この記事の執筆者
眼とメガネの情報室
みるラボ編集部
目次
メガネをかけたことがない人にとって、メガネを作る必要が出てきたときに、何をどう行動すればいいか見当もつかないことがあるでしょう。
現在、メガネは眼科や眼鏡店、またはオンラインショップでも作製できるようになりましたが、それぞれどんな違いがあるのか分からない方も多いはずです。
本記事では、メガネの作り方の違いやフレームやレンズの選び方を詳しく解説します。
メガネを作る方法
メガネは、眼鏡店で作製、眼科を通して作製、またはオンラインショップで作製するという3つの購入方法があります。
【パターン①】眼鏡店で作製
眼鏡店では、レンズ度数の決定から仕上がり後のフィッティングまで、一連のメガネ作りの工程がワンストップで完了します。
眼鏡店のランクは、1万円以下でできる廉価店、中価格帯のチェーン店、高価格帯のセレクト・ブランド店の3つに分けられます。
廉価店は価格重視で購入したい人向けです。時間をかけた接客や視力測定より、メガネの安さを求めている人に向いています。金額的にもリーズナブルなので、中には複数購入したり、メガネをファッションアイテムの一つとして気軽に購入しようという方も多いです。
中価格帯の店舗は、以前は普通価格帯のチェーン店として展開していた店舗が多く、スタッフは新人からベテランまで揃っています。メガネの装用が初めてで見え方の相談をしたい方から、老眼などの相談まで気軽に話せる眼鏡店と言えます。地域密着型の店舗が多いので、メガネのかけ心地の相談や使い方の相談などアフターフォローで定期的に来店相談しやすいのが特長です。
高価格帯の店舗は、扱っているフレーム、レンズ、スタッフの技術に自信やこだわりを持っている店舗も多く、全体的に質が高いのが特長です。個性的なメガネフレームの品揃えが豊富な店舗も多く、メガネの見え方とデザイン(ファッション性や自分に合ったメガネなど)にこだわりをお持ちの方が多く来店します。
それぞれの店舗では、スタッフがお客様の度数や見え方の要望によって、レンズの設計タイプなどさまざまなレンズを提案します。取り扱いのあるレンズやフレーム、ブランドなどは店舗によって異なりますので、眼鏡店に確認しましょう。また、見え方のお悩みやリクエストを聞く問診力や視力測定、レンズ提案やメガネフレームの品揃え、フィッティング、メガネレンズの加工などの項目は、眼鏡店の腕の見せ所で個性が発揮される項目でもあります。自分が今何を求めているのか、見え方に対してのリクエストによって、訪問するお店を決めるのもよいでしょう。
【パターン②】眼科で処方箋をもらい眼鏡店で作製
眼科で処方箋をもらい、眼鏡店へ持ち込んで作製する方法もあります。眼鏡店は眼科と提携していたり、独立していたりと、施設によって異なります。
眼科で処方箋を書いてもらうメリットとしては、必ず医師の診察が入るため、気付かなかった目の病気を発見できる可能性があることです。
診察代はかかりますが、眼科を受診する良いきっかけとなるでしょう。
なお、眼科の処方箋でメガネを作製した場合、度数の修正などで作り替えるときは、改めて眼科で処方箋をもらう必要があります。
【パターン③】度数情報を入力してオンラインショップで作製
レンズ度数の情報を入力して、インターネット上のオンラインショップで購入する方法もあります。
顔写真を送り、画面上でメガネをかけた自分の顔を合成してフレームを選ぶシステムの店もあるくらい、オンラインショップは徐々に普及してきました。
オンラインショップで購入するメリットは手軽でそれほど高額ではないこと、誰の目も気にせず自由にメガネ選びができることなどです。
デメリットは、試着しないまま購入するので、「見え方がおかしい」「似合わない」「かけ心地が悪い」という失敗が発生する場合があります。特に、「見え方」についてはメガネの度数やかけ具合、目の焦点の位置、距離などが合っていない場合、見えづらいだけでなく頭痛や吐き気の原因になったり、長時間メガネを装用しているのが辛い、疲れ目の原因になったりすることもあります。また、パソコンやモバイル上での確認では、実際にかけたイメージと異なる場合があります。素材や構造などが確認できないままデザインだけで判断して購入するため、実際にかけるとメガネがずり落ちやすい、鼻パットが合わなく痛いなど、長時間装用に適さない場合があります。
また、度数についても自己判断になるため、以前と同じ度数のメガネを作ってしまい、度がずれてきていることに気づかず、疲れ目の原因になる場合もあります。
メガネができるまでの流れ
メガネを作るまでの流れは、度数を測り、フレーム・レンズを決め、仕上がるのを待つという3つのステップがあります。
まず必要なのはレンズ度数を決定するため、視力も含めた目の度数を測定することです。眼科でメガネ処方箋をもらっている場合はこのステップを省きます。遠くをしっかり見たい、手元が見えにくいので改善したい、室内用で使えるようにしたいなど、眼鏡店スタッフに測定前にしっかりと要望を伝えておきましょう。
フレーム選びの前に度数を決定しておけば、レンズが分厚くなりにくい選び方や、全体の予算の目安がわかります。しっかりと使用目的を伝えておくと、パソコンやゲームなどの長時間の利用が多い方に、近くを見る力をサポートする調節サポートタイプの設計の提案など、利用目的に合わせた提案もしっかりしてくれるでしょう。
眼科では医師の指示のもと視能訓練士、看護師などが検査を担当します。眼鏡店では眼鏡作製技能士や訓練を受けたスタッフが視力測定を担当します。
度数が決まったら、フレームとレンズを選びます。先ほど測定した度数を参考に、どんなフレームが似合うか、どんなレンズなら見栄えを良くできるか決めていきます。
レンズはメーカーによってかなりの種類があり、よほど知見がない限り、どのレンズが最適か選ぶのは難しいでしょう。
レンズの厚みや特殊コーティングの有無、特注かどうかも含めてスタッフと相談しながら決定します。
即日加工ができる店舗でレンズの在庫があれば、数十分ほどでできあがります。フレームの形状やレンズの選び方によっては一週間ほどかかるとみておくとよいでしょう。
最後に仕上がったメガネのフィッティングを行なって完了です。
メガネができるまでどれくらい時間がかかる?
通常の場合
メガネの作製にはフレーム選びのほかに、視力測定からレンズ加工とフレームの調整までの工程が含まれます。
多店舗展開のメガネ専門店では、通常視力測定は約15〜30分、レンズ加工とフレームの調整には約30〜60分かかることが多いです。
即日加工が可能な店舗でも、眼鏡店の混雑状況や希望のレンズの在庫の有無によって完成するまでの時間は異なります。在庫がある場合、全ての工程とフィッティングも含め、メガネの完成までには1〜2時間ほどかかると考えておくと良いでしょう。
オーダーメイドの場合
遠近両用や高機能レンズなどオーダーメイドのレンズが必要な場合、作製には約7〜10日程度の時間がかかります。
これらのレンズはメーカーに依頼をして、お客様一人ひとりに合わせて作製する必要があるためです。
レンズの種類や状況によって作製にかかる時間は異なるため、詳細は眼鏡店スタッフに確認してください。
最適なフレーム・レンズ選びの
ポイント
人によって最適なフレーム・レンズの選び方は変わります。選ぶ際に何を重視するのか、参考にしてください。
かけやすくて似合うフレームを選ぶ
似合うフレームの選び方は、顔のサイズ感や顔に対する目の位置、眉の形状など、それぞれ顔のパーツに合わせて絞り込んでいきます。
フレームの縦幅は眉からあごの幅の3分の1程度が望ましく、大きすぎるとカジュアルな印象になり、小さすぎると顔が大きく見えてしまいます。
また眉の形に合わせて選ぶことで、似合うメガネを簡単に見つけることができます。
フレームの上の部分が眉の形状に沿っていると、顔なじみも良く、誰が見ても似合っているという印象を与えられます。
メガネを目立たなくしたいのか、それともあえて強調したいのかによって、また選択方法が変わります。ビジネス用と休日用、またはパソコン用とスポーツ用など、シチュエーションごとに複数のメガネを作るのもよいでしょう。
フレーム選びには『メガネの選び方を徹底解説!似合うフレーム選びのポイントを紹介!』も参考にしてください。
使用する場面にマッチしたレンズを選ぶ
そもそもメガネを作る目的は何だったのかという点から、レンズを選んでいきます。
「免許更新が近いが、遠くが見づらくなってきた」ということであれば、度数のしっかり入ったレンズが必要です。
「遠くは困らないが、手元のピントが合いにくくなってきた」ということであれば、手元に焦点を合わせたレンズを選びます。
眩しさ対策にブルーライトカットを入れたい、歪みの少ないレンズがいい、などの要望を伝えましょう。
用途や度数によってレンズの厚みや重さ、歪みの出方が異なるため、目的と許容範囲のすり合わせが大切です。
レンズについては『薄型メガネレンズの仕組みって?メリット・デメリットも解説』でも紹介しています。
眼鏡店スタッフに相談しながら選ぶ
メガネを作り慣れている人は一人で決めることも多いですが、眼鏡店スタッフに相談しながら選ぶと、用途に合わせた種類やデザインの提案もしてくれるでしょう。
メガネの用途、予算、メガネ選びで気にしていることなどを伝え、サポートをしてもらいましょう。店舗によっては専用の問診シートに沿って詳しく聞き出してくれるところもあります。
スタッフとの信頼関係があれば、スタッフの目利きで最適なフレーム・レンズ選びを任せてしまうこともあります。
メガネを作りたい人にとって、フレーム選びには最も時間をかけたいところでしょう。
眼鏡店スタッフに相談したい場合は、ある程度落ち着きがあり、スタッフの技術がしっかりしている中価格帯以上の店舗がおすすめです。廉価店では販売数が重視されるため、じっくりと相談するのが難しい場合もあります。
メガネを作る際の注意点
メガネは受け取って終わりではありません。長く快適に使うためには、購入した後のサービスが大切です。
調整などフィッティングをしてくれる店を選ぶ
メガネを作製する際には、きちんとフィッティングまで対応してくれる店を選びましょう。メガネは医療機器であり、顔に合わせて精密な調整が必要です。いくら度数を合わせたメガネを作ったとしても、フィッティングがずれていると快適な見え方が期待できないかもしれません。
店頭に並んでいる状態のままでは正しく扱えないため、高い技術を持つスタッフによってフィッティングをしてもらいます。メガネはフィッティングが完了して初めて「できあがった」と言えます。
どれだけ最先端の技術を使ったシステムを使っても、フィッティングは人の手で行なうものです。オンラインショップで購入したメガネであっても、実店舗での調整が必須となります。
実店舗のないオンラインショップは、お客様にフィッティングの重要性を伝えきれていない可能性があります。
できるだけフィッティングに重きを置いている店でメガネ選びをすることをおすすめします。
メンテナンスなどのアフターサービスの有無をチェック
メガネを作った後のメンテナンスや保証などがしっかりしているかどうかもチェックしてください。
メガネは年単位で長期にわたり使い続けるものです。どんなに丁寧に扱っていても、必ずネジのゆるみやフレームの歪みが生じます。
アフターケアの大切さを伝えてくれ、遠慮せず気軽に立ち寄れるような眼鏡店であれば、利用しやすくなりメガネを長く使い続けられるでしょう。
まとめ
今回はメガネを作製する流れを解説しました。目の状態まで診て欲しければ眼科へ、特に困っていることがなければ直接眼鏡店で相談するのがおすすめです。ただし、初めてメガネを作製する場合は、まずは眼科で処方してもらいましょう。
メガネは以前に比べて簡単に作製できるようになりました。しかし医療機器であることに変わりはなく、快適な見え方のためにもフィッティングなどのアフターサービスは重要なポイントです。
どのようなメガネを作りたいのか、いくらくらいの予算で作りたいのか、何となくでもいいので想像しながら眼鏡店へ行ってみましょう。
なお、レンズにカラーを入れたい方はこちらの記事『カラーレンズの効果とは?特徴や効果、選ぶ際のポイント・注意点も解説!』もご覧ください。