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日常生活の中で、目の奥に痛みを感じたことはありませんか?
目の奥が痛む原因としては、ストレスや目の病気など様々な要因が考えられます。なかには、すぐに治療が必要な重大な病気が隠れていることもあるため、目の奥に痛みがある時には、必要に応じて病院を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
本記事では、目の奥が痛む原因となる病気やストレスとの関係性、また対処法について詳しく解説します。
目の奥が痛いのは
ストレスが原因?
ストレスによって目の周りの筋肉が緊張すると、目の奥に痛みを感じることがあります。
また、片頭痛の症状の一つとして、目の奥に痛みが生じることもあります。片頭痛が起こるきっかけとして特に多いとされているのがストレスです。ストレスによって偏頭痛が生じると、目の奥に痛みを感じることがあり、目の奥の痛みとストレスは深く関係していることが分かります。
目の奥の痛みとともに
出やすい症状
目の奥に痛みがある時、そのほかの様々な症状と一緒に現れることがあります。これらの症状をよく観察することで、痛みの原因となっている病気を探るのに役立ちます。
ここからは、目の奥の痛みに伴う起こりやすい代表的な症状について解説します。あてはまる症状がないか確認しておきましょう。
目の充血
目の充血は、目の血流が悪くなることで毛細血管が広がり、目が赤く見える現象です。
目の奥の痛みとともに目が充血している場合、目の感染症など医療機関での治療が必要な病気が隠れている可能性もあります。なるべく早めに受診しましょう。
眩しさを感じる
目が光に対して過敏になると、いつも以上に強い眩しさを感じることがあります。目の奥の痛みと同時に眩しさを感じる場合、目の疲労が蓄積し、眼精疲労が起こっている可能性があります。症状が続く場合は、受診を検討してください。
ショボショボする
目の奥の痛みと同時に、目がショボショボする場合は、パソコンやスマートフォンの長時間使用などが原因で涙の分泌量が減少し、目が乾燥することで起こりやすい症状です。該当する症状がみられた際には、目を休ませることで痛みを緩和できる場合があります。
色覚異常
色が見えにくくなる、色の識別が難しくなるなどの「色覚異常」が目の奥の痛みと同時に生じている場合、特に注意が必要です。
色覚異常は、視神経や網膜など色覚を感知・伝達する器官に異常がある場合に起こりやすく、視神経炎などの重大な病気が隠れている可能性もあります。早期の診断と治療が重要なため、なるべく早く受診しましょう。
頭痛
目の奥の痛みは、頭痛を伴うこともよくあります。頭痛の中でも特に「片頭痛」や「群発頭痛」の場合、目の症状が出やすいとされています。目の症状に加えて頭痛の症状がみられる時は、必要に応じて内科や脳神経科の受診を検討しましょう。
目の奥が痛い場合に
考えられる病気とは?
続いては、目の奥が痛む場合に考えられる病気をご紹介します。
これらの中には、視力低下などの後遺症を残さないために、早期発見や早期治療が不可欠な病気も複数あります。疑われる症状がある時は、早めに医師の診察を受けましょう。
眼精疲労
眼精疲労は、長時間の読書やパソコン作業などによって目が疲れ、休息や睡眠をとっても回復しない状態のことを指します。眼精疲労の状態に陥ると、目のかすみや痛み、充血、ショボショボ感、眩しさを感じやすいなどの目の症状が起こり、頭痛や肩こり、吐き気といった全身の症状が出てくる場合もあります。
急性緑内障発作
急性緑内障発作は、急激な眼圧の上昇によって、強い目の痛みや吐き気、頭痛、視力低下などの症状が出る病気です。病状の進行が速く一晩で失明に至ってしまうこともあるため、治療は緊急を要します。当てはまる症状がある場合は、すぐに受診し適切な治療を受けましょう。
角膜上皮障害
角膜上皮障害は、コンタクトレンズの不適切使用や目の外傷などが原因で、目の表面にある「角膜」が損傷したり炎症を起こしている状態です。
目の表面の痛みとして感じることが多いものの、人によっては目の奥の方の痛みとして感じる場合もあります。
眼内異物飛入
目にゴミなどの異物が入ると、異物が目を刺激することで痛みを生じます。異物が目の内部にまで入り込んでしまうと、細菌感染のリスクが高まるため、異物が入った場合は人工涙液や洗眼薬を使って速やかに取り除きましょう。自分でとれない場合は眼科を受診し、医師の処置を受けるようにしてください。
視神経炎
視神経炎は、目からの情報を脳へ伝える「視神経」に炎症が起こった状態です。
多発性硬化症という病気の合併症として起こるケースが多い病気ですが、ウイルス感染や糖尿病などが原因で生じることもあります。
視神経炎を発症すると、目の痛みや急激な視力低下、色覚異常、視野の中心が暗くなるなどの症状がみられます。視力低下は短時間で進行するため、早期発見と早期治療が大切です。疑われる症状がある場合は、すぐに受診しましょう。
逆さまつ毛
逆さまつ毛とは、まつ毛が内側に向かって生えている状態です。
逆さまつ毛の状態が続くと、まつ毛が目の表面を刺激し、目の損傷や痛みを引き起こします。このような症状が出ている場合は眼科での処置が必要になるため、早めに眼科を受診してください。
感染性眼内炎
感染性眼内炎は、細菌やウイルスが目の内部に感染し、炎症を起こした状態です。目の奥の痛みだけでなく、目の充血や目やに、飛蚊症などの症状を伴います。特に、細菌性の場合は重症化するリスクが高く、最悪の場合には失明に至るケースもあります。
眼窩蜂窩織炎
眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)は、眼球が入っているくぼみ(眼窩:がんか)の中にある組織に細菌が感染し、炎症を起こしている状態です。
外傷や副鼻腔炎(蓄膿症)、虫歯などをきっかけに発症することが多く、強い目の痛みや充血、視力低下といった目の症状に加え、発熱や吐き気といった全身の症状もみられるのが特徴です。
市販の目薬などで眼窩蜂窩織炎は対応できず、抗菌薬での治療が必要な病気です。疑われる症状がある時は、すぐに眼科を受診しましょう。
目以外の病気
副鼻腔炎(蓄膿症)や片頭痛、群発頭痛など、目以外の病気が原因で目の奥に痛みを感じることがあります。
また、突然起こる強烈な痛みや意識障害、吐き気・嘔吐、体の麻痺などの症状が伴う場合には、くも膜下出血や脳梗塞も疑われます。これらの症状が伴う時には、すぐに救急車を呼んでください。
目の奥が痛い場合の対処法
ここからは、目の奥が痛む場合の対処法をご紹介します。
ストレスや眼精疲労などが原因で一時的に痛みが生じている場合、目や体を休めることで痛みを緩和できることがあります。
ただし、これらの対処法を行っても効果がない場合、何らかの病気が原因で痛みが生じている可能性もあります。痛みが続く場合には早めの受診を検討してください。
目や体を休める
目の奥が痛む時は、まず目や体を休めることが大切です。目の奥の痛みの主な原因は目や体の疲労とされており、疲労回復とともに痛みが解消していく場合がほとんどです。
目の疲労を回復させるために、長時間のパソコン・スマートフォン作業や読書は避け、目を閉じてリラックスする時間を設けましょう。また、普段よりも多めの睡眠をとり、体の疲労を回復させることも大切です。
目や体を温める
目の上にホットタオルを置いて温めることで、血行が良くなるとともに目の周りの筋肉をほぐし、痛みの緩和が期待できます。ホットタオルは、濡らして絞ったタオルを電子レンジで1分程度温めることで準備できます。火傷には注意しながら試してみましょう。
また、ぬるめのお湯でゆっくり入浴して体全体を温めたり、マッサージをするのも効果的です。全身の血行が良くなることで、目の疲れも緩和されます。
まとめ
目の奥が痛む原因としては、ストレスや目の病気など様々な要因が考えられます。目の奥の痛みに伴って、充血や眩しさ、頭痛といったほかの症状がみられる場合も多く、これらの症状は痛みの原因となっている病気を探るのに役立ちます。
ストレスや眼精疲労などが原因で一時的に痛みが出ている場合は、日常生活での目のケアを怠らず、適度な休息と対処法を取り入れるのが効果的です。
ただし、症状が続く場合や重症化する場合は、急性緑内障発作や視神経炎、感染性眼内炎などの重大な病気が隠れていることがあります。早期に医師の診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。