目の病気
公開日:2022.09.01 / 最終更新日:2022.09.01

斜視とは?種類や原因、治療方法について解説

この記事の監修者

内野 美樹

ケイシン五反田アイクリニック 院長

斜視とは?種類や原因、治療方法について解説

目次

斜視と聞いても「斜視って何?怖い病気?」と、よく分からないままの方もいるでしょう。
斜視は、子どもが発症すると弱視を引き起こす可能性があります。大人が発症すると、命に関わる原因が隠れていることもあります。
本記事では斜視の種類や原因、治療法について解説します。

斜視とは

斜視の種類

斜視とは片方の目はまっすぐ向き、もう片方の目が「上・下・左・右・回旋(かいせん)」向きになってしまい、両目で同時に同じ方に向けない病気です。

必ず片目はまっすぐ向いているため、両目とも別々の方に向くということはありません。

斜視の分類は「先天性・後天性」「眼鏡で治る、治らない」「自分でまっすぐにできる、できない」など、非常に細かく分かれています。

なお、大人になってから起こる斜視(後天性)には2種類あります。

一つは、先天的に斜視があってもまっすぐ向く力でカバーできていたものの、大人になってから徐々にその力が失われていき生じる斜視です。もう一つは、それまで斜視がなかったのに、何らかの理由で突然斜視になってしまうパターンです。

どちらの場合も物が二重に見える症状を自覚します。
斜視は原因や発症年齢によって、自然治癒を待つかすぐに手術をするかといった判断が分かれます。

斜視になる原因

斜視になる原因はさまざまで、特定できないことも多いのが現状です。

両眼視の異常

正常な両目の動き

遺伝子や何らかの原因で、眼球を動かすための脳からのシグナルが、両目同時に働かないと斜視になります。

本来、両目は脳からの均等なシグナルで動くようにできていますが、左右のバランスが少しでも崩れると斜視になりやすいのです。

両眼視について詳しく知りたい方は「両眼視とは?両眼視機能検査を行うメリット・自分でできる方法を解説!」のコラムを参考にしてください。

強い遠視

小児に多いのは強度の遠視による斜視

小児に多いのは強度の遠視による内斜視です。

遠視の目は物を見るためにピント合わせの筋力を使います。目はもともと、ピント合わせをすると同時に、寄り目になる働きを持っています。

遠視が強いほどピント合わせが必要になり、その結果寄り目(内斜視)を引き起こしてしまうのです。弱視の原因にもなるため、発見次第、大至急の治療が必要です。

視力不良

片目の視力が悪い場合、脳が両目で見ることをあきらめてしまい、悪い視力の目が斜視になってしまうことがあります。
また、何らかの原因で先に斜視になり、斜視になった方の目の視力が低下してしまうケースもあります。

全身疾患に伴うもの

全身疾患に伴う斜視の中には、糖尿病によるものがあります。糖尿病は網膜症や腎障害のほか、神経障害も合併する病気です。眼球を動かす筋肉も神経で支配されているため、神経障害が合併すると、眼球の向きがおかしくなり、斜視になってしまいます。

糖尿病については「糖尿病網膜症の症状や原因・治療法を解説」もご覧ください。

脳疾患に伴うもの

脳疾患が原因となり斜視になるケースもかなりあります。

斜視を伴う脳疾患としては、脳腫瘍、脳梗塞、動脈瘤など、命に関わるものも多いです。眼科内だけでは発見できないため、MRIなどを撮れる脳神経外科と連携します。

目の筋肉や神経の異常

加齢によって眼球を動かす筋肉や神経の働きが弱ってくることで、斜視になる人もいます。何か特別な病気や原因がないことも多く「原因不明」となる可能性が高いです。
斜視になっていることに本人が気付いていないケースもあります。

斜視の調べ方

斜視の調べ方

斜視の調べ方は、片目ずつ交互に隠して、目の動きを確認するところから始まります。自分でやろうとしても正しくできないので、自己判断ではなく必ず眼科を受診してください。

目の位置のズレが大きい場合は、写真や鏡で気付く、家族から言われて気付くこともあります。急に斜視を発症した場合は、物が二重に見えてしまう「複視」の症状で気付きます。

なお、乳児の斜視は「乳児内斜視」と「偽斜視」の2つに注意しましょう。
「乳児内斜視」は片目の黒目が隠れるくらい内側に寄ってしまうもので、ただちに手術や眼鏡での治療が必要です。

「偽斜視」は斜視ではありません。鼻が低く平たいため、白目の内側が隠れてしまい、斜視のように見えるだけの正常な発達の状態です。

斜視は治せる?治し方は?

斜視は原因、状態によって治療法が異なります。
生まれつきの両眼視異常によって斜視になる場合、外見上気になる場合は手術を行います。ただし、両目で同時に物を見る働きが備わっていないため、手術後また斜視に戻ってしまうことも少なくありません。

片眼の視力不良による斜視の場合、生まれつきなのか、もともとは両目とも見えていたのかによって対処のアプローチが異なります。
生まれつきの場合は手術しかありませんが、手術後に再び斜視に戻ることが多いです。
もともとは見えていたのなら、視力不良の原因(例えば白内障など)を治療することで斜視が治る可能性もあります。

プリズム眼鏡の処方イメージ

強度の遠視が原因の場合、多くは遠視矯正の眼鏡で斜視が治ります。眼鏡のおかげでピント合わせの力を使わずに済むようになり、寄り目が引き起こされなくなるためです。

脳疾患による場合、原因となっている脳内の治療が第一です。脳疾患の根本的な治療により、斜視が改善します。

加齢による場合、プリズム眼鏡の処方や斜視の手術によって治療をすることが多いです。

以上のように、斜視は原因によって、治療のタイミングや治し方が変わるのです。

まとめ

今回は斜視の原因から治療法まで解説しました。斜視はかなり細かい分類があり、今回紹介したのは一般的な内容です。

斜視と診断されたら、慌てずに医師の指示に従ってください。一度の受診で原因が特定できないことはよくあるため、きちんと経過を診てもらうことが重要です。

自然と治ることもありますが、改善してきたからと言って受診を中断するのは避けましょう。全身疾患が原因の場合は再発を繰り返すこともあります。
急激な変化があれば、すぐに主治医に相談してください。

監修者プロフィール

内野 美樹

ケイシン五反田アイクリニック 院長

HP:https://www.keishin-eye.com/

山梨医科大学 医学部卒業後、慶應義塾大学 眼科学教室入局。米・ハーバード大学 公衆衛生学修士取得。慶應義塾大学 眼科学教室 特任講師。
眼科のなかでも「ドライアイ」を中心にした角膜の疾患を専門とする。日本におけるドライアイについての疫学研究の第一人者であり、近年増えている長時間のパソコン作業によるVDT(Visual Display Terminal)症候群などの研究を行っており、日本のドライアイの有病率、パソコン使用時間とドライアイとの関係について世界で初めて証明した。ドライアイにつながる危険因子を研究し、ドライアイ診断に関する国際的な基準づくりにも携わる。
予防医療の啓蒙活動にも力を入れ、『しまじろうとEye Care Book』幼稚園や保育園の先生の目の教科書となるような『子どもの目見守りサポートBook』を作成。
目の健康について学び、セルフケアができるよう、『ナカナイ涙』などのWebサイトの監修も手掛ける。

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