遠近両用レンズ
公開日:2022.09.29 / 最終更新日:2022.10.07

遠近両用メガネで運転しても大丈夫?法律と実用性の両方の観点から解説

眼とメガネの情報室 みるラボ

この記事の執筆者

眼とメガネの情報室
みるラボ編集部

遠近両用メガネで運転しても大丈夫?法律と実用性の両方の観点から解説

目次

車を運転することが多い方にとって、遠近両用メガネを作る前に「運転は大丈夫かな」と不安に思うこともあるでしょう。遠近両用メガネはとても便利ですが、扱い方を間違えると危険なことにもなりかねません。

安全に運転するための注意点や、快適に使うためのポイントを理解すれば、遠近両用メガネはとても実用的に使うことができます。
遠近両用メガネを購入する前に、本記事で扱い方のコツを確認しておきましょう。

遠近両用メガネはなぜ便利なのか?必要性や特徴について

遠近両用メガネイメージ

遠近両用メガネは、遠く用・近く用のメガネのかけ外しが面倒な人や若々しく見られたい人にとって、とても便利です。

遠近両用は1枚のレンズに、遠くから近くまでの度数が段階的に入っており、メガネをかけ外さなくても見え方に困りません。

老眼鏡は近くを見る時だけ使うので「年を取っているイメージ」がありますが、遠近両用メガネであれば「老眼っぽさ」が分かりにくく、若々しく見えます。

遠近両用メガネが1本あれば生活全般に対応できるので重宝するでしょう。当サイトの『遠近両用メガネのデメリット・メリットとは?購入時の選び方の注意点や運転への影響も解説!』も併せてご覧ください。

遠近両用メガネでの運転や
免許更新は法律上問題なし

遠近両用メガネで運転免許を取得すること、免許更新をすることは、法律上特に問題はありません。
道路交通法第23条には、運転の適性試験について「視力」「色覚」「深視力」「聴力」「運動能力」の5つが定められています。

視力は、万国式視力表にて、矯正視力を含む視力検査で0.7(免許の種類によっては0.8)以上あればよく、矯正視力の方法について細かな規定はありません。
裸眼、遠く用メガネ、遠近両用メガネ、コンタクトレンズなどなんでも可能で、合格基準の視力を満たしていれば大丈夫です。

ただし遠近両用メガネは、次に紹介する運転時のデメリットには気をつけてください。

遠近両用メガネでの運転は危険?
メリットとデメリット

遠近両用メガネでの運転は、視力が出ていれば法律上の問題はありませんが、扱い方のコツをマスターしないと危険を感じることもあるので注意しましょう。

普通のメガネと比べて遠くを見るための視野が狭く、左右の視界に歪みも出てくるため、視野の範囲の理解と視線の動かし方に慣れる必要があります。
遠近両用メガネのメリットとデメリットを紹介します。

メリット① 遠方からメーターまで見える

遠近両用メガネでの運転のメリット

遠く用メガネだと遠方の標識はよく見えても、手元のカーナビやメーターが見えにくいことがあります。

遠近両用メガネでは遠くから手元まで、奥行きのある視界を保てるので、どちらかがぼやけて見えないということはありません。

メリット② 手元を見るときにかけ外しの手間がない

遠近両用メガネであれば、信号待ち中にスマートフォンを見るときに、いちいち遠く用メガネを外したり老眼鏡をかけたりする必要がなくなります。
ほんの数秒の違いが安全性にも関係するので、メガネのかけ外しの手間がないのは大変便利です。

デメリット① 視界が狭くなる

遠近両用メガネは遠方から近方までの度数が詰め込まれているので、それぞれの視野が狭くなります。運転に必要な遠方の視野は、普通のメガネよりしっかり見える範囲が狭いので、同じ感覚で運転すると少々危険です。

デメリット② 視線と顔の動きに慣れが必要

遠近両用メガネでの運転のデメリット

遠近両用のレンズの左右には、設計上ものがぼやけて歪む部分があり、運転中その範囲に入った視界はよく見えなくなります。そのため、常にレンズの正面でものを見るクセをつけ、左右のサイドミラーや後方を見る時は顔ごと動かしてください。

遠近両用メガネで運転する場合は、見え方の違いや
運転時間に注意

遠近両用メガネは使い慣れていても、目が疲れやすくなります。運転はただでさえ全神経を集中して行うものですが、遠近両用メガネを使用していると、視野の狭さに気を使い、視界の揺れにも適応していかなければならないからです。

レンズの側方に生じる歪みは、高機能な遠近両用レンズであってもゼロにはなりません。運転する際、人は視線を常に動かして視界のあらゆる安全を確認しているものですが、遠近両用レンズではその自由度に制限が生じます。

歪み部分に見たい情報が入ってしまうと、標識や看板がぼやけてしまい、把握できなくなります。頭でそれをわかっているからこそ、普通のメガネで運転するよりさらに神経をとがらせてハンドルを握ることになり、目や頭が疲れやすくなってしまうのです。

運転用遠近両用メガネの選び方

運転用の遠近両用メガネは次の3つをポイントに注目して選びましょう。

レンズの縦幅30mmのフレームにする

レンズをはめ込む枠の縦幅は30mm以上のフレームを選ぶ

運転用の遠近両用メガネの使いやすさ、使いにくさは、選ぶフレームによって決まると言っても過言ではありません。

遠くから近くまでの度数をしっかり確保するためには、フレームのフロント部分、レンズをはめ込む枠の縦幅は30mm以上が望ましいです。

30mm以上あれば近方の見え方を十分維持できますが、30mm未満だとレンズの選び方によっては遠方か近方、どちらかの視界を削って加工しなければならない可能性もあります。

運転時に快適な視力を確保するためには、なるべく縦幅の広いフレームを選びましょう。もし縦幅の狭いフレームが欲しければ、次に紹介するポイントを参考にしてください。

累進帯の長さで選ぶ

累進帯のイメージ

運転用の遠近両用メガネで視界の広さを確保するためには、累進帯の長さが短すぎない方がよいでしょう。累進帯とは遠用部から近用部までの、段階的に度数が変わる部分の距離のことです。

累進帯の長さはメーカーやレンズ設計によって異なりますが、多いのは11mm~16mmあたりで、長いほどゆっくりと、短いほど急激に度数が変わります。

注意したいのは、累進帯が長いと歪みは緩やかになるものの範囲が広がり、短いと歪みの範囲は狭いものの強く感じやすいという点です。
累進帯の長さによって見え方の特徴が変わるため、運転時の遠近両用メガネでは、選んだフレーム形状との相性を見ながらレンズを選択していくとよいでしょう。

歪みの少ない設計のレンズにする

運転時の遠近両用メガネで最も重視したいのが、どれだけ歪みを減らし、ハッキリした視界を広く保てるかという点です。

最近はレンズの設計技術が上がり、従来より歪みの少ない遠近両用レンズが多く登場してきました。
メーカーごとに違いはありますが、遠近両用レンズは外面累進設計、内面累進設計、両面設計、高機能カスタムメイドという順にグレードアップし、はっきり見える範囲が増えていきます。

性能が上がるほど運転に向いたレンズと言えますが、その分価格も上がるので、予算との折り合いを考えましょう。ただし、まだ40代~50代前半で遠用から近用までの度数(加入度)が低ければ、そこまで高価なレンズにしなくても強い歪みは感じにくいと考えられます。

また、レンズメーカーによっては、中間から手元を見やすくした「中近重視タイプの遠近両用レンズ」なども販売されています。
通常の遠近よりも遠くがはっきり見える領域を調整し、中間、近方のゆとりを作った設計です。カーナビの見やすさを重視したい方などは選択肢の一つとして中近重視タイプを検討してみるのもよいでしょう。遠近両用レンズの中近重視タイプもご自身の度数によって利用しやすさも変わりますので、お近くの眼鏡店で相談してから検討しましょう。

遠近両用コンタクトレンズも
検討する価値あり

遠近両用コンタクトレンズの図

コンタクトレンズにも遠近両用があるので、人によっては遠近両用コンタクトも選択肢の一つです。遠近両用コンタクトはフレームがないため視界が広く、メガネをかけるわずらわしさがないのがメリットです。

デメリットは、遠近両用メガネとまったく構造が違うため遠くも近くも鮮明には見えないこと、暗くなると見えづらさが増すため夜間の運転には向かないことなどがあります。

遠くをよく見えるように度数を設定すると、近くの見え方を諦めなければならないこともあり、使う人を選ぶコンタクトレンズだと言えるでしょう。

遠近両用メガネで
快適に過ごすコツをご紹介

遠近両用メガネを長く快適に使うためには、なるべく曲がらないように扱い、こまめにフィッティングをすることが大切です。

かけ外しは両手で行う

メガネのかけ外しは両手で行う

遠近両用メガネは必ず両手でかけ外しを行いましょう。遠近両用のレンズはどんなに高性能であっても、目の高さがぴったり合い、傾きなどがない状態でないと快適には使えません。

特に片手でメガネを外す癖がつくと、利き手側のツルの部分が緩みやすく、フレームの傾きや偏ったツルの開きにつながり、見えにくさや歪みを感じやすくなってしまいます。

片方だけツルが開きやすいことに気づいたら、片手で外す癖があるかもしれないと、ご自身の行動を思い起こしてみてください。自分で直そうとすると折れる可能性もあるので、フレームの開きは必ず眼鏡店で調整してもらいましょう。

フレームの緩みに気をつける

フレームの緩みに気をつける

フレームが緩んでずり落ちてしまうと、遠近両用の本来の役割が果たせなくなってしまうため、注意が必要です。

多いのが日常的な使用で緩んでいくとフレームがずり落ち、近用部分がかなり下に移動してしまうことです。近くが見えにくくなるため「老眼が進んだのかな?」と思いがちですが、眼鏡店でフィッティングを直してもらうだけで見え方が元通りになります。

逆に自分で調整してしまいフレームが持ち上がると、手元は見やすくても遠くが見えにくいという状態になってしまいます。

2本のメガネを使い分ける

遠近両用メガネとは別に、もう1本のメガネを併用するとさらに快適になることがあります。遠近両用は視界のすべての範囲をカバーできますが、その反面、それぞれの視野が狭いのが難点です。 レンズのサイズやレンズの性能にもよりますが、特に長時間近くを集中して見続けることにはあまり向いていません。 「せっかく遠近両用メガネを買ったのに」と思われるかもしれませんが、パソコン作業が長い場合は、遠近両用以外に室内用の中近、あるいはお手元用の近近などを併用するとよいでしょう。

まとめ

今回は遠近両用メガネの実用性や運転時の注意点、快適な生活を送るための扱い方について解説しました。

免許更新には遠近両用メガネでも問題ありませんが、運転時は視線の移動に注意が必要です。また、フレームの緩みなどで見え方が変わりやすいため、取り扱いに気をつけて、こまめにフィッティングをしてもらいましょう。

遠近両用メガネはなかなか慣れにくい人もいますが、うまく使いこなせればとても便利なアイテムになります。購入の際にはぜひ参考にしてください。

眼とメガネの情報室 みるラボでは多種多様なレンズから、シチュエーションに合わせた選び方や、似合うフレームの探し方などを詳しく紹介しています。
遠近両用メガネだけでなく、運転時に便利なサングラスの選び方やメガネの作り方の完全ガイドなどもありますので、ぜひ一度ご覧ください。

眼とメガネの情報室 みるラボ

この記事の執筆者

眼とメガネの情報室
みるラボ編集部

目に関するの様々な悩みについての情報や解決策を発信しています。あなたの「見る」ことに対しての不安や疑問の解決のお手伝いをさせていただきます。

おすすめコラムRECOMMENDED COLUMN

人気コラムランキングRANKING

その他遠近両用レンズコラムOTHER COLUMN

目次を
見る
閉じる