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眼科で目薬を処方されると、1日に複数回点眼が必要だったり、2種類以上の目薬を点眼することもありますよね。忘れずに、効率よく目薬を差すために、正しく簡単な方法をご紹介します。
この記事では、正しい目薬の差し方、あまり知られていない点眼の裏ワザ、2種類の目薬を差す方法、子供に目薬を差す方法などを詳しく解説します。
目薬の正しい点眼方法
正しい点眼の方法を手順とあわせて注意点や工夫、マメ知識とともに紹介します。
1.手を洗う
点眼前には必ず手洗いをセットにしましょう。
注意点
目の周囲に目やにや汚れがある場合は点眼前に取り除きましょう。女性はアイメイクをしていることがあると思います。化粧の前に点眼を済ませる方が無難でしょう。
工夫
例えば、朝は洗顔後、夜は入浴後というように毎日の中で必ず行う作業と点眼をセットにすると差し忘れや、二度手間を防ぐことができます。
2.点眼する
片方の手の人差し指で下のまぶたを引っ張り、もう片方の手で点眼することが基本です。
注意点
点眼薬を清潔に保つために、指の先や、点眼薬の先が目や涙に触れないようにします。
工夫
点眼薬を持つ方の手が安定しないと差しにくいので、まぶたを下げている方の手の甲の上に点眼薬を持っている方の手を少し置いてみると安定します。まぶたを下げる方の手をグーの形にしてみるとさらに安定感が増す可能性もあります。色々なやり方を試して、自分に合った方法を見つけましょう。
3.静かに目を閉じる
ギュッと目を閉じたり、瞬きはなるべくせず静かに目を閉じます。点眼薬が目からこぼれ落ちる場合はティッシュなどで余分を拭き取ります。
注意点
パチパチと瞬きすると目薬が流れやすくなります。
工夫
点眼は手洗いとセットなので、洗面所に目薬とティッシュを置いておくのがおすすめです。
4.目を閉じたまま目頭を押さえる
これを行うことにより、目薬が下の涙点から鼻へ流れるのを防ぐことができます。
注意点
時間は1分以上行うとより効果的ですが、毎日複数回の点眼で毎回数分じっとしていられないという場合はあまり神経質になり過ぎなくて大丈夫です。まずは毎日の点眼回数を守ることを優先した方が良いでしょう。目薬の成分は一滴で十分に行き渡るようになっていますので安心してください。また、2種類以上点眼する場合はこの後に行います。
工夫
目を閉じて1分以上眼頭を抑えている間に、今日や次の日の予定を頭で確認すると効率的です。また、瞑想(めいそう)は頭がスッキリするのでおススメです。
以上が正しい点眼の手順に加えた注意点と工夫です。大切なことは継続して点眼が出来るように自分なりに工夫することです。正しい点眼方法にこだわり過ぎて、点眼を継続できなくては意味がありません。
自分に合ったタイミングや方法で毎日のルーティンの中に上手に点眼の時間を加え、できるだけストレスがないようにしましょう。
誤った点眼例
当然と思って行っていた点眼の動作が、間違いの可能性もあります。ここで確認して、誤った点眼の方法を改めましょう。
例1.点眼薬の先を目に直接つけて点眼している
この方法で点眼すると、点眼薬の中まで目や涙の成分が移行してしまい、点眼薬の中で雑菌などが繁殖してしまう可能性があります。目や涙の中には皮膚の上と同様に目に見えない雑菌や空気中に存在する汚れなどが付着しています。点眼薬の先やキャップを開けた部分にはなるべく触れないようにしましょう。
例2.こぼれてしまった点眼薬を顔を横にして目の中に入れている
この方法で点眼薬を目に入れた時に考えられることは、皮膚に付着している汚れが一緒に目の中に入ってしまうことです。もったいないと考えるかもしれませんが、目の中に入らなかった点眼薬はティッシュなどで拭き取り目に入れないようにする方が無難です。
例3.古い点眼薬を使っている
点眼薬は水分によって出来ている薬です。水は生ものと同じでいつまでも新鮮なわけではありません。開封後からどれくらいの期間で新しい点眼薬に交換する必要があるのか記載されていたり、医師や薬剤師から説明がありますので、きちんと確認して期間が過ぎていれば破棄して新しい物と交換しましょう。
例4.点眼をした後に瞬きをしている
瞬きには涙を新しい涙に交換する作用があります。この効果によって点眼薬も一緒に目の中にある穴の中へ流れ出やすくなります。忙しい毎日の中で点眼後に目を閉じて目頭を押さえる時間がない方もおられると思いますが、点眼後にあえてパチパチと瞬きすることはやめて、瞬きの回数を減らしてみてください。
例5.点眼する際に一滴以上、点眼している
点眼薬の効果は一滴で十分に行き渡るように作られています。また、目の中に収まるであろう点眼薬の量は一滴でも十分以上だとされていますので、一滴以上点眼する必要は全くありません。
このように知らなければ特に問題視せずにおこなっている点眼の動作があったかもしれません。点眼薬の効果を高めるためにも、これらのことに注意して正しく点眼しましょう。
子供に点眼する時は
子供は自分で目薬を差せない場合があります。その場合は他の人が差してあげましょう。
その際の注意点は以下の通りです。
- 点眼する人、される人両方とも手を洗う
- 点眼薬の先が誤って目に当たらないようにする
- たとえ兄弟や家族であっても点眼薬の共有はしない
言葉が分からない幼児に点眼する際、嫌がって暴れることがあるかもしれません。その際は以下のことを試してみてください。
- 膝の上に仰向けに寝かせて点眼する
- 寝ている間に目を開けて点眼する
- 一度眼頭のくぼみに点眼薬を落とし、顔の向きで目の中に入るようにする
子供の点眼の場合、目の中に点眼薬を入れることを最優先にしなければなりません。通常であればNGですが、一度眼頭へ落とす以外に方法がないことも考えられます。医師に確認の上、その方法をとっても良いかもしれません。
また、泣いてしまうと目薬も一緒に目の外へ出てしまうので、なるべく泣かさないようにする必要があります。目薬の種類によっては目がしみる種類の物もあるので、一度嫌がるとそのたびに大暴れで嫌がることもあります。
子供に点眼を行う場合は色々と大変ですが、目薬は目の直接的な治療に欠かせません。諦めずになんとかして点眼するようにしましょう。
気になることがあるなら病院へ
点眼の方法や目薬自体の管理について気になることがある場合や、目に違和感がある場合は眼科をなるべく早く受診するようにしましょう。
大変なことになってしまう前に受診することで重症化や症状の悪化を防ぐことができます。また、点眼の方法についてのアドバイスがもらえたり、点眼薬の種類や点眼回数の変更が可能な場合もあります。
気になることは放置せず、小さなことでも気軽に相談できるかかりつけの眼科を見つけておくことは、とても重要なことと言えるでしょう。ぜひ眼科で医師やスタッフに相談してみてください。