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メガネを長く使っていると、気づかないうちに鼻パッド(鼻あて)が汚れて変色したり、メガネがずれ落ちやすくなったりすることがありますよね。
そんな状態にも関わらず、鼻パッドを交換せずに放置していると、見た目が悪くなるだけでなく様々なトラブルが生じます。
では、鼻パッドはいつ、どのように交換すると良いのでしょうか。
今回はメガネを快適に使うために重要な、鼻パッドの交換のタイミングと、交換方法などを詳しく解説します。メガネの使い心地を良くするために、是非参考にしてください。
メガネの鼻あて(鼻パッド)交換が大切な理由

鼻パッド(鼻あて)は、メガネを顔に正しくフィットさせるために重要なパーツです。鼻パッドが適切に調整されていないと、メガネがずれたり、ひどい場合には痛みを感じたりすることもあります。また、正しい視力矯正ができなくなることにもつながります。
ここでは、メガネの鼻パッドが大切な理由と、その効果を十分に発揮させる正しい使い方について詳しく解説します。
1:快適さ
長時間メガネをかけていると、鼻のつけ根がへこんで赤くなる“メガネ跡”ができることがあります。
メガネ跡は、メガネの重みや鼻パッドの調整不良が原因で鼻元の皮膚が圧迫され、血行不良が起こることによって生じます。
鼻パッドでメガネを支えることができずにずれ落ちるようになると、テンプル(つる)がかかっている耳にも負担がかかります。
その場合、鼻パッドが接している鼻のつけ根だけでなく、耳の後ろまで痛くなることがあります。
さらに、鼻パッドの経年劣化が進むと変色して見た目が悪くなったり、接地面のグリップ力が弱まって滑りやすくなったり、最悪の場合は割れたりすることがあります。
破損するとメガネを正しい位置でかけることができず、痛みや不快感が生じるほか、ケガをする恐れもあるため注意が必要です。
鼻パッドは、鼻の形に合わせて調整することで、メガネの重さを分散させ、快適なかけ心地を保ちます。
メガネ使用時の痛みや不快感を最小限におさえるためには、適切な鼻パッドの使用と、定期的なメンテナンスが欠かせません。
2:衛生面
鼻パッドは直接肌に触れる部分であるため、汗や皮脂、お化粧などの汚れが最も付着しやすいパーツです。メガネのためにも、肌トラブルを避けるためにも清潔な状態を保つことが大切です。
汗や皮脂、化粧汚れなどが付着した鼻パッドには細菌が繁殖しやすく、肌荒れや炎症を引き起こす可能性があります。メガネを使用した後は、専用のメガネ拭きクロスを使用して鼻パッドまでしっかりクリーニングをしましょう。
衛生面を考慮した適切なメンテナンスを行うことで、肌トラブルを防ぐことができ、鼻パッドの劣化を遅らせることができます。劣化を感じられた場合は、肌を守るためにも眼鏡店で相談し、交換を検討してください。
3:見た目

メガネの鼻パッドは、かけ心地だけでなく見た目にも大きな影響を与えます。
鼻パッドが鼻の形にフィットしていない場合、メガネの位置が高すぎたり、ずり落ちてだらしのない印象になったりします。

また、鼻パッドに使われる金属パーツには、「緑青(ろくしょう)」という青緑色のサビが発生することがあります。
体に害はありませんが清潔感が損なわれてしまうため、鼻パッドの交換を検討すると良いでしょう。
4:機能面
鼻パッドが傷みグリップ力が低下すると、メガネがずり落ちやすくなります。メガネがずり落ちると起きるのが、レンズの中心と瞳孔の位置がずれる状態です。つまり、鼻パッドは、メガネの快適なかけ心地を保つだけではなく、機能面においても非常に重要な役割を担っています。
メガネ本来の使用目的である視力矯正において、目とレンズの距離や角度が適切でないと、処方された本来のレンズ度数の見え方よりもきつく感じられたり、少しぼやけて見えたりします。
正しく視力を矯正するためには、メガネがずれたり傾いたりしないように、適切な形状や素材の鼻パッドを選んで、鼻にしっかりフィットするように調整する必要があるのです。
また、鼻パッドが鼻の形に合っておらず、メガネがずり落ちるのを頻繁になおしていると、作業に集中できないだけでなく、視界不良からくる疲れ目や肩こりなど体の不調も起こしかねません。
より良い視力矯正効果とパフォーマンス向上のためにも、適切な鼻パッドを選び、正しく調整することが重要となります。
メガネの鼻あて(鼻パッド)の
交換タイミングはいつ?

メガネの鼻パッド(鼻あて)は、メガネを正しい位置に保つために欠かせないパーツです。
鼻パッドの素材やフィッティングが合っていない場合には、鼻のつけ根が痛くなったり、メガネがずり落ちたりといった不快な症状が生じることがあります。
一体型の鼻パッドのように、そもそもフィッティングが不可能なケースもあるため、フレーム選びの段階から注意が必要です。
鼻パッドのフィッティングに問題がない場合でも、経年劣化による変色をはじめ、本来の機能が損なわれることもあります。
メガネを快適に使用するためには、鼻パッドの定期的なフィッティングと交換が欠かせません。ここでは、鼻パッドの交換が必要である理由と、タイミングについて解説します。
鼻あて(鼻パッド)が変色してきた
通常、メガネの鼻パッドは汗や皮脂、化粧汚れや紫外線の照射、そして経年劣化が原因で変色します。
汚れが付着してすぐであれば専用のクリーナーやメガネ拭きクロスを使って落とすことができますが、鼻パッド自体が変色してしまった場合には交換するしかありません。
鼻パッドが変色したまま使用していると、周囲の人に不衛生な印象を与えかねないため注意が必要です。
また、変色しているということは鼻パッドの素材自体が劣化しているということです。メガネの使用環境や使用頻度によって異なりますが、1年から2年程度を目安に交換すると良いでしょう。
メガネがずり落ちやすくなった
鼻パッドが劣化すると、接地面のグリップ力が弱まるなどして、メガネがずり落ちやすくなります。
特にシリコン素材の鼻パッドは汚れが付着しやすく、紫外線の影響を受けやすいため、ハードタイプの鼻パッドよりも短い期間での交換が必要です。鼻パッドの透明さが損なわれてきたと感じたら交換しましょう。
また、一体型の鼻パッドの場合はそもそも調整が不可能です。
購入した店舗で鼻盛り加工を依頼するか、鼻パッドシールを使用するなどして対処してください。
鼻あて(鼻パッド)がとれた

メガネフレームに鼻パッドを留めていたネジのゆるみや素材の劣化による変形などで、パッド部分が外れてしまうことがあります。
鼻パッドがない状態ではメガネのかけ具合が不安定になるため、ずり落ちたり本来の視力矯正効果が得られなくなったりします。
また、鼻パッドがとれた状態でメガネをかけ続けると、皮膚を傷つける恐れがあり危険です。
このような場合は、すぐに眼鏡店で修理可能か相談をしましょう。
鼻あて(鼻パッド)のフィッティングが悪い
メガネを外した時に、鼻あてが当たっていた部分に赤く跡が残っていたり、痛みを感じたりする場合は、鼻パッドのフィッティングが合っていないサインです。赤い跡は、メガネの重さが鼻の小さな一点に集中してかかっていることが原因と考えられます。そのまま使い続けると、皮膚への負担が大きくなり、色素沈着を起こして跡が消えにくくなるかもしれません。
自分の鼻の形に合った素材や大きさの鼻パッドに交換し、圧力を適切に分散させると、痛みや跡を軽減できる可能性があります。
鼻あて(鼻パッド)の向きがおかしくなった
メガネを落としたりぶつけたりした衝撃で、鼻パッドや鼻パッドを支えるクリングスと呼ばれる金属の足部分が曲がってしまうことがあります。メガネ全体が傾いてしまい、見た目の印象が悪くなるだけでなく、正しい位置で物が見られなくなります。
これが原因で起こるのが、見え方の違和感や目の疲れ、頭痛などです。自分でなおそうとすると破損させてしまう危険があるため、すぐに眼鏡店へ相談し、調整や交換をしてもらいましょう。
鼻あて(鼻パッド)を交換する際は素材をチェック
メガネの鼻パッドには、様々な素材や形状のものがあり、それぞれ特徴が異なります。
ここでは以下の2つの鼻パッドについて、解説します。
かけ心地や滑りにくさ、耐久性などが違うため、ご自身の悩みやライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
シリコンパッド
シリコンパッドは、柔らかく弾力性のあるシリコン素材で作られた鼻パッドです。強みは、肌あたりの優しさとフィット感の高さにあります。素材が柔らかいため鼻への負担が少なく、メガネの跡がつきにくいのが特徴です。また、吸着性が高くグリップ力に優れているため、汗をかいても滑りにくく、メガネのずれ落ちを効果的に防いでくれます。
スポーツをする方や、プラスチックフレームで細かな調整が難しいメガネをお使いの方に特におすすめです。一方で、皮脂や化粧品の汚れが付着しやすく、素材が劣化して変色しやすいという側面もあります。そのため、3ヶ月~1年程度での定期的な交換が推奨されています。
ハードパッド
ハードパッドは、硬いプラスチック素材で作られており、標準的に採用されている鼻パッドです。最大のメリットは、耐久性の高さとメンテナンスのしやすさにあります。素材が硬質で変形しにくく、傷もつきにくいため、長期間使用することが可能です。また、表面が滑らかなため皮脂や化粧などの汚れが付着しにくく、汚れてもさっと拭き取るだけで清潔な状態を保つことができます。
ただし、シリコンに比べると滑りやすく、フィッティングが正確でないと鼻に痛みを感じる場合もあります。素材自体の劣化は少ないですが、快適な状態を保つために1~2年ごとの交換が目安です。
メガネの鼻あて(鼻パッド)に
よくあるQ&A
ここでは、メガネの鼻パッド(鼻あて)に関するよくある質問に回答します。
鼻パッドの交換方法や、鼻パッドが破損してしまった場合の対処方法を知りたい方は、参考にしてください。
1:メガネの鼻あて(鼻バッド)の交換は自分でできる?
メガネの鼻パッドは、部品や工具を購入すれば、自分で交換することが可能です。しかし、メガネフレームによって対応する鼻パットが異なるため選択が難しく、慣れない修理でレンズやフレームに傷をつけてしまう可能性があります。
また、顔にのせた際のバランス調整には経験が必要です。自分で交換し、角度や目とレンズの距離がズレてしまうと目の疲れや視力低下につながるなどのリスクがあります。眼鏡店に持参して依頼するほうが安心でしょう。
眼鏡店に持っていくメリット

眼鏡店に依頼すると、数分で鼻パッドの交換が完了します。専用の工具が揃っているため、スムーズに交換が可能です。
また、眼鏡店には様々な素材や形状、カラーの鼻パッドが用意されており、自分に合ったものを選ぶことができます。特に、お店で購入したメガネであれば、アフターサービスとして鼻パッドを無料で交換してくれる場合が多くあります。見え方を考慮しながら全体的なフィッティングが合っているかも確認してもらえるため、より快適な装用感を得ることができるでしょう。
交換後は鼻パッドの装用状態やメガネ全体のかけ心地も見てもらえる点でも眼鏡店に持っていくのがおすすめです。フレームによっては特別に取り寄せないと対応できないものや交換対応ができないものもあります。品揃え等を考えると、交換の相談として一番のおすすめは購入した眼鏡店への相談です。引っ越しや外出中で近くに無い場合は、お近くの専門店で相談をしてみましょう。
(写真提供 : 眼鏡部品メーカーのササマタ https://www.ssmt.jp/)
2:鼻あて(鼻パッド)が破損してしまった場合はどうしたらいい?

鼻パッドが破損してしまった場合、そのままの状態で眼鏡店に持っていくことをおすすめします。
パッド部分は交換することが前提のパーツであるため、購入したお店であれば対応できるパーツを取り揃えているケースも多いので、まずは購入したお店に相談しましょう。
パッドを支える足の部分(クリングス)が曲がっている場合も、程度によりますがその場で修復が可能なケースが多いです。完全に折れてしまっている場合は、有償で修理に1週間以上かかったり、修理不可能なケースもあります。
いずれにせよ自分で修理しようとすると状態が悪化する恐れがあるため、素人判断で手は加えず、そのまま眼鏡店に持ち込むようにした方が良いでしょう。
まとめ
今回は、メガネの鼻パッド(鼻あて)の交換の必要性やタイミング、交換方法について詳しく解説しました。
鼻パッドを正しいタイミングで交換することで、メガネの快適なかけ心地を保てるだけでなく、目の負担も軽減することができます。
パッドの交換は自分でもできますが、眼鏡店に持ち込んでフィッティングなどもあわせて行うようにすると安心です。
メガネの鼻パッドの交換について悩んでいる方は、この記事を参考にして快適なメガネ生活を送ってくださいね。
