目次
老眼になっても老眼鏡の生活は嫌だと考えている方は多いのではないでしょうか?老眼鏡以外に、老眼でも装用が可能なコンタクトレンズがあります。実はコンタクトレンズには年齢制限がないため、高齢になってからのコンタクトレンズデビューも可能です。
今回は、コンタクトレンズを中心に老眼の矯正方法をご紹介します。
コンタクトレンズは
何歳まで使用できる?
コンタクトレンズの使用には、子供への使用制限はありますが、大人の使用には年齢制限がありません。そのため、老眼になってからコンタクトレンズを始めることも問題ありません。
しかし、多くの人は加齢に伴い、コンタクトレンズをやめて、老眼鏡などのメガネに切りかえることが多いようです。
それには、以下のような加齢と共にコンタクトレンズの使用が難しくなる理由が関連しています。
角膜内皮細胞の減少
角膜内皮細胞とは角膜の一番内側にある細胞です。 呼吸や代謝の役割をしており、角膜の透明性を保つはたらきをしています。
角膜内皮細胞は、眼の手術や長期間のコンタクトレンズ装用、また加齢により、角膜が酸素不足になり細胞が死滅し、徐々に減少することが分かっています。一度失われた角膜内皮細胞は再生しません。
角膜内皮細胞が減少することは、角膜の透明性が失われるため、見えにくさや視力の低下につながる可能性があります。また、将来白内障の手術が受けられないなどのリスクがあります。
涙の分泌量の低下によるドライアイ
涙の分泌量が低下するとドライアイになります。ドライアイが悪化すると角膜障害となり、充血や痛み、眩しく見えるなどの症状が現れます。加齢によって涙の分泌量が減少し、涙の質が変化し、ドライアイが進行することがあります。
このように、年齢が上がるにつれ、コンタクトレンズの使用が難しくなる方も出てきます。しかし、目の健康維持を続けていれば、コンタクトレンズを長く使うことも可能です。
コンタクトレンズを
やめる理由・きっかけ
使用には年齢制限はないとはいえ、様々な理由でやめる方も多いでしょう。理由として多い5つをご紹介します。
アレルギー性結膜炎など慢性眼疾患になる
コンタクトレンズへのアレルギーや、ケア不足による細菌感染などが理由で眼の病気になってしまうことがあります。目ヤニ、充血、痒み、異物感の症状がある時は、眼科への受診が必要です。
原因がコンタクトレンズの使用であるうえに、点眼のためにコンタクトレンズを外さなければいけなくなると、コンタクトレンズをやめる選択をする方もいます。
ドライアイが進んでしまう
加齢による涙の分泌量の減少や、涙の質の変化でドライアイが進んでしまうと、コンタクトレンズの装用が難しくなります。若年層でも、パソコンやスマホを見る際にまばたきが少ないことで目が乾いている状態になっていたり、涙の質が低下したりすることで、ドライアイ症状を訴える方は多いです。涙の量が少ない状態が続くと、視力低下や痛み、角膜上皮剥離になるおそれもあるため注意が必要となります。
老眼になった
老眼では、目の筋肉の衰えによりピント調節がうまくできなくなるために、遠近両方が見えにくくなります。
そのため、近視または遠視のみを矯正する単焦点レンズを装用している方は老眼の症状には対応できず、コンタクトレンズの度数が合わなくなったと感じるようになります。その結果、コンタクトレンズから老眼鏡に変える方もいるようです。
白内障
白内障は、眼球にある水晶体が加齢が原因で白く濁り見えづらくなる病気です。加齢が原因であるゆえに高齢者の大半が発症し、日常生活に支障をきたすこともあります。
白内障を完治させるには、薬ではなく手術が必要です。水晶体の濁りをとる際に装着する人工レンズにより視力や老眼が回復し、コンタクトレンズが必要なくなることもあります。
細かい作業がしづらくなった
年齢を重ねるにつれて、指先の細かい作業がしづらくなる方が多くなります。コンタクトレンズの装用やケアは、毎日細かい作業の連続です。指先の動作に支障が出ると、装用時には直接目に傷をつけてしまったり、レンズのケアができずに目の病気の原因になってしまう可能性があります。目の健康と作業の負担により、メガネに変える方が多いようです。
40代~60代からコンタクトレンズデビューする理由は?
一方で、高齢になってから老眼をきっかけに、コンタクトレンズデビューをしたという方もいます。その理由を一部ご紹介します。
- 老眼鏡のかけ外しや、メガネを探す手間がない
- 趣味の時間を楽しむようになり、旅行や料理、運動などあらゆるシーンでメガネより便利
- 近くが良く見えるため化粧が続けられる、アイメイクがやりやすい
裸眼や老眼鏡をかけている時よりも、より自然な状態で日常を楽しめるとして、コンタクトレンズが人気のようです。
女性は若い時から続けている化粧を続けたくても、近くが見えないためにアイメイクなどの細かい作業ができず思い通りのおしゃれができなくなることがあります。その際にコンタクトは活躍できるでしょう。
高齢になってからの
矯正方法は?
高齢になり老眼が始まってきてからの矯正には、2つの方法があります。遠近両用のコンタクトレンズの使用と、遠近両用メガネや老眼鏡といったメガネと併用する方法です。それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
① 遠近両用コンタクトレンズ
一つのレンズに遠用度数と近用度数の部分が分かれているコンタクトレンズです。ソフトレンズの場合には、2つの度数の間に、中間移行部というものがあり、遠近の切り替えを違和感なくできるようにしています。
メリットは、メガネよりもより自然な状態で物を見ることができ、歪みや揺れがない点です。デメリットは、遠くの鮮明度が少し落ちる点と、乱視には不向きである点です。さらに、遠近両用に慣れるまでの時間が必要な方もいます。
② 遠近両用メガネや老眼鏡を併用する
ずっとコンタクトレンズを装用していた方は、老眼の程度も軽く今後も同じコンタクトレンズの使用を希望するかもしれません。その際には、見えづらい時のみ遠近両用メガネや老眼鏡と併用も可能です。
必要時だけの使用であるため、今までと変わらぬ生活ができるメリットがあります。デメリットは、度数次第や老眼の程度により併用しても見えづらい場合があることです。老眼が進行してメガネをかけても見えにくい場合は、メガネレンズの度数を交換するなど対応が必要となります。
不安な場合は
早めに眼科へ相談を
老眼は誰もが避けて通れない加齢現象です。老眼になっているのに、老眼の程度に合ったメガネやコンタクトレンズを使用しないと、無理に物を見ようとして目に負担がかかります。
老眼以外にも、高齢になるにつれて目の病気になるリスクは高くなります。コンタクトレンズ使用の有無に関わらず、目の健康を維持するのは健康寿命を延ばすことにつながります。
まとめ
今回はコンタクトレンズは何歳まで使用ができるか、コンタクトレンズと老眼鏡のメリット・デメリットを紹介しました。
コンタクトレンズの使用には年齢制限がなく、老眼が始まってからコンタクトレンズデビューも可能であり、老眼に悩む方の解決策の一つになるでしょう。しかし、コンタクトレンズの使用を継続するには、目の健康維持が重要なポイントです。目の不調を感じたら、早めに眼科を受診することをおすすめします。
また、目の健康維持のためにメガネとの併用時間を増やしたり、快適な見え具合を重視する場合にはメガネへ変更するなど、ご自身に合った対策をとって快適な生活を送ってください。