛、疲労感の原因にもなります。そのためにも、家用のメガネをかけて目もリラックスさせてあげましょう。

家用メガネの選び方と
注目ポイント

ではどんなことに気をつけて家用メガネを選べばよいのでしょうか?
それぞれのポイントごとにご説明していきます。

①軽くて丈夫なものを選ぶ

軽くて丈夫なメガネ

人の目に触れることが多い外用のメガネは、デザインやブランドなどにこだわりをもって作られている方も多いと思います。しかし、家で使うメガネに関しては見た目よりも機能性を重視することが大切です。

デザイン重視のメガネはどうしても重たくなってしまいます。メガネが重たいと、目頭やこめかみなどに負担をかけてしまい、ストレスを感じる原因になります。長時間装用していても疲れない軽いもので、フレームも多少の衝撃や圧力に耐えられる丈夫なものがよいでしょう。

②中〜近距離が見える度数のレンズを選ぶ

家の中で普段どんな生活をしているか思い出してみてください。テレビを見ることが多ければソファーからテレビまでは何メートル離れていますか?家の中であれば遠くがよく見える必要はほとんどなく、多くの方は2~3メートルほどの圏内で生活されているのではないでしょうか?

スマホやパソコンなど手元や近距離を見ることも多いと思います。自宅で近距離作業が多い方は手元専用メガネがおすすめですが、場合によっては中近両用メガネなどその方の年齢や生活環境にあわせたメガネを使うことで目の疲れを防ぐことが可能です。

③汚れのつきにくいレンズを選ぶ

料理や洗濯、掃除などの作業を行なう自宅生活において、メガネは汚れがつきにくいものがおすすめです。
特に見え方に関わるレンズの部分は、汚れ防止コーティングや撥水加工のものなど汚れがついても落としやすいものがよいでしょう。また、最近では汚れ防止機能に加えて、抗菌機能のついたメガネレンズのコートもあります。衛生面でも気になる方は抗菌コート付のレンズの選択もよいでしょう。

厚生労働省の新型コロナウイルス感染経路に関する資料によると、人は無意識の内に1時間に平均23回も顔を触っているようです。また、目、鼻、口に触るケースが全体の44%を占めているというデータからも、それらの粘膜に触れた手でついついメガネに触っていることも考えられます。自宅でのメガネ生活はメガネが汚れたり、衛生面のことも考慮してレンズを選びましょう。

④ブルーライトカットのメガネを選ぶ

ブルーライトカットのメガネ

ブルーライトとは波長が380~500nmの青や紫色の光で、目で見える可視光線の中で最も波長が短く、目の奥に届きやすいのが特徴です。パソコンやスマホ画面、テレビから発せられます。

パソコンやスマホやテレビ画面を見て、眩しさを感じる方はブルーライトカットメガネで眩しさ対策をするとよいでしょう。

テレワークなら
顔色のよく映るものを選ぼう

テレワークイメージ

コロナの影響でオンライン会議やテレワークが急速に普及し、それと同時にオンライン会議やテレワークに適した様々なメガネが各メーカーから発売されています。

自宅にいながら仕事や会議ができることは非常に便利ですが、オンライン会議のためだけにコンタクトレンズをつけたりメイクをしたりするのは面倒ですよね。

そんな時は、オンライン映えするメガネをかけてみるのはどうでしょうか?

引き締まったフェイスラインに見せたい時は大きな枠のフレームがおすすめです。メガネの存在感が強いため、小顔効果が期待できます。また、目元まわりに視線がいきにくくクマなどがあって疲れて見えてしまう目をカバーしてくれます。

日本人女性の肌によく馴染むのはゴールドカラーのメタルフレームです。肌のくすみをカバーしてくれます。また、クリアフレームは肌なじみがよく、肌を明るく見せてくれます。女性に限らず男性もオンラインでの顔の印象は大切ですよね。

オンラインで映える自分に近づくため、お悩みポイントにあった家用メガネをぜひ見つけてみてください。

家用のおしゃれなメガネ
おすすめ3選

家用といってもデザインや形にはやっぱりこだわりたい!という方に、機能的かつおしゃれな家用メガネをご紹介します。

ボストン型

ボストン型メガネイメージ

男女問わずかけることができる上に、飽きのこないシンプルなデザインです。レンズの面積が大きめで視野が広く感じるので、中近両用など累進メガネにはぴったりです。フレームの色を黒縁タイプにすることでオンライン会議などでの小顔効果が高まります。

ボストンメガネについては、「ボストンメガネの魅力とは?似合う人や顔型は?ウェリントンとの違いも解説」の記事も参考にしてください。

フレームレス型

フレームレス型メガネイメージ

フレームがないので非常に軽くメガネフレームの重みをほとんど感じません。つけているのかつけていないのかわからないほどの軽さはメガネのストレスから解放してくれます。オンライン会議でも、違和感なく顔に馴染みます。

メタルフレーム型

メタルフレーム型イメージ

他のものに比べて若干重さを感じるかもしれませんが、メタルの光るフレームが顔色をよく見せてくれるだけでなく、上品な印象も与えます。オンラインでも、光が反射したフレームに目がいくので、目の周りのクマなど目立たず、目の周りをカバーしてくれます。

まとめ

外用メガネと家用メガネを使い分けることはメリットがたくさんあります。
見た目や機能性の面だけでなく、目への負担を減らすことにも繋がります。

現代のようなデジタル社会では昔と違って遠くがはっきり見えるよりも手元が楽に見える方がメリットが多いといえるかもしれません。メガネは使う場所と見る距離によってその状況に合うメガネを使い分けることが大切です。

ちょっとした工夫で、大切な目を守りながら疲れ目を予防し、快適なメガネライフを過ごしましょう。

参考文献

出典:厚生労働省 健康や医療相談の情報

https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kenkou-iryousoudan.html

出典:総務省 第1節 スマートフォン社会の到来

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc111120.html

執筆者プロフィール

原 りえ

アイケアアドバイザー協会®代表 アイケアリスト


保有資格

視能訓練士

視能訓練士の資格を持ち、目にお悩みをお持ちの方へ「五感」の大切さについてお伝えするアイケアアドバイザー協会®代表。
見た目にはわかりにくいために、なかなか人に理解してもらえない目の症状。視覚の専門家がお悩みを詳しくお聴きし、その方にあった目のケア方法や身体と気持ちの整え方をお伝え。
「カラーセラピー」を取り入れた「カラーアイケア」というオリジナルメソッドと、「上手な眼科のかかり方講座」「小学生にもわかる目のはなし講座」なども行う。

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