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遠くのものを見る時にぼんやり見えていませんか?運転している時や映画の字幕を見る時など、ぼんやりとしか見えないとストレスを感じてしまいますよね。
ものがぼんやり見える原因は何なのでしょうか?
その見えにくさは、近視、遠視、または乱視のせいかもしれません。
この記事では、近視、遠視、乱視の違いを解説します。特に、混同されやすい近視と乱視については、その見え方の違いや原因、矯正方法をご紹介します。
近視・遠視・乱視とは?
近視・遠視・乱視の見え方にはどんな違いがあるのでしょうか?まずはその違いについて解説します。
近視とはどういう状態?
近視は近くがはっきり見える目です。遠くは全体的にぼんやりと見えます。目に入ってくる光が網膜の手前で焦点が合っている状態です。主な原因は眼球の長さ(眼軸)が伸びて長くなることや角膜と水晶体の屈折力の強さ、遺伝的な要因や環境的な要因、スマホやパソコンなどの近くのものを見る時間の増加などがあげられます。
遠視とはどういう状態?
遠視は遠くも近くもピントを合わせようと自分の調節力を使って見ている目です。目に入ってくる光が網膜の後方で焦点が合っている状態で、主な原因は眼球の長さ(眼軸)が短いことや角膜と水晶体の屈折力の弱さ、遺伝的な要因などがあります。加齢などにより調節力が低下してくると、遠くも近くもぼやけて見えるようになります。
乱視とはどういう状態?
乱視は特定の方向が二重に見えたりだぶって見えたりする目です。目に入ってくる光が一つにまとまらず複数あるため、網膜上で焦点が合わずにぼやけて見えます。それぞれの乱視の種類などによっても変わりますが、主な原因は角膜や水晶体の形状が均一ではないため、目に入る光の方向によって屈折力に差ができることなどがあげられます。
近視と乱視の違いは?
近視と乱視は似ているようで大きな違いがあります。仕組み・見え方・矯正方法についてそれぞれ詳しく解説していきます。
仕組みと原因
近視とは眼球の長さ(眼軸)が伸びて長くなることや角膜や水晶体の屈折力が原因で、遠くのものが全体的にぼやけて見える状態です。平均的な眼球の長さは24mmですが、1mm長くなると3D(ジオプター)近視が強くなるといわれています。
乱視とは角膜や水晶体のカーブや形状が均一ではないことで、焦点が一つにまとまらないために起こります。角膜の疾患などでも乱視の症状が出ることもあります。
近視は眼球の長さであったり角膜や水晶体の屈折力などが原因ですが、乱視は角膜や水晶体などの形状が均一な状態ではないことから起こるため、仕組みとしては全く違います。
見え方
近視は、近くのものははっきりと見えるけれども、遠くのものが全体的にぼんやりとしか見えない、といった距離の違いによって見え方が変わります。
一方で乱視は距離は関係なく、ものがぼやけたり二重に見えたりします。近くを見る時も遠くを見る時もどちらでもだぶって見えるため、人によっては近視が進行したように感じられることもあるでしょう。また、近視のみの見え方よりも目が疲れる症状が出やすい場合もあります。
矯正方法
近視の矯正方法には、メガネやコンタクトレンズが一般的です。使用するレンズはレンズ全体に度数が入った凹レンズ(ものが小さく見えるレンズ)で光を散乱させ網膜上に焦点を合わせることで視力を補正します。
乱視の矯正方法も近視と同じくメガネやコンタクトレンズを使いますが、使用するレンズに違いがあります。乱視には人それぞれ値の違う「軸」の位置と「度数」があります。全体的に度数が入ったレンズではなく部分的に度数が入ったレンズを使います。メガネの場合は円柱レンズ、コンタクトの場合はトーリックレンズといわれています。
まとめ
今回は近視と乱視の仕組みの違いや矯正方法の違いなどについてご紹介しました。「近視」と「乱視」という言葉はよく聞くけれど、どんな違いがあるのかは知らなかったという方も多いのではないでしょうか。この違いを知ることで、疲れ目や見えにくさなどの悩みを改善するヒントになるかもしれません。
クリアで快適な視力を維持するためにも、定期的な眼科受診を行い、ご自分のメガネやコンタクトレンズが「近視」なのか「乱視」なのかをぜひ確認してみてください。