目の悩み
最終更新日:2024.01.30

レーシックとは?メリット・デメリットも解説

眼とメガネの情報室 みるラボ

この記事の執筆者

眼とメガネの情報室
みるラボ編集部

レーシックとは?メリット・デメリットも解説

目次

レーシック手術について興味がある人やレーシックを受けたけどまた見にくくなってきたという人がいるかもしれません。
この記事ではレーシック手術の方法や仕組み、メリットやデメリット、術後の視力に関してご紹介します。

レーシックとは

レーシックは近視や遠視、乱視の方が裸眼でも遠くが見えるようになるための手術方法です。
手術の方法は眼球の黒目の表面の角膜という部分をレーザーで削ることによって人為的に屈折を矯正します。
具体的な手術の方法は施術をする施設によって多少の差はありますが下記の手順です。

レーシック手順
  1. 点眼麻酔をする
  2. 角膜を切除し、フラップと呼ばれるふたを作る
  3. フラップをめくり、角膜の実質層(角膜の中心部分のこと)を露出させる
  4. 角膜実質層にレーザーを照射する
  5. フラップを戻す(自然に吸着するので縫ったりはしない)

手術の時間は短く、麻酔も点眼薬での局所麻酔なので手術を受けること自体の負担は少ない手術です。日本では2000年に厚生労働省の認可が降りていますが、保険診療ではなく自費診療となっています。

目の仕組みについて

正視

遠視、近視、乱視など目の屈折異常がどのようにしておこるのか説明します。
人間は目に入ってきた像を角膜、水晶体で屈折して網膜にピントを合わせて物を見ています。このときの光を曲げる屈折力と網膜までの眼軸長(目の大きさ)のバランスがぴったりの場合を正視といいます。正視の場合はメガネやコンタクトレンズによる視力矯正をしなくてもハッキリと物が見えます。

遠視の場合

遠視

眼軸長が短いか、屈折力が弱いことが原因で網膜より後方で像が結像してしまう状況のことです。メガネやコンタクトレンズで像を前方へずらす必要があります。

近視の場合

近視

眼軸長が長いか、屈折力が強いことが原因で網膜より前方で像が結像してしまう状況のことです。メガネやコンタクトレンズで像を後方へずらす必要があります。

乱視の場合

乱視

縦と横、または斜めの角度に屈折力が異なるため1つの場所に像が結像しない状況のことです。メガネやコンタクトレンズで像を網膜上の1点へずらす必要があります。

レーシックの
メリット・デメリット

レーシック手術にはメリットとデメリットがあります。
メリットばかりが魅力的で気軽に手術を受けてしまったけど、実際のデメリットについて何も知らなかったという人にも分かりやすくご紹介します。

メリット

屈折矯正の手術はレーシックの他に、目の中にICLという眼内レンズを挿入する方法もあります。しかしレーシックはその方法に比べて手術を受ける側の負担が少なく気軽に受けることができるのでメリットと捉える方も多いでしょう。

メリットのまとめ

手術後の生活について
  • メガネやコンタクトレンズによる視力矯正が不要になり裸眼で過ごせる
  • コンタクトレンズ使用による花粉症の悩みから解放される
  • メガネ、コンタクトレンズにかかっていたコストが不要になる
  • メガネ、コンタクトレンズのケアにかけていた時間から解放される
手術について
  • 手術時間が短い
  • 手術中や手術後の痛みが少ない
  • 手術後の回復が早い

デメリット

レーシック手術のデメリットは多いです。レーシックが保険適用でなく自費診療とされている理由といっていいでしょう。
デメリットも知って納得した上で手術を受けると後から後悔もしなくて済みますね。
詳しく解説します。

  1. ドライアイになる:角膜に切れ目を作りレーザーを照射するため、角膜の知覚神経に影響が出てドライアイになる可能性があります。
  2. まぶしく感じるようになる:角膜が薄くなるので、夜間には特に眩しさを感じる可能性があります。
  3. 角膜が変形を起こす:まれに薄くなった角膜が前に押し出されて変形を起こしてしまうことがあります。こうなった場合は治療が必要になります。
  4. 角膜の透明性が失われ、視力の低下が起きる:レーザーをあてた部分が混濁を起こし、逆に視力の低下を起こしてしまうことがあります。
  5. 徐々に視力が戻る(近視戻りが起きる):角膜が時間とともに眼球内圧に押されカーブが元に戻ってしまい、手術の効果が徐々になくなってしまうことも起こり得ます。
  6. 白内障の手術が正確に行えなくなる:白内障は水晶体という部分が加齢とともに白濁を起こしてしまう病気です。水晶体を人工眼内レンズに置き換える手術をすれば視力は回復します。しかしレーシック術後は角膜の形状が変わってしまっていて、人工眼内レンズの度数を決める際に正確な度数を決めるのが難しくなってしまいます。

レーシック後にも視力は低下

レーシックを受ければメガネやコンタクトレンズから解放され、その後もずっと必要ないと考える方が多いかもしれませんが、それは違います。
視力低下が起きる原因は主に以下があります。これらは誰にでも起こることです。
ここでは、

  • 白内障
  • 老眼

それぞれについて説明します。

白内障

正常な水晶体白内障の水晶体

水晶体が加齢によって白濁し透明性が失われることが原因で視力が低下します。レーシックで手術をした角膜とは違う部分です。
白内障の治療には水晶体を人工水晶体に入れ替える手術があります。

老眼

老眼

人間の目は近くの物を見る時に水晶体の厚さを調節してピントを合わせています。この目の調節力が加齢とともに衰えて手元にピントが合いづらくなることで老眼が起こります。
おもに40代前半から誰にでも起こる現象です。
もとの目が近視の方は水晶体を調節しなくても最初から手元にピントが合うので、老眼を自覚するのが遅くなります。
しかしレーシックで正視の状態に手術してしまうと老眼を自覚するのは、もとの近視の状態より早くなるでしょう。
また、白内障手術をして水晶体を人工水晶体に変えてしまうと調節力はなくなります。
老眼を自覚した時には無理にピントを合わせようとせず、メガネの力を借りて近くを見るようにしましょう。その方が眼精疲労の予防になります。

正しく理解して、最適な治療を

レーシックにはメリットとデメリットがあります。また、手術を受けた後も、視力が永遠に維持できるわけではありません。老眼や白内障で視力の低下が起こる可能性があります。それでもどうしても遠くも近くもメガネを使用せずに生活したいという方は、多焦点眼内レンズを挿入する方法もありますので、眼科医に相談しましょう。多焦点眼内レンズの取扱をしている眼科は多くはありませんので事前に確認してから受診すると良いでしょう。
レーシックのメリットとデメリットを理解した上で、手術を受けるのかの選択と最適な治療が受けられるクリニック選びをしましょう。

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