この記事の執筆者
眼とメガネの情報室
みるラボ編集部
目次
跳ね上げ式メガネとは?どんな種類があるの?どんな人に向いているの?など、跳ね上げ式メガネの購入を検討している人にとっては、気になることがたくさんありますよね。
この記事では、分かりやすい画像付きでその種類や特徴を紹介し、また、そのメリット・デメリット、跳ね上げ式メガネを選ぶ方法まで徹底解説します。
跳ね上げ式メガネとは
跳ね上げ式メガネとは、メガネのフレーム枠からレンズ部分が持ち上がるメガネのことです。レンズの上げ下げにより、遠くの物を見たり近くの物を見たりすることができます。
跳ね上げ式メガネは遠近両用レンズが世に普及するまでは、多くの人に使われていました。そのため、跳ね上げ式メガネは「昔の人が使っていた」というイメージがあるかもしれません。しかし、最近では遠近両用レンズにうまく馴染めない人や、仕事や趣味などの様々なシーンで活躍するメガネとして再び注目されています。
そのため種類やデザインも幅広く展開されるようになり、用途やシーンに合わせて選ぶことができます。
跳ね上げ式メガネの種類
跳ね上げ式メガネには大きく分けて4つの種類があります。
単式跳ね上げメガネと複式跳ね上げメガネは、度の入っているレンズを跳ね上げることで視力の調整をするメガネです。
クリップ式跳ね上げメガネやマグネット式跳ね上げメガネは、メガネにリーディンググラス(老眼鏡)やサングラスを着脱することで視力の調整をするメガネです。それぞれの特徴について解説していきます。
①単式跳ね上げメガネ
一般的に単式跳ね上げメガネとは、跳ね上げメガネとしては最も一般的な形で、種類の多さでも広く知られています。跳ね上げる部分にレンズがついており、跳ね上げた際にはレンズがなく、裸眼の状態になるフレームです。
そのため、レンズを下げた際は矯正視力で、レンズを跳ね上げた時に裸眼でものを見ることができます。跳ね上げ部分にだけレンズが入るため、あまり重量感や負担もなく、装着した際によく馴染むのが特徴です。「遠近両用レンズは苦手で使いづらいが、近くを見る際はメガネを外した方が見やすい」という方におすすめのメガネになります。
単式跳ね上げメガネを作る際、近視の方はレンズに近視用レンズを、老眼の方は老眼用のレンズを入れるのが一般的です。
こんな人におすすめ
- メガネを掛け替える手間を省きたい
- 近くは裸眼で遠くはメガネをかけないと見えない
- 遠近両用メガネより広い視野を確保したい
使用例1
【老眼鏡として使用する】
手元の細かい文字や新聞を読む際には、レンズを下ろすことで細かい文字まではっきり見ることができます。
普段の生活で遠くを見る際にはレンズを跳ね上げ、裸眼の状態で見ると良いでしょう。
使用例2
【近くや手元は裸眼の方が見やすい場合】
運転中や普段の生活では、レンズを下ろすことで遠くまではっきり見ることが可能です。
反対に、手元の細かい文字や新聞を読む際には、レンズを跳ね上げ裸眼の状態で見ることが可能になります。
②複式跳ね上げメガネ
複式跳ね上げメガネとは、メガネ本体と跳ね上げ部分に、合計4枚のレンズが入ったメガネです。複式タイプの場合、フレーム本体と跳ね上げ部分にそれぞれレンズが入るため、単式よりもレンズの組み合わせが豊富になります。
また、本体で見るだけでなく、2種類のレンズを重ねて見るなど、使い方の幅も広いのが特徴です。使い方としては、跳ね上げ部分にカラーレンズを入れ度付きサングラスのようにしたり、遠視で遠くも近くも見えにくい場合に遠近両用メガネの代わりにするなどもおすすめです。
複式跳ね上げメガネで一番多い用途としては、近視の度数が強く遠近両用メガネに馴染めず、裸眼では手元の文字を見る距離が近すぎる、という場合でしょう。複式跳ね上げメガネではレンズを完全に使い分けるので、遠近両用メガネで起きやすい視野の揺れや歪み、視野が狭くなるという悩みから解放されます。
自分も上記に当てはまるという方は、単式跳ね上げメガネではなく複式跳ね上げメガネの作製がおすすめです。
こんな人におすすめ
- 遠近両用メガネに馴染めなかった
- 遠くだけではなく近くも見えにくいと感じている
- 度付きサングラスの購入を検討している
使用例1
【近くだけではなく遠くも見えにくい場合】
内側レンズに手元専用の度数を、跳ね上げレンズには遠く専用の度数を入れて使用します。
また、内側レンズに遠く専用の度数を、跳ね上げレンズに手元専用の度数を入れるパターンでも使用可能です。
使用例2
【度付きサングラスのように使用する場合】
運転中トンネルに入ったりゴルフなどでスコアを記入したりする際には、カラーレンズを跳ね上げ視野を確保し、運転中眩しい場合はカラーレンズを下ろすなど度付きサングラスとしても活用できます。いちいち掛け外す手間がかからないため、外出中の日差しが気になる人や、車の運転をする人などにおすすめの使い方です。
③クリップ式跳ね上げメガネ
クリップ式跳ね上げメガネは、すでにお持ちのメガネにクリップでレンズを着脱して使うタイプです。簡単にいうと「メガネにつけるだけ」です。
クリップ式跳ね上げメガネは主にサングラスとしての機能を加えたい時に使います。
サングラスには偏光レンズ・調光レンズ・UVカットタイプなど種類があるほかに、カラーやレンズの形などバリエーションが豊富です。目のダメージを防ぐだけでなくドライブ・スポーツ・プライベートなどのシーンに合ったレンズを選んで使い分けることもできます。
クリップで着脱できるため、不要な時には外しておくこともできます。
クリップ式跳ね上げメガネは、使い慣れたお手持ちのメガネ1つで仕事・プライベート(特にアウトドアやスポーツ)どちらでも使いまわせるといったメリットがあります。
こんな人におすすめ
- 普段使っているメガネのかけ心地が気に入っている
- サングラスが欲しいがコストをおさえたい
- メガネを掛け替える手間を省きたい
使用例1
【明るい日中と夜で使い分ける場合】
朝や昼間など明るい時間帯に外にいる場合にはサングラスとして用い、夕方や室内にいる時には取り外すなど、サングラスと度入りメガネとして使い分けることもできます。不要な時間や場所では取り外すことで、重さも気にならず快適に使えるでしょう。
使用例2
【サングラスとして使用する場合】
ドライブやスポーツ、キャンプなど明るさが急に変わる場面でもクリップ式であればすぐに対応できます。普段使っているメガネに取り付けられるため、たまにアウトドアなどに外出したい時だけに使用するのも良いでしょう。
④マグネット式跳ね上げメガネ
マグネット式跳ね上げメガネは、メガネのフレーム枠と跳ね上げの枠部分がマグネットで固定されるメガネです。このタイプには複式と単式両方のタイプがあります。
フレーム枠と跳ね上げレンズがマグネットで固定されているため、レンズを下ろして使用している時の固定に安定感があります。そして、固定にマグネットを使用しているため、ネジがゆるんで跳ね上げ部分がずれてきてしまうようなトラブルも避けられるでしょう。
跳ね上げレンズが不要な時は外しておくことができる、着脱可能なタイプの商品もあります。跳ね上げ部分が不要な際に外しておくことで、普段は2枚分の重量感も感じません。
マグネット式跳ね上げメガネにはレンズの安定感や故障のしにくさといったメリットがありますが、これまでにご紹介したほかの跳ね上げ式メガネに比べると主流とは言えず、デザインや形状などの種類が少ないのが気なる点でしょう。しかし、既存のメガネにサングラスを装着したり、オンオフの切り替えが手軽なため、使い勝手も良いと言えます。
こんな人におすすめ
- 跳ね上げメガネを使用したいが安定感も欲しい
- サングラスとしても使用したい
- 重くなく故障しにくいメガネが欲しい
使用例1
【目や鼻に負担なく使用したい場合】
普段はそのまま度付きレンズとして使用し、通勤や通学、ゴルフなどで眩しい場合はカラーレンズを装着し、サングラスとして使用できます。
マグネット式のため、普段はほかの跳ね上げメガネのような重さも感じにくいでしょう。
使用例2
【度付きサングラスをしてスポーツをされる場合】
フロント部分の左右にマグネットがついているため、ぴったり安定してカラーレンズを装着できます。そのため、走ったりスポーツをしたり激しく動いても、しっかり固定されていて安心です。
跳ね上げ式メガネの
デメリットは?
跳ね上げ式メガネにしかない便利な機能やメリットがある一方で、デメリットもあります。ここでは実際に跳ね上げ式メガネを使ってみた人が感じたデメリットを挙げています。
デメリットも知った上で、ご自分に合ったメガネを選びましょう。
メガネが重くなる
これは主に複式跳ね上げ式メガネのデメリットです。複式跳ね上げ式メガネが重くなる理由は、前枠と後枠にそれぞれレンズが入っているからです。そのため、レンズ4枚分の重さが出てしまうのです。
また、構造上メガネフレームにも前枠と後枠、その枠を繋ぐための金属バーやネジ等があり、通常のメガネに比べるとフレーム自体も重くなる作りになっています。
レンズが汚れやすくなる
跳ね上げ式メガネはメガネの掛け外しをする機会は減りますが、視力を調整するためにレンズを上げ下げする機会が増えます。そのため、レンズの上げ下げをする時にレンズの表面に手で触れてしまう可能性があり、レンズが汚れやすいというデメリットがあります。
デメリットが気になる場合は?
このような、跳ね上げ式メガネのデメリットが気になる場合はどうしたら良いのでしょうか?
まず、複式跳ね上げメガネの重さが煩わしいと感じてしまう場合です。この場合は、遠近両用レンズを選ぶことをおすすめします。複式跳ね上げメガネは4枚のレンズを使って視力を切り替えます。そのため、どうしても重くなってしまうのです。これを回避するには1枚のレンズの中で遠近を切り替えることが出来る、遠近両用レンズを使うとよいでしょう。
ただし、遠近両用メガネにもメリットとデメリットがあるため、重さ以外の条件も検討して選びましょう。遠近両用メガネについては「遠近両用メガネのデメリットは?メリットやデメリットを解消するための注意点など」も参考にしてください。
また、跳ね上げ式メガネをカラーレンズと組み合わせて使いたいけれど、重さが気になるという人には調光レンズがおすすめです。調光レンズは、紫外線に反応して発色するレンズのため屋外ではサングラスの役目も果たしてくれます。そのため、1枚のレンズで普通のメガネのように使うことができます。
しかし、調光レンズについてもメリットとデメリットがあるため「調光レンズとは?メリットやデメリット、おすすめシーンを解説」も参考にして選びましょう。
次に、レンズの汚れが気になる場合の対策としては、レンズの扱い方に気をつけることです。レンズを上げ下げする時にレンズに触れず、枠に触れて使うようにすればレンズを汚すことはありません。この方法に慣れれば、汚れが気になるというデメリットは感じなくなるかもしれません。
メガネレンズの扱い方については「メガネレンズの傷は自分で直せない!お店に頼んだ方が安心な理由を解説」の記事で詳しく解説していますので、併せて確認してみましょう。
跳ね上げ式メガネの
メリットは?
跳ね上げ式メガネのメリットは主に2つあります。1つは「メガネの掛け外しが減る」ことです。そして、もう1つは「遠近両用メガネとして使える」ことです。この2つのメリットについて詳しく解説していきます。
メガネの掛け外しが減る
跳ね上げ式メガネを使うと頻繁なメガネの掛け外しをしなくてよくなります。1枚のメガネに2つの機能を兼ね備えるからです。
跳ね上げ式メガネでは、裸眼と近視レンズ、老眼レンズと近視レンズといった様々な目の状態に適したレンズの組み合わせが可能になります。
跳ね上げ式レンズを上げたり下げたりするだけで見え方の調整ができます。手元や遠くを見るたびにメガネを掛け外ししていた人や、メガネを用途別に使い分けていた人は多くの面倒から解放されます。
遠近両用メガネとして使える
跳ね上げ式メガネは遠近両用メガネとして使えます。前枠と後枠を近用と遠用のレンズにすることで、メガネを掛け替えることなく、遠近両用メガネとして使うことが出来ます。
遠近両用レンズは1枚のレンズ内で近用と遠用に調整されているため、目線の上げ下げで視力の調整が行われます。そのため、視野が狭くなり歪みが生じるため馴染めない人も多いです。
跳ね上げ式メガネでは、レンズを上げ下げすることでレンズそのものを変えられますので、広い視野の確保や安定した視力の確保が出来ます。
おしゃれな
跳ね上げ式メガネ6選!
ここでは、おしゃれな跳ね上げ式メガネをご紹介します。
単式、複式ともにフレームの形や色など様々な種類が展開されています。是非、お気に入りのメガネを見つけてください。
おすすめの単式跳ね上げメガネ : ブローメガネ
初めて跳ね上げ式メガネを使う人におすすめなシンプルなデザインのブローメガネです。すっきりとしたデザインですが、流行りを取り入れたブローメガネはおしゃれな雰囲気も演出してくれます。
顔なじみも良いフレームですのでビジネスシーンでも使えるデザインではないでしょうか。
人気が高いブローメガネは、カラーやデザインなど種類も豊富にあります。
おすすめの単式跳ね上げメガネ : ラウンドタイプ
おしゃれなラウンドタイプのメガネは男女問わず人気があります。
丸みを帯びたフレームは、優しい雰囲気や穏やかな雰囲気を与えてくれます。
ラウンドタイプのメガネはクラシカルな印象もあるため、ファッションアイテムとして使うこともできます。
おしゃれを楽しみたい人や、接客業などで優しい雰囲気を演出したい人におすすめです。
おすすめの単式跳ね上げメガネ : ボストンタイプ
ボストンタイプのメガネもクラシカルな印象がありますが、ファッション性が高いことから最近では定番化してきました。
このタイプのメガネは、顔の輪郭を選ばず多くの人に似合う形でもあります。
掛けた時に知的な印象を受けますので、ビジネスシーンでも活躍するメガネです。
おすすめの複式跳ね上げメガネ : 細ボストンタイプ
フレームが細いタイプで、「細ボストン」とも言われるフレームです。
細いフレームはすっきりとした印象になり、見た目の重さも感じさせません。また丸みのある細いフレームは顔なじみが良く、柔らかく落ち着きのある知的な印象を与えるのではないでしょうか。
トレンドの形でもあるのでおしゃれに決めたい人にもおすすめです。
おすすめの複式跳ね上げメガネ : サングラスタイプ
普段使いの複式跳ね上げメガネと言えば、このイメージが強いのではないでしょうか?
サングラスタイプの複式跳ね上げメガネです。
サングラスタイプは車の運転やサイクリングなど、アウトドアで大活躍します。屋外での仕事が多い人にもおすすめです。
カラーレンズの色味やフレームの形で、掛けた時の雰囲気が大きく変わるのもこのタイプの特徴です。老若男女問わずご自分に似合う一つが、きっと見つかることでしょう。
おすすめの複式跳ね上げメガネ : 丸形
かの有名なミュージシャンが愛用していたタイプです。皆さんも一度は見たことがあるのではないでしょうか?
昔からあるタイプですのでレトロな雰囲気が漂います。
フレームやレンズの色によってはおしゃれ感が増したり、個性的な変化を楽しめると思います。
おしゃれ上級者の人におすすめのタイプです。
跳ね上げ式メガネは
こんな人におすすめ
これまで紹介した跳ね上げ式メガネの種類のところでも触れましたが、跳ね上げ式メガネはこんな人にもおすすめです。
メガネを掛けたり外したりを繰り返すのが面倒に感じている人
跳ね上げ式メガネは1つのメガネで2つの機能を持ちます。前枠を上げ下ろしするだけで切り替えることができますので、掛け外しの煩わしさから解放されます。
遠近両用レンズに馴染めなかった人
遠近両用レンズは1枚のレンズの中で遠近を使い分けます。目線を上げ下げすることで見え方を調整するので難しいと感じる人も少なくありません。また、歪みや視野の狭さを不便に感じる人もいます。跳ね上げ式メガネはそれぞれのレンズで見え方を調整するため視野の狭さや歪みは生じなくなります。
メガネを失くしてしまう人
用途に合わせて複数のメガネを掛け替えていた人は、メガネをどこに置いたか忘れてしまった経験が一度はあるのではないでしょうか?跳ね上げ式メガネを使えば、メガネを掛け替える必要がなくなります。使いたい時に使いたいメガネがない!と困った経験がある人におすすめです。
まとめ
今回は跳ね上げ式メガネの種類や機能、特徴についてご紹介しました。
メガネの掛け外しや遠近両用レンズに馴染めずに不便を感じていた人も、跳ね上げ式メガネでそんな悩みを解決することが出来ます。今回ご紹介した跳ね上げ式メガネには、それぞれに機能や特徴があります。是非、店頭へ足を運んで実物に触れてみることをおすすめします。
メガネは生活の一部、身体の一部です。ご自分に合った跳ね上げ式メガネを見つけることができると良いですね。より快適で便利なメガネライフが送れますように。