目の悩み
公開日:2021.12.27 / 最終更新日:2022.03.31

眼圧が高い…?要因・対策について解説

眼圧が高い…?要因・対策について解説

目次

「緑の光を見ていてください。目に風がポンっとあたります」
健康診断や眼科で行うこの検査は「眼圧」を測定しています。目に風があたるのが苦手で、できる限りやりたくないという人も多いと思いますが、なぜ眼圧を測定する必要があるかご存知ですか?
眼圧の正常値や眼圧が高いことでどのようなリスクがあるのか、日常生活でできる眼圧を上げない対策まで詳しく説明します。

眼圧とは

眼圧という言葉自体を知っている人は多いと思いますが、眼圧の意味を正確に説明できる人は少ないのではないでしょうか。 眼圧とはその字の通り「目の中の圧力」、もっと簡単に言えば「目の硬さ」を数値化したものです。

眼圧とは

目の中には房水と呼ばれる液体が作られています。房水は毛様体や虹彩と呼ばれる部分から分泌され、角膜や水晶体などの目の中でも血管がない器官に血液の代わりに栄養を与える役割をしています。そして各器官に栄養を与えた後、主に隅角と呼ばれる部分から目の外に出ていきます。この房水が作られる量と出ていく量のバランスで目の硬さは保たれています。

つまり、目の中で作られる房水の量が増えたり外に出る量が減ると眼圧は上がり、逆に作られる量が減ったり外に出る量が増えると眼圧は下がります。眼圧は目を球形に保ち、目の中の血液の流れをスムーズにするために一定以上は必要なものですが、眼圧が高すぎると目の中の神経を痛めてしまうなどの障害が発生します。
mmHg(ミリメートル水銀柱)という単位で表され、10~20mmHgが正常範囲とされていますが、常に一定ではなく一日の中でも変動しています。一般的に寒い時期や夜間は高くなる傾向がありますが、座っている状態と寝ている状態など姿勢によっても変わると言われています。また、個人差もあり、人によっては正常範囲内でも眼圧を下げる治療が必要になったり、正常範囲より高くてもすぐに治療を開始する必要がない人もいます。

眼圧が高くなるとどうなる?

眼圧が高すぎると目の中の神経を傷めると説明しましたが、具体的にはどのようなことが起こるのでしょうか?ここでは眼圧が高くなることによって起こるリスクについて詳しく説明します。

目の中には視神経と呼ばれる神経線維の束が約120万本あります。視神経は目で見た視覚情報を脳に伝えるとても大切な神経です。年齢とともに少しずつ減っていきますが、そのスピードはとても遅いため、通常は一生を通して見え方に影響がありません。しかし、眼圧が高くなると、この視神経が圧迫されて障害を起こしやすくなります。

実際に視神経が圧迫され障害が起きている状態を「緑内障」といいます。緑内障はご存じの方も多いと思います。緑内障になる原因はすべてが分かっているわけではありませんが、明らかな原因となるのは眼圧が高いことと言われています。

緑内障になると視神経が障害され視野欠損(視野が欠ける)が生じます。視野欠損は少しずつ広がりますが、通常は両目でモノを見ているため、見えない部分を左右で補ってしまい、見えない部分があることになかなか気付くことができません。そのため気が付いた時には緑内障がかなり進行していることが多く、さらに放置すると失明してしまいます。

また、急激に眼圧が高くなると「急性緑内障発作」となり、充血・かすみ・目の痛み・頭痛・吐き気などの症状がでることがあります。急性緑内障発作は急速に視野が悪化する可能性がありますので、すぐに眼科を受診することをおすすめします。

眼圧が高くなる要因

では眼圧が高くなる要因には何があるのでしょうか。基本的には目の中で作られる房水の量が増えたり、逆に目から外に出る房水の量が減ることで眼圧が上がるということは説明しましたが、もう少し具体的に説明していきます。

先天的に眼圧が上がりやすい

まずは生まれつき眼圧が上がりやすい場合です。房水の出口となる隅角が狭いなど、目の構造上、もともと眼圧が上がりやすい方がいらっしゃいます。家族に緑内障の方がいると、ご自身も緑内障になるリスクが高くなると言われているのはこのためです。

薬による作用で眼圧が上がる

ごく一部ですが、ステロイド薬を使用すると眼圧が上がってしまうステロイドレスポンダーと呼ばれる方がいらっしゃいます。けっして割合は多くありませんが、ステロイド薬を使用する時はご注意ください。
また、それ以外でも高齢者が気管支を拡張させるときに使用する抗コリン薬など、隅角を塞いで眼圧を上げてしまう危険性がある薬もあるため、もともと眼圧が高かったり緑内障の方は注意が必要です。

外傷で眼圧が上がる

目(もしくは目の近辺)を怪我することで房水が作られる量と外に出る量のバランスが崩れてしまい、眼圧が上がってしまうこともあります。見え方に影響がなくても、目を怪我したら必ず眼科を受診するようにしましょう。

目の病気で眼圧が上がる

緑内障以外の病気によって眼圧が上がる場合があります。ぶどう膜炎や偽落屑症候群などの目の病気だけでなく、血流障害やベーチェット病、サルコイドーシスとよばれる全身疾患でも眼圧が上がってしまうことがあります。

眼圧を上げないための対策

眼圧が高くなることによるリスクを詳しく説明してきましたが、眼圧を上げないための対策はないのでしょうか?

当然ですが緑内障と診断された方には目の中の房水の量を調節することで眼圧降下作用のある点眼薬が処方されます。しかし、ここでは私たちが日常生活でできる眼圧を上げないための行動を紹介します。

食べ物

コーヒーも眼圧コントロールに有効

目に良いと言われているカシスに含まれるカシスアントシアニンは眼圧の上昇を抑える可能性があると言われています。
また、一日一杯のコーヒーも眼圧コントロールに有効と言われています。ただし、カフェインの過剰摂取は逆に眼圧上昇を招くこともありますので、あくまで適量なら効果があるということです。

タバコを控える

タバコを控える

喫煙は健康に良くないと言われますが、目に対しても同じです。煙草に含まれるニコチンの血管収縮作用は目の血流を悪くし、眼圧上昇に繋がると言われています。喫煙は目も含めた全身に悪影響を及ぼします。

有酸素運動

有酸素運動

ウォーキングなどの有酸素運動は全身の血行を良くし、目の血流を良くすると言われています。逆にウェイトリフティングなどの無酸素運動は全身にかかる圧力が高いため眼圧上昇に繋がると言われています。

目の周りを温める

目の周りを温める

目の周りを温めることも良いと言われています。目の周りの血流が改善され、眼圧上昇を抑えるだけでなく、目の筋肉の疲れをとり目全体を癒すことができます。

当たり前のことばかりになってしまったかもしれませんが、眼圧を上げないためには生活習慣の見直しが大切です。

気になることがあるなら病院へ

眼圧の説明から眼圧を上げないための対策まで説明させていただきましたが、眼圧が上がることによるリスクは充分ご理解いただいたと思います。
眼圧が高いと緑内障になる可能性が上がります。40歳以上の20人に1人が緑内障と言われており、実は日本人の失明原因第一位の病気です。緑内障によって欠損した視野は今の技術では元に戻すことができないため、緑内障は早期発見・早期治療が重要です。
気になる症状がある時はもちろんですが、症状がない時でも是非一年に一回は病院で詳しく診てもらうことをおすすめします。

内野美樹

監修者プロフィール

内野 美樹

ケイシン五反田アイクリニック 院長

HP:https://www.keishin-eye.com/

山梨医科大学 医学部卒業後、慶應義塾大学 眼科学教室入局。米・ハーバード大学 公衆衛生学修士取得。慶應義塾大学 眼科学教室 特任講師。
眼科のなかでも「ドライアイ」を中心にした角膜の疾患を専門とする。日本におけるドライアイについての疫学研究の第一人者であり、近年増えている長時間のパソコン作業によるVDT(Visual Display Terminal)症候群などの研究を行っており、日本のドライアイの有病率、パソコン使用時間とドライアイとの関係について世界で初めて証明した。ドライアイにつながる危険因子を研究し、ドライアイ診断に関する国際的な基準づくりにも携わる。
予防医療の啓蒙活動にも力を入れ、『しまじろうとEye Care Book』幼稚園や保育園の先生の目の教科書となるような『子どもの目見守りサポートBook』を作成。
目の健康について学び、セルフケアができるよう、『ナカナイ涙』などのWebサイトの監修も手掛ける。

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