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コンタクトレンズを使用して目が充血する経験をしたという人は多いのではないでしょうか。長く使用しているコンタクトユーザーでも、目が充血した際にその原因を把握して、適切に対処できている人は少ないでしょう。
今回は、コンタクトレンズによる充血の原因と対処法をご紹介します。コンタクトユーザーは目の健康のためにぜひ参考にしてください。
目が充血するのはなぜ?
充血には「結膜充血」と「毛様充血」の2種類があります。
結膜充血は、ドライアイや眼精疲労により白目や瞼の裏の血管が拡張して赤く見える充血です。また、アレルギー性結膜炎やウイルス性の結膜炎などの病気による場合もあります。
毛様充血は、角膜の周りに青紫を帯びた充血が該当します。ぶどう膜炎や急性閉塞隅角緑内障など、早急に眼科受診が必要な状態です。
一般的に充血という場合は、結膜充血の例が多いでしょう。
また、アルコールによる血流量が増えることで起こる充血もあります。
コンタクトレンズで
目が充血する原因
レンズの種類に関わらず、コンタクトレンズの使用が原因で充血する主な原因の5つをご紹介します。
原因① ドライアイ
コンタクトレンズを使用している人の多くがドライアイによる充血、目の異物感を経験しています。コンタクトレンズには眼球表面の水分を吸収する性質があり、また、レンズの摩擦によって炎症が起き、涙の安定性が低下することがあります。そのため、コンタクトレンズをしている場合、裸眼の時よりもドライアイになりやすいといわれています。特に、コンタクトレンズを長期間使用している方は注意が必要です。
さらに近年は、パソコンやスマートフォンの利用が増えてまばたき回数が減少しやすく、空調の風でドライアイになりやすい環境でもあります。
原因② 角膜の酸素不足
角膜は透明性を維持するために表面から酸素を取り入れています。コンタクトレンズで角膜が長時間覆われることにより、角膜の表面から取り入れられる酸素が減り、代わりに血管から酸素を取り入れようとする機能がはたらきます。その結果、目の血管が拡張し充血します。
また、角膜の酸素不足が続くと角膜浮腫や傷ができ、悪化すると角膜びらんや潰瘍など深刻な状態になる可能性もあります。
原因③ レンズの汚れや傷
コンタクトレンズを1日装着すると、レンズにはタンパク質や油分、花粉などの異物が多く付着します。使い捨て1dayタイプ以外のコンタクトレンズは、毎日その汚れを落とし消毒しなければなりません。その作業を怠るとレンズそのものが傷つくだけでなく、異物により目に違和感が生じたり、角膜に傷をつけてしまう可能性があります。
さらに菌が繁殖することで、角膜炎やアレルギー性結膜炎などの様々な目の病気にかかるリスクも高まります。
原因④ 自分の目に合わないサイズのレンズ
コンタクトレンズを選ぶ際には近視や遠視、乱視などの矯正度数だけではなく、眼球の形や大きさに合ったサイズ選びも重要です。
コンタクトレンズにはレンズの曲がり具合を示すベースカーブ(BC)があり、日本人の平均的なBCは、8.6〜8.7程度といわれています。市販のソフトコンタクトレンズにはBC8.3〜9.0とサイズの幅がありますが、合わないサイズを選択すると締めつけ感やずれやすさ、ドライアイという症状が出てきます。その結果、充血にもつながるのです。
また、目に合わないサイズを使い続けていると、重症の場合は頭痛や吐き気、角膜障害なども生じるため、正しいサイズを選びましょう。
原因⑤ アレルギー
アレルギー反応が生じる原因は人によって様々ですが、コンタクトレンズでもアレルギー反応が生じる可能性もあります。症状としては充血のほか、異物感、痒みやまぶたの裏側に乳頭と呼ばれる白いぶつぶつ、目ヤニが生じます。
原因物質はコンタクトレンズについた花粉やハウスダストなどの場合や、稀にレンズそのものに対してアレルギー反応が生じる場合もあります。前者であれば、レンズのお手入れの徹底や1dayタイプの使い捨てコンタクトレンズにすれば改善しますが、後者の場合はコンタクトレンズの使用を中止する必要があります。
コンタクトレンズで
充血した時の対処法
コンタクトレンズで充血した時は何らかの原因があるため、その原因を取り除くことが重要です。充血した時の対処法を5つご紹介します。
対処法① 目を休ませる
コンタクトレンズを使用することで快適に物が見えるようになる一方で、目には大きな負担がかかっています。充血の症状が見られたら、コンタクトレンズを外して目を休めるようにしましょう。コンタクトレンズを外すのが難しい状況の場合は、目を閉じて温めるのもおすすめです。
特にドライアイの場合は、目を温めると涙を出すマイボーム腺が開いて涙の表面の膜の役割となる油が出やすくなり、目が乾きにくくなります。
目の周りのマッサージも目の筋肉のこりやドライアイに効果があります。簡単にできるマッサージやツボ押し、ドライアイに効果的な食材などはこちらの記事を参考にしてみてください。
対処法② 目薬をさす
充血時には各症状に対する目薬をさすのもおすすめです。ドライアイの症状には人工涙液やヒアルロン酸配合の目薬が良いでしょう。コンタクトレンズへの影響を避けるため、防腐剤無添加の目薬を選びましょう。
血管収縮剤配合の目薬は充血の症状がすぐに治まると人気がありますが、一時的な効果にすぎず耐性ができやすいため、血管収縮剤不使用の目薬をおすすめします。
症状が軽症であれば市販薬でも構いませんが、症状を早く改善したい場合には眼科の受診が安心です。
対処法③ 眼科を受診する
目の充血が2-3日続く場合には原因を把握するためにも眼科を受診するようにしましょう。充血には様々な要因があり、早期に適切な対処をするには眼科医の診察により処方された目薬の使用が効果的です。特に、菌が繁殖して炎症が起きている場合には市販薬では対処できない場合もあります。
対処法④ コンタクトレンズの使用方法、お手入れの見直し
コンタクトレンズによるトラブルを防ぐには、日々のお手入れにより清潔を保つことが大切です。
レンズの種類に関わらず、専用のコンタクト洗浄液でこすり洗い、浸け置きしましょう。
水道水で行うと汚れを十分に消毒できずに雑菌が繁殖したり、稀に水道水の中にいる微生物に感染してしまうことがあります。浸け置きは必ず専用の洗浄液を使用してください。
花粉症がある場合は、レンズに付着した花粉により目に炎症が起きやすい状態です。花粉のシーズンはコンタクトレンズの使用を控え、メガネで過ごす方がおすすめです。どうしてもコンタクトレンズが必要な場合には、毎日清潔な1dayコンタクトレンズを使用したり、外出時にサングラスや度なしメガネをかけるなどして対策しましょう。
目が充血する場合は
眼科を受診しよう
今回はコンタクトレンズによる目の充血の原因と対処法についてご紹介しました。
目の充血は、目に負担がかかっていたり、何か炎症が起きているサインのため放置しないようにしましょう。目を休めたり目薬をさして解決できる場合もありますが、眼科を受診して目の状態を確認し、適切な処置をとることで安心できます。
また、日々のコンタクトレンズの正しいお手入れが充血の予防にはとても重要です。日ごろから正しいコンタクトレンズの使用を心がけ、目に優しく快適な生活を送りましょう!