疲れ目
公開日:2021.10.21 / 最終更新日:2022.03.31

疲れ目とは?原因・症状・治療・予防方法等をご紹介

疲れ目とは?原因・症状・治療・予防方法等をご紹介

目次

日頃感じる目の痛みや疲労感は、眼精疲労と呼ばれる疲れ目です。悪化すると肩こりや吐き気など、全身の不調に繋がることもあります。また、他の病気から疲れ目を引き起こすことも少なくありません。疲れ目を解消する効果的なケアや改善方法、ツボを刺激するマッサージ法を解説します。

疲れ目とは

目が痛んだり、しょぼしょぼする、かすみを感じるなど目が疲れることを自覚する人が最近増えています。朝起きた時よりも昼間や夕方になるにつれて症状が出やすく、目をたくさん使った時になりやすいため、「疲れ目」と呼ばれる事が多いですが、この状態の事を「眼精疲労」と呼びます。近年では近距離を見続ける環境が増えたこともあり、生活に密接する病気になってきました。単に疲れ目と軽く見られがちですが、重症になると生活や仕事に支障を来たす事もあるという眼精疲労とはどんなものなのでしょうか。

疲れ目が起こるしくみとは?

疲れ目が起こるしくみとは?

モノを見る時に、目は無意識にピントを合わせようとします。この行動は、目のレンズ部分にあたる水晶体の厚みを毛様体筋が調節し、ピントを合わせているのです。
多くの場合は近くのモノを見る時に、毛様体筋が強く作用し緊張状態が持続します。このように近距離にピントを合わせることが続くと毛様体筋が疲労してしまい、痛みやかすみなど疲れ目の症状を引き起こします。

疲れ目による影響

モノがかすんでくるとピントを合わせようと、いつも以上に毛様体筋が緊張した状態になります。しかし、毛様体筋が疲れている状態だとピントが合いにくくなり、一層酷使することになります。この悪循環は疲れ目を長く引きずり、本来なら遠くの距離を見ようとした時に毛様体筋が休んだ状態になるはずが、無意識に毛様体筋が緊張した状態が続いてしまうことがあり、肩こりや頭痛などの全身の症状にも影響します。

疲れ目の原因

疲れ目の原因は生活環境や年代によって変わりますが、遠くを見たり屋外で作業することが減っている近年では原因が共通する傾向にあります。
スマートフォンを長時間見る機会が多くなり、画面を凝視する時間が増えたことで、疲れ目を感じやすくなります。プライベートの時間だけでなく仕事環境でもパソコンやタブレットなどを使うことで、常に目が緊張している状態に置かれることが大きな原因となります。

年代で変わる原因もある

ピント合わせの調節力が効いている若年層と、ピントが合わせにくくなる年代では原因も変わります。

20~30代に多く見られる原因

  • 生活環境によるストレス

40代以上で多く見られる原因

  • 老眼
  • 白内障や緑内障による目の疾患
  • 更年期や不眠

共通する原因

  • メガネやコンタクトレンズの屈折異常で度数が合っていない
  • ドライアイ
  • デスクワークが長い
    若い人は調節力でカバーできていますが、酷使する時間が増えると疲労を感じ出します。
  • 睡眠不足やストレス
    自律神経が乱れ、目の血流を阻害したり、回復力を弱めたり、涙の分泌が減るなど疲れ目を悪化させます。

疲れ目の症状

疲れ目は、痛みやかすみ、ピントが合わせにくいなどの症状として出てきますが、さらに症状が進むと全身の不調にも繋がります。目は常にピントを合わせようと無意識の間にもレンズの厚さを変えるため、目を休めることが必要です。目を酷使することで慢性的な疲れ目になり不快感を覚えます。休息や睡眠は欠かせませんが、症状が進んでくると、目以外にも影響を与えます。

目に出てくる症状の例

目に出てくる症状は様々なものがあります。

かすむ ぼやける

かすむ ぼやける

ピントを合わせるのに時間がかかり、焦点が合いにくくなります。近くの距離を長時間連続して見続けた事で、ピントが近くのモノを見る状態に固まってしまい、遠くのモノを見ようとした時にピントが合わせにくくなります。

充血

充血

疲れ目で充血した事がある人は多いのではないでしょうか。長時間にわたり目を酷使する作業や徹夜などで、このような症状が出てきます。
疲れ目で充血する原因は、血管が膨らんでくるからです。これは疲れ目を回復させようと、酸素や栄養素をたくさん運ぼうとすることで血管が通常より太くなることで起こります。

ドライアイ

ドライアイ

目は常に涙で覆われており、角膜や結膜などの眼表面を守っています。スマートフォンやパソコンなどの画面を集中して見ていると、まばたきが知らない間に少なくなり涙が蒸発しやすい状態が続くとドライアイになります。
ドライアイは最近ではよく聞かれる症状ですが、現代病の一つとも言われ、年代を問わず増え続けている症状です。
乾いている目はピントを合わせてもかすんで見えたり、見えにくいことで調節力を多く使ったりと、疲れ目の悪循環にも陥りやすくなります。

全身に出てくる症状の例

疲れ目の症状が目だけではなく全身に表れることがあります。

肩こり

肩こり

見えにくかったりピントが合わない時間が増えると、肩こりを感じる人が増えてきます。見えにくいモノを見ようとすることで姿勢が悪くなり血液の循環が悪くなることが原因と言われています。見えにくいことで過度なストレスを感じ自律神経が乱れてしまい、目や肩、腰の筋肉を緊張させることもあげられます。

頭痛 吐き気

頭痛 吐き気

疲れ目は初期の段階では休息で回復しますが、重症になると休息や睡眠で回復しないようになります。長く続くと頭痛や吐き気などの症状を伴うことがあります。疲れ目といっても甘くみないで、単に疲れをとるだけで回復しない場合には眼科に受診をして適切な治療が必要な場合があります。

疲れ目の検査

疲れ目が現代病になった近年は「眼精疲労外来」や「疲れ目外来」も増えてきました。体への症状が少ないうちに検査を受けて、どの程度の疲労を受けているかを知ることは健康の維持にも繋がります。

メガネやコンタクトの度数調整

疲れ目に大きく影響するメガネやコンタクトの度数の調節を見直すことも必要です。ピントが合いにくくなると疲れ目を起こしやすくなるので、矯正度数を合わせるためにも適正な度数のメガネを利用しましょう。矯正して度数を測る場合に遠くがどれだけ見えるかを基準にするのではなく、生活に応じて近距離用、中間距離用の度数や遠近両用、室内用の中近メガネなど、目に負担がかかりにくいように矯正することが大切です。
コンタクトレンズでも遠近両用のタイプがありますが、利用する際は、目のカーブに合っていないものを利用すると視力が得にくくなり角膜に傷を作ったりするので、眼科を受診して自分に合ったサイズを利用するようにしましょう。

レフラクトメーター

覗き込むことでピントを合わせたりぼやかしたりし、近視遠視乱視・目のカーブなどを測ります。メガネやコンタクトレンズの矯正に利用します。

シルマー試験

涙の量を測ります。ドライアイの検査で多く使われる方法で、試験紙を角膜に触れない位置で当てることで分泌量がわかります。

調節機能検査装置

調節機能の反応を機械的に測定します。疲れ目や眼精疲労が進むと、反応が遅れたり反応が低くなります。

疲れ目の治療

疲れ目を感じたら休息と睡眠を十分に取りましょう。疲れ目が持続して生活に支障をきたしている場合には医師の治療を受けることをおすすめします。
深刻な眼精疲労になる前に、自分でできる疲れ目対策をご紹介します。

遠くを見る、休息を取る

遠くを見る、休息を取る

近距離で作業をすることが多い人は、定期的に遠くを見たりするなど休息を取るようにしてください。

目の血行促進

目の血行促進

疲れ目は目に栄養素がたくさん必要な状態ですから、血行を良くして酸素や栄養素を運ぶことも効果的です。蒸しタオルなどで温めたり、マッサージやツボ押しで刺激を与えると、血流がよくなり毛様体筋の緊張もほぐしやすくなります。ただし眼球を直接圧迫しないようにしましょう。

意識的にまばたきをする

ドライアイになりやすい人は意識的にまばたきの回数を増やしたり、まばたきが浅い場合もあるので、深いまばたきをするように気をつけると涙の循環が良くなります。

目のマッサージ、ツボ押し

目のマッサージ、ツボ押し

マッサージやツボ押しで刺激を与えるのも疲れ目のケアには有効です。ツボの場所がわからない場合などは、鍼灸師に鍼を施術してもらうのも深部まで作用し改善しやすくなります。目に関するツボをご紹介します。

ツボの位置イメージ

睛明(せいめい)

目頭のくぼみにあるツボの名称です。知らないうちに疲れ目を感じて押さえる人が多く、自然にケアしていることもあります。

陽白(ようはく)

眉の中央部分の少し上にあるくぼみです。

太陽(たいよう)

こめかみの中央にあるくぼみです。この太陽も無意識に押さえることが多い部分で、目の疲れや頭痛時に押すとスッキリして血流が良くなります。弱い力ではじめて、痛みのない程度にマッサージしていくと効果的です。

ツボの位置イメージ

合谷(ごうこく)

親指と人差指の付け根の中間部分にある手のツボです。目の疲れだけでなく、頭痛やストレスを感じた時にも刺激を与えるとスッキリします。
太陽は特に目に効くツボとして知られています。この他にもツボを紹介している記事はたくさんありますから、有効に活用して疲れ目をこまめにケアしていきましょう。

目薬などの投薬でケア

セルフでケアできる疲れ目の対策にプラスして目薬を活用するのも有効です。眼球に直接栄養素を取り込める簡単なケア方法でとても便利です。ドラッグストアでも多くの目薬が売られており、ドライアイの対策にもなるので症状や年代別など自分に合った目薬を選びましょう。

眼科での治療

疲れ目が持続して生活に支障をきたしている場合には、医師の治療を受けることをおすすめします。
疲れ目に効果のあるビタミンや、調節痙攣という過度に緊張した状態を緩和させる点眼液など症状に合わせた処方を受け、疲れ目の進行を防ぎます。眼科で処方される点眼液には寝る前に点眼するような特殊なものも含まれますので医師の指示に従ってください。また、全身への疲労が蓄積されている場合には栄養剤、不眠が原因なら睡眠導入剤など全身のケアとして内服薬が処方される場合もあります。

疲れ目の予防

疲れ目を予防するには生活環境を見直すことも大切です。近距離でモノを見続けることを避ける、ストレスを感じないようにする、栄養の良い食事を摂る、睡眠を十分に取るなど日頃のケアが目の健康に影響します。

距離に気をつける

距離に気をつける

疲れ目の多くの原因は近くでピントを合わせる時間が長いことです。できるだけ近すぎない距離を保ったり、適正な矯正視力を得られるメガネで対策することが大切です。無理をして目に力を入れたり、無理な姿勢でモノを見ようとすると慢性的な疲れ目や、体の不調の原因になります。見たい距離にピントを合わせやすくすることが疲れ目の対策になりますので、見にくいな…と感じたらメガネで見やすい視力に矯正しましょう。
テレビやパソコンなどの距離に気をつけたり、目線より上に対象物があると疲れやすくなるので目線の位置にも気をつけてください。

目によい栄養素

目に良いとされる栄養素を多く摂ることも効果的です。

アントシアニン

ブルーベリーが有名です。血流を良くします。

ビタミンB群

豚肉やうなぎ、レバーにアーモンドやほうれん草など。視神経の働きを助けます。

ビタミンA(レチノール)

人参などの緑黄色野菜に多く含まれています。目や皮膚の粘膜に作用し抵抗力や健康を助けます。また、極端に不足すると暗い場所で見えにくくなります。

ビタミンC

レモンやいちご、ブロッコリーに多く含まれています。作用が多い栄養素で、血管の働きを助けてくれるので疲れ目にも有効です。

明るさに気をつける

見えにくい光度でモノを見ようとすると調節力に負荷がかかり疲れ目を引き起こしやすくなります。光度が暗いとパソコン画面のちらつきが原因で疲れ目になることもありますので、適切な光度を取り入れるようにしましょう。

あなたは大丈夫?
眼病セルフチェック

普段から思いがけなく酷使している目ですが、どのくらい疲れているのかチェックしてみましょう。

セルフチェック項目

  • 一日で5時間以上パソコンやスマートフォンを見ている
  • 空調が効いた部屋にいることが多い
  • メガネの度数が合わないと感じている
  • 普段からストレスが多い
  • 栄養の取れた食事をしていないと感じている
  • 肩こりや頭痛がある
  • 小さな文字が見えにくい
  • 目が熱かったり痛みを感じる
  • まぶたが痙攣することがある
  • よく充血する
  • かすんで見えたりぼやけたりする
  • 涙がとまらないことがある

以上の12項目で4つ以上当てはまる場合は疲れ目気味の可能性があります。当てはまる数が多い程、疲れ目度合が上がるため、メガネの度数合わせや、全身の不調が出る前に医師の診察を受けて症状を改善するようにしましょう。

ドライアイチェック

  • 30秒間で何回まばたきをしているか測定します。この際測定が頭にあると自然体ではなくなるので誰かにお願いして普段の状態を測定してください。

30秒で10回以下ならドライアイの傾向にあります。意識してまばたきの回数を増やすようにしてください。
通常は平均して1分間で20~30回のまばたきをすると報告されています。しかし、パソコンなどの画面を凝視しているとまばたきの回数が減ってしまい、通常の4分の1に減少するなどドライアイを加速させます。まばたきやこまめに目薬をさすことでドライアイを防ぐように気をつけましょう。

気になることがあるなら病院へ

目は普段から酷使しやすい場所で、疲れ目に慣れてしまい、無理を続けると体の不調を起こしてしまいます。また、加齢などによって発生する白内障などで、眩しさを感じたり疲れ目と見分けがつかないことも多くあります。目がかすんだり痛みを感じるのは疲れ目だけとは限りません。実は緊急性を伴う緑内障や眼底の出血など、大きな目の病気が潜んでいる場合もあります。このような眼病を早めに見つけるためにも、気になることがあれば早めに病院で医師の診断を受けるようにしましょう。

原修哉

監修者プロフィール

原 修哉

原眼科クリニック 院長

HP:https://www.haraganka.jp/

名古屋大学医学部卒業後、名古屋市の中京病院へ入局し13年勤務。その期間中に、ハイデルベルク大学(ドイツ)へ留学。
大雄会第一病院 診療部長として7年の勤務を通じて、地域の重症例、難疾患、専門性の高い疾患などの医療に携わり、白内障手術、緑内障手術、角膜移植、屈折矯正手術、結膜手術など10,000件以上執刀。
現在は、原眼科クリニックを開業し、地域住民のかかりつけ医として地域医療にも貢献している。

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