
この記事の執筆者
眼とメガネの情報室
みるラボ編集部

目次
メガネの度数が強いと、見え方に違和感が感じられたり、重くて疲れてしまったり、メガネ越しに目が小さく見えてしまったり、メガネで過ごすのが億劫に感じられることがありますよね。
そんなメガネの見え方や美観の悩みを簡単に解決できるのが「非球面レンズ」です。
本記事では、メガネの装用感を改善する非球面レンズとはどういうレンズなのか、他のレンズとの違いやメリット・デメリットについて解説していきます。
レンズといってもいろいろある
ひとえにレンズといっても様々な種類がありますので、それぞれのレンズの特徴をご紹介します。
大きく分けて2種類のレンズがある
レンズには大きく分けて「単焦点レンズ」と「累進レンズ」の2種類があります。
単焦点レンズ

単焦点レンズは、1枚のレンズの中に1つだけ視力の補正機能を持つレンズのことです。一般的な視力矯正に用いられ、近視用・遠視用・乱視用・手元用と、4つのタイプがあります。
累進レンズ

累進レンズは多焦点レンズとも呼ばれており、1枚のレンズの中で視力を補正する度数が段階的に変化するレンズのことです。
1枚のレンズで遠くの距離から近くの距離まで見ることができるのが特徴で、用途や見たいものまでの距離に合わせて、遠近両用・中近両用・近近両用の3タイプから選択できます。
レンズについてもう少し詳しく知りたい方は、「メガネレンズの基礎知識!どうやって選ぶ?」の記事を参考にしてください。
非球面レンズとは?特徴をご紹介
レンズの設計には主に「球面設計」と「非球面設計」があり、現在は非球面設計が主流となっています。
従来主流だった球面設計はレンズ自体が球面のようにカーブしているのが特徴で、レンズの端に厚みが出る、歪みが強く感じられる、目が小さく見えるといったデメリットがありました。
一方で、非球面レンズとはカーブを浅く設計したレンズで薄くフラットな形状が特徴です。
先述の球面レンズの悩みを改善するためにカーブが浅く設計されているため、レンズの中心部から離れても歪みが生じにくく視界がクリアに見える範囲が広がります。
また、顔の輪郭の崩れやメガネ越しに目が小さく見えるといった美観の悩みを解消できる点もメリットです。
薄型レンズについては「薄型メガネレンズの仕組みって?メリット・デメリットも解説」も併せて参照していただくとより一層理解が深まります。
非球面レンズにも種類がある
レンズのどの面のカーブを浅くするかによって、非球面レンズも以下のような種類に分けられます。
レンズの設計の種類
球面レンズ

レンズの内側と外側が球面になっている。レンズの周辺部が厚く、歪んで見える。
- レンズのカーブ:強
- 厚み:厚
- 歪み:大
非球面レンズ

レンズの外側が非球面になっている。球面レンズより周辺部の歪みを軽減し、レンズの厚みも薄い。
- レンズのカーブ:中
- 厚み:中
- 歪み:中
両面非球面レンズ

レンズの内側と外側が非球面になっている。非球面レンズよりさらに薄型で、周辺部の歪みを軽減。
- レンズのカーブ:弱
- 厚み:薄
- 歪み:小
外面非球面レンズ
外面非球面レンズは非球面レンズの中で最もポピュラーなタイプです。文字通りレンズ外面のカーブが浅く設計されています。
レンズがフラットになることでレンズの中心部と周辺部の厚みの差が少なくなり、歪みが少なく、薄く軽く仕上がるのが特長です。
内面非球面レンズ
内面非球面レンズは、レンズの内側をフラットに設計した非球面レンズです。外面非球面レンズよりも一層周辺部の歪みが抑えられ、自然な視界が得られます。
乱視を補正する度数は、通常レンズの内側に施されます。そのため、内面非球面レンズは乱視の度数が強い方に特におすすめです。乱視矯正特有の違和感を軽減させることができます。
元々外面にカーブがついているレンズや、カーブ指定が可能なレンズが多いため、カーブが深めのフレームにも対応しやすい点もメリットです。
両面非球面レンズ
レンズの外面も内面もフラットに設計したものが両面非球面レンズです。
両面非球面レンズはレンズ内の厚みの差が格段に少なくなるため、周辺部のぼやけや歪みが解消され、シャープに見える範囲が広がります。
顔の輪郭が凹んで見える、目が小さく見えるといった美観の悩みを最大限解消し、周囲の人からの見え方を最も自然にできるのも両面非球面レンズのメリットです。
非球面レンズの中で最も薄く軽く仕上げることができるため、装用感も改善されます。
近視や乱視の度数が強く、メガネに苦手意識を抱いてきた方にこそおすすめしたいレンズです。
コンタクトレンズにも非球面レンズはあるの?
コンタクトレンズにも非球面レンズはあります。

人間の角膜は非球面状ですので、コンタクトレンズも非球面デザインにすることで、角膜へのフィット感をより高め、装用感をよくすることができます。
非球面レンズのメリットとは?
球面レンズのデメリットを解消して、より快適な装用感をもたらす非球面レンズのメリットを具体的にご紹介します。
見え方のズレが少ない
非球面レンズの最大のメリットは、なんといっても見え方のズレが少ないことです。
レンズには外界の光を屈折させ、網膜でピントが合うように調節する役割があります。そのためにレンズはカーブしているのですが、カーブが深くなると、レンズの中心部と周辺部に厚みの差が生じ、視線を動かした時に歪みやズレを感じるようになるのです。
カーブを浅くした非球面レンズでは厚みの差が軽減されるため、歪みやズレを抑えることができます。
メガネをしているとき目が小さく見えない
メガネ越しに見ても目が小さく見えないのも、非球面レンズのメリットです。
光には、レンズの厚みがある方から薄い方に向かって収縮する性質があります。そのため周辺部に厚みが残る球面レンズだと、目が小さく見えてしまいます。
非球面レンズはカーブを抑えフラットな設計になっているため、目が小さく見えないようにすることができるのです。
レンズの薄さ・軽さ
同じ度数の非球面レンズと球面レンズを比較した場合、非球面レンズの方がより薄く軽くなります。そのため長時間かけても疲れにくいのが非球面レンズのメリットです。
レンズのカーブを浅くする非球面設計では周辺部の厚みを抑えることができます。つまりその分レンズ全体をスリム化することができるのです。
度数が強いメガネほど、装用感を格段に改善することができます。
目が疲れにくい

球面レンズでは度数が強ければ強いほど周辺部の歪みやズレが強くなり、その補正のため目や脳が酷使されていました。
非球面レンズは周辺部の歪みが少なく視界がクリアに見える範囲が広いため、目が疲れにくくなります。度数が強い人ほどメリットを感じやすいです。
目の疲れはピント調節機能に影響を及ぼしたり、ドライアイを起こしたりと、視力低下の原因となりかねません。メガネによる視界の歪みやズレが気になっている方は、非球面レンズを試してみるとよいでしょう。
視力低下の原因について知りたい方は「視力低下の原因とは?考えられる病気や対策法を解説」をご覧ください。
非球面レンズのデメリットとは?
非球面レンズはレンズのカーブを浅くすることにより、球面レンズの中心部と周辺部の厚みの差によって生じる装用時の違和感を解消したレンズです。
外面非球面、内面非球面、両面非球面と性能が高くなるにつれて価格も高くなる点がデメリットです。
高性能なレンズには価格差を補って余りあるメリットがありますので、度数や用途に応じてどのタイプを使用するか検討するとよいでしょう。
非球面レンズは
こんな人におすすめ!
非球面レンズは、このような悩みをお持ちの方におすすめです。
メガネの度数が強い人

近視や乱視の度数が強い人ほど、非球面レンズのメリットを感じることができます。
球面レンズは度数が強くなるほど中心部と周辺部の厚みの差が大きくなり、視界の歪みやズレを引き起こします。
厚みがフラットに設計された非球面レンズの見え方は、度数が強くなっても自然です。脳や目への負担が少なくなるため、疲れ目の軽減も期待できます。
目を小さく見せたくない人

従来主流だった球面レンズには、メガネ越しに目が小さく見えてしまう、顔の輪郭が凹んで見えるといった美観の問題がありました。
非球面レンズはメガネを通した時の歪みが格段に軽減されるため、目を小さく見せたくない人におすすめです。
また、目を小さく見せないためには非球面レンズを選ぶ以外にフレームの選び方も重要です。フレームの選び方について知りたい方は「メガネの選び方を徹底解説!似合うフレーム選びのポイントを紹介!」の記事をご覧ください。
乱視が強い人

一般的な乱視用のレンズは、乱視を補正する軸方向が2軸に限られています。そのため、実際の視線が乱視の軸からズレた時に、近視や遠視用のレンズよりも視界の歪みが大きく感じられます。
レンズの厚みの差が少なくフラットな非球面レンズであれば、歪みや揺れなどの不快な見え方を軽減できるので、乱視が強い方にもおすすめです。
まとめ
今回は非球面レンズと他のレンズとの違いや、メリットについてご紹介しました。
非球面レンズを使用すれば、メガネの度数が強くても視界の歪みやズレを軽減することができ、シャープで快適な視界を得られます。
メガネ越しに目が小さく見えてしまったり、フェイスラインが崩れてしまったりといった見た目の悩みも解消できる上、レンズも薄く軽くなって、まさに一石二鳥です。
この記事を参考に、メガネの装用感も見た目も一度に改善できる非球面レンズをぜひ試してみてくださいね。