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目やにが多いのが気になることはありませんか?目やにの量が急に多くなると、何かの病気ではないかと不安になる方も多いかもしれません。
目の細胞の新陳代謝によって生じる少量の目やにであれば特に問題はありませんが、目やにに加えて目の痒みや充血、かすみ目などの症状が見られる場合は、目に病気や炎症が起きている可能性もあるため、適切に対処することが重要です。
本記事では、目やにが出る原因や仕組み、日常生活で気をつけることについてご紹介しています。目やにが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目やにが出る原因・仕組み
目やには、その発生原因や仕組みによって、気にしなくても良い生理現象のものと、治療が必要なものに分類できます。
まずは、目やにが出る原因や仕組みについて確認しておきましょう。
目を清潔に保つ生理現象
目やには本来、目の新陳代謝によって排出される老廃物で、目を清潔に保つ役割を果たしています。目の新陳代謝によって排出される目やには、主に古くなった細胞が新しい細胞に入れ替わる過程で生じます。
特に目の表面を覆う角膜上皮では細胞のターンオーバーが頻繁に行われ、剥がれ落ちた古い細胞が目やにとして排出されます。
寝起きなどに目元についた少量の目やにの多くは、生理現象によって起こるものなので病気ではありません。
目の免疫反応
目やには、目の免疫反応が原因の可能性もあります。
目にウイルスや細菌、花粉などの異物が侵入して炎症が起こると、免疫反応を起こして、体はそれらの異物を排除しようとします。この免疫反応の結果として生じた目やにの中には、白血球や細菌、ウイルスなどが含まれています。
目やにが多くなる原因
通常よりも目やにが多い状態は、目に何らかの異常が起きているサインかもしれません。
目やにが多くなる原因としては、以下のようなものが考えられます。
目の刺激や傷
コンタクトレンズやまつ毛、異物などが原因で目に刺激や傷が生じると、目やにが多くなることがあります。
これは、コンタクトレンズそのものやレンズに付着している汚れ、逆さまつ毛、異物(ゴミ・ホコリ・抜けたまつ毛など)によって目が刺激されたり、傷つけられたりすることで起こります。
涙が排出されていない
目やには起きている間、涙と一緒に目頭にある涙点から目の外に排出されます。
瞬きをしない就寝中や、目や鼻の病気によって涙の排出が滞ると、目やにが多くなることがあります。
この場合、目やにが多くなるだけでなく、目から涙が溢れてくる「涙目」の症状を伴うこともあるのが特徴です。
目の感染症
細菌やウイルスが原因で「結膜炎」や「ものもらい」などの感染症にかかると、目やにが多くなることがあります。これは、目の中にある細菌やウイルスを取り除こうと免疫反応が起こった結果です。
特に結膜炎は、細菌やウイルス、アレルギーといった様々な原因で起こり、その原因によって目やにの色や量などが異なるのが特徴です。
眼科に相談すべき目やにの症状
続いては、目やにの状態がどのようになっていたら医師に相談すべきなのかを確認しておきましょう。次のような症状がある時には、自己判断せず医師の診察を受けることが大切です。
目やにがいつもと違う
目やにの状態や量が通常時と明らかに違う場合は、目に何らかの異常や病気が生じている可能性があります。
通常時と比べて、
- 量が多い
- ネバネバしている
- 違う色をしている
- 片目だけ状態が違う
などの異変がある時は、早めに眼科で診察を受け、原因に応じた適切な治療を受けましょう。
細菌に感染している場合は膿のような黄色の目やに、アレルギー反応が起こっている場合は水っぽいサラサラした目やに、ウイルスへ感染している場合はネバネバした白っぽい目やにが出ることが多いとされます。しかし、一般の人が目やにの状態だけで原因を判別することは困難です。
目やに以外の症状がある
目やにに加えて、目の痒みや充血、かすみ目などの症状がある場合は、アレルギー性結膜炎やものもらいといった目の病気が隠れている可能性があります。病気の種類によっては目やにを介して他人に感染することもあるため、注意が必要です。
悪化すると視力低下などの深刻な症状につながることもあるため、違和感のある場合は自己判断せず、早めに眼科医の診察を受けることをおすすめします。
目やにが多い時の対処法
目やにが多いと感じた時、受診するまでの間は次のような対処法で症状の悪化や家族などへの感染を防ぎましょう。
異物を取り除く
目に入った異物が原因で目やにが出ている場合、自分でできる範囲で異物を取り除きましょう。原因となっている異物を取り除くことで、症状の悪化を防ぐことができるかもしれません。
ただし、異物が目の奥の方にある時に自分で無理矢理取ろうとすると、目を傷つけてしまう恐れがあります。この場合は、早めに受診して医師に処置を任せましょう。
目やにを取り除く
細菌やウイルスが原因で目やにが多くなっている場合、片目から両目へと感染が広がらないようにするためにも、できる範囲で目やにを取り除きましょう。
目やにを取り除く時は、目に触れないように注意し、目の周りについた目やにを清潔なティッシュなどでぬぐい取りましょう。
目をぬぐった後のティッシュには、細菌やウイルスがついている可能性があります。家族などへの感染を防ぐためにも、ビニール袋などに入れて密封してから捨てましょう。
目やにが多い時に
日常生活で気をつけること
目やにが多い時は、日常生活にも工夫が必要です。次のようなことに気をつけながら、医師の指示に従って治療することが大切です。
目を休ませる
目の痒みや充血、かすみ目などの不快感がある時は角膜に傷がある可能性があるため、これ以上角膜を傷つけないようにすることが大切です。
パソコンやスマートフォンを使用する際には、目の疲れを軽減するためにこまめな休憩を入れましょう。
他人にうつさないよう気をつける
ウイルス性結膜炎など感染力が強い病気の場合、同居する家族などに感染する可能性があります。タオルなど、ウイルスが付着しているかもしれない物の共有は避けましょう。
ウイルスの種類によって症状や潜伏期間が異なるため、学校や職場を休む必要がある場合もあります。感染を広げないためにも、早めに眼科を受診して、原因を特定することが重要です。
まとめ
目やにが多い時の原因や対処法について解説しました。
目やには、新陳代謝によって自然に生じるものと、目の病気や炎症によって生じるものに分けられ、新陳代謝によって生じる少量の目やにであれば特に問題はありません。しかし、いつもと違う異常を感じた場合には自己判断せず、医師の診察を受けることが大切です。
診察を受けるまでの間は、なるべく目を休め、目やにを清潔に拭き取ることで感染の拡大を防ぎ、目の健康を守りましょう。