目の悩み
最終更新日:2024.01.31

紫外線とは?基礎知識や日焼け止めの使い方・選び方、紫外線対策グッズなどを紹介!

この記事の監修者

山口 征大

内科医

紫外線とは?基礎知識や日焼け止めの使い方・選び方、紫外線対策グッズなどを紹介!

目次

紫外線は一年を通して降り注いでおり、肌や髪の毛、目にまでダメージを与えます。UV(ultraviolet:紫外線)について何となく知っているだけで、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。

紫外線には種類があり、私たちの体に影響を与えるのは「UVA」「UVB」です。日焼け止め成分に表記されており、選ぶ際の判断基準になります。また、紫外線の量は季節や場所によって異なるため、状況に適した対策が必要です。

この記事では、日焼け止めの選び方や塗り方、目の日焼けを防ぐ方法についても詳しくご紹介します。これからしっかり紫外線対策をしようと考えている方は、是非参考にしてください。

紫外線とは?

太陽光の波長の違いによる分類の図

紫外線とは太陽の光の一種です。太陽の光には「紫外線」「可視光線」「赤外線」の3つがあります。7色ある可視光線の紫側よりも外側にある光線が紫外線と呼ばれるものです。

紫外線は波長の長さ(単位:nm)が違う「UVA」「UVB」「UVC」の3つに分類されます。

  • UVA:400nm~315nm
  • UVB:315nm~280nm
  • UVC:280nm~200nm

UVCは地上には到達しません。紫外線対策をしなければならないのは「UVA」と「UVB」です。

UVAとは

紫外線の種類によるの肌に与える影響

UVAは地上に届く紫外線の9割を占めているといわれています。生活紫外線といわれており、波長が長く照射量が多いのが特徴です。

エネルギーが弱いため、一見すると影響が少ないように思うかもしれません。しかしUVAは透過率が非常に高く、雲や窓ガラスも通り抜けてしまいます。曇りの日や室内などでも影響を受けやすい紫外線なのです。

紫外線による肌老化は「光老化」とも呼ばれ、皮膚の表面を通り越して真皮層にまで届くため、シミやしわなどを引き起こします。光老化は、肌表面に赤みや炎症などの症状が出ないため、知らないうちに蓄積した紫外線が皮膚がんの原因になることもあります。

UVBとは

UVBは波長が短い紫外線です。オゾン層に吸収されやすく、地上に届く紫外線の1割ほどしかありません。ただしUVAと比べてエネルギーが強く、短時間浴びただけでも肌表皮にダメージを受けます。

海や山などのレジャーで太陽光を浴びると肌が赤くなるのはUVBの影響です。このように、紫外線にあたった後に現れる、赤くなる日焼けを「サンバーン(sunburn)」といいます。

日焼けによる炎症だけなく、メラニンの生成を活性化してシミやそばかすを引き起こします。あまり強く日焼けをすると、表皮細胞やDNAを傷つける可能性もあるため注意が必要です。

日焼けタイプについて

紫外線を浴びた後の症状の現われ方は人によって異なります。日焼けのタイプは3つに分類されます。

  • すぐ赤くなるが黒くならない
  • 赤くなったあとにいつも黒くなる
  • あまり赤くならずに急激に黒くなる

「すぐ赤くなるが黒くならない」タイプの方は色白で黒くなりにくいのですが、紫外線の影響を受けやすいといわれています。日本人に一番多いのは「赤くなったあとにいつも黒くなる」タイプのようです。

タイプ1

すぐ赤くなるが黒くならないタイプの肌の色の変化イメージ

日本人の比率 : 約17〜18%

タイプ2

赤くなったあとにいつも黒くなるタイプの肌の色の変化イメージ

日本人の比率 : 約60〜70%

タイプ3

あまり赤くならずに急激に黒くなるタイプの肌の色の変化イメージ

日本人の比率 : 約13〜14%

《状況別》紫外線量

紫外線量とは紫外線の強さに時間をかけたものです。紫外線量は季節や天候などによって変動するため、知っておくと日焼け対策を万全に行うことができます。ここでは、紫外線量が多い時期や場所などについて解説します。

1:季節

紫外線量はオゾン層と大きく関係しており、太陽高度やオゾン量などで変化します。日本では夏至の頃が、太陽高度が高く(太陽が最も近づいている状態)なります。紫外線が大気層を通過する距離が短いため、紫外線が強く降り注ぐのです。

反対に冬至の頃は、大気層を通過する距離が長く紫外線は弱まります。特にオゾン層に吸収されるUVBは、冬は少なく暑い夏に多く降り注ぐのが特徴です。しかし、UVAはオゾン層を通り抜けます。冬でも夏の半分以上降り注いでいるため、一年を通して影響を受けやすくなります。

2:時間帯

一日の中で紫外線量が多い時間帯は10時〜14時です。特にこの時間帯は、紫外線対策をしっかり行う必要があります。ただし日中だけでなく、紫外線量が少なくなる朝や夕方も注意しなければなりません。紫外線から肌を守るには、一日を通して紫外線対策をすることが大切です。

3:天候

紫外線は雲によってある程度遮断されるため、雨の日や曇りの日は紫外線量が減少します。晴れた日と比べて、雨の日は30%程度、曇りの日は60%程度です。しかし、薄曇りだと80%以上紫外線が透過します。雲の状態は変わりやすいので、曇りの日だからといって安心はできません。

4:場所

場所による紫外線の違いの図

紫外線量は場所によっても異なります。基本的に赤道に近くなると増えるため、南に行くほど紫外線が強くなると思って良いでしょう。また、高地になると紫外線量が約10〜12%増えるといわれています。

紫外線は地面の状態によって反射率が異なり、砂浜では約25%、新雪では約80%と非常に高いです。さらに水の中では水深50cmで40%の紫外線が透過します。紫外線量が多い場所に行く時は、いつもより入念に紫外線対策を行うよう心掛けましょう。

「紫外線環境保険マニュアル2020」(環境省)(https://www.env.go.jp/content/900410650.pdf)を加工して作成

日焼け止めの正しい使い方は?

日焼け止めは、テクスチャーのタイプや使用する箇所によって塗り方にポイントがあります。ここでは、日焼け止めのタイプ別に効果的な塗り方をご紹介します。

ジェル・クリーム・ミルクタイプ

  • 顔に使用する
日焼け止めを顔に使用する際の置く位置

まずスキンケアで肌を整えます。その後、適量(パール1個分くらい)を両頬、額、鼻、あごに置きます。
顔の内側から外側に向けてムラにならないように伸ばします。
※日差しの強い時は、重ね塗りすると効果的です。

  • 体に使用する
日焼け止めを腕や足に塗る際のイメージ

容器を良く振ります。足や腕はムラになりやすいため、肌の上に線状にのせます。
腕は、つけ根から手首に向かって大きく円を描くようにムラなく伸ばします。
足は広範囲になりますが、ムラにならないように全体に伸ばします。
※特に肘や膝の裏側は塗り残しができないように注意しましょう。

シェイキング(振るタイプ)

  • 顔に使用する

必ず容器をしっかり振ってから使用します。適量をとり、顔の内側から外側に向けてムラにならないように伸ばします。
※日差しの強い時は、重ね塗りすると効果的です。

  • 体に使用する
日焼け止めを腕や足に塗る際のイメージ

容器を良く振ります。足や腕はムラになりやすいため、肌の上に線状にのせます。
腕は、つけ根から手首に向かって大きく円を描くようにムラなく伸ばします。
足は広範囲になりますが、ムラにならないように全体に伸ばします。
※特に肘や膝の裏側は塗り残しができないように注意しましょう。

スプレータイプ

  • 顔に使用する

必ず容器をしっかり振ってから使用します。
手のひらに少量を出し、顔全体にムラなくなじませます。
※スプレーは、他のタイプよりも薄づきになりやすいため、重ね塗りをおすすめします。

  • 体に使用する
日焼け止めを腕や足に塗る際のイメージ

容器をしっかり振ってから肌にスプレーします。その後、手のひらで大きく円を描くようにムラなく伸ばします。

忘れがちな部分

フェイスライン、耳の後ろなど、忘れやすい箇所にも日焼け止めを忘れずに塗りましょう

顔周りでは、眉間や髪の生えぎわ、小鼻の脇、フェイスライン、耳の後ろなど、忘れやすい箇所にも日焼け止めを忘れずに塗りましょう。体でうっかり日焼けしてしまうのが足の甲や膝の裏です。また襟元があいた服装の時は、デコルテや背中も塗り忘れないように注意しましょう。

塗りなおす場合のコツは?

日焼け止めは2〜3時間ごとに塗りなおすのが効果的です。特にスポーツをした後や、汗をかいた時は塗りなおす必要があります。その際は、しっかり水気を拭いてから塗りなおしましょう。

またメイクをしている時に何もしないで重ね塗りをすると、メイクが崩れてしまいます。必ず、汗や皮脂をティッシュなどで押さえてから行いましょう。

心強いウォータープルーフタイプ。落とし方は?

ウォータープルーフタイプの日焼け止めは、汗や水に強く肌への密着力があります。汗をかくスポーツやレジャーなどにおすすめです。その分、きちんと落とさないと肌トラブルの原因になります。

メイクをしている場合は、クレンジングを使ってこすらないようにやさしくマッサージし洗い流します。その後で洗顔料をしっかり泡立て、丁寧に洗ってください。

メイクをしていない場合、日焼け止めに「お湯で落とせる」などの記載があるものを使用しているなら、記載内容に従って落とすことをおすすめします。

体の場合も、クレンジングで丁寧に洗い流します。もし日焼け止めが落ちているか気になる方は、ミルクやクリームタイプのクレンジングなどを使用すると良いでしょう。

日焼け止めの選び方

日焼け止めには多くの種類があり、UVカット効果や成分、テクスチャーなどが異なります。紫外線から肌を守るには、使用するシーンに合ったタイプを選ぶことが大切です。ここからは、SPFやPAの数値の見方や日焼け止めの成分などについて解説していきます。

1:SPF

SPFの種類一覧

SPFとは「Sun Protection Factor」の略で、UVBの防止効果を表すものです。SPF2〜50、50以上は50+と表示され、数字が大きいほど防止効果が高くなります。

紫外線の影響を受けないということではありません。あくまで、日焼けを遅らせる効果の数値です。SPF1=約20分ですので、SPF20の場合は約6時間日焼けを遅らせられるという計算になります。

ちょっとした外出や散歩といった日常生活では、SPF20〜30くらいが安心です。日差しの強い時間帯の外出やレジャー、スポーツなどには、SPF50以上を使用すると良いでしょう。

2:PA

PAとは「Protection Grade UVA」の略です。こちらはUVAの防止効果を表しています。PA+からPA++++の4段階で表示され、PAの後ろの「+」が多いほど防止効果が高くなります。

日焼け止めを選ぶ際は、SPFと同様にPAの値をチェックしましょう。選び方の目安は下記になります。一般的にSPFの数値が高いと、PAの値も高いものが多いです。

  • PA+~PA++:日常生活
  • PA++~+++:軽いスポーツ
  • PA++++:日差しの強い場所

となります。

3:紫外線防御成分

日焼け止めの成分は、大きく分けて「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類あり、日焼け止めにはどちらも含まれているタイプと単体のタイプがあります。

紫外線吸収剤は、吸収した紫外線を熱や赤外線などのエネルギーに変換させて放出することで、紫外線が肌に届くのを防ぎます。高いUV防止効果が必要なシーンでの使用におすすめです。

一方で紫外線散乱剤は、紫外線を反射・散乱させることで肌への侵入を防ぎます。ノンケミカルとも呼ばれ肌に優しいのが特徴です。敏感肌の方は、紫外線散乱剤を選ぶと良いでしょう。 以下にそれぞれの特徴についてまとめます。

紫外線吸収剤(ケミカル)

  • 主な成分 : メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸
  • メリット : きしみ感がない、透明で白浮きしない、べたつかない、高いUV防止効果が期待できる
  • デメリット : こまめに塗りなおす必要がある、肌への負担が大きい、血中に取り込まれる

紫外線散乱剤(ノンケミカル)

  • 主な成分 : 酸化チタン、酸化亜鉛
  • メリット : 肌への負担が少ない、赤ちゃんも使える、長時間の持続効果が期待できる
  • デメリット : 白浮きしやすい、べたつきがある、汗に弱い

4:肌感・落ちにくさなど

日焼け止めを選ぶ際には紫外線防止効果や肌のタイプ、使用感など、自身に合ったタイプの日焼け止めを選びましょう。
日焼け止め化粧品の種類をご紹介します。

紫外線吸収剤フリータイプ

ケミカル紫外線吸収剤を使用していません。敏感肌の方や肌への刺激が少ないタイプが好みの方におすすめです。

ウォータープルーフタイプ

耐水性に優れており、水や汗で落ちにくい日焼け止めです。汗をかきやすい方や海水浴、プールなど、夏のレジャーでの使用に向いています。ただし、ウォータープルーフタイプは石鹸や洗顔料では落ちにくいため、クレンジングが必要です。

日中用乳液

日焼け止め入り乳液は、朝のメイク時短をしたい方におすすめです。一つでUVケアと保湿ができます。朝の化粧下地として活躍するアイテムです。

美白効果のあるタイプ

美白効果のある成分が入っている日焼け止めです。紫外線から肌を守ると同時に、メラニンの生成を抑えて、シミやそばかすを防ぎます。日中でも美白ケアをしたい方に向いています。

《季節別》紫外線対策のポイント

紫外線は一年を通して降り注いでおり、時期によって紫外線量が異なります。季節によって「汗をかきやすい」「乾燥しやすい」など肌の状態が変わるため、春夏秋冬それぞれに適した紫外線対策をすることが大切です。

日最大UVインデックス(解析値)の年間推移グラフ

春は夏のような強い日差しではないため、うっかり日焼け止めを忘れてしまうという方もいるかもしれません。しかし、紫外線量は3月から増え始め、5月頃には夏と変わらないレベルにまで達します。

また春は季節の変わり目ということもあり、寒暖の差が激しく肌のバランスが乱れやすくなります。特に花粉症やPM2.5などの影響を受けやすく、肌が敏感になりやすい時期です。日焼け止めをおとすためのクレンジングや洗顔料は、肌に負担をかけずに落とせるものを選ぶと良いでしょう。

「日最大UVインデックス(解析値)の年間推移グラフ」(気象庁)(https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/link_uvindex_month54.html)を加工して作成

夏の海のイメージ

夏は紫外線量が最も多くなる季節です。夏のレジャーでは、海に入ったり汗をかいたりする機会が増えます。そういったシーンでは、ウォータープルーフタイプの日焼け止めがおすすめです。特に屋外では日差しが強いため、紫外線防止効果の高いものを選びましょう。

夏の肌は汗をかくことが多いため、乾燥しやすくなります。保湿をしっかり行うことで肌トラブルのリスクを低くすることができます。また夏の間は、美白効果のある化粧品を使うと日焼け予防に効果的です。

夏に比べて秋の紫外線量は減少しますが、油断は禁物です。特にUVAは変動量が少ないため、秋でもしっかり降り注いでいます。

秋の肌は、夏の強い紫外線やエアコンなどの影響でダメージを受けている状態です。ダメージを受けた肌はバリア機能が低下しているため、紫外線を浴びると肌荒れや乾燥の原因となります。低刺激で保湿成分が多い日焼け止めを選びましょう。

行楽シーズンでもある秋は、出かけることも多くなる季節です。長時間外で過ごす時はしっかり紫外線対策することをおすすめします。

冬のゲレンデのイメージ

冬は一年の中で紫外線量が最も少ない季節ですが、秋と同じくUVAに注意が必要です。またスキーなど雪山に行く場合は、紫外線の反射による日焼けから肌を守らなくてはいけません。雪面では紫外線の反射率が高いため、SPFやPAの値の高い日焼け止めがおすすめです。

特に冬は気温と湿度が低下するため、肌が非常に乾燥しやすくなります。保湿効果の高い日焼け止めを選ぶことが大切です。

乾燥がひどい場合は、スキンケアに保湿クリームを加えると保湿効果がアップします。べたつきが苦手な方は、さらっとしているタイプを選ぶと良いでしょう。

日焼けしてしまった場合の
アフターケアの方法

日焼け防止の帽子と保冷剤

毎日のUVケアを完璧に行うのは大変です。「朝うっかり日焼け止めを塗るのを忘れてしまった」「日焼け止めを塗りなおす余裕がなかった」という方もいるでしょう。

もし日焼けをしてしまった時は、なるべく早く冷やすことが大切です。濡れたタオルに保冷剤をくるみ、日焼けした部分にあてます。次にほてりや赤みが落ち着いたら、保湿効果の高い化粧水で水分を補給します。その際は、肌に刺激を与えないようにコットンに化粧水を含ませ、やさしく押し当ててください。

体の場合は、低刺激のボディローションやミルクタイプのものがおすすめです。また、しっかり水を飲んで体の内側からも水分補給するよう心掛けましょう。

日焼け止め以外に
効果的な対策はある?

外出時は日傘とサングラスを使用して対策

紫外線を防ぐには日焼け止め以外にも効果的な方法があります。例えば、紫外線量の多い10時〜14時の時間帯に外出を避けるのも一つの方法です。しかし、仕事やランチなどで外出しなければいけないことも多いでしょう。

そういった場合は、帽子や日傘などを使用するのがおすすめです。日焼け止めと併用することで、紫外線をカットする効果が高まります。

最近では、素材や色、デザインが豊富にあるため、自分の服装に合ったものや好みのアイテムを選ぶことができます。また夏場のカーディガンやアームカバーの着用は、腕や手の甲の日焼け防止に効果的です。

目の日焼けが引き起こすリスク

紫外線は目にも影響を与えることをご存じでしょうか。「目の日焼け」と呼ばれ、目から入った紫外線は肌の日焼けや目の病気につながります。

肌の日焼けを引き起こすリスク

目の日焼けが、肌の日焼けにつながるのは脳が関係しています。目から入った光は脳に伝達されるため、紫外線が目に入ってくると脳は「強い光が入ってきた」と判断するのです。

すると脳が紫外線から肌を守ろうと、メラニンを作るよう指令を出します。つまり、肌が日焼けした時と同じようなことが目の日焼けでも起こるのです。

目のケアは気にしていないという方が多いかもしれませんが、日焼けを防ぐには、肌だけでなく目のUVケアもする必要があります。

白内障を引き起こすリスク

目から入った紫外線は角膜や水晶体にダメージを与えます。ドライアイや充血、角膜炎や翼状片など、様々な病気を引き起こすため注意が必要です。特に紫外線のダメージを長く受けると、白内障になる可能性があります。白内障とは、水晶体が白く濁った状態のことです。

白内障は細胞内のタンパク質が酸化することで発症します。通常は加齢による老化現象で起こる病気ですが、紫外線は水晶体の活性酸素を促すため白内障の進行を早めてしまう可能性があるのです。

目の日焼けの対策方法

ここからは目の日焼けを効果的に防ぐ方法についてご紹介します。

紫外線カットのメガネレンズやサングラス、カラーレンズで紫外線を防ぐ

紫外線カットのメガネレンズやサングラス、カラーレンズ

目の日焼け対策や眩さ対策として効果的なのが、紫外線カット機能がついたレンズや色をいれたカラーレンズ、サングラスなどです。

サングラスを購入する際は、紫外線カット率99%もしくは紫外線透過率1.0以下のものを選びましょう。サングラスのように色がついたレンズをかけるのに抵抗のある方は、眼鏡店では透明のレンズで紫外線カット機能がついているものも販売されています。また、最近ではカラーレンズの人気に伴い、豊富なカラーバリエーションが揃っており、ほのかな色で違和感なくかけられるカラーレンズもありますので、是非眼鏡店で相談してみましょう。

サングラスはレンズの色が濃いため紫外線をカットするように見えますが、レンズの色と紫外線カット率は関係ありません。そのため、市販の既製品のサングラスを購入する際は、しっかりと紫外線がカットされるレンズかどうか表示を確認しましょう。紫外線透過率は1.0以下の表示だと、紫外線を99%カットできるといわれています。また、濃い色のサングラスはおすすめできません。色が濃いと周りが見えにくく瞳孔が開くため、紫外線が目に入りやすくなります。

調光レンズのイメージ

また、カラーレンズには「調光レンズ」や「偏光レンズ」などがあり、使用するシーンに適したレンズを選ぶのがおすすめです。調光レンズは紫外線に反応して色が変化するタイプ、偏光レンズは光の乱反射を抑えるタイプになります。

帽子や日傘を活用して紫外線を防ぐ

帽子や日傘を活用して紫外線を防ぐ

すでにご紹介しましたが、目を紫外線から防ぐにも帽子や日傘を活用すると良いでしょう。どちらも、紫外線を吸収する黒やネイビーといった濃い色だと紫外線対策に効果的です。

特につばの広い帽子であれば、紫外線からしっかり目を守ってくれます。遮光率100%や紫外線遮蔽率99.9%のものを選ぶのがおすすめです。暑い時期には、接触冷感素材を使用しているものを選べば、ひんやりと快適に過ごせます。

日傘は面積が広いため、時間によって変わる太陽の角度からもしっかり目を守ることができます。折り畳みタイプならコンパクトに持ち運びできて便利です。

紫外線対策に有効な栄養を摂取する

紫外線対策に有効な成分は「亜鉛」「ミネラル」「ビタミンC・E」などです。肉類や緑黄色野菜、海藻などはミネラルやビタミンが豊富に含まれています。ビタミンCやEは紫外線による肌の老化を防ぎ、シミやそばかすをできにくくするのに効果的です。

また、目を守るために重要な栄養素が「ルテイン」です。水晶体や網膜に多く含まれており、有害な光、紫外線やブルーライトなどから目を保護する働きをしています。ルテインは体内で生成されないため、食事から摂取するしか方法がありません。

ルテインが多く含まれる食物は「ほうれん草」「小松菜」「ニンジン」「ケール」「ブロッコリー」などです。紫外線のダメージから目を守るために、これらの緑黄色野菜を毎日少しずつ摂取することを心掛けましょう。

まとめ

紫外線対策といっても、季節や場所、時間によって対処方法が異なります。今回は、紫外線の種類や日焼け止めの選び方、目の日焼けなどについてもご紹介しました。

顔や体の紫外線対策はしているけれど、目には気をつけていなかったという方もいるのではないでしょうか。目は知らないうちに紫外線の影響を受けているのです。

紫外線対策は、体の外側だけでなく内側からすることも大切です。日焼け止めや帽子、サングラスなどを正しく使用して、自身の大切な肌や目の健康をしっかり守りましょう。

参考文献

出典:国土交通省 気象庁「太陽高度と紫外線」

https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/3-71uvindex_mini.html

出典:紫外線環境保健マニュアル2008

https://www.env.go.jp/chemi/uv/uv_pdf/full.pdf

監修者プロフィール

山口 征大

内科医


保有資格

ジュビダームビスタ 認定医 / ジュビダームビスタ バイクロス認定医 / ボトックスビスタ 認定医 / 日本医師会認定産業医 / 厚生労働省指定 オンライン診療研修 修了 / 厚生労働省指定 緊急避妊薬の処方にかかるオンライン診療研修 修了

国立岡山大学医学部を卒業後、内科・救急医療へ臨床医として従事。その後、A.T.Kearney株式会社にて経営コンサルタントとして、製薬企業や医療機器メーカーのマーケティングを数多く支援。

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