目の病気
公開日:2021.10.12 / 最終更新日:2022.07.25

乱視とは?原因・症状・治療・予防方法等をご紹介

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この記事の執筆者

みるラボ編集部

乱視とは?原因・症状・治療・予防方法等をご紹介

目次

乱視になると線がぼやけて見えたり、二重に見えたりします。日本人はほとんどの人が乱視を持っていると言われています。近視や遠視に比べ、乱視についてはあまり理解されていません。乱視は回復するのか?と不安になる人も多いかと思います。
今回は、実はあまり知られていない乱視について、近視と乱視の違いという基本的な部分から、その原因、症状、検査方法、メガネ・コンタクトの矯正方法、セルフチェック方法まで解説します。

乱視とは

乱視は近視や遠視と同じように目の「屈折異常」の一つで、モノがぼやけたり、二重になって見えます。
人がモノを見るときに通常は目から入った光が目の表面にある角膜や、水晶体といわれるレンズの役割をしている部分で屈折して目の奥にある網膜というところで焦点を結びます。網膜はスクリーンの役割をしており、ここに写った映像が神経を伝って脳へ届けられることで、モノを見ることができます。
屈折異常とは、何らかの理由で光が網膜上で焦点を結ぶことができなくなった状態を指します。

乱視と近視の違い

乱視と近視の違い

同じ屈折異常でも、日本人に多いといわれている近視とは何が違うのでしょうか?
近視は角膜や水晶体の光を屈折する力が強すぎたり、眼球そのものが長くなり、ラグビーボールのような形になることで目から入った光が網膜の手前の一点で焦点を結ぶ状態を指します。そのため、遠くのものにはピントが合いませんが、見たいものを近づけていけばはっきりと見える距離があり、このはっきり見える距離は近視の度数が強いほど近くになります。
それに対して乱視はどこにも焦点を結ぶことができません。網膜はもちろんですが、近視のように網膜の手前で焦点を結ぶこともありません。一点で焦点を結ぶことができないということは、モノを離しても近づけてもはっきり見える距離がないということです。ある方向からの光と、別の方向からの光が違う場所で焦点を結んでしまうため像が一つにならず、モノを離しても近づけてもピントが合わなかったり二重に見えたりしてしまいます。

乱視の原因

なぜ乱視はどこにも焦点を結ぶことができないのでしょうか?
それは角膜や水晶体という部分に原因があります。目の中に入ってくる光を屈折させる役割を持つ角膜・水晶体は本来きれいな球面になっています。しかし、この角膜や水晶体の形状が変わることによって、光が一点に焦点を結ぶことができなくなってしまうのです。角膜・水晶体の全体の形が変わることによって発生する乱視を「正乱視」、角膜・水晶体の表面の状態が変わることによって発生する乱視を「不正乱視」といいます。

正乱視

乱視のない角膜乱視のある角膜

光を屈折する役割を果たしている角膜・水晶体がきれいな球面ではなく楕円形をしていることによって起こるのが正乱視です。
角膜や水晶体がきれいな球面をしていることでどの方向から入ってくる光も一点で焦点を結ぶことができます。しかし楕円形になると、ある方向から入ってくる光と別の方向から入ってくる光で焦点を結ぶ位置が変わってしまいます。そのため焦点が一つにならず、モノがぼやけたり二重に見えたりします。
屈折力が最も強い方向を強主経線、最も弱い方向を弱主経線といいますが、この方向も人によって違うため、乱視は度数だけでなく1°~180°までの角度(正確には軸度といいます)も一緒に表されます。正乱視は角膜や水晶体全体の形状によるものなので、まぶたからの圧迫や眼球に付随する筋肉の影響で角膜の形状が変わり、年齢とともに多少度数が変化していくことはありますが、乱視が全くなくなることはあまりありません。
実はほとんどの人はこの正乱視を持っていると言われています。しかし、軽度の乱視では見え方に影響がないため、眼科や眼鏡店で検査をしない限り、乱視があることに気づくことができません。

不正乱視

不正乱視

角膜や水晶体全体の形自体が変わることによって起こる正乱視に対し、不正乱視は、目をぶつけたことによって角膜に傷ができていたり、目の疾患によって起こる炎症で角膜もしくは水晶体表面が不規則にデコボコになったりすることで生じます。目の表面がデコボコになってしまうと角膜や水晶体を通過する光はいろいろな方向へ屈折するためどこにも焦点を結ぶことができません。
不正乱視はこのデコボコが原因でおこるため、原因となる傷や疾患が良くなれば改善します。しかし、原因となる疾患が進行性のものや治療が難しいものだったり、目の傷を放置して完治しないまま残ってしまったりすると不正乱視もそのまま残ってしまうことになります。

乱視の症状

乱視の症状として一番分かりやすいのは、片目で見たときにモノがぼやけて見えたり二重に見えることです。よく言われるのは片目で月を見ると月が2つとか3つに見えたというものです。
さらに乱視は距離を変えても、はっきり見える場所がありません。正確に言うと、像のズレが一番少ない最小錯乱円(強主経線と弱主経線の間にある光の束が最小になる場所)という位置はありますが、それでも像がぴったり一つになることはありません。
注意したいのは片目でぼやけたり二重に見えるということです。片目で見るとモノが二重に見えることを単眼複視といいますが、乱視はこの単眼複視にあたります。片目ではモノが一つなのに、両目で見ると二つになる場合は両眼複視と呼ばれ、乱視とは違う疾患である可能性が高くなります。
また、乱視の症状は見え方だけではありません。裸眼で視力はよくでている方でも、乱視があると目は無意識にピントが合う位置を探そうとしているため、眼精疲労の原因にもなります。眼精疲労は目だけでなく肩こりや頭痛など全身の症状にもつながってくるため、乱視矯正用のメガネをかけたことによって肩こりや頭痛が改善することもあります。

乱視の検査

眼科や眼鏡店での乱視の検査には一般的にオートレフラクトメータと呼ばれる機器を使用する「他覚検査」と、放射線乱視表という指標やクロスシリンダと呼ばれる特殊なレンズを使用する「自覚検査」があります。

他覚検査

他覚検査とは機械が自動的に乱視の度数や角度を測定してくれる検査です。オートレフラクトメータでは機械の穴の中をのぞくと気球の写真が出ていることが多く、通常この気球を数秒ほど見ているだけで乱視の度数や角度がわかります。

自覚検査

自覚検査とは検査を受ける人自身に答えていただきながら行う検査です。放射線乱視表はその名の通り、放射状に広がった線を見ながら、線の濃淡を答えます。クロスシリンダは目の前のレンズを表裏と回転させながら、どちらの方がはっきり指標が見えるかを答えます。

オートレフラクトメータを使用して他覚検査をしてから、その値を参考にして放射線乱視表やクロスシリンダで正確な乱視の度数や角度を出していくのが一般的です。技術の進歩により現在のオートレフラクトメータは非常に精度が高く、この検査だけでもかなり正確な度数が出せます。しかし、検査を受ける人の緊張の度合いや目の調節力・屈折異常以外の目の疾患により度数が変わってしまうため、やはり最後は自覚検査が必要になります。

乱視の矯正

乱視の矯正

それでは乱視の矯正には何が使われるのでしょうか?これは前述した「正乱視」と「不正乱視」によって変わります。
正乱視の場合は、メガネ・コンタクトともに円柱レンズと呼ばれるレンズが使用されます。円柱レンズとは任意の一定の方向の光のみを屈折させることができるレンズになっており、乱視だけの人なら円柱レンズ、近視と乱視がある人は近視を矯正する凹レンズと円柱レンズを組み合わせて矯正します。しかし、メガネもコンタクトも作成できる度数には限界があります。メガネの場合フレーム形状にもよりますが、強度の乱視ではレンズが非常に厚くなってしまったり、作成自体ができないこともあります。
不正乱視の場合は正乱視よりも矯正が難しくなります。
角膜が原因の不正乱視の場合は、目の表面がデコボコしているため、メガネの円柱レンズでは矯正ができません。ソフトコンタクトレンズも素材が柔らかく目の表面の形に沿うように密着するため不正乱視の原因となっているデコボコを埋めることができず矯正できません。しかし、素材が固いハードコンタクトレンズを使用することにより、コンタクトと目の間にデコボコを埋める形で涙が入ってレンズの役割をしてくれるため、ある程度の不正乱視は矯正ができます。 水晶体が原因の不正乱視の場合は、水晶体が目の中にあるため基本的に有効な矯正方法はないと言われています。
角膜が原因の不正乱視の場合は、目の表面がデコボコしているため、メガネの円柱レンズでは矯正ができません。ソフトコンタクトレンズも素材が柔らかく目の表面の形に沿うように密着するため不正乱視の原因となっているデコボコを埋めることができず矯正できません。しかし、素材が固いハードコンタクトレンズを使用することにより、コンタクトと目の間にデコボコを埋める形で涙が入ってレンズの役割をしてくれるため、ある程度の不正乱視は矯正ができます。
水晶体が原因の不正乱視の場合は、水晶体が目の中にあるため基本的に有効な矯正方法はないと言われています。

あなたは大丈夫?
乱視セルフチェック

検査方法はわかっても高価な機械を買うことはできませんし、専門的な検査技術をすぐにつけることはできません。それでも気になるあなたのために、乱視があるかどうかだけわかる簡単なセルフチェックの方法を二つご紹介します。

放射線乱視表

一つ目は検査の説明でもでてきた放射線乱視表です。自分で作ることもできますが、パソコンやスマホで「乱視表」で検索すればすぐでてきますので、とても簡単にチェックができます。この乱視表を片目で見て、ある方向の線だけが濃く見えたり薄く見えたりした方は乱視がある可能性があります。

放射線乱視表制作イメージ

もう一つは裂孔板と呼ばれる道具を作ります。材料は黒い紙とハサミ、定規の3つです。黒い紙を一辺が5cmの正方形に切り取って、その中心に幅1mm、長さ3cmの細長い穴をあけてください。片目を隠しながら、もう一方の目の前5cmのところに裂孔板をかざして、少し離れた景色を見ながら左右に回転させてみてください。角度によってはっきり見えたりぼやけたりするようであれば乱視の可能性があります。

注意していただきたいのは「片目でチェック」することです。乱視は片目だけある可能性もありますし、両目ともある可能性もあります。片目ずつでないと検査ができないため、必ず片方の目は隠してください。

気になることがあるなら病院へ

乱視は見え方の問題だけでなく頭痛や肩こりなど全身の症状の原因になる眼精疲労にも大きく繋がっていると言われています。
また、ほとんどの人は乱視があるといっても正乱視が多く、メガネやコンタクトで簡単に矯正ができますが、片目なら一つに見えるのに両目で見ると二重に見える場合は斜視や斜位などの別の疾患の可能性がありますし、急に二重に見えるようになった場合は目だけではなく脳の疾患の可能性もあります。
簡単なセルフチェックを紹介しましたが、少しでも気になることがあったらまずは病院を受診することをお勧めします。

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